明源寺ブログ

浄土真宗本願寺派

163000人 一気読みが出来る本・・・・

2013-09-24 23:32:13 | Weblog
六草いちかさんの注目の本、『それからのエリス・・・いま明らかになる鴎外「舞姫」の面影』を購入し読みました。「舞姫」の主人公であるエリスの生涯を描いた本。ブログで紹介した直後に、9月9日に通信販売にて購入。その感想を、すぐブログに投稿しよう考えていましたが、あれやこれやで遅れてしまいました。

393頁の新刊本を一気に読みました。まるでミステリー小説を読むようで非常に面白く、それこそ一心不乱に3時間程で読破。気がつけば徹夜に近い状態でした。今まで、多くの学者先生が追い求めてきたエリスというドイツの美しき女性とは誰なのか。諸説紛々で、エリスという女性は常に薄いベールに覆われて、その正体は謎のままで推移していたと言って過言ではありません。
若き時代、初めて「舞姫」という鴎外の作品を読んだ時、直感として「舞姫」は鴎外の至心懺悔の本であると感じていました。鴎外の人生とは、華麗は社会的外面とは裏腹にエリスの面影を求めた人生ではなかったのかと感じていたのです。
そして、鴎外との結婚を夢見て来日した乙女が、夢破れて傷心をいだきドイツに帰国し、どのような人生を歩んだのであろうかという事は、私ならずとも「舞姫」を読まれた読者の皆さんが一応に思いを抱く事です。
鴎外にとっては、エルスと結ばれなかった事は痛恨の極みであったに違いありません。筆者の六草いちかさんは、エリスと鴎外は遠く離れても生涯に渡ってお互いを意識し心で結ばれた存在であったと数々の証拠をあげて考えておられます。この結論を拝見し「ホッ」としています。運命の赤い糸は簡単には切れる筈はないのです。逆境にあればあるほどに、その糸は強く確かな糸として二人を結びつけていくのです。私は、そのように思っています。
六草いちかさんのエりス探しの執念には驚くほかはありません。執念という表現よりも、「私はここよ」というエりスの呼び声に導かれての不思議な調査であったと強く感じました。
それにしても、一気に読破できる本にめぐり合えて非常にラッキーでした。何日経過しても、一向に読めない本ばかりでウンザリしていましたから・・・
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