暑気払いに、笑い話を二題ほど。
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○熱湯
孫のお花が、
湯の沸いた鍋を持とうとしているので、おしげ婆がしかった。
「コレェ、そんなヤケドしそうな湯ゥ、どこさ持って行くだヨ」
「あのな、隣のタロウ坊がヨウ、
なんでも、湯ゥでつくるゆで卵ちゅうモンは、えろう うまいモンやっちゅうで、・・・
鶏に湯ゥ飲ませてやろう思うて」。
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ではもう一題
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○村の名医
田吾作が野良仕事をしていると、
村医者の玄庵先生が通り掛かったので呼び止めた。
「先生さまヨウ、往診かね、
オラもチョックラききたいンじゃがノゥ」
「ホホウ、
病知らずのオマエさんには珍しい、どこか具合でも悪いのかナ」
「このごろ耳が遠くなってヨウ、
自分で屁ェたれても、聞こえねぇときがあるぐらいでノゥ」
「それはいかんナ、
エエ薬を作っておいてやるから、あとで取りに来なされ」
「ありがとガンス、
で、その薬は耳には良く効くのかネ」
「いんや、耳には効かぬが、屁ェの音はずいぶんでかくなる」