漫筆日記・「噂と樽」

寝言のような、アクビのような・・・

ドレミのうた

2012年05月19日 | はやり歌 文芸 漫画

「ドレミのうた」なら誰もが知ってるが、
この歌が、あるミュージカルのために作られた歌だと知る人なら、

今ではもう、そんなに居ないかもしれない。

ハリウッド映画、
「サウンドオブミュージック」が大ヒットしたのは、もう半世紀も前。

この物語にはモデルがあり、
原作は、映画の主人公となった女性の自伝だとは私も知らなかった。

その自伝、
マリア・フォン・トラップ著「トラップ・ファミリー合唱団物語」に登場する次女、

マリーア・フランツィスカさん、93才が、
テレビのインタビュー番組に登場してそのころのことなどを語っていた。

映画はナチの追及を逃れてスイスへの国境を超えた処で終わるが、
ここで云う「そのころ」とは、主にそれ以後、

つまり、アメリカに渡って家族の合唱団としての暮らしぶりなど。

大家族が所持金もなく、
見知らぬ土地で暮らすのはもちろんタイヘンだったろうが、

彼女の語り口は朗らかで映画のイメージそのまま、

なんだか、歴史の彼方の人のように思っていた彼女が、

テレビの画面で「くっくっく」と楽しそうに笑いながら、
そのタイヘンな苦労を、明るく語っていることが不思議に思える。

興味深かったのは、彼女が40才を過ぎてから、
宣教師としてパプアニューギニアに渡り、30年余りも暮らしたこと。

表情や語り口に憂き世離れした品の良さがあるのは、
彼女が貴族の出であり、敬虔なキリスト教徒であったからか。

番組が終わるころには、
シワだらけの彼女の笑顔が、とてもチャーミングに思えてきたのでした。







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