漫筆日記・「噂と樽」

寝言のような、アクビのような・・・

楷書の芸

2020年08月16日 | テレビ 映画 演芸
今年はコロナで、
孫も来ないことだし静かなお盆、

で、お盆らしく、
「地獄八景亡者戯」と云う落語をCDで聞きましてね。

この落語、
地獄巡りの観光案内みたいなハナシで、(笑)

途絶えかけていたネタを、
桂米朝さんが掘り起こし大長編に組み直したもの。

久しぶりに聞いたんですが、
とても面白く聞け、楽しい時間でした。

聞いてて思ったんですが、
米朝さんの落語は「楷書の芸」ですね。

奇想天外な内容なのに、
理路整然?としていて破綻がない。

むかし、
立川談志さんがラジオで言ってたことがあります。

ある素人が、
「落語を覚えたから聞いてくれ」と来た。

「素人の落語なんか聞けるもんか」とは思ったが、
付き合いも長く、義理もある相手なので黙ってやらしてみた。

どうやら米朝さんの落語「はてなの茶碗」を
レコードで覚えたらしいのですが

その時、
談志さんが驚いたと言ってました、

「これが聞けるんだよ」

なるほど、
米朝さんの落語は、

骨格がシッカリしてるから、
ヘタがやっても それなりに聞ける。

確かに、
楷書なら名筆であっても誰にも読めますもんね。

米朝さんのレコードはよく売れたんだそうで、
レコード会社がゴールデンディスクを作りヒット賞を出したほど、

そのため話の数も豊富で、
今でもCD化された音源が沢山残ってます。

今では一門のみならず、
上方は勿論、東京の若手も手本にしてるそうです、

「楷書の芸」ですからね、
教科書にするには一番いいんでしょうね。



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