昔々 ある村の家に とても綺麗な女性が訪ねて来ました。
家の主人は あまりの美しさに びっくりして ついつい見惚れてしまうほどでした。
「さあさあ 中へ入ってお茶でも。」 と喜んで 家の中へ案内すると 美しい女性の後ろから もう一人女性が一緒についてて来ました。
一緒に来られた女性は とても汚い身なりをしていて 髪はボサボサ 足元は 泥だらけでしたので 主人が慌てて 「あ~ そんな汚い恰好で 家の中に入っては困る。」 と外へ連れ出してました。
すると その女性が言いました。
「あなたは 大変な幸福を逃してしまいました。」
「私の姉は 吉祥天 と言う福の神です。 私は妹の 黒闇天 貧乏神ですが 私達姉妹は いつも一緒に行動しているので 私を外に追い出せば 姉も出て行ってしまいますよ。」
する とその通り 福の神は貧乏神と一緒に出て行ってしまいました。
私達は あ~幸せになりたい あ~お金持ちになりたいと願う事があります。
願う事は 決して悪い事ではありませんが その事ばかりに 目がくらみ 我を忘れてしまうと 本当の幸せを見落としてしまうかもしれません。
福の神と貧乏神が 一心同体のように 人生にも 楽しい事や苦しい事があるからこそ 感謝の心が学べるものです。
苦しい事の後には 必ず嬉しい事 幸福が訪れる事を 忘れずに・・・
合掌 栄久山 妙善寺