ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始め、いつのまにかトライアスリートになってしまった私。

【御用学者】難波先生より

2013-02-04 12:10:58 | 難波紘二先生
【御用学者】「産経」の「日本の未来を考える」欄に伊藤元重東大教授の「アベノミクス賛成論」が載っている。
 http://sankei.jp.msn.com/economy/news/130202/fnc13020203040000-n1.htm


 <財政健全化策を打ち出すことは重要である。ただしそれは目先での財政緊縮政策を行うということではない。財政問題の本丸でもある社会保障費の改革に正面から取り組み、できるだけ早く財政のプライマリーバランスを実現し、長期的な財政健全化の姿を描くことだ。そしてその改革を着実に実行していくことである。これは当面のデフレ脱却のための経済政策と矛盾するものではない。>


 ここが彼の論理が根本的におかしい箇所で、「財政のプライマリーバランス」(税収と支出とが釣り合うこと)がバブル破裂で崩れたために、赤字国債を発行して公共投資により景気回復をはかった。しかし景気が回復して法人税が伸びる事態にならず、ずるずると同じ治療法をしているうちに、「失われた20年」がすぎ、国の借金が900兆円になったというのが事実である。


 プライマリーバランスを実現するには、税収を増やすか支出を削減するしかない。破綻に直面した会社の社長なら、まずトップの給料を削減することで範を示すだろう。スティーヴ・ジョブズは年俸1ドルで、アップルCEOに復帰し、見事に立て直した。日本国政府会社のCEOや執行役員である首相や大臣・事務次官は、俸給半額で働くぐらいの気概を示せ。


 引用した上記の一節は<当面のデフレ脱却のための経済政策と矛盾するものではない。>という二重否定により、「アベノミクスへの支持」を表明するのが目的で、その前の文章はレトリックによる布石である。20年以上どの内閣も「財政のプライマリーバランスを実現し、長期的な財政健全化をはかる」と主張して、17種もの経済政策を実施したが、みな失敗した。理由は昨日のメルマガで述べた。


 伊藤教授のこの論説は安倍内閣にすり寄るのが目的で、京大卒で東大教授の安冨歩が『原発危機と東大法話』(明石書店)で痛烈に批判した、あの典型的な御用学者の言説である。
 これに対して私と同じ主張をする民間のエコノミストがいる。東海東京証券の斎藤満だ。
 http://jp.reuters.com/article/forexNews/idJPTK058897520130111


 書いたものは2日付「中国」の「識者評論」に載っているが、専門用語が多くて難解だ。
 要はGDPの18%しかない「製造輸出業」のために、残りの82%が輸入物価高にさらされるのはおかしい、ということだ。結局は、インフレで貨幣価値が下がると得するのは政府だろうというもの。
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