スキージャンプ&スポーツ竹内元康発言

スキージャンプ選手、全日本コーチ、解説者、トレーナーを経て・・・今だから語れること。

スキージャンプWCニジニタギル、エンゲルベルグ

2014-12-25 17:28:41 | スキージャンプ
日本チームの今回はメンバー総入れ替えで臨んだ。
葛西紀明、伊東大貴、竹内択、清水礼留飛、小林潤志郎から
栃本翔平、渡瀬雄太、伊藤謙司郎、作山憲斗へ。
 
何故?と思われる人も多いのではないか。
これは、出場枠を拡大するためで、ピリオド毎にWCランキング55位までの選手が
出場権が与えられるということがあるから。
今回派遣されたメンバーは55位以下の選手達で、4戦戦って1人でもランクインすれば、
次戦からの4HTは最大枠の6人でエントリーすることができる。
 
最大枠を確保できていない国ならば何処も新しい選手を投入してくるのはごく当たり前のことだが、総入れ替えをするというのは正しい選択だったのだろうか・・・
調子が悪ければ入れ替えられて、トレーニングをし直して調子を取り戻させる。
こういう流れがセオリーだろう。
2試合程度ならまだしも、続けて4試合もトップランカーを外すということは、どういった意味があるのか…
 
紀明は十分に総合トップを狙える位置だったし、大貴もシードをキープできそうな状況だったからね。
選手個人からチーム枠を増やすために俺を外して他の選手を入れてくれと志願するなんてことは考えられない、何処でそういう決定が下されたのだろう・・・?
これは早々とオフィシャルに派遣が決定されていたが、状況次第では変更があっても良かったのではないかと思う。
そういう臨機応変さも今後は必要だろう。
リアルタイムでCOCと平行で戦略を立てれないから、こういう状況になってしまうということも言えるしね。
 
結果的には1枠増やす事が出来たからといってスルーするのではなく、この事については議論して欲しい…
 
済んでしまったからもうあれこれ言ってもしょうがないが、このやり方だとWCで総合チャンピオンを出すのは難しいだろうね。
勢いからいっても十分にチャンスがあるスタートだっただけに、こういうシーズンがいつもあるわけではないから…
 
この4試合でトップ10の変動がめまぐるしくあったね。
非常に面白い展開だ。
また新たなウイナー(ファンネメル)も誕生したし、ここまで7名が優勝という、昨シーズンにも増して戦国時代の様相だ。
まだ5人ほどの勝者がいてもいいくらい。
 
そんな中で、栃本翔平、作山憲斗は健闘できたと思う。
特に憲斗のエンゲルベルグでの覚醒ぶりが良かったが、2戦目の予選での失格は痛い。
体重300g足りなくてスキーの長さ規定に触れてしまった。
 
こういったミスも日頃COCに参戦させてると起こり得ないこと思われるが・・・
国際舞台での経験が不足してるのが如実に表れた結果。
最高峰の舞台でいらない経験をしてしまったが、なめて臨んでるとこういうことになる。
誰も失格しようと思ってやってる訳ではない。しかしながら組織、スタッフ、コーチ、選手は二度と同じ過ちを犯さないよう徹底してほしい。
 
今週末からは毎年恒例ではあるがシーズン最初のハイライト、フォーヒルズトーナメント(ドイツ語ではフィア シャンツェン トルネー)!
日本メディアでは未だにジャンプ週間。
もうそろそろ呼び方を統一しないか・・・
 
今季の総合チャンピオンは誰になるのか?!
コウデルカ、ファンネメル、ハイベック、アマン。
このあたりが軸とはなるだろうが、もっと名前を挙げると、
プレフツ、ダミヤン、シュリーリ、フロイント、紀明。
そして大貴、択にだってその力はある。
他にもゾーンに入ってしまえば可能な選手は多々。
 
なかなかここまで風の状況が安定してこない試合が続いているが、良い風を貰える選手というのも勝者として必要なファクター。
そして必ずそれをモノする選手でなければ総合を獲るのは難しい。
10日間で4会場4試合、プロフィールが全て異なるジャンプ台でスキルをアジャストする能力の高さが求められる。体力、メンタルのタフさも。
 
Jsportsで全てLIVE中継!
今週末が待ち遠しい!!
 
