「詩をよむ会」と云うコントの中に出て来る詩、作者は又吉直樹さんです。
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「許してくれ」と乞うケモノ
ポッケのナイフに従います
生きたいかと問うケモノ
ポッケのナイフに従います
切られてひらかれて
焼かれて食われたホッケ
小窓から登った煙をね
ずっと睨んどったの
悔しくてね、悔しくてね
憎くてね、憎くてね
焼かれた体では
もう昔みたいに海で泳げれんのよ
もう一度海で泳ぎたいわ
わたしね 笑って海で泳いどったん
笑ってね 笑ってね
笑いながら海を泳いどったん
息継ぎせんでどこまで行けるかとか
友達と遊びながらね 笑って泳いどったん
切られてひらかれて
焼かれて食われたホッケ
悔しいなぁ 憎いなぁ 泳ぎたいなぁ
皿の上のホッケの目ん玉だけが天井を泳いでる
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