スキージャンプ&スポーツ竹内元康発言

スキージャンプ選手、全日本コーチ、解説者、トレーナーを経て・・・今だから語れること。

エンゲルベルグ

2015-12-26 04:31:36 | スキージャンプ

初戦はJsportsでのLIVE中継、ゲストに紀明とも交流のある、陸上の走り高跳びの現役日本チャンピオンで歴代3位の記録を持つ戸邊(とべ)直人選手を招いて。
素晴らしいアスリートだったよ、頭もいいし!
別競技の話も興味深く面白く、そして役に立つんだよね、なにかと。




個人5戦目となるが、今季ここまで風に悩まされ翻弄されっぱなしで、まだ本領を発揮できないでいる選手も多い中、今回も追い風に祟られそうな予感が予選から…

日本チームは6名全員が予選通過で、この辺は当たり前のように力は持っているが、本戦ではどうも少しのツキが廻ってこない。

もっとも、そうは言っても現段階の実力や調子は紀明以外は10本の指にはまだ入ってはきていない。
20本の中には位置しているが、この辺りだとワンチャンスもらってトップ10に入れるかどうかという位置。

条件が悪いとすぐさま圏外、その事を念頭に置い見ていかなければね。
過度な期待は兎に角禁物。

15位~30位なんてのはもうサバイバルゲームそのもの。
ポイント圏内から50位までだって条件次第で途端に絵図が変わってしまう今季のWC。



そんな中で紀明の3位表彰台!
新聞もこぞって書く最年長表彰台記録更新。
今季のパフォーマンスも昨シーズンと同様高いレベルだね。
改善しなければならないところは着地のテレマークランディング。
昨シーズンよりもジャッジスコアは多少よくなっているが、フロイントやプレフツと比較すると、やはり1審判1~1.5は負けている。
1本につき3~4.5は、2本の合計になると5m前後飛距離で負けてしまってることになるからね。
この差は大きい、なんとしても埋めなければだよ。

それにしても、この日の驚きはプレフツ3号ことドメン・プレフツ(SLO)16歳の2位!
何処まで続く、あのイケイケアタックジャンプ!
そして、兄プレフツとのワンツーフィニッシュは、WCではおそらく初めてじゃないのかな。

プレフツ1号はオーバーオールを獲っちゃうんじゃないか!?くらいの高レベルでの安定感は圧巻。

この日、ノルウェーが今季初めて表彰台を外したが、弾数は充実してるくらい充実。


2日目も追い風ピューピュー!
にもかかわらずプレフツ1号がヒルレコード更新付きで3連勝で3勝目!


ゴラン・ヤヌスヘッドコーチも笑が止まらないだろうね。


2位ハイベック(AUT)、3位ガングネス(NOR)もハイレベルだった。

ハイベックは4HTに向けて更にギアが上がって行きそうな雰囲気。

ガングネスはノルウェーの主砲になりつつあるか…

シュトックル率いるノルウェー、チーム力が本当に高い、タンデ、フォルファング、ストイェルネン、ファンネメル、ヒルデ。
甲乙つけがたいね。

もうまもなく全スキージャンパー憧れの舞台、4ヒルズトーナメント!
今季のゴールデンイーグルは誰が勝ちとるのか。


ディフェンディングチャンピオンはクラフト(AUT)
オーストリアは7連覇!



プレフツかフロイントか?!
ノルウェー勢?!
ドイツ勢?!
オーストリアの8連覇はあるのか…
クラフト、ハイベック?!
出場が微妙だったシュリーリは覚醒するか…

紀明は…
ストッフは…
アマンは…

はたまた大外から…

楽しみだね

JsportsでのLIVE中継、是非ご覧くださいね。




15-16リレハンメル

2015-12-08 02:20:15 | スキージャンプ


ラージヒルで予定されていたゲームだったが、強風の為2試合ともノーマルヒルに変更して開催された。

初戦は2時間以上を要して1本で決着。
優勝したのは昨シーズンの総合チャンピオン、フロイント(GER)


今シーズンが開幕してから悪天候続きでオフィシャルトレーニングがほとんど出来てない状況、ルカも2試合ともキャンセルで、試合感もまだ掴めず選手の調子自体も把握しきれないところだ。


そしてノーマルヒルでの試合。
感覚を合わせるのも大変だ。
手探り感から脱せれない選手も多々のリレハンメル初戦。

とにかくナーバスになる試合だった。
選手達は本当に疲労が溜まった事だろう。
その中でのフロイントは「持ってる」としか言いようがなかったような…
2位のガングネスとは0.1pの差だった。

