佐野に寄るかどうかで迷ったのは、遠回りになるだけでなく、時間が押す可能性があったからです。というのも、「國酒の仕業」に珍しく前日から予約を入れていたのです。
七時までの予約に限り受け付けるというのが店の方針であり、これ以上延ばしてもらうことはできません。安全策を採るなら足利から直行すべきところでした。しかるに見切りをつけられなかったことにより、佐野を出たときには何とも微妙な情勢になっていました。どうにか七時前には着くとしても、投宿して一風呂浴びる時間まではなさそうに思われたのです。中心街で若干流れが滞ったこともあり、少なくとも入店が七時を回ってしまうのは避けられない情勢になりました。10分ほど遅れる旨を知らせて了承され、宿の駐車場に車を置いて直ちに飛び出し、そのまま店へ駆け込むという顛末です。
このようなことが起こりやすいからこそ、飲食店に予約を入れて行くことを好まないわけなのですが、今回節を曲げたのは、滑り込みでの着席を何度か経験してきたからです。前回は年内の最終営業日だったこともあり、その日に限り予約制が採られていて、キャンセルが一名分出たところへ滑り込みました。開店とほぼ同時に入って、結果的には予約で満席だったこともあります。このような経験から、安全策を採って席を押さえてもらうか、遅い時間に飛び込むかのいずれかだろうと考えました。日没が早いこの時期、呑み屋に入るのもその分早くなるだろうと見て、席を押さえてもらった次第です。
その読みは果たして的中し、着いた時点でカウンターの空きは詰めても二席という状況でした。直後に入ったお客が断られていたことからしても、飛び込みでは振られていた可能性が大です。ただし結果論をいえば、先客のうち二組が八時前後に立ったため、投宿して一風呂浴びて出直せば、飛び込みでも余裕で入れたということになります。やはり、時間を決めて焦るよりも、遅めに訪ねる方が性には合っているのかもしれません。
前回は年末という事情もあって、肴はおまかせのみでしたが、今回も席に着くなり女将からおまかせを勧められました。一旦辞退し品書きを眺めると、一時に比べ品数が絞られており、なおかつ一品のお値段はそこそこでした。そこから窺われたのは、品数を絞る代わりに一品の質と量を引き上げるという最近の方針です。その直後、おまかせで少しずつ盛ってもよいとの勧めが店主からあり、結局今回もおまかせという選択に落ち着きました。
前回と同様、出来上がりに応じて一皿ずつ出てくるのかと思いきや、11枚もの小皿が角盆に乗って出てきたのには驚きました。少し遅れて天麩羅の小皿が出たため、合わせて実に12皿です。しかも、刺身の皿には鯨、鰆、ツブ、北寄の四点が、酢の物の皿には牡蠣、海鼠、あん肝の三品が盛り合わされ、天麩羅も河豚の白子と桜海老の二品あるため、実際の品数は皿の数以上ということになります。これなら酒以外の品を注文する必要は当然なく、二時間弱の滞在で終了という結果です。
品書きと値段は少しずつ変遷しつつも、本質は変わることなく、開店からこれで三年経ちました。石の上にも三年といわれるだけに、店主も感慨深く受け止めているようでした。次の節目は「桃栗三年柿八年」の域に達する五年後でしょうか。草創期から知る数少ない店の一つだけに、今後の進化についても注視していくつもりです。
★國酒の仕業
宇都宮市大通り5-2-8
028-612-4992
1800PM-2400PM
日曜定休
宮泉・山川光男・五峰・別嬪・燦爛
お造り四品
酢の物三品
天ぷら二品
煮穴子
とりモモと里芋のナッツ炒め
北寄貝とパプリカのバター炒め煮
砂肝の酒粕味噌煮
明太子炙り
厚焼き玉子
チェダーチーズ
大根煮
松前漬け
七時までの予約に限り受け付けるというのが店の方針であり、これ以上延ばしてもらうことはできません。安全策を採るなら足利から直行すべきところでした。しかるに見切りをつけられなかったことにより、佐野を出たときには何とも微妙な情勢になっていました。どうにか七時前には着くとしても、投宿して一風呂浴びる時間まではなさそうに思われたのです。中心街で若干流れが滞ったこともあり、少なくとも入店が七時を回ってしまうのは避けられない情勢になりました。10分ほど遅れる旨を知らせて了承され、宿の駐車場に車を置いて直ちに飛び出し、そのまま店へ駆け込むという顛末です。
このようなことが起こりやすいからこそ、飲食店に予約を入れて行くことを好まないわけなのですが、今回節を曲げたのは、滑り込みでの着席を何度か経験してきたからです。前回は年内の最終営業日だったこともあり、その日に限り予約制が採られていて、キャンセルが一名分出たところへ滑り込みました。開店とほぼ同時に入って、結果的には予約で満席だったこともあります。このような経験から、安全策を採って席を押さえてもらうか、遅い時間に飛び込むかのいずれかだろうと考えました。日没が早いこの時期、呑み屋に入るのもその分早くなるだろうと見て、席を押さえてもらった次第です。
その読みは果たして的中し、着いた時点でカウンターの空きは詰めても二席という状況でした。直後に入ったお客が断られていたことからしても、飛び込みでは振られていた可能性が大です。ただし結果論をいえば、先客のうち二組が八時前後に立ったため、投宿して一風呂浴びて出直せば、飛び込みでも余裕で入れたということになります。やはり、時間を決めて焦るよりも、遅めに訪ねる方が性には合っているのかもしれません。
前回は年末という事情もあって、肴はおまかせのみでしたが、今回も席に着くなり女将からおまかせを勧められました。一旦辞退し品書きを眺めると、一時に比べ品数が絞られており、なおかつ一品のお値段はそこそこでした。そこから窺われたのは、品数を絞る代わりに一品の質と量を引き上げるという最近の方針です。その直後、おまかせで少しずつ盛ってもよいとの勧めが店主からあり、結局今回もおまかせという選択に落ち着きました。
前回と同様、出来上がりに応じて一皿ずつ出てくるのかと思いきや、11枚もの小皿が角盆に乗って出てきたのには驚きました。少し遅れて天麩羅の小皿が出たため、合わせて実に12皿です。しかも、刺身の皿には鯨、鰆、ツブ、北寄の四点が、酢の物の皿には牡蠣、海鼠、あん肝の三品が盛り合わされ、天麩羅も河豚の白子と桜海老の二品あるため、実際の品数は皿の数以上ということになります。これなら酒以外の品を注文する必要は当然なく、二時間弱の滞在で終了という結果です。
品書きと値段は少しずつ変遷しつつも、本質は変わることなく、開店からこれで三年経ちました。石の上にも三年といわれるだけに、店主も感慨深く受け止めているようでした。次の節目は「桃栗三年柿八年」の域に達する五年後でしょうか。草創期から知る数少ない店の一つだけに、今後の進化についても注視していくつもりです。
★國酒の仕業
宇都宮市大通り5-2-8
028-612-4992
1800PM-2400PM
日曜定休
宮泉・山川光男・五峰・別嬪・燦爛
お造り四品
酢の物三品
天ぷら二品
煮穴子
とりモモと里芋のナッツ炒め
北寄貝とパプリカのバター炒め煮
砂肝の酒粕味噌煮
明太子炙り
厚焼き玉子
チェダーチーズ
大根煮
松前漬け