漫筆日記・「噂と樽」

寝言のような、アクビのような・・・

異論のない国

2022年04月07日 | 国際情勢

二週間ほど前かな、
「白熱教室」と云うテレビ番組を見たんですよ。

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 ハーバード大学のマイケル・サンデル教授が「民主主義の危機」に迫る。

 民主主義はなぜ必要なのか?
 中国人はどう思っているのか?
 日米中の若者たちが熱い議論をぶつけ合う!

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見ていて、なるほどなと思ったのが、
いくつかの質問に対し、中国の学生達の答が見事に揃うこと。

例えば、
「中国は民主主義国か」と云う質問に対しても「6対〇」でイエス。

その理由として、
「中国には選挙もあるし
 国会でいろんな意見が出てまとめて行く、だから中国は民主主義国だ」。

その意見を聞いた東大かどこかの日本人学生も、
「中国は民主主義国である」に賛成意見、

理由を聞くと、
「中国の学生の話を聞いてそうなのかと思った」。

別に日本の東大生がどう思おうと構わないんですが、
ちょっと問題かなと思ったのは、

中国のエリート候補たちの意見が同じで、
それ以外のいくつかの質問にもすべて答が揃うこと。

おそらく彼らにとって、
「質問される」とは「正解はどれか」と問われている事と同じなんですね。

つまり、小学校の算数の試験と同じ。

正解は一つしかなく、
問われた方としては素早くその答を見つけることが優秀な証し。

日本では軍事に対し同じ与党であっても、

「最悪の事態を想定した備えが必要」とする自民党の高市早苗さんと、
「防衛費だけを突出させるのはよくない」とする公明党の山口代表とでは意見が違う。

これを中国人学生たちの目から見れば、
中国では「常に正しい答が出る」のに対し日本では常に意見が割れる。

だから、
「日本の民主主義より中国の民主主義の方が優れている」となるのでしょう。

つまり、色んな意見が出ても、
最終的には互いの意見を取り入れまとめて行く民主主義と、

同じような意見ばかりで、
「常に正しい答しか出ない」中国で云う民主主義とは、まったくの別物。

中国の国会や選挙に意見の食い違いはなく、そう云う異論は国家権力が許さない。

従って答が一つしかない国の人々に、
西側の民主主義を理解させるのは、かなりの難題、

これだけは中国人エリート学生の、
いくら優秀な頭脳を以てしても、ムツカシイ・・・かな。 (笑)

 


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