漫筆日記・「噂と樽」

寝言のような、アクビのような・・・

女船頭歌

2018年01月04日 | はやり歌 文芸 漫画
民謡を歌っていた三橋美智也は、
歌謡曲の歌手になることを奨められてデビューしたが、

出したレコード七枚がいずれも売れず不発。

とうとう会社側から、
「今度の曲がダメなら考えさせてもらいます」と最後通牒を受けた。

処が、その最後の曲は、
ある歌手が出すレコードのB面、

云わば、おまけにつける付録。

その上その歌は、
ある新人女性のデビュー曲として準備されていたと云うモノで、

内容も、
渡し船を操る女船頭のはかない恋心を歌っている。

添え物である上、
女みなし子の心情を歌うと云う、

とても売れそうにない吹き込みだったが、

これがなんと起死回生の大ヒット、
いきなり三橋美智也をスターダムに押し上げる出世曲となった。

その後、
破竹の勢いでヒット曲を連発したのは衆知のとおり。

三橋美智也は人気歌手であるにも拘わらず、
「哀愁列車」や「リンゴ村から」など、当初はB面だったヒット曲が多い。

私が思うに、

地味と思える素朴な歌なのに、
彼の伸びのある高音で歌われると、

寂しい歌が華やかに聞こえ、

その落差の魅力で、
多くの人を引き付けるのかもしれない。

なお、三橋美智也は、民謡の先生でもあり、
細川たかしや石川さゆりは、その弟子でもある。






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