2戦目はみんながラージヒルでと期待していたが、やはり公平性が保たないとの判断からか、早々にノーマルヒルでとのインフォメーション。

前日とは比べものにならないくらいの穏やかさ、とはいっても強風はある。

順調に予選はコンプリート。
トップ通過はコウデルカ。
日本の選手もいいパフォーマンスができ、全員が予選通過。
ノーマルヒルにも感覚が合ってきてる各選手。

1本目、トップに立ったのはガングネス。
しかし、風のコンディション的には難しい状況なので、20位くらいの選手まではチャンスはあるといった感じ。

2本目は良い状況が多く、大幅な順位の変動が見られると思いきや、好ジャンプが続出。
差がつくところと言えば、WFとテレマークランディングだけ。

ノーマルヒルでこんなに見応えがある試合はそうそうお目にかかれない。
そもそもWCじゃノーマルの試合は組まれてないので。

ノルウェーVSドイツのコーチリクエストでのゲートチェンジも凶と出るか吉と出るかで面白かった。
(ガングネス、ハウアー、フロイント、フライターク)
ドイツは逆転するには選択せざる得なかったかもだが…
リクエストしなかったヤヌスのジャッジも忘れてはならない。(プレフツ)
加点できなかったのはハウアー。

優勝経験の無いガングネスが優勝に向かってゲートをダウンし、ダブルプレッシャーがかかった状態で、どんなパフォーマンスができるのだろかと思いきや、2本目もトップスコアでの完全勝利はあっぱれ!
WC参戦7年目にして初優勝となった。
願わくばラージヒルで勝ちたかっただろうが…
次戦に注目だ。


この試合は全選手にベストパフォーマンス賞をあげたいくらいの内容だった。

リザルトは数字にしかすぎず、本当に誰が勝ってもおかしくないような昨シーズン以上の激戦模様。

どの国も層が益々厚くなって、そして熱く観戦させてもらえそうだ。

















スキージャンプWC15-16シーズン

2015-12-02 11:27:19 | スキージャンプ






スキージャンプWCも新シーズンが開幕して団体戦が1戦、個人戦が1戦、2試合がキャンセル(代替試合は未定)となり、今週末はリレハンメル(NOR)での開催となる。

開幕戦クリンゲンタール(GER)の団体戦では1本目にアドバンテージのあったスロベニアをドイツが大きく引きはなしての逆転V!

1本目のスロベニアの各選手の出来からしてこのまま逃げ切るかと思われたが、な、な、なんと…

昨シーズンのネイションズカップのチャンピオンチームは今季も強い。

特にフライタークの大仕事が光った。

フロイトも流石の高レベルの安定感。
ヴェリンガー、ヴァンクも良かった。

スロベニアはプレフツは勿論、弟でセネの下のドメンの勢いでノリノリだっただけに残念ではあったが、チームとしてはかなり層が厚くなり、上位争いを面白くすること間違いなしといった感じだ。

しかしまた、凄い戦力が加わったものだ。

残念だったのはノルウェーのファンネメルの失格(スーツの違反)
膝周りが1cmサイズオーバーだった。

今季からスタート前にスーツチェックが行われるが、そこでの失格ではなく、ジャンプ終了後の抜き打ちのチェックでだ。

ここもチーム力が高いだけに痛いスタートとなった。

オーストリアはシュリーリの不出来の影響が大きかった。
まだ、マテリアルのパッケージングが決まってないようだ。
ドイツシリーズの後のルカは回避してリレハンメルでテストということだから、この後は大変身するかもしれない。
スキージャンプ界のスター、WC最多勝利数の帝王がこのままなんてことは考えられないし、そうであってはならない。

日本チームはオフィシャルトレーニングが悪天候の影響で行われなかったことによって、自信を持って挑めなかった感がある。

団体戦がトレーニングになった感じのようで、個人戦ではそれが払拭されてた。

個人戦はフロイントとプレフツの戦いかと思いきや、タンデがWC初優勝とまた新たな強者が誕生。

紀明もポディウムまであと僅かの5位で、今季もレジェンド現在をアピールできた。

大貴も択もいいフィーリングは掴めたかんじ。
特に択は一番条件が良くない中でレベルの高いジャンプができたと思う。

サマーグランプリ総合優勝の憲斗は混乱したまま終わってしまった感じだが、これから落ち着いていくだろう。

翔平にも潤志郎にも同じ様なことが言える、この3人には更に強いスピリットを持って挑んで欲しい。