ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始め、いつのまにかトライアスリートになってしまった私。

【移植ネットワーク新役員の選考】難波先生より

2015-08-31 23:19:40 | 修復腎移植
【移植ネットワーク新役員の選考】
 メディアが報じていないが、久しぶりに「移植ネットワーク」HPをのぞいたら、体制が一新されていて、高久史麿(日本医学会会長)先生が「役員選考委員会」の委員長に選出されていた。
 http://www.jotnw.or.jp/news/2015/detail5516.html

 選考委員はネットワークの正会員5名と第三者委員会2名の構成とするとあり、正会員のうちから、自薦・他薦により選任候補者を募り、7名の候補者から選挙により投票得票数順に5名を決定した、そうだ。これは以下の5人。
 (正会員:五十音順)
 高橋 絹代   (公益財団法人 富山県移植推進財団 富山県移植コーディネーター)
 高橋 公太   (公益財団法人 新潟県臓器移植推進財団 理事長)
 高原 史郎   (大阪大学大学院医学系研究科 先端移植基盤医療学寄附講座 教授)
 堤  晴彦   (埼玉医科大学総合医療センター 病院長)
 三瓶  徹   (北海道保健福祉部地域医療推進局 医務薬務課長)

 第三者委員会委員2名は委員長の推薦により決定で、それは以下のとおり。
 岩尾 總一郎  (医療法人社団 茅ヶ崎セントラルクリニック 理事長)
 宮澤  潤   (宮澤 潤 法律事務所 所長)

 高久先生は血液内科医で自治医大の教授から、東大第三内科の教授に転じた。日本血液学会が法人化した後、長く理事長をつとめた。定年後は、自治医大の学長も二期つとめた、公正な人物だ。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%AB%98%E4%B9%85%E5%8F%B2%E9%BA%BF

 人事についてはよくわからないが、修復腎移植に反対してきた高橋公太と高原史が、「社員」投票で委員に選ばれているのはうさんくさい。「第三者委員会」の委員宮沢潤氏は、修復腎裁判で移植学会の弁護を引き受けている弁護士だ。「学会の名誉のため和解に応じられない」と私に返答した人物である。
 さあ、この「役員選考委員会」がどういう人物を「移植ネットワーク」の常任理事に選ぶか、きわめて興味深い。血液内科医が関与する骨髄移植と他の臓器移植は本質的には同じものだ。骨髄移植の方がGVH(移植細胞によるレシピエント細胞の拒絶反応)という現象があるだけ、もっと難しい。血液内科の専門家が、「ネットワーク」の役員選考にかかわるというのはきわめて妥当だと思う。
 私見では「移植学会まかせにしておくと、日本の移植医療は前に進まない」という厚労省の認識が、この委員長起用に表れているのではないかと思う。

 8/17のメルマガで<6.【渡航移植問題、イスラエルの対応】>を取りあげたが、「イスラエル・モデル」の
 自国内で臓器提供を増やすための新措置の実施、という移植法の改正とそれに伴う、
① レシピエントの「ただ乗り」を防ぐために、あらかじめ移植ネットワークに「ドナー登録」をしていた者に対して、優先的に臓器を配分する。これによりドナー登録率を上げるといいう政策。
 ②国内の生体ドナーを増加させるための、政府による「ドナー経済補償」の導入。
  ③「修復腎移植」の保険診療への適用
をぜひ早急に実現してほしいものだ。
 「日本臓器移植ネットワーク」HPの臓器提供の「現登録者数」を見ると、2015/7/31時点でたった13万285人しかいない!

 このような実質破綻したシステムを作ってきたのが、
<理事会組織=(公式サイトの組織図、2011年7月1日現在)だ。WIKIより)
理事長=野本亀久雄
専務理事=大久保通方
理事=秋澤忠男 秋山隆弘 有賀徹 飯野靖彦 臼木豊 大島伸一 小中節子
坂本憲枝 篠崎尚史 白倉良太 寺岡慧 長谷川友紀 藤田民夫 門田守人 横田裕行 >
という旧理事会だ。この体制の一新が必要だろう。

<付記>
 8/24に「日本臓器移植ネットワーク」のHPを覗いたら、<本部と東日本支部が、港区虎ノ門1-5-16 晩翠ビル3階から東京都港区海岸三丁目26番1号 バーク芝浦ビル12階に移転しました>とあった。
http://www.jotnw.or.jp/news/2015/detail5519.html
 海の側の14階建の立派なビルだ。
http://officee.jp/catalog/%E3%83%90%E3%83%BC%E3%82%AF%E8%8A%9D%E6%B5%A6%E3%83%93%E3%83%AB/32120/

 日本の移植ネットワークは、東日本、中部日本(名古屋)、西日本(大阪)の3支部と北海道(札幌)、東北(仙台)の2連絡所からなる。
 本部が虎の門にあったのは、ここのビルにネットワークの前身「腎移植普及会」が「横浜倉庫」営業所の一室に事務局を置いたからだ。この会社の社長が小紫芳夫だった。これが発展して1995/4に「日本臓器移植ネットワーク」(小紫芳夫会長)になった。

 1997年に「臓器移植法」が成立すると、「臓器の移植に関する法律の運用に関する指針(ガイドライン)の制定について」という「厚生省保健医療局局長通達」が出され、「日本臓器移植ネットワーク」を唯一の臓器斡旋団体と定め、「臓器移植ネットワークを介さない臓器の移植は行ってはならない。海外から提供された臓器についても、同様とする」(ガイドライン第11)という文言により、同法に規定する臓器について「日本臓器移植ネットワーク」の業務独占が認められた。
 以後、虎の門の「ネットワーク本部」は厚労省の天下り先となり、多額の補助金を受けてきた。小紫は「日本馬主協会連合会」の会長でもあり、多額の上納金をネットワークにも寄付してきた。この功績により「紫綬褒章」も受けている。

 以後、何度もネットワークは不祥事を起こしている。
 1)2001/1:ネットワーク理事の寺岡 慧(東京女子医大教授、のち日本移植学会理事長)が、ネットワークの実質的管理者としての立場を利用して、自分が専門とする「膵腎同時移植」用に、脳死者からの臓器を東京女子医大に優先的に配分させ、自分で移植した、完全な「ルール違反」事件。
 2)2001/6:厚労省の補助金を不正に運用した疑いで、ネットワークへの立ち入り検査。
厚労省の改善勧告書はhttp://fps01.plala.or.jp/~brainx/advice010730_1.html
に公開されている。
 ネットワークは、その役員が関係する学会等に多額の助成金を支払い、助成額の5%を手数料として徴収していた。
 その後も、ネットワークの不正や臓器配分ミスが頻発し、今回の役員人事一新に至ったものだ。今回の「本部・東日本支部」の事務所移転により、2010/1に死去した小紫芳夫の「横浜倉庫」人脈との腐れ縁が解消されることを期待したい。
http://keiten.net/articles/welfare/050_03.html
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