GOMA-BLOG

旅行と数学、株式とガンダムを中心とした日記です.

私立中入試算数 問題文に問題あり<この記事にも問題あり(笑

2005-06-12 17:19:27 | 日記
続きますね.入試問題が世間の耳目を集めるようになってきたんですかね.

私立中入試算数 問題文に問題あり あり得ぬ設定多数
http://www.sankei.co.jp/news/050612/morning/12iti001.htm


>「濃度30%の食塩水」「一晩で別の生物に変身する生き物」-。
>私立中学の算数の入試問題で、科学的にありえない状況設定に基づいた
>入試問題が多数出題されていることが、東京理科大の芳沢光雄教授(数学教育)
>らの調査で分かった。

ふむふむ.


>読み方によっては正解が変わる、あいまいな問題文も目立つ。

これはよくありますね.暗黙の了解的な問題もあるけどね.
最近話題の青山中学の入試問題の入試問題解説を書いているときにありました.


>「割合」の単元では、食塩水を題材にした問題で、塩は百グラムの水に最大二八・二グラム
>しか溶けないにもかかわらず、食塩水の濃度を30%以上と設定している問題があり、
>中には40%以上と設定している部分もあった。

まて! 二八・二グラムはおかしい.39.3gまで溶けるはずよ.
あとね,日常生活ならいいけど,理科の話をしているときに塩はないですよ.理科では
塩とかくと「えん」と読んで,中和のときに水とともにできる物質のことをいうので,
塩ではなく食塩といわんとね.

39.3÷139.3=0.2821… なので,28.2%ですね.きっと,これと間違えたのね.


>都内の有名中学では、「正六角形の頂点の一つを、他の辺につくように折った」
>とし、できた角の角度を求める問題を出題した。しかし、出題の条件に合うように
>正六角形を折ると、頂点は他の辺には付かないため求める角が存在しなくなり、
>科学的に実在しない状況が設定されていた。

早稲田中でしたね.

>「偶数匹の生物Aは、一晩で半分の数の生物Bに変身する」など不必要に
>非科学的な例を挙げる問題や、条件設定を示す問題文が複数の意味にとれる
>問題も目立った。
> こうした問題について、芳沢教授は「当然ながら、自然界に一晩で
>数が半分になる生物は存在しない。偶数個の赤い玉を一晩で半数の
>白い玉に入れ替えるといった内容にすれば、不自然ではないのに」と指摘する。
ここは,気になったのですが,数学のできる大先生の方々は,何を使ってもイメージ
がわくと思うのですが,具体化と抽象化の中で,ボールの変身よりも生物というのは
悪くはないと思います.生物名を書いてあったわけはないんでしょ.
架空のはなしですし.

まあ,入試問題ではさけたほうがいいか.例題か何かだと,あり得ないことだけど
って説明できるし,インパクトの大きい例の方が印象残るからね.ただね,数学とその他の理科系の科目のちがうところは,数学はあり得ないことも考えられることなのよね,そこのおもしろさを,他の専門家には理解できないらしい.そのおもしろさを伝えられない数学屋にも問題があるが.

たとえば,あり得ないでいったら,つるの足と亀の足をいっしょくたに数える鶴亀算の
例題のほうがありえんではないか!


> 芳沢教授は「たとえ算数であっても、科学的に正しい設定と正確な日本語を
>使うべきで、教育的配慮を欠いてはならない。問題の文章にはもう少し気を
>配ってほしい」とし、科目の内容だけにとらわれず、学習内容全体を見渡した
>問題作成を求めている。
まあ,これも大事よね.要はバランス感覚ですって.