漫筆日記・「噂と樽」

寝言のような、アクビのような・・・

アウトローの嘆き節

2021年11月04日 | はやり歌 文芸 漫画

藤圭子さんが亡くなられて早や13年ですか。

何を歌っても上手い人でしたが、
ことにアウトローをテーマにしたこの人の歌には独特の凄味がありました。

例えば「ネリカンブルース」。

♪♪
 身から出ました錆ゆえに夢を見てさえ目がにごる
        恨む親でも有ればいい、一人生きてく世が寒い

 曲がりくねった道だからひねくれ根性で歩いてた
      俺も人の子人なみに過去もあります傷もある

 金で昔が買えるなら、堅気になります稼ぎます
    殴って夢が覚めるならなんで喧嘩をするものか ♪♪


ネリカンとは東京練馬区にある少年鑑別所の通称で、
その鑑別所の受刑者の間で歌い継がれていた「嘆き節」を、

商品として通用するようブラッシュアップしたのがこの歌。

この中の、
「恨む親でも有ればいい、一人生きてく世が寒い」と云う歌詞は、

家庭的な愛に恵まれなかったのであろう
不良少年たちの心情を藤圭子さんが見事に表現していて哀切。

この曲、
古くから歌われていたようで、

「可愛いスーチャン」と云う、
新兵さんの悲哀を歌った同じメロディーの唄もありますが、

いずれにしても作曲者不詳で、
歌詞はその歌われた場所により様々。

いろんな人が吹き込まれていて
それぞれにいいのですが、

私の知る限りでは、
渥美清さんの歌う「可愛いスウちゃん」と藤圭子さんのこの歌が双璧。


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【アウトロー】outlaw

 法の保護や秩序の外にある者。
 無法者。

 


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