りん日記

ラーとか本とか映画とか。最近はJ-ROCKも。北海道の夏フェスふたつ、参加を絶賛迷い中。

飛んだ~……けど

2008-08-22 23:30:35 | ラーメンズ - DVD・本・雑誌等レビュー
昨日、「飛ぶぞ~」の記事の送信ボタンを押すと同時にくるくるさんが帰って来ました。
タイミングとしては一番ベスト。
それから1時間ほどくるくるさんが晩ご飯食べるのに付き合って、
その1時間のあいだに「上野はすごい」を30回くらい言って(オリンピックの話ね)、
お風呂に入ろうとするくるくるさんに
「私、これからDVD見るからv 待ちに待ってたのが今日届いたのv」
と風呂から上がったあとも絶対ジャマしてくれるなオーラをびしばしに出しながら
顔だけは笑顔で言って、
電気を全部消して、お茶をいれて、テイクオフいたしました。

くるくるさんは珍しく察してくれてお風呂から上がるとすぐ自分の部屋に行ってくれたんだけど、
最後の10分、あの美しい12秒の直前というタイミングでなぜかちびっちょが寝ぼけて起き出してきた。。。
そんなこと年に何回もないのにー。コワい夢見たんだって。
水飲ませて、おしっこ連れてって、そのあと膝に乗せながら一緒に最後の10分を見ました。
ぼやーと半分寝てて、いろいろ話しかけてこなかったからよかった。ふー。


というわけで、KKP#5『TAKEOFF』の感想です。

2006年の初演のころは、ラーメンズの名前だけをかろうじて知っている程度でした。
2007年の春頃はまって、はまったころちょうど『TEXT』で札幌にも来てたんだけど
そのときはまだはまりたてで当日券並ぶというアタマはなく、みすみす機会を逃し、
だけどそのあとすぐ頭の上までどっぷりはまりきって、
セカンドフライトは東京に見に行きました。

初ナマ賢太郎さん、かつ初KKPでした。(DVDでもまだKKPを見ていなかった。)

あんなに楽しい経験は他にあんまりしたことありません。
賢太郎さんは美しいし、久ヶ沢さんはおかしいし、オレンヂくんは一生懸命さが眩しかった。
計算され推敲され尽くしたセリフの一つ一つ、
ピッタリタイミングがはまって小気味いい三人の動き。
音楽で盛り上げ、セリフの応酬で笑わせ、ストンプで魅せる。
夢のようだった。



第4幕までは。


東京で舞台を見たあとすぐも思ってたんです。
なんか不満が残るな……?と。
なんだろう、すっごく楽しくて、翌週土曜日の千秋楽にもまた来たい!
当日券並びたい!って本気で考えたくらいだったのに、
それでも何かモヤモヤしたものが残る。
手放しで、サイコー!!って叫べない。

でもあのときは初めてのKKPだったし、初めての生賢だったから
そのモヤモヤは妥当なものではないかもしれない、
もう一回落ち着いて、ちゃんと見たらそんなモヤモヤは解消されるかもしれない、
とも思ってました。
だけど今回DVDを見て、やっぱり同じところに不満を感じてしまいました。






以下ネタバレあります。未見の方はご注意下さい。






私、わかんないんだよねー。
どうしてシノダは飛びたいの?

あの5幕、急すぎない?

4幕まででにおわせていたのはシノダの裏切りだけ。
語られたのはアビルの迷いやオリベの寂しさだけで、
シノダ自身の苦悩にはまったく言及がない。

主人公はアビルであってシノダじゃないから?
アビルが旅の答えを見つけたから、それでいいの?

