後で「ガチャン」と音がしたから、
振り返ったら、
どうやら自転車と自転車がぶつかったようす。
周囲には誰も居ない昼下がりの裏通り、
オバさんとオバアさんがそれぞれ手を察すりながらにらみ合っている。
オヤオヤと云う思いで、
近寄ろうとすると、オバさん突然、自転車に飛び乗り、去ってしまった。
その間2・3秒と云う早業、
お婆さん、
しばらくの間、オバさんの去った方向をにらんでいたが、
こちらも自転車にうちまたがると、
さっさと逆方向に行ってしまったから、
どうやら、どちらも大したことはなかったらしい。
それにしても、
道幅5・6メートル以上はあるのだから、
どちらかが「普通に」気をつけていれば、ぶつかるはずはないのだが・・・。
むかし自転車は「クルマ扱い」で、
車道を走るモノだったが、
いつのころからか、法律が改正され、歩道を通るようになった。
思うに、昔は自動車が少なくて車道に余裕があったが、
ある時期から急激にクルマが増えだしたから、
「車道は危ない」と云う事で、自転車も歩道に上げたのだろう。
ただ、クルマの増えた車道でなら、
「自転車は弱者」だが、
歩行者ばかりの歩道では、「自転車は強者」。
自転車に乗る人が、
「強者としての走行」に慣れ過ぎると、
「退(ど)け退け運転」で、
「相手が避(よ)けるのがアタリマエ」と勘違いするヒトも出てくる。
この「カンチガイ族」も、
相手が常識人で、避けてくれている間はいいが、
時に、「カンチガイ族」どうしが出合うと、今日のような事になる。
最近は自転車でケガをする歩行者が増え、
警察の方でも無視できなくなって、違法自転車の取締りが厳しくなったらしい。
先日は、お笑いタレントが、
「競技仕様の自転車」で公道を走り、違反切符を切られたと報じられていたが、
ひどい場合には、
自転車による、歩行者の死亡事故もあると云う事だから、
警察のクチダシも、まぁ、止むを得ない。
ホントなら、車道と歩道の間に「自転車道」を作れば良いのだが、
これだけ民家が密集していては、
道路を広げるのは容易でない、とは誰にでも分かるリクツ。
尤も、自転車道のあるドイツの都市では、
移動に自転車を使う人が増えて排ガスは減ったものの、
朝夕の通勤に、
クルマより速いかと思うような競技用の自転車で、
すっ飛ばすサラリーマンが増えて、
「危なくて仕方がない」と、
テレビでドイツ人が言っていたから、
ヤッパリ世の中、カンタンではないらしい。