 

スキージャンプWCリレハンメル個人第4戦第5戦

2014-12-10 11:49:25 | スキージャンプ
予選はサプライズとは言っちゃいけない⁈潤志郎がトップ通過をはたして、本戦に楽しみを与えてくれた。
風も良かったが質も大分向上してるように見えた。
 
 
 
択が予選を通過できなかったのはショックだった。
 
長いシーズン、こういうこともあるんだけど悔しい…
 
本人コメントで雪上の感覚が掴みきれてないのが全てか…
 
 
 
しかしここ何シーズンか風が安定しないリレハンメル。
 
 
 
案の定というかトライアルラウンドから近年稀に見る追風のカーニバル(;゜Д゜i|!)
 
 
 
危険が伴わなければいいが…
 
 
 
ゲート設定はかなり高速仕様だが、苦戦する選手は多数。
 
向い風ならWC選手であれば掴まえるのは皆んな上手いが、追風となるとそうはいかない。フライトのスキルがそうとう高くなければ。
 
そして、テイクオフでもほぼパーフェクトでなければ、そのフライトテクニックも駆使する余裕が無くなる。
 
ちょっとした突風でも吹こうものならもうノーサンキューだ。
 
 
 
そんな中での潤志郎!
 
スーパーいいジャンプ!!
 
と思いきや、ランディングでスキーを取られて転倒( ;  ; )
 
なんちゅうこっちゃ!(◎_◎;)
 
139mがぁ…
 
95%ルールで救済は受けたが、なんとも残念。
 
表彰台に乗れるチャンスどころか、優勝の可能性すらあった。
 
シッカリチャンスをモノにできるのも一流の証し。
 
薬としてはかなり強力だったが、失敗は成功の母と誰かが言ってたが、正にそれを期待したいね。
 
 
 
もう一つのサプライズはオーバーオールトップのアマンが2本目に進めなかった(^◇^;)
 
普通じゃあり得ないことだけどねぇ。
 
 
 
大貴は上手かったなぁ、大変なコンディションだったけど上々の4位!
 
ポディウムまでわずか2p
 
 
 
 
 
ノリも一本目であわや退敗…となりそうだった28位から12位までのジャンプアップは天晴れ。
 
 
 
礼留飛はここにきて色々悩みを抱えてるようだな。
 
狂い出したら予選と試合続きのWC、修正するのは大変。
 
帰国してからだね。
 
 
 
そしてこの日の劇場を自分のものにしたのは王者と言っていいでしょう、シュリーリことグレゴア・シュリーレンツァウアー(AUT)
 
 
 
巡ってきたチャンスは絶対逃さない!
 
これこそ王者。
 
久々に見た、あの獲物を狙うような眼!!
 
シュリーリが強くなくてはやっぱりジャンプは盛り上がらない。
 
そして、強いシュリーリを誰が倒すか、これが面白いんだよ。
 
 
 
ほぼ1年ぶりの勝利は彼を目覚めさせたかな⁈
 
 
 
日が明けて個人第5戦、リレハンメルの2戦目
 
 
 
今日は風さん、暴れないでよと思いながら予選をライブスコアでチェック。
 
 
 
なかなか良さそうだよ、向い風だし。
 
 
 
いい試合が中継できそうだなぁとスタジオへ!
 
LUNA SEAのギタリストINORAN氏がスペシャルなゲストで!
 
 
 
さあ放送開始。
 
ん?なんか予選ラウンドと違わくないか…
 
なかなかスムーズに試合が進まないぞ…
 
そう、風向きも強さも全然かわってるではありませんかΣ(・□・;)
 
あちゃー!です( ;  ; )
 
30分ディレイのインフォ。
 
 
 
再スタートしたけれども、状況は余り変わらず。
 
数値的にはそれ程強くはなかったような感じだったが、良し悪しの差が大きい。
 
風の塊が入ってきては抜けと、そのサイクルを繰り返す。
 
公平だとは言い難いが、アウトドアの競技だから割り切らないといけない部分もある。
 
危険度が高くないならいたしかたない。
 
 
 