でも私はシノダに感情移入したかった。
仲間を裏切る後ろめたさもさることながら、
夢だった世界旅行と愛しいHAE機の板挟みにあって、葛藤があったはず。
実は裏切っていたというどんでん返しよりも、
シノダの苦しみをていねいに描く方をとってほしかった。
そうすれば最後に3人で飛べたときの観客のカタルシスは
もっとずっと大きかったんじゃないか。


結局私ね、『TAKEOFF』で賢太郎さんにもっと語ってほしかったんです。

舞台で見たすぐあとは、まだ他のKKPを見てなかったから、
期待しすぎたのが悪かったのかな、って思ってました。

そのあとKKP4作品を見てみて、ああ、KKPってこういう感じなのか、
楽しく見られればそれでいいんだな、って思った。
だとしたら、『TAKEOFF』もすごく楽しかったから、あれはあれでいいのか、
と思った。思おうとした。

だけど、やっぱ、ちがう。
だって、賢太郎さんだもん!!
楽しかったからいいやで終わらせたくない。
賢太郎さんが、『TAKEOFF』が、その程度で終わるのやだ。
もったいないよ。

もっとストーリーがほしかったの。
笑いだけじゃなくて、楽しさだけじゃなくて、語ってほしかったの。
シノダがどんなに苦しんだか、教えてほしかったの。
そりゃ説明しすぎはかっこ悪いけど、説明するんじゃなくて語ってほしいの。

初演の台本と比べて、ラストが大きく変わったんでしょ。5幕が。
でもラストを大きく変えるのなら、そこに至る4幕までもそれなりに変わってしかるべきだと思うの。
だって、過程があってのラストでしょ。
過程をあまり変えないでラストだけ変わったら、やっぱり乖離しちゃうんじゃない?
ラストが説得力持たないんじゃない?

4幕までがものすごく楽しかっただけに、もったいなくてしかたがない。
去年の10月、舞台見たあとのモヤモヤの正体はこれだ。

ああいうはっきりしたメッセージ性のある作品にするなら、
もっと語ろうよ。語ってよ。できるでしょ?
賢太郎さんならできるはずだよ。
あえてしないの? 
語りは要らない作品と語る方がいい作品ってあると思うの。
『TAKEOFF』のストーリーなら明らかに後者だと思う、んだけど……ねぇ?





=8/23 0:06 追記=
そういえば、あのときあんなに楽しかったハンドクラップ、
改めてDVDで見たら頭にあったのとまったくちがうリズムなので軽くショックでした。
どうりで、「DVD早く来い~」との思いを込めていくら叩いたって来ないわけだ。
じゃあ私が叩いてたのはなんだったのだろう。。。


それと、DVDで見たら賢太郎さんがずいぶんむさいのでこれも軽くショックでした。
実物は……きれいでしたのよ。美しかったのよ。おっかし~な~?(笑)
後ろ髪の長さは実物で見たときも気にはなったけどね。


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16 コメント

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Unknown (よつ葉)
2008-08-23 00:29:09
HAVE A NICE FRIGHT!
お疲れ様でした。

私は収録されたものをみて、
ここまで違和感を覚えたのは、
始めてかもしれません。

ドアップに違和感。


そして、5幕、よく言われてますね。
シノダの動機が分からないとか、
シノダは何を失い、フライトしたいと思ったかとか・・・。


なんとなく、プー子さんの、
「シノダ終始ダサい」説が
しっくりきています。

脇に徹してる、本当のサブキャラ。
だから、あまり語られないのかもなぁ・・・と。

もしくは、シノダは
プライドと、作り上げた作品を失ったか、
失うものすらない人だったのか・・・。

難しい・・・。
返信する
Unknown (りん)
2008-08-23 00:56:12
~よつ葉さん
ウン。。。難しいね。。。

シノダだけに限らず、オリベのことだって、主人公アビルのことも、
もっと語るべきだったと私は思う。
ていうか、語ってほしかったんだっっていう勝手な思い(笑)。
5幕だけで急に話をまとめようとしてもムリがあると思うし。。。

あー、また眠れないよ~(苦笑)
返信する
こんなこと… (プー子さん)
2008-08-23 09:40:03
言っていいのか分からないけど(言うけど)

イメージをつなぎ合わせて書いたって印象でした。
やりたいシーンをつなげて出来たストーリーっていうの?
ビジュアル先行っていうか。
コラージュ的っていうか。
それに無理矢理ストーリーをくっつけたっていうか。
私も昔ストーリーを(小説)書いたことあるから、
なんとなくそんな行程を感じました…

