藤圭子さんが亡くなられて早や13年ですか。
何を歌っても上手い人でしたが、
ことにアウトローをテーマにしたこの人の歌には独特の凄味がありました。
例えば「ネリカンブルース」。
♪♪
身から出ました錆ゆえに夢を見てさえ目がにごる
恨む親でも有ればいい、一人生きてく世が寒い
曲がりくねった道だからひねくれ根性で歩いてた
俺も人の子人なみに過去もあります傷もある
金で昔が買えるなら、堅気になります稼ぎます
殴って夢が覚めるならなんで喧嘩をするものか ♪♪
ネリカンとは東京練馬区にある少年鑑別所の通称で、
その鑑別所の受刑者の間で歌い継がれていた「嘆き節」を、
商品として通用するようブラッシュアップしたのがこの歌。
この中の、
「恨む親でも有ればいい、一人生きてく世が寒い」と云う歌詞は、
家庭的な愛に恵まれなかったのであろう
不良少年たちの心情を藤圭子さんが見事に表現していて哀切。
この曲、
古くから歌われていたようで、
「可愛いスーチャン」と云う、
新兵さんの悲哀を歌った同じメロディーの唄もありますが、
いずれにしても作曲者不詳で、
歌詞はその歌われた場所により様々。
いろんな人が吹き込まれていて
それぞれにいいのですが、
私の知る限りでは、
渥美清さんの歌う「可愛いスウちゃん」と藤圭子さんのこの歌が双璧。
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【アウトロー】outlaw
法の保護や秩序の外にある者。
無法者。