漫筆日記・「噂と樽」

寝言のような、アクビのような・・・

喧嘩祭り

2015年09月18日 | せけんばなし

国会の騒ぎを、テレビのニュー映像で見てましてね。

まるで夏祭りのようだナ、
これでもセンセ方はきっと楽しいンだろナ、

自分たちは天下国家の大事を争ってるつもりで、
ムチュウなんだろナ、と思いました。

むかし、私の育った村の隣町に、
地域では有名な「喧嘩祭」がありましてね。

各町内で作った手製の神輿の周囲を花で飾り、
中央に樽酒や一升瓶や果物籠を積み上げ、

さらに細竹に刺した
金一封入りの祝儀袋やなんかを派手に飾りつける。

これで町内を練り歩き、
最後には、主催の神社の境内へ集まる。

ここからが祭のクライマックス、
狭い境内で、ぎっしりの観衆が囲む中、

神輿が一台づつ、
拝殿の周りを回るんです。

初めはユックリ回りだした神輿が、
掛け声の高揚とともに勢いがついて、次第に早くなる。

ワッショワッショとまわる神輿が、
三周目を過ぎたあたりで、見計らったように、

祭りの祝い酒で勢いのついた
村々の男たちが飛び掛っていくんです、

神輿の金一封や酒を目指して。

神輿の側も防戦しましてね、
居るんです、

神輿の周りには割れ竹をもった
これも酒で勢いのついた若い衆が何人か、

その竹棒で、
神輿に襲いかかる男たちをビシバシと殴って追い払う。

とうぜん、流血の騒ぎにもなるし、
感情的になって、喧嘩になることもある。

でも、この祭には暗黙の了解がありましてね、
殴るほうも、あるていど殴ったら、神輿を明け渡す。

つまり、最初に襲った男は、
殴られて怪我をする危険も負うが、

獲物も良いものが獲得できる分けです。

あとから出て行った者に殴られる危険はないが、
潰れかけの花束や、夏みかんのかけら程度しか手に入らない。

ここでは、
最初に飛び出す勇気ある若者が観衆からの賞賛を浴びる。

国会の騒ぎを見てましてね、
これも、暗黙の了解がある騒ぎなんだろな、

野党議員は、カメラを通して向こうの、
国民の目を意識してかかっているのだろうし、

与党も、ある程度それを許し、
もうここらで、と云う処で、騒ぎに決着をつける。

私の田舎の喧嘩祭は、
ちょっと荒れた年がありましてね、

翌年から、警察が「指導」して、
「平和的な行進」に変わり、喧嘩はなくなりましたが、

地元の親戚の話では、
「もう、昔のようなワクワク感はなくなった」とのこと。

もう国会の方も止めた方がいいと思うんですが、
でも、さすがに「警察の指導」と云う分けにはいかないんでしょうね。

見っともないんですけどね、、アレ、

中身がなくて。









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