漫筆日記・「噂と樽」

寝言のような、アクビのような・・・

斎藤緑雨

2016年03月19日 | ものがたり

@ 賢い人の教え

あのな、心の綺麗な人はアホやねんで、 いつも損ばっかりするねん。
魚かてそやろ、綺麗な水には棲まんと、濁った河にばかり群れよる、
それ知ってたら、魚獲りたい思うたらどこへ行ったらええか分かるやろ。

そやからな、おカネをもうけようと思たり、
女に持てようと思たら、どうしたらええかも、それで分かる云うモンや。


@ 物知りの教え


あんな、阿保と賢は頭の良し悪しや、
けどな、その人が善人か悪人かは、人柄によって決まるねん。

そやから、頭のええ人は計算が先に立つさかいな、悪人になりやすい。
けど、頭悪いと、損得あと回しになるさかいな、善人になりやすい、

今の世間が上手いこと行かんのは、賢い奴ばっかり多いさかいや。
これが阿保ばっかりになったら、あんがい上手いこと行くかも分からんで。


@ 利口な人の曰く

わし、思うねんけどなぁ、ペンは一本で書くやろ、
箸は二本で食べるわなぁ、一本が二本に勝てる分けがない。

どだい、ペンでメシ食お なんてなこと、考えるのんがおかしいねん。

そやから、新聞記者や作家てな人らは、どっこかで無理してるか、インチキしとるねんで。




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