辛口。

これ自分のブログで言わなきゃダメだよね。
ごめんねりんさん。
でもいつもりんさんの記事読むと
自分の考えがクリアになるんだ。
だからね。りんさんのブログは素晴らしいと思うの(笑)

で。ワタクシ的最大の違和感は。

作る人サイドに立って考えると、
絶対に作品(HAE)を換金なんかしない。
シノダのあのオタク度からして、
むしろ大金を払ってでもHAEは手元に置きたいはず。
そこが納得できなかった。
もはや過去の夢=世界旅行なんてどうでもいいっしょ?

よつ葉さんも…ドーデス?(笑)
返信する
Unknown (ふう)
2008-08-23 18:41:02
深い・・深いなあ、皆さん。
ず~っと心待ちにしてのTAKEOFF。
やっとあえたHAEと3兄弟。
私はひたすら楽しくて・・。

確かに、飛行機オタクのシノダさんが
自分でも図面を引くだけだったのが
初めて形になったって喜んでたシノダさんが
それでも仲間を裏切っても
HAEを売ろうとまでした理由・・・

どうしてそこまでできる?って思うよね。
私も?って思ったのは確かなんだけど・・

シノダさんは飛行機オタクだから・・
というより、世間とか会社とか、
そういうものになじめない人なのかなって。
子供の頃から周囲のそういうものに
なじめずに、そこからTAKEOFFしたいっていう
思いを、飛行機にたくしていたのかな。
しがらみのない広い空を、自分だけの世界を
ずっと旅していたかったのかなって・・。

物事の進展には悪も必要・・
そんな話の時「・・袖の下」って
吐き捨てるように言ったでしょ。

飛行機に乗りたくて旅行会社に入ったけど
まったく違う仕事に追われ、あげく首になって
でも、飛行機を作る事で、本当にやりたかった事をできるって「夢」見たのかなって。

・・KKPについては、りんさんのように
感じる方も多いようです。
賢太郎さんが「演劇」という形にこだわるのが
わからないとはっきり言う方も・・。

私は・・結局よくわからない。
賢太郎さんの「説明不足」はほんと
悩ませるよね(笑)
その「悩み」にはまって、
「答え」を出そうとして、
さらに「深み」にはまっていくのかな。

「SWEET7」をあれだけ「長く」したんだから
「TAKEOFF」はもっと「時間をかけた」作品に
なってもよかったかな。
それはもったいないと私も思います。


「実物はもっとかっこよかった。
これ、私の知り合いも言ってたよ(笑)


りんさんのブログを読むと、
考えがクリアになるっていうプー子さんの
言葉に賛同します(^^)

長文失礼しました。









返信する
Unknown (りん)
2008-08-24 00:19:21
~プー子さん
うん、ストーリー後付けって感じがするよね。
そういう感じにならないように台本を練り直しての再演だったのでしょうけど、
やっぱりそういう感じは否めないね。
だから5幕の居心地が何とも悪いです。
劇場で見たときはうつむいて唇をかみしめる賢太郎さんの表情に見とれてたから
まだよかったけど、こうしてDVDで見ると居心地悪くて
おしりがモゾモゾしちゃう。

違和感。だよねー。感じるよねー。
あそこで観客にそれを感じさせちゃ、絶対ダメだと思うの、作劇上。
なのにあのシーンは違和感の連続。
シノダが裏切った動機にも「?」だし飛びたい動機にも「?」だし、
アビルが怒りの矛先を収めたのも「?」。
一番大事なあのシーンにこんなにたくさんの「?」があっちゃ、
ストーリーとしては破綻してると言わざるを得ない。
不親切すぎるんだよね。
賢太郎さんが説明しないところを汲み取って汲み取って
自分なりに納得するのが本当のファン?
でもそればっかりやってたら、誰かに「閉じてる」とか言われるのも仕方ないと思う。

>ごめんねりんさん。
ううん、いいよいいよ(笑)。
うちに来て言ってってくれるの嬉しいよ。

>自分の考えがクリアになる
えーそーなの? 本人は全然クリアにならないよー…(笑)


