むかし 一匹のオウムが 旅をしていました。
そんなある日 夢中で飛んでいるうちに 辺りがすっかり暗くなってしまいました。
真っ暗な山の中で オウムは恐くて泣いていました。
するとそこへ 山の動物達が集まって来て オウムが怖がらないように 歌をうたってくれたり 食べ物をくれたりとても優しくしてくれました。
翌朝オウムは みんなのお陰で元気になって 山から旅立って行きました。
数年後 旅が終わり故郷へ帰る途中 山火事を見つけました。
とても大きな山火事です。
その山はなんと！！ オウムを助けてくれた動物達が住んでいる山でした。
逃げ場を失ったみんなが 火に囲まれて困っています。
「みんなを助けなくては。」 オウムは池に飛び込み 体を濡らし空へと駆け上がり 必死に羽をバタつかせて水滴を落としました。
それを何度も何度も 繰り返しました。
オウムの体はもう ボロボロです。
こんなに大きな山火事が 一匹のオウムのわずかな滴で 消える訳が有りません。
それでもオウムは 必死に必死に続けました。
その時です！！
天から大粒の雨が ザッバー!! と 音を鳴らして降り出して 山火事を消してくれました。
みんなへの恩返しのために 最後まで諦めずに必死に火を消そうと 頑張るオウムの姿を 天から見た神様が雨を降らしてくれたのでした。
私達もオウムのように 何事も諦めずにきちんと最後まで頑張る心を 持たなければいけませんよね。
頑張っている姿は 必ず天に通じますからね。
合掌 栄久山 妙善寺
