ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始め、いつのまにかトライアスリートになってしまった私。

【書き込みを読んで4/5】難波先生より

2015-04-06 18:18:34 | 難波紘二先生
【書き込みを読んで4/5】
<Unknown (Unknown)=2015-03-31 07:26:
いつも、興味深く読ませていただいています。当方高屋在住です。西高屋駅から杵原交差点まで続く街路樹は、ハナミズキではなくコブシ(辛夷)です。桜より先に毎年開花します。…>
 高屋にお住まい(西高屋団地?)の方が読者におられるとは知りませんでした。
 ご指摘ありがとうございました。
 あらためて馬場多久男「花実でわかる樹木:951種の検索」(信濃毎日)という本を開いてみました。
 その結果、ヤマボウシはアメリカヤマボウシ(和名ハナミズキ=英名Dogwood=学名Benthamida Florida)とともに、「ヤマボウシ属」で、白い花弁は4枚だとわかりました。
 「コブシ」は学名では「マグノリア(Magnolia)」に属するようです。英語でマグノリアというと、ホウノキ、タイザンボク(泰山木)のような巨樹を意味しますが、和名ではなぜか「モクレン属」となっているようです。

 西高屋の街路樹の花弁(写真1)は6葉あり、ヤマボウシやハナミズキと異なり、ご指摘のようにコブシだとわかりました。お詫びして訂正いたします。
 (写真1)

 翌3/30に福富町内の花木を見て回ったところ、高さ5mくらいの庭木が、根もとから2本に分かれ、一方の枝に一重4弁の白い花が、他方の枝に上が4弁、下が2弁と多重になって咲いている不思議な樹を見つけました。(写真2)
 (写真2)
 これはヤマボウシなのか、モクレンの一種「ハクモクレン」なのか?それとも「タムシバ」か?

 コブシ(花弁6)の学名はMagnolia kobusだそうで、種名Kobusは「コブシ」をラテン語化したものでしょう。自生地は、「北海道、本州、四国、九州の丘陵地帯から山地帯」とあり、ヤマボウシ(花弁4)との違いは、花弁数を除けば、北海道にあるのがコブシ、ないのがヤマボウシということになりそうです。

 コブシは千 昌夫が歌う「北国の春」(1977)で有名になったので、つい「北国の花樹」と思いこんでいました。まさか東広島市で街路樹になっているとは、思いもしませんでした。
 「木蓮」は中国原産ですが、マグノリアは米ミシシッピ州の州木だそうで、日本では「泰山木」、中国では「洋玉欄」と呼ばれているそうです。
 かつて、痩身だけど名前が「泰山」という血液病理学者がおられました。品格のあるジェントルマンでした。白木蓮やマグノリアの花を見ると、その泰山先生のことを想いだします。

ヒヨドリ学名異聞=
>ヒヨドリ、ラテン語の属名は意味がよく分からない。
単純にギリシア語で、Hypsi-=high、petes=flyでは?>
という「unknown」さんの意見を前回(3/30)で紹介したが、4/2にロンドンのAKという女性から届いた手紙に同様の意見が書かれていた。2/25付航空便ハガキと同一の方です。
 大修館の『ジーニアス英和大辞典』を使っているとのこと。私の英和辞典は1975年の旺文社『英和中辞典』、和英辞典に至っては昭和8年刊、1953年第76版の研究社『School Dictionary』という代物です。後者は60年も愛用していますが、ローマ字引きで「歴史的仮名づかい」で書かれており、正しい歴史的仮名づかいの辞書としても重宝しています。後、研究社の『新英和大辞典・第5版』がありますが、これは大きすぎて年に一度くらいしか利用しません。
 ウグイスに学名を与えたF.Cettiという人物は、1960年代の「平凡社百科事典」、「Americana」の索引に載っていないので、それ以降に辞書項目として採用されるようになったものでしょう。

 「ヒヨドリ(鵯)」というと、源義経が「一ノ谷の坂落とし」の前に越えた峠「鵯越」で有名です(「平家物語」巻の九「坂落」=岩波文庫3,p.314)。
 また、『古今著聞集』巻30(「魚虫禽獣」篇)、第690話には「鵯合わせ」の記事があります。承安2(1172)年のこととあり、平清盛がまだ存命中で平家が勢力をふるっていた時代です。

 「鵯合わせ」というのは、闘鶏のように鳥を喧嘩させるのではなく、籠にいれたヒヨドリの鳴き声を競わせる遊びだとあります。『古今著聞集』(第704、第705話には、飼っている「鵯」に「おぎは(萩葉)」、「おもなが(面長)」というような名前をつけていたことが、書いてあります。「魚虫禽獣」篇にある、全50話のうち3話が「鵯」の話なので、平安末期には「ヒヨドリをペットとして飼う」ことが、貴族の間に流行したのではないかと思われます。

 この里山に住んでいると、ウグイス、ヤマバト、トンビ、ホトトギスなどの鳴き声が聞こえてきますが、ヒヨドリの鳴き声をついぞ「美しい」と思ったことがありません。
 現代のヒヨドリも、トンビやコンドルのように大空に舞うことはなく、むしろ地面にそって横に飛んでくるというイメージがあります。『古今著聞集』(「岩波古典文学大系84」)や『平家物語』のヒヨドリも、「籠の鳥」や「峠を越す鳥」として描かれています。
 もしかするとヨーロッパのヒヨドリは「高く飛ぶ」のかも知れませんが…。

 私は鳥類学者(Ornithologist)ではないので、この件はこれで終りにしたいと思います。いろいろご教示をありがとうございました。

<Unknown (Unknown):2015-04-01 05:11= 
>雑誌「PLOS One」に掲載された九大理学部からの原著論文も読んだが、写真が1枚もない。< 
 とあるが、ウェブ上のSupplemental figureに写真がありますよ。>
 「写真がない」という言葉を、説明不十分で用いたために誤解が生じたようです。
 「95%以上の正確さで線虫C.エレガンスが<がん患者尿>に正の走化性を示すのであれば、統計的な数値データよりも、以下のような写真を示すべきだと私は思ったのです。

① がん細胞の周りに、線虫が沢山取りついている写真
② 小さなシャーレの中にT字形のマイクロフィルターを入れ、「—」のフィルターは化学分子を通すが、線虫は通さない。「|」は隔壁で、化学分子も線虫も通さないものとする。
「—」の上の区画にがん細胞を入れ、「|」の左に遺伝子操作をしていない線虫Aを入れ、右側に「嗅覚」遺伝子をノックアウトして無臭症にした線虫Bを入れます。
著者らが主張するように「線虫ががん細胞の臭いに特異的に反応する」のであれば、この実験系では、線虫Aはびっしり「−」の膜面に吸着し、線虫Bはがん細胞には見向きもせず、ランダムに動くはずです。
長さが1mm程度の線虫ですから、低倍率の実体顕微鏡写真で「がん細胞、線虫A、線虫B」の位置関係を示した「写真1枚」を示せばよい。これがあれば決定的でしょう。

 「論より証拠」といいますが、統計学では相関関係は示せても、因果関係の証明にはなりません。統計数値はいくらでも操作できますしね…
 書き込みにUNKOWNさんが増えてきて、こちらでどれがどれか分からなくなってきました。
できれば固定ハンドルネームを使っていただければと思います。Mr.Sさんなどのように…
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