~ふうさん
ふうさんのように、作者の語らない部分を自分なりに汲み取って想像する余地があるのも
賢太郎さんのつくるものの魅力の一つだとは思うんだ。
「ATOMより」だって「銀河鉄道の夜」だって、説明してないあいまいな部分があるからこそ
あんなに見る者を惹きつけるんだもんね。
だけど……だけどなー……(以下略)

>賢太郎さんが「演劇」という形にこだわるのが
>わからないとはっきり言う方も・・。
彼は「演劇」をつくってる、という意識はないんだと思うな。
「こんなことをやったら見る人を喜ばせられるんじゃないか」と思いついたことを、
それぞれそれに適した形態のライブに振り分けてるだけだと思う。
だから賢太郎さんが「演劇」にこだわってるとは私は思わないんだけど、
ただ今回の『TAKEOFF』はこれまでのKKPに比べてかなりストーリー性を持った、
限りなく演劇に近いものだよね。
せっかくこういうものをやるんなら、
もっと語ってもよかったんじゃないか、語ってほしかった、
と私は思うのです。

シノダの一人称で、賢太郎さんの手によるノベライズが読めたら
私は満足するのかもしれません。



……そう、素敵だったんだよ、実物!
何回も言うけど(笑)。
なんであんなにちがうんだ?
ナマで見た賢太郎さんの舞台をさらにDVDで見るのは初めてなので
わからないんだけど、
いつもそうなのでしょうか、それとも今回に限ってなのでしょうか、
知りたいです。

>考えがクリアになる
えー、ふうさんもー?(笑)
私はなんだかぐにゃぐにゃだよぅ。



返信する
Unknown (桃戸千)
2008-08-24 07:38:31
昨日も午後からマッスグにPCを占領された桃戸です

どーも遅れまして申し訳ありません


えと、プー子さんのイメージのつなぎ合わせって私も思いました
イメージというか、思いついた「コント」のつなぎ合わせ


それが本当にコラージュ的なものなら「?」は浮かばないのだろうけど、下手に良いストーリーがあって、オレンヂさんが好演してたもんだから余計に「?」ってなりますよね


そうなんですよ、私も「あびるくん」の怒りの矛先はどうなっちゃったの?ってそこがね
それ主役の心描くの忘れてるよー、そこ一番大事だよーって・・・

だから篠田の「あんたなんでそんなに優しくできるんだ?(あいまい)」のセリフが空々しいんだよなー


りんさん、私もごめんね
もう何度もこの不毛感を味わったから自分のブログでは書くのやめようかなって思ってたぐらいなの
だけどりんさんからのメールで、「ああ、まだ同じこと思ってる人もいるんだ、だまってちゃけして賢太郎さんのためにならないかな・・・」って思いました

プー子さんが言ってる「クリアになる」っていうのは、自分が抱えてるモヤモヤがはっきり言葉になるということだと思います
そして私もそうです
ありがとうです


ダイアリーなんか読むとね
アンケート読んで泣いてる賢太郎さんの写真なんか見るとね
もう・・・いいか
なんて思っちゃんったんですよ


チーム40にはこのへんの単純さが足りないだわ、「良かった」でいいじゃん・・・てね


桃戸には結局「KKP」は向いてないんでしょうか
でも、「ペーパーランナー」とかは好きだったんだけどなー

あっ、あれにはあの人が出てたか・・・





返信する
Unknown (Denko)
2008-08-24 07:47:16
HAEは「換金」したかったんじゃないと思うんです。
確かにやろうとしてる事は「換金」に見えるけど、実は「保存」だと思うの。
だってシノダさん無職だもん。
失ったものがないんじゃなくて、既に失ってるもの。
きっと、換金したお金で世界一周はしないと思う。
再就職して、自分の環境が整えば、「換金」したお金を元手に買い戻す事も考えてる気がするんです。
今は自分のものにすることが出来ないから、確実に「保存」出来る場所が欲しかったのかもしれない。

