漫筆日記・「噂と樽」

寝言のような、アクビのような・・・

殉職したカードマジシャン

2016年03月20日 | 
本屋へ行っても、
落語の本はわりとあるのに、漫才の本と云うのはめったにない。

図書館で探しても同じで、
要するに“漫才の本は売れない”ので、出版されないのだろう。

そういう中で苦労して見つけた一冊・・・「昭和漫才」、

と云うのはウソで、実は、米朝さんが亡くなられて早や一年かと思いながら、
「桂米朝」で検索したら出てきた一冊。 (笑)

タイトルは「昭和漫才」だが、
副題に米朝・上岡が語るとあるように、

元漫画トリオの上岡龍太郎さんが、
米朝さんや、夢路いとし・喜味こいしさんを相手に漫才を語ると云う対談本。

昔懐かしい人や知らない人の話がぞろぞろ、
ミス・ワカサ島ひろし、 上方柳次・柳太 、若井はんじ・けんじ、
海原お浜・小浜、 宮川左近ショウなんてところの写真が出ていて、

うわぁ、なつかし、
桜川末子・松鶴家千代八なんて写真があるがな。

と一人で喜んだり、

当時はテレビのコマーシャルも生放送で、
栄養ドリンクの宣伝で、
「疲労を取り、体力をつける!」と言うべき処を、
「体力を取り、疲労をつける!」と言うてしもて、即日クビになった、

と言うような話を笑いながら読んでたら、こんな話が出てきた。

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いとし「(手品師の) ジャグラー都一さんはね、階段でこけて亡くなりはった。
米朝 「京都駅の階段でね、手をかばって頭から落ちた」
上岡 「手を置いとけば、骨折したかも分らンけども死ぬことはなかった」
いとし「手をケガしてはイカンからいうて、手をカバーして、
     本能的にそうなるンやね」
米朝 「肩の骨が砕けても何とかなると。
     指の骨が骨が折れたらもう出来ひん。あの人のカードはホントにうまかった」

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これも立派な殉職ですからね、
寝転んで読んでたけど、思わず座りなおしました。






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