漫筆日記・「噂と樽」

寝言のような、アクビのような・・・

油田と独立運動

2017年09月23日 | 国際情勢
イラクの北部、クルド人が多く住む地域で、
「クルド国として独立するかどうか」を問う選挙が行われようとしています。

この地域、クルド人が多数とは云っても、
他の民族もかなり住んでいるので、

クルド人が絶対的な権力を握る独立に反対の人も多い。

イラク政府もまた、
独立には反対の立場ですから、選挙はやらせたくない、

かくて、
賛成派、反対派入り乱れての抗争に発展しかねない形勢です。

クルド人を独立に駆り立てている要因一つに、
この地域が、豊富な埋蔵量を誇る油田地帯だ、と云うことがあります。

「クルド人のためのクルドの国を」と云う民族主義だけではないのですね。

民族主義が盛り上がると、
「俺たちの財産は俺たちで管理しよう」と云う機運も盛り上がる。

油田があるから、
「独立してもやっていける」と云う気にもなる。

イギリスの北部、
スコットランドの独立運動と似てますね。

あそこも北海油田を抱えてますからね。

ほかにも、スペインのカタルーニャでも、
独立を問う選挙が10月の1日にも予定されてますが、

こちらも政府は反対の立場で、揉めてます。

この地域は油田とは関係ないのですが、
地中海に面し、フランスとも国境を接する地域で、経済的にも豊か。

有名な観光資源、
サグラダファミリアもこの地域にありますからね。

以前から、「俺たちの税金が、
他の貧しい地域に使われている」と云う不満が根強く、

独立志向の強い地域です。

これらの独立運動が、
民族主義、ローカリズムであると同時に、経済問題であることも分かります。

つまり、
「独立した方が豊かになれる」と云う意識が独立運動を後押ししてる。

日本で云えば、
もし沖縄に大油田があったとすれば、

「俺たちの石油は俺たちで管理する」と、
沖縄の民族主義が盛り上がり、独立闘争が始まるようなものですね。

いや、北海道だって四国だって、
大油田が発見されれば、同じようになる可能性はある。

ただ、まぁ、
幸か不幸か、いずれの地域も、

独立したら、
今より貧しくなりそうで、そこまでの機運はないようですが。





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