「遊ぶ金欲しさデスヨ」って、のだめの嘘と同じなんじゃないかな・・・。

そしてストーリー上、シノダが語るとアビルがかすむ。
オリベの男気も目立たなくなっちゃう気がします。

桃戸さんとこでようやく理由が判りました。
わたし、コレでいいデス。
ひとりすっきりしてて、皆さんごめんね(笑)
返信する
あれ?ニアミスった・・・。 (Denko)
2008-08-24 08:14:08
コメント書いてるうちに桃戸さんとニアミス。
なんかチグハグになっちゃいました。

アビルくんの怒りの矛先・・・
桃戸さんちにコメント落としてきましたが、「男同士の友情」で流したんじゃないかと。
賢太郎さんが上手く書けてないのかもしれないけれど、アビルくんはオリベさんを立てたんじゃないでしょうか。
返信する
いきなり参加で失礼します (ゆん)
2008-08-24 14:03:39
皆さんの白熱したご意見を読ませてもらって
改めて、賢太郎さんってすごいなぁ、と
感じてしまいました。

ラーメンズ初心者なので
今回のDVD見て、
生で見たら、さぞ興奮できたろうに、
悔しいわぁ!
くらいの単純な感想しかなかったのですが
確かに、5幕をあらためて見てみると
皆さんの言われることも、なるほどごもっとも!!

でも、生の舞台ではそれほど違和感は
感じられなかったんですよね。

エンターテイメントとしては大成功ってこと?
DVDになったことで、映画のように、
見る側に、ストーリー性の要求度が高まってしまった?

違和感満載と身構えて見た5幕でも
「俺が誰かを許さないと
 誰かに俺が許してもらえない」
っていう、織部さんの台詞は、
しっかり私の心の中に入ってきました。
勝手に"意味深だなぁ"なんて思い込んで。


”みんな”で何かを作り上げることは楽しい
でも、
”みんな”の中にはいろんな考えの人が居る
それでも、
”みんな”の目的が一つならきっと分かり合える

10年近く子供劇場ばかり見てきた弊害でしょうか、
文部科学省ご推薦バリの解釈になっちゃいましたが
こんな感じで納得しちゃったら
甘~~~い!んでしょうね、きっと。

それと、
男って単純なんだよねぇ!ってのはダメ?

しかし、
初めに戻りますが
こんなに熱く語り合えるテーマを提供できる
賢太郎さんって、やっぱすごいですわ!
そんで、こんなに深ーく掘り下げて
ひとつのお芝居を観ている皆さんにも脱帽。

いきなり
庶民派コメントで雰囲気壊してたらすみません!



返信する
Unknown (りん)
2008-08-24 22:39:00
~桃戸さん
私もね、そりゃもうありますよ、忸怩たる思い。
素直に楽しかった、よかった、でいいじゃん。
賢太郎さんにとっても大事な作品になったみたいだし。
三兄弟大好きだ、それでいいじゃん。
ってね、言ってスッキリできたらそんないいことないですよね。

だけどね…… ねー。
諦めたくない!ですよね。

賢太郎びいきなことでは誰にも引けをとらない桃戸師匠が
同じ気持ちだと言ってくれるのはとっても心強いです(笑)。
そして、私は桃戸さんの文章読むと、
「ああ!こういうふうに言えばいいのか!」ってスッキリします。
こちらこそありがとうです。

私も『PAPER RUNNER』好きです。
5作品の中で一番かも。

>あっ、あれにはあの人が出てたか・・・
ああっ、それはイッチャイケナイ!(笑)
また別のモヤモヤが再発しちゃうよ~~


~Denkoさん
はいはいはい、ミエテキタヨー。
Denkoさんが桃戸さんとプー子さんとうちに残してくれたコメントと
それに対するプー子さんのコメ返しを読んで、
シノダの裏切りの動機についてはスッキリしました。

そういうことか~。

お金じゃないんだね。世界旅行じゃないんだね。
シノダがほしかったのは、HAE機なんだ。
HAE機を飛ばせば壊れてしまう。
だから倉庫に大切に保管するために、マニアに売ることを考えたんだ。
だから裏切ったのかぁ。
ハイハイハイ、ということは、シノダが飛ぶために差し出したのは、
そのHAE機そのものだったんだね。
アビルは自転車、オリベはスクーター、そしてシノダはHAE機。
やっぱり三人とも「自分の大事な乗り物」を差し出してたんだ。
整合性はとれてたんだ。

うわー、そうか、そうだったんだ!
すっげすっきりした!!
サンキューDenkoさんとプー子さん!

