【線虫でがんを診断・続】
例の「線虫でがんを早期発見」という研究だが、「週刊新潮」6/11号が「<超早期がん>発見の特別検査ガイド」という特集で取り上げている。
YOUTUBEにも4/26にアップロードされたものがあるが、音声だけになっている。
https://www.youtube.com/watch?v=qRpOIH7jOIA
15分ほどのTVワイドショーに実験した本人が登場して説明している。「尿を希釈しないと上手くいかない」という説明を聞いて、「論文には書いてないレシピがある」という小保方と同じだと思った。
以後、この話題を取り上げたニュースの類はGOOGLE検索では見つからない。
この件については、3/25に「九大理学部ニュース」が報じているのを「発見」した。
http://news.sci.kyushu-u.ac.jp/biol/%E7%B7%9A%E8%99%AB%E3%81%A7%EF%BC%91%EF%BC%90%EF%BC%90%E5%86%86%E3%81%8C%E3%82%93%E6%A4%9C%E6%9F%BB/
「ヘルスプレス」が、3/23に「<線虫でがんを早期発見>は、第2のSTAP事件にならないか!?」という私の論評(3-16の「鹿鳴荘便り」が元記事)
http://healthpress.jp/2015/03/post-1662.html
を掲載して2日後だ。
「理学部ニュース」には健常者尿とがん患者尿での線虫の走化性の違いを示す写真が掲載されていた。これは、3/12「九大広報室」によるプレスレリースで、公開された証拠写真と同じだ。(写真1)
(写真1)
尿の容器位置が薄黄色の線で示してあるが、2つ疑問がある。
1)上のがん患者では確かに線虫が左に寄っているが、右端にも(明暗のコントラストが低いので見えにくいが)線虫の集団がちゃんといる。また黒い小球状のものが患者尿の容器だとすれば、その周囲を線虫が取りまかないといけないが、右側のみに密度が高く、容器に取りついたものがいない。
下の健常尿でも、尿容器の周りにちゃんと線虫がいる。
よってこれは「All or None」タイプの反応ではない。
2)ついで不審なのは、実験例と対象例の容器(シャーレ)が、同時に撮影されたものでないことだ。容器には直交する4本の細く白い棒が付いているが、これが上下の写真でずれている。
まともな実験者なら、同じ位置で2つの容器を同一視野にいれて撮影する。
つまり写真は別々の機会に、独立して撮影されたものだろう。またどちらかの検体を反対側から撮影しても、上掲の写真は作成できる。
「All or None」タイプの行動でないものを、統計処理で「有意差があった」とするのは統計の邪道である。統計学は、眼で見て明らかに違うものを、「偶然の現象」ではないと立証するために、確率計算をするところにポイントがある。誤差5%の統計数値なら、20回試行すれば1回は偶然に同じ結果がでる。
だが統計処理には「データ・トリミング」といって、不都合なデータは取り除き、欲するような結果を出すという、方法がある。これは意図的なものだけでなく、統計ソフトの誤用によっても生まれる。
「週刊新潮」の写真は、上と下が入れ替わっているだけで、元写真は同じものだ。(写真2)
(写真2)
本当はこういう位置関係で1枚の写真を撮影する必要があった。(写真3)
(写真3)
レポーターはそれに気づかなかったのか。こんな研究ってあるかなあ…
「ガンは、それほど遠くない将来、必ず撲滅されることになるだろう。……
ガンとは、細胞の異常増殖のことだ。悪玉のオンコジン(発がん遺伝子)がこれを起こす。」
1984年に、上前淳一郎(元朝日記者)が『読むクスリ』(文春文庫)で、こう書いている。
あれから1世代、30余年がすぎたが、日本人の2人に1人がガンにかかり、3人に1人ががんで死に、がんが死亡原因の第1位であるという状況は、ちっとも変わっていない。
それだけに研究費ほしさに、新たな「夢物語」が繰り出されてくるのだろう。
6/7の日経、産経は、文科省内に「研究公正推進室」が新設されたことを報じている。米国ORIのミニ版というところだろう。文科大臣がSTAP事件に密接に絡んでいるから、この程度の規模から出発せざるをえないだろう。
しかし、いずれ「内部告発者保護」、「違反者の氏名・所属・不正内容」のネット告示まで進まないといけない。この程度の対策では不正抑止力にはならないから、科学・医学不正は今後も多発するだろう。
例の「線虫でがんを早期発見」という研究だが、「週刊新潮」6/11号が「<超早期がん>発見の特別検査ガイド」という特集で取り上げている。
YOUTUBEにも4/26にアップロードされたものがあるが、音声だけになっている。
https://www.youtube.com/watch?v=qRpOIH7jOIA
15分ほどのTVワイドショーに実験した本人が登場して説明している。「尿を希釈しないと上手くいかない」という説明を聞いて、「論文には書いてないレシピがある」という小保方と同じだと思った。
以後、この話題を取り上げたニュースの類はGOOGLE検索では見つからない。
この件については、3/25に「九大理学部ニュース」が報じているのを「発見」した。
http://news.sci.kyushu-u.ac.jp/biol/%E7%B7%9A%E8%99%AB%E3%81%A7%EF%BC%91%EF%BC%90%EF%BC%90%E5%86%86%E3%81%8C%E3%82%93%E6%A4%9C%E6%9F%BB/
