漫筆日記・「噂と樽」

寝言のような、アクビのような・・・

日本映画グラフィティ

2015年11月01日 | テレビ 映画 演芸

先日、ネットで、日本映画のポスターを眺めていて、
その懐かしさから、いくつか保存しているうち、

自分の好きな日本映画ベストテンを選んでみる気になった。

いろんな映画を入れたり外したりしているうち、残ったのが、この十本。

「ゴジラ」
「吹けば飛ぶよな男だが」
「瞼の母」
「赤ひげ」
「肉弾」
「続・悪名」
「七人の侍」
「浪花の恋の物語」
「女の賭場」
「無法松の一生」

なお、順位は、ポスターを保存して行ったら、
並びが勝手にこうなっただけで、作品の良しあしや好悪とは無縁。

また、小津安二郎や木下惠介作品がないのは、
ひとえに、その当時私が暮らした町に松竹の三番館がなかったと云う理由による。(笑)

つまり、このベストテンは、
私が映画館で見た、と云うことを基準にしている。

☆「ゴジラ」
云わずと知れた日本製怪獣映画の嚆矢にしてして最高傑作。
日本映画数ある中で、「最も外貨を稼いだ映画」、との評判が高い。

☆「吹けば飛ぶよな男だが」
もし今、山田洋次さんが亡くなればその代表作は、
「寅さんシリーズ」や「幸せの黄色いハンカチ」となるのはあきらかなれど、
この映画は、私が「映画監督・山田洋次」を最初に認知したと云う意味で記憶に残る映画。

☆「瞼の母」
歌舞伎や新国劇では数々の名演があり
また、大衆演劇ではいまだに繰り返し上演される人気の戯曲。
映像化された中では、決定版とも云えるのがこの映画。
主演の中村錦之助は勿論、木暮実千代や沢村貞子の名演も心に残る。

☆「赤ひげ」
山本周五郎の名作「赤ひげ診療譚」を黒澤明監督で映画化。
気難しい周五郎をして、「小説よりいいよ」と言わせたと伝説のある名画。

☆「肉弾」
反戦映画数々あれど、この映画に勝るものはない、・・・と私は思う。
新人、大谷直子が清純そのもの、低予算映画にもかかわらず、キャストも豪華。
監督・脚本 - 岡本喜八。

☆「続・悪名」
雨の中、寄り添って歩く男女の傘の動きを上からの俯瞰撮影で写しておいて
その脇から突如として飛び込んでくる若者、手には光るドスが。
続いて傘の内側から、腹を抑えてうずくまる田宮二郎のアップ、そしてひろがる鮮血。
映画史に残る、美しくも凄絶なラストシーンは、
実は、時間とカネに追われて、セットを組む余裕がなく、苦し紛れに工夫されたものだった。

☆「七人の侍」
日本映画の実力を世界に知らしめたスペクタクル名画。
その制作エピソードの数々がいまや伝説となって、神秘性さえ帯びている。

☆「浪花の恋の物語」
原作は近松門左衛門作の戯曲「冥途の飛脚」、
中村錦之助が歌舞伎役者のままだったらさぞかし・・・、と思わせる名演、
有馬稲子が美しくも哀しい。
監督内田吐夢。

☆「女の賭場」
脇役専門だった江波杏子が初めて得た主役が、博打場の女壺振り。
いわばゲテモノだったが、彼女の眼光鋭い立ち居振る舞いが本物のよだうと人気を得、シリーズ化。
のちには他社でも類似作品が企画されるほどになった「女賭博師シリーズ」の記念すべき第一作。

☆「無法松の一生」
これぞ真の純愛映画。第19回ヴェネツィア国際映画祭、金獅子賞受賞。

以上ですが、
別の日に選びなおせば、また違うものになる可能性大。 (笑)





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