……ん、オレだけ?
いまごろわかったのオレだけか?
みんな見た瞬間からもうわかってた?
あれー…………?

イヤ、だけどさ、だったらなんであそこで世界旅行とか言うかなぁ。
あれでずいぶんわかりにくくなってない?
なんで素直に「飛びたい、けど飛ばせたくない!」って言わせないのかなぁ。
不器用だから? 言ってたもんね、「自分…不器用っすから」って(笑)。

あとね、アビルの怒りがおさまる件についてはまだスッキリしないなー。
HAE機を保管したかったっていうシノダの気持ちがあそこでわかったのかな?
でもそういう描写はないよねぇ。
Denkoさんの言うとおり、ただ単にオリベの男気に免じて矛先を収めてやった、という感じだよね。
それ、主人公の心の動きとしては単純すぎてつまんなくない……?

>賢太郎さんが上手く書けてないのかもしれないけれど
それ。それなの、私が言いたいの。
アビルのことに限らず、5幕は、いや、この芝居全体が、それ。
うまく書けてない。
説明不足と記事中で書いたけど、不足してるんじゃなくて、下手なんだ。
で、私はそれに納得がいかないの。
賢太郎さんが下手だなんて、そんなのはイヤなの。
何でも上手でみんながひれ伏すんじゃなきゃイヤなの。
文句の付け所がないものをつくってほしいの。
つくれると思うの。
コントとかの短いものはすごいけど長編はイマイチだよね、じゃ絶対イヤなの。

なんぼでもやりようはあったと思うんだ。
確かにDenkoさんの言うとおり、5幕でシノダの独白を長々やらせるのは私もまずいと思うけど、
1~4幕まででなにげない描写を積み重ねてシノダの苦悩を観客に感じさせることはできたはず。
それがまったくないから、5幕の展開が急だと感じちゃうんです。

なんか……ほんとに……
賢太郎さんて、器用で不器用なひとだよなぁ……
ついてく私たちは苦労するよねー。
頼まれもしないのに勝手に苦労してんだけどさー(苦笑)。


~ゆんさん
ううん、生の舞台見たときから、「チーム・納得いかない」の桃戸さんも私も
モヤモヤしたもの抱えてたの。
(ちなみに直後のモヤモヤを書いた私の記事は2007年11月20日にアップされてます。
グダグダで恥ずかしいから本文中ではリンク貼らなかったんだけど、
もしよろしかったら…)
だからDVDになったことでそれが変わった、というのはないんです。
むしろ、そのモヤモヤを再確認して決定的なものにしてしまった、という感じかな。

結局ね、私が「納得いかない」のは、
「なぜシノダが」「なぜアビルが」っていう内容に関することではなくて、
そのへんのことをファンに考えさせて補わせる脚本を
賢太郎さんが書いてしまったことに、なんです。
ファンだから多少わかりづらいところがあってもいろいろ補って解釈してくれますよ。
その上で感動したりしてくれますよ。
だけどそれじゃ広く受け入れてもらえる作品にはならない。
あくまで「小林賢太郎信者向け」のもので終わってしまう。
ケラさん騒動のときにも書いたけど、私はそれは絶対にイヤなんです。
あの人はそんなところで終わる人じゃないんです。

「様々な解釈を許す」作品と「解釈して補わないとよくわからない」作品とでは、
解釈をする作業は同じでも作品としての質は雲泥の差だと思うのですよ。
『TAKEOFF』は残念ながら、後者の作品だと私は思うんですよねー……


あああ、なんだか熱く語っちゃいました。
ひかないでね、ゆんさん。また来てね。



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