きのうの続き。
牢抜けの計画を打ち明けた文七、
「行くか行かぬかはそれぞれの判断、
なれど、秘密は守るべし」と凄みを効かせ、さて、・・・
尚、以下の文中、
「ゲザイ」は、鉱山の穴掘り人夫、下在。
「穿(うが)つ」は、穴を掘ること。
「土間(どま)」は、石畳や床板が無く、土を突き固めた床。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
残りの奴ばら、これを聞きて、
「一々尤もなり、
さてまた、
汝はいかなる秘術ありて、この企てを成すや」、
文七云う、
「我、元は銀山のゲザイなり、
故に土を穿(うが)つことに妙を得たり、
この牢に移りし始めより、右の術 心に浮かみたり。
そのわけは、
此の牢は、中に少し土間あり、これこそ天の与えと思いしなり、
万づ我にまかせよ」と云う。
皆々文七が言を信ず。
さて、銘々が自らの罪を測るに、
半三郎、庄八、ほか二人、
文七と共に五人は、遁(のが)れ難き大罪なれば、
これ等は示し合わせて、いよいよ抜け出るに究む。
その余の者共は、軽き罪科ゆえに残るに決す。
それより文七、無駄言を堅く禁じ、密事の漏れるを制し、
秘そかに古き大釘など引き抜き、
ひそひそと支度して、雨の夜を待つ。
~~~~~~~~~~~~~~~~
昔の建築には、断面の四角い釘も使われていて、
大きな物は、長さ10~20cm、一辺が7~8mmぐらい有ったろうか。
ここで使われた釘の寸法までは分からぬが、まぁ、その辺りだろう。
牢抜けの計画を打ち明けた文七、
「行くか行かぬかはそれぞれの判断、
なれど、秘密は守るべし」と凄みを効かせ、さて、・・・
尚、以下の文中、
「ゲザイ」は、鉱山の穴掘り人夫、下在。
「穿(うが)つ」は、穴を掘ること。
「土間(どま)」は、石畳や床板が無く、土を突き固めた床。
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残りの奴ばら、これを聞きて、
「一々尤もなり、
さてまた、
汝はいかなる秘術ありて、この企てを成すや」、
文七云う、
「我、元は銀山のゲザイなり、
故に土を穿(うが)つことに妙を得たり、
この牢に移りし始めより、右の術 心に浮かみたり。
そのわけは、
此の牢は、中に少し土間あり、これこそ天の与えと思いしなり、
万づ我にまかせよ」と云う。
皆々文七が言を信ず。
さて、銘々が自らの罪を測るに、
半三郎、庄八、ほか二人、
文七と共に五人は、遁(のが)れ難き大罪なれば、
これ等は示し合わせて、いよいよ抜け出るに究む。
その余の者共は、軽き罪科ゆえに残るに決す。
それより文七、無駄言を堅く禁じ、密事の漏れるを制し、
秘そかに古き大釘など引き抜き、
ひそひそと支度して、雨の夜を待つ。
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昔の建築には、断面の四角い釘も使われていて、
大きな物は、長さ10~20cm、一辺が7~8mmぐらい有ったろうか。
ここで使われた釘の寸法までは分からぬが、まぁ、その辺りだろう。