漫筆日記・「噂と樽」

寝言のような、アクビのような・・・

“世界の驚き”

2015年09月21日 | スポーツ

すでに、
ビデオの結果は分かっているのに、

それでも興奮しましたね、きのうのW杯ラグビー。

ことに、最後の10分、
同点で、日本のゴール前まで攻め込んでいた南アが、

ペナルティを得たのに、
トライを狙わず、PKを選択したとき、

スタンドを埋めたイギリス人観客は大ブーイング、

「なぜ、トライを狙わぬ」と。

その数分後、
今度は南アの反則で、日本がペナルティを得たとき、

PKを蹴れば同点で引き分けが確実なのに、
勝利を目指して、トライを狙うと分かった時のスタンドのどよめきよう。

ラグビーの本場の観客の声援が、
同情ではなく、確実に日本チームに来ていることが伝わり、

テレビ桟敷のこちらまで、胴が震える思いでした。

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世界のメディアも驚きをもって日本代表の大金星を伝えた。

AP通信は「ラグビーW杯史上最大の衝撃」と報じ、

英メディアのPAスポーツは
「スポーツ史上、最も素晴らしい大番狂わせのひとつ。
だからこそ、われわれはスポーツを愛するのだ」。

ニュースサイトのブリーチャーリポートは
「試合前の賭け率は日本勝利が900倍。
南アフリカが43点差で勝利と予想されていた」と紹介した。

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“世界の驚き”は、
いかに日本ラグビーが舐められていたかの証左でもあります。

思い返せば、
ラグビー人気の凋落の主因はこの「W杯の始まり」にこそあります。

W杯における
日本ラグビーの歴史は、打ち続く惨敗の歴史でもあったのです。

サッカーのW杯の成功を見て、
国際ラグビー評議会(略称IRB)の始めたラグビーW杯は、

ラグビー強国の間でこそ盛り上がったが、
日本のような体力的に劣る国では、

逆に「力の差を見せ付けられ」衰退する、と云う副作用が出た。

あまりにひどい負けようは、
日本国内では英雄的だった選手たちによるものだったけに、

しぜん、観客は失望して、ラグビーから遠ざかる。

ファンの減少はテレビ中継を減らし、
ラグビー人気の下降は、ラグビーをやりたいと思う少年たちをも減らす。

ラグビー人口の減少は、
選手層とファン層を薄くしそれがまた人気を落とし、

テレビ中継もさらに減ると云う悪循環。

それを打破するためには、
IRBによる国籍条項の緩和は止むを得ぬ策だったのでしょう。

ただ、これでラグビー人気復活、
W杯で決勝リーグへ、・・・と思うほど、この世界は甘くない。

また、カタカナ名前の並ぶ、
“ジャパン”が、オールドラグビーファンにとって違和感を伴うのも確か。

しかし、今はそんなことは言いますまい、

とりあえずは、
素晴らしい試合内容での勝利を喜んでおきましょう。







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