シード組に入った頃くらいから少し安定した状況になったろうか。
 
ビッグジャンプが多数見られ、これは紀明もイケるぞと思いきや、まさかの追風にぶち当たる。
 
おい、一人だけ貧乏くじかよ…
 
INORAN氏がゲストだっただけに、余計に残念だった。
 
参ったね(T . T)
 
 
 
追風の塊が抜けた時のタイミングで飛べたら日本チームもいいリザルトを残せただろうに、調子が悪くないだけにね。
 
 
 
結果、日本チームは
 
14位 大貴
 
16位 択
 
17位 紀明
 
21位 潤志郎
 
 
 
1位はコウデルカ
 
2位がプレフツ
 
3位がハイベック
 
 
 
さあ期待を持って2本目だ!
 
 
 
あれっ、キャンセル~~~~
 
という訳で競技は成立。
 
見てる方はあっけない幕切れに、開いた口がポカ~ンヾ(゜0゜*)ノアレアレー?
 
 
 
やはり公平性が担保できないという判断か…
 
はたまた放送時間の関係での打ち切りか…
 
 
 
1本目のリザルトが最終結果となった。
 
 
 
今回の遠征メンバーは全員が一旦帰国、代わって違うメンバーが参戦。
 
チームの参加枠を増やしたいということ。
 
調整しなければいけない状態の選手はいたしかたないが、オーバーオールを狙う選手にはどうなんだろうか…
 
 
 
それに、入れ代わりで行く選手もCOC等に参戦してからとかではないとポイントを獲るのは難しくないだろうか…
 
雪上のLHは飛んでない訳だし。
 
 
 
準備として事前にヨーロッパの何処かでキャンプしてから参戦とかならまだいいのだろうが、暫く飛んでない状態では短期参戦で好結果を望むのは期待薄かな…
 
 
 
これも資金がなくて実現性はないけどね。
 
 
 
才能溢れる選手達が闘いに行くわけだから、その力を発揮させてあげれるような環境を提供してあげられなければ、成果を上げるのは難しいよ。
 
 
 
そんな中でも選手達の健闘を祈りたいと思う。
 
 
 
 
 
 
 
 

スキージャンプ女子WCも開幕

2014-12-07 19:21:07 | スキージャンプ
スキージャンプWCの女子も開幕した。

1位スペラ・ロゲイル(SLO)
2位ダニエラ・イラシュコ(AUT)
3位高梨沙羅(JPN)
6位伊藤有希
30位岩渕香里

前日のトレーニング、そして予選は向い風で飛びやすかったが、試合は一転して追風だ。

そうなると、また別の飛び方が要求されてくる。
案の定、まだテクニック的に未熟な女子には難度が高いようだ。
それに、ランディングの評価も昨シーズンよりかなり厳しくジャッジされている。
勝つためには昨季よりも重要度が増しているから、シビアに考え、取組んでいかなければならないだろう。

全体のレベルは着実に上がっていて、混戦模様を呈している。

開幕戦ともあってナーバスになっている選手も多く見受けられた。
ここはしょうがない部分かな…
経験積まなければね。

チーム的にはオーストリア、スロベニア、ドイツ、アメリカ、ロシアあたりの層が厚くなったなという印象。
その他各国もエース的な存在が現れてきている。

高梨沙羅の総合3連覇に向かっては、昨シーズンのような訳には行かなそうな気配もあるが、この事は彼女が更に強くなるためのカンフル剤にもなりそうだ。

日本チームはTOP2以外の選手の成長が今季も課題。
まだまだ力の差がある。
強化費や環境がシッカリ整わないと、いつまでも戦える選手は2人のままだ。
日本代表でWCに出場するのに交通費自己負担とかあり得ないことだし…
勝負以前の問題も早急にクリアして欲しいもんだ。

それに、選手自身も本気で世界を獲りたいと滲み出るようなファイティングスピリットを全面に出していかなければね、根性論ということではなくてね。

次戦WCまでは1ヶ月ある、海外勢も更にレベルアップしてくるだろう。

日本チームもシッカリ準備して挑んでほしい。