「ヘルスプレス」が、3/23に「<線虫でがんを早期発見>は、第2のSTAP事件にならないか!?」という私の論評(3-16の「鹿鳴荘便り」が元記事)
http://healthpress.jp/2015/03/post-1662.html
を掲載して2日後だ。
「理学部ニュース」には健常者尿とがん患者尿での線虫の走化性の違いを示す写真が掲載されていた。これは、3/12「九大広報室」によるプレスレリースで、公開された証拠写真と同じだ。(写真1)
(写真1)
尿の容器位置が薄黄色の線で示してあるが、2つ疑問がある。
1)上のがん患者では確かに線虫が左に寄っているが、右端にも(明暗のコントラストが低いので見えにくいが)線虫の集団がちゃんといる。また黒い小球状のものが患者尿の容器だとすれば、その周囲を線虫が取りまかないといけないが、右側のみに密度が高く、容器に取りついたものがいない。
下の健常尿でも、尿容器の周りにちゃんと線虫がいる。
よってこれは「All or None」タイプの反応ではない。
2)ついで不審なのは、実験例と対象例の容器(シャーレ)が、同時に撮影されたものでないことだ。容器には直交する4本の細く白い棒が付いているが、これが上下の写真でずれている。
まともな実験者なら、同じ位置で2つの容器を同一視野にいれて撮影する。
つまり写真は別々の機会に、独立して撮影されたものだろう。またどちらかの検体を反対側から撮影しても、上掲の写真は作成できる。
「All or None」タイプの行動でないものを、統計処理で「有意差があった」とするのは統計の邪道である。統計学は、眼で見て明らかに違うものを、「偶然の現象」ではないと立証するために、確率計算をするところにポイントがある。誤差5%の統計数値なら、20回試行すれば1回は偶然に同じ結果がでる。
だが統計処理には「データ・トリミング」といって、不都合なデータは取り除き、欲するような結果を出すという、方法がある。これは意図的なものだけでなく、統計ソフトの誤用によっても生まれる。
「週刊新潮」の写真は、上と下が入れ替わっているだけで、元写真は同じものだ。(写真2)
(写真2)
本当はこういう位置関係で1枚の写真を撮影する必要があった。(写真3)
(写真3)
レポーターはそれに気づかなかったのか。こんな研究ってあるかなあ…
「ガンは、それほど遠くない将来、必ず撲滅されることになるだろう。……
ガンとは、細胞の異常増殖のことだ。悪玉のオンコジン(発がん遺伝子)がこれを起こす。」
1984年に、上前淳一郎(元朝日記者)が『読むクスリ』(文春文庫)で、こう書いている。
あれから1世代、30余年がすぎたが、日本人の2人に1人がガンにかかり、3人に1人ががんで死に、がんが死亡原因の第1位であるという状況は、ちっとも変わっていない。
それだけに研究費ほしさに、新たな「夢物語」が繰り出されてくるのだろう。
6/7の日経、産経は、文科省内に「研究公正推進室」が新設されたことを報じている。米国ORIのミニ版というところだろう。文科大臣がSTAP事件に密接に絡んでいるから、この程度の規模から出発せざるをえないだろう。
しかし、いずれ「内部告発者保護」、「違反者の氏名・所属・不正内容」のネット告示まで進まないといけない。この程度の対策では不正抑止力にはならないから、科学・医学不正は今後も多発するだろう。
科学的な反論をするなら、追試を行い、その結果を元に議論をするべきである。
検査には常に偽陽性と偽陰性がある。センチュウが左右どちらかに偏ったかを数値化して、偽陰性の割合が既存の検査に見合うならば、採用すべきである。
「直交する4本の細く白い棒」はシャーレの支柱のようなもの。撮影者が尿をスポットする際に、シャーレの方向に拘らなかったに過ぎない。そもそも、シャーレの向きが実験結果に影響するとは考えがたい。
同一視野で撮影するかどうか、は問題ではない。2枚の写真を合成して1枚として提示すれば問題だが、同時に行った実験を1枚ずつ撮影して並べて表示するのはよくあること。この写真を疑うなら、ウェスタンブロットのデータなど1つも信用できなくなる。論文は筆者の主張を信頼してこそ生きる。
難波氏が論文を読む能力があるのかどうか、疑わしい。
でも難波先生が小保方さんをあらん限りの言葉で、科学と関係ない容姿まで罵っていた時には、賛同してらしたでしょ。
ダブスタはダメですよ。
" 何時も身なりに無頓着で、どう見てもセレブとはいえない同僚がいるんですけど、こないだふとしたきっかけで、-ハワイに用事があったから自分で運転してきた- と。ハワイまで運転?水陸両用車かしら?なんて考えたら、自家用ジェットで、車も恐ろしく高価なのを何台も持ってて、- 運転が好きなの- とおっしゃる。よく聞けばあゝあの、という一族のお方でした。"
澤大先生も、プロヘサですからネットチンピラを叱らなければいけないお立場。
一緒に悪さしてるとは情けない。
難波先生と何方が始末に負えないでしょうね。
粕川さんっていい人みたいなのに、お気の毒。
他人を巻き込むんじゃありませんよってね。
丁度聞きたかったことがあるんです。
マウスなんですけど、供給元は「日本エスエルシー(株)」ですか?
129X1/SvJ マウスのDNA、澤教授ならご存知ですよね。
"破れかぶれの、捨て鉢の、死なば諸共"
"死人に口無し"
発表すれば良かったのにね。
いくら書いても消せない過去。
2007年理研も発表。
スタップ細胞だけではない。
自家繁殖でも届け出は必要。
元を辿れば分かること。
虚偽であれば又法令違反。