漫筆日記・「噂と樽」

寝言のような、アクビのような・・・

先軍思想と排軍思想

2017年09月04日 | 政治・経済・こぼれ話
だいぶ昔の話になるけど、
「米中の国交回復」、と云う世界史的大事件がありました。

それまでの米中には、
冷戦時代で国交がなかったのですね。

その後、ソ連、
まぁ、今のロシアです、

こことも米国が手を差し伸べ、雪解けの時代となります。

処が、これに焦ったのが北朝鮮です。

それまで、政治的にも経済的にも後ろ盾となってくれていた中ソ両国が、
互いの敵であったはずのアメリカと握手したのですから。

両国のようにアメリカと仲良くなっては、
経済的にも思想的にも厳しく締めつけている、今の独裁体制が保てない、と考えた金王朝は、

「先軍思想」を打ち出します。

つまり、
同盟国が頼りにならないと考えた北朝鮮が、

自分の身は自分で守る、
そのためには、「すべてに優先して軍事力を強化する」、という方針に転じた分けです。

はじめはうまくいかなかった、この「先軍」も、

ソ連の崩壊で、軍事情報が拡散しだし、
その技術や人材を利用することで、核実験やミサイル性能の向上に成功した。

それが昨今の、
「北によるミサイル騒動」となってあらわれている分けですが、

これを見て分かる通り、
北の「先軍」は、自国の体制を護るための軍事力です。

どこから守るのか、と云えば、
それは「アメリカからだ」と北は言うでしょう。

ここで重要なのは、
国際情勢がどうだ、とか、時代がどうだとか云う話ではなく、

「北がそう思っている」と云うことなんですよね。

韓国の新大統領が盛んに、
「話せばわかる」と、北へ対話を呼びかけましたが、応じる気配はない。

そりゃそうでしょう、
北の望みはただひとつ、「金王朝の生存」、なのですから。

韓国がどう説得しようとしても無理、
北にとっては雑音ぐらいにしか聞こえない。

彼らにとっては、
金王朝を崩壊させる力のある「米国と交渉する」ために、

この何十年、軍事力を磨き続けて来たのですから。

共産党の志位委員長が声明を出し、

日本政府は「軍事的選択肢はとるな」、
そして「外交的解決を」と仰ったそうで、

コレ、言葉は綺麗ですが、
現実的であらねばならぬ、ベテラン政治家の言葉とは思えない。

まず、憲法で縛られてる日本政府に、
「軍事的な解決能力」があるとは思えないし、

「外交的解決」にしても、
「話し合って、核を放棄させよ」と云うことなら、

日米は、
もう何十年もその方針でやってきたが、その結果が今の状態ですよね。

それとも、志位さんの腹は、
話し合って「北の核やミサイルを認めよ」と云うことなんでしょうか。

まぁ、それでいいなら「外交的解決」も可能でしょうけどね。

これ、言ったのは志位さんですが、
そのうちにはリベラル系のメディアも言いだしそうな気がする。

でも、一番怖いのは、
トランプさんがそう言いだすことかな。

「 アメリカまで届くミサイルの開発だけはやめろ

 ただし、核の保有は認めるから、」・・・な~んてね。





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