ある本を読んでいて、
「杓文字」と云う文字に出会いましてね。
その時は文章の前後のつながりから、
「アアしゃもじか」とすぐ読めたんですがね、
これがもし、
前後のつながり無しに出会えば戸惑うかもしれないなと思った。
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【杓文字】しゃもじ
汁や飯などをすくうのに用いる木製などの道具。
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解説に、
「杓子(しゃくし」の後半を略して(文字)を付けた女性語」とあります。
まぁ、浴衣のことを湯もじと云うのと同じ、宮中の女官言葉ですね。
そこまで読んで不図思った。
よく「猫も杓子も」と云うが、あれは何故だろうと。
で、語源について検索してみたら色々あるようで、
その①
猫は「神主」を表す「禰子(ねこ)」、
杓子は「僧侶」を表す「釈氏・釈子(しゃくし)」で、
「禰子も釈氏も」が変化して「猫も杓子も」になったとする説。
その②
猫はどこにでもいる動物、
杓子も毎日使う道具であることから「ありふれたもの」よ云う意味からとする説。
などなど幾つも出てきたが、
これと云う決定打は無く、定説とまでは行ってないらしい。
ただこの言葉の初出は、
江戸時代の「一休咄」とすることで一致しているので、
「一休さんのとんちばなし」の作者あたりの造語なのかな。