漫筆日記・「噂と樽」

寝言のような、アクビのような・・・

食われたホッケ

2022年01月27日 | はやり歌 文芸 漫画

「詩をよむ会」と云うコントの中に出て来る詩、作者は又吉直樹さんです。

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「許してくれ」と乞うケモノ
ポッケのナイフに従います

生きたいかと問うケモノ
ポッケのナイフに従います

切られてひらかれて
焼かれて食われたホッケ

小窓から登った煙をね
ずっと睨んどったの

悔しくてね、悔しくてね
憎くてね、憎くてね

焼かれた体では
もう昔みたいに海で泳げれんのよ

もう一度海で泳ぎたいわ
わたしね 笑って海で泳いどったん

笑ってね 笑ってね 
笑いながら海を泳いどったん

息継ぎせんでどこまで行けるかとか
友達と遊びながらね 笑って泳いどったん

切られてひらかれて
焼かれて食われたホッケ

悔しいなぁ 憎いなぁ 泳ぎたいなぁ

皿の上のホッケの目ん玉だけが天井を泳いでる

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