昨日の朝日新聞、「天声人語」がこんなことを書いていた。
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人口問題研究所の調査(2010年)によると、
「現在、交際している異性はいない」と回答した18~34歳の独身者は、
男性で61%、女性で50%もいたが、これは80年代に調査を始めてからの最多。
(中略)
(若者が結婚しない)背景の一つに将来への不安があろう。
雇用、年金、環境と、若い層の漠たる不安は次第に鮮明になってきた。
わが身の明日も読めない時に、家族は構えづらい。
これまた生物としての本能ではなかろうか。
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あはははは、笑うべし笑うべし。
「雇用や年金が不安だから子どもを作らない」と云うなら、
第二次大戦の敗戦直後に巻き起こったベビーブームはどう説明するのか。
江戸時代に、年金があったか、
大正時代の米騒動は、雇用どころか食う米がなくて暴動が起きたのだ。
それでも歴史上の事実として、人口は増え続けて来た。
危機に際しては、
種子を沢山つけようとするのこそが「生物の本能」なのだ。
そう云う理屈で書き始めるなれば、
「人々が暮らしやすいからこそ子を産まぬ」と云う結論になるはずではないか。
さすれば新聞コラムの記者たる者、
「若い人が恋愛もしない、ああ、実にケッコウな世の中である」と書かねばならぬ。
たかが新聞コラムに、本気でイチャモンをつける気はないが、
「天の声を人が語る」などとと云う、
増上慢なタイトルが掲げられていては、
私の如き、ヘソ曲りとしては、
チョッと一言、云いたくなるのでありまするヨ。