ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始め、いつのまにかトライアスリートになってしまった私。

【雪の日】難波先生より

2016-01-25 13:14:24 | 難波紘二先生
【雪の日】
 降る雪というものは、見る位置によって見え方が変わる。
 空を仰いで見る時には黒く見え、それが何かを背景とすると急に白く見える。子供の頃、あれが不思議でしょうがなかったが、理科の教師だった父でさえ、きちんと説明してくれなかった。マンションの14階に住んでいた時、ベランダに降る雪は白い粒だったのに、50m下の1階に下りてみると雨に変わっていた。見る角度の差だけでなく、高度も関係すると知った。
 1/15昔の「成人の日」は朝から雪だった。9:20に仕事場から庭にこんな光景が認められた。大粒の雪がしんしんと降っている。「霏霏(ひひ)として降る」という形容に近い。(Fig.1)

 降る雪の撮影はけっこう難しい。肉眼の方は、降る雪にも背景にも焦点が自動で合うが、カメラの焦点深度とか逆光の場合の露出とかは、そうはいかないからだ。
 雪の降り方だけを撮影するには母屋の陰になった部分が最適なのだが、これだとほとんどモノクロの寂しい雰囲気になる。日光が当たっている東側だけだと実が成った南天があり、カラフルにはなるのだが、雪粒のコントラストが落ちる。
 欲張って両方を視野に入れ、焦点距離を3mに合わせ、固定焦点にして撮影した。日向は少し露出オーバーになったが、50cm先に降っている雪の粒まで撮影できた。

 昔の人はこういう時に「雪見酒」という風流を楽しんだのだろうが、ネットやメールが待つ現代ではそういう気持ちになれない。もっとも北国の人にとって、雪は災厄だろう。
 新潟の人、鈴木牧之はこう書いている。
 「(雪を風流とするのは)これ雪の浅き国の楽しみなり。越後のごとく年ごとに幾丈の雪を視ば、何の楽しきことかあらん。雪のために力を尽くし、財を費やし、千辛万苦する。」(「北越雪賦」岩波文庫, p.22)

 1/25の朝は、7:30長靴をはいて仕事場に出勤した。2日続いた降雪のため牧之のいう世界に近い状況になった。もう風流を通りこしている。国道を車が通行する音がしない。車の屋根には20cm近い雪が積もっている。鳥の声もしない、まったくの静寂な世界だ。(Fig.2)

(Fig.2:1/25朝、車の屋根では雪は20cm、地上は場所によるが13cm位ある。)
 NHKニュースによると、暮に訪れた広島県北広島市の「消滅寸前集落」八幡地区の積雪は140cm、長市内で14cm、奄美大島にも雪が降ったという。南国ではスタッドレスタイヤが普及していないから、さぞかし交通が混乱するだろうと思う。
 こういう日は出勤しないで自宅でテレワークをする、そういう「IoT社会」の方向に早く移行し、交通事故を減らし、労働生産性を高めたいものだ。
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1 コメント

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Unknown (Unknown)
2016-01-27 02:42:19
>降る雪というものは、見る位置によって見え方が変わる。

上見れば虫子、中見れば綿子、下見れば雪子

背景の明度の問題じゃ。
気になるなら、カメラの露出を固定して写真をとって、画像ソフトで雪の明度を一定にあわせて、背景の明度を計測してみるとよろし。


>ベランダに降る雪は白い粒だったのに、50m下の1階に下りてみると雨に変わっていた。

普通、高度差による温度変化は100mで約0.6度。高度差50mというのが確かならば、約0.3度差か。
上空では雪の結晶が形成され、それが地上に落ちるまでの間に融ければ雨となる。その境目は地上気温4度とされているが、境目付近ではみぞれになることが多い。
十中八九、ベランダから1階に降りるまでの間に太陽が雲間から出たとかで気温が変化したのだと思いますけどね。
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