順天堂大は毎年、定義を問う問題を出題していて、興味深くチェックしています。
さて、今年2014年はというと、
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/09/01/533880de564ba6537822bcfb1b1b4faf.jpg)
三角形の内心の定義でした。
割と受験生が答えやすい問題だと思いましたが、落ち着いて考えると、深い話になる気がします。
私の頭の中の内心の定義は内接円の中心なのです。そして、作図するときは、三角形の2つの内角の二等分線を引きます。その交点が内心となります。
ところが、角の二等分線の方を定義だという声も聞こえてくるので、掘り下げてみました。
大学入試問題ですから、高校の教科書にその答えを見つけるべきだと思うので、手元の数研出版の数学Aの教科書を見ると、定理として、「三角形の3つの内角の二等分線は1点で交わる」とあり、「その点をIとすると、この点Iを中心として、△ABCの3辺に接する円が存在する。この円を三角形の内接円といい、内接円の中心Iを内心という」と書いてあります。東京書籍の数学Aも同様でした。
ということは、高校教科書的には、「内接円の中心」で間違いないようです。
ただし、紛らわしいのは、数研では、「内心は,3つの内角の二等分線が交わる点である」と付け足されていてアンダーラインが引いてあります。また、東京書籍では、「内心は3辺からの距離が等しい点である」と付け足されています。これらは内心の性質になるわけですが、定義と見間違いやすい書き方にみえました。