スキージャンプ&スポーツ竹内元康発言

スキージャンプ選手、全日本コーチ、解説者、トレーナーを経て・・・今だから語れること。

トリノ五輪LH

2006-02-19 04:38:00 | スキージャンプ
コンディションは最大で3m強の追い風、不運の選手も何人かいた。
ノヘは昨日同様アプローチでのクローチングのポジションが一番いいときのものにはならなかった。この状態ではこれがいっぱいいっぱいだ。
しかし、健闘したといえるだろう。

紀明は滑りの部分ではかなり完成度が高くなっているものの、やっぱりメンタルコントールの部分が・・・踏切の部分ででてしまった。永遠のテーマかも・・・
2回目はやっと普通に飛べたな。

大貴は・・・あんなやめ方のジャンプを見たのは初めてだ。フライト中盤からの追い風に全くお手上げだった。この1本が人生の全てじゃないから、まあ気にすんな!こういうときもあるさ。それがたまたまオリンピックの1本だっただけ。
世界は伊東大貴がどれだけ優れたジャンパーか知ってるから。日本的な評価の仕方やマスコミ報道には耳貸すなよ。

孝信は底力がやっぱりあるなって感じ。テイクオフの時にワンクッション入ってしまったのが残念だったが、あれがなければ130m行っただろうな。
そのため、いつもより空中フォームで胸の張りがあった。
2回目はきちんとランキングどおりのジャンプ。
世界のトップになるためには更に上のフィジカルの強さが必要だ。

そして、ついにきたかジャンプ界のアイドル、モルギー!
コングラッツリーゲ!!
船木が自分のヒーローだといってやってきた、なにか不思議なものを感じてしまう。
あのアプローチでの足首から膝の前傾角、あのころの船木そのものだ。
コフラーもみごとだった。ランディングは本当におしかったが・・・
空中で多少ぶれた分だけ着地のバランスがとれなかった。
オーストリーの選手に共通して言えることがあるのだが、それはスキーに乗る事が非常に上手だ。スキーの基礎基本を重んじるということがこの国には定着している。ジュニアの育成からこのことに本当に重点をおいてるのだ。そしてスキーは楽しいということを。
ジャンプ、コンバインド、アルペンと多岐にわたる種目で強さを発揮している裏にはそういったことがある。種目によって特性はあるが、スキーという部分では共通なんだという意識が非常に高い。テイクオフについてはフィンランドという風潮が日本ではまかり通ってるようだが、スキーってことを忘れてほしくない。
踏み切りばかりに目がいってこれをおろそかにすると、更に日本のジャンプ界は低迷する危険性があるだろう。

ビシュトールは唯一個人で2個のメダル、運に左右される度合いがウェートをしめる今回のオリンピックでこの結果は神がかり的だ。
しかし、内容もすばらしかったし今回は一番強さを感じた選手だ。


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1 コメント

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伊藤けんしろうくん (シュミット白猫)
2006-02-20 14:00:54
しかし五輪というのは独特な雰囲気がありますねぇ。まさかアホネンもヤンダも沈没するとは・・



私は昔、某スポーツ紙の整理部に勤めておったのですが、当時葛西選手の活躍を随分紙面編集したことを懐かしく思い出します。



最後の団体ですが、

岡部、葛西、一戸、伊東の4人らしいですね。

気楽に飛んで欲しいものですが。。。(とくに葛西さん!)



ところでケンシロウくんはこれで一回も飛べず。

辛口な夕刊フジにいわせると「豪華な修学旅行におわりそう」。ちと気の毒です。ぁ、原田さんも似たような感じですが。



ユリアンチラコーチについては結構風当たり強いですけど、先生はこの人選いかがお考えでしょうか?

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