日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

薫風の佐渡を行く - 全行程終了

2017-06-12 21:59:31 | 甲信越
全行程終了です。六年前に新潟で花見をしたとき、「だいろの湯」に寄ってから出発したのがほぼ同じ時間帯だったということになっています。そのときは中之島見附から北陸道に乗り、関越道を経由して帰りました。ただ、当時に比べ深夜割引は大幅に縮減されており、自身無味乾燥な高速道での移動が年々つまらなく感じられてきたという事情もあります。その一方で経験が蓄積され、上越国境までは一般道でも快走できることが分かっています。単調な高速道で眠気を催し、長時間の休憩を余儀なくされるのであれば、一般道を経由しても結果的に大差はつきません。とりあえず一般道を走れるだけ走ってみるつもりです。
コメント

薫風の佐渡を行く - だいろの湯

2017-06-12 21:45:35 | 温泉
今日は日中でも17度までしか上がらず、汗をほとんどかきませんでした。その一方で、日が落ちてからはますます肌寒くなり、これで六月中旬かと思うほど冷えています。そのようなとき、渡りに船の温泉が経路上にあります。岩室まで車を飛ばし「だいろの湯」にやってきました。
経路上とは申しましたが、正確には北陸道よりも5kmほど、8号線との比較ではその倍以上も西の方へ迂回する形になります。それにもかかわらず足を延ばしたのは、偏にお湯が秀逸だからに他なりません。内湯、露天、半露天の三種類が備わり、それぞれに異なる源泉が掛け流され、実質三つのお湯が楽しめるという、一粒で三度おいしい名湯です。しかるに自身なじみの薄い下越地方ということもあり、長らく無沙汰をしてしまいました。新潟から寄り道しつつ帰るという状況を考えたとき、いの一番で浮かんできたのがここだった次第です。
どれもほのかに硫黄臭がする、しかし微妙に異なる泉質もさることながら、その使い方が実に贅沢です。内湯の温い源泉と、半露天の熱い源泉との間で熱交換をし、加水をせずに適温を保つところが心憎く、ジェットバス、電気風呂など奇をてらったものを造らず、源泉の数だけ広々した浴槽を造って、そこに豊富な源泉を掛け流すという設計も好ましいものがあります。これなら800円という高めの入浴料も十分納得できるところではありますが、平日の五時以降は500円に割り引かれ、一層値打ちが出てきます。
初めてここを訪ねたのは七年前、奇しくも佐渡への旅の途中でした。フェリーに乗り遅れるという失態を犯し、その日のうちに渡る意味がなくなって、仕方なく越後平野で活動した後、新潟市街へ戻る前に立ち寄ったのでした。いつまでも明るい西の空と、影絵になった弥彦山、田圃から聞こえてくる蛙の大合唱が今も印象に残っています。久々に佐渡を旅した今回も、帰りに立ち寄れたのは幸いです。

多宝温泉だいろの湯
新潟市西蒲区石瀬3250番地
0256-82-1126
1000AM-2200PM
入浴料800円(平日1700PM- 500円)

・1号源泉
泉質 含硫黄-ナトリウム-塩化物温泉(弱アルカリ性低張性高温泉)
泉温 55.2度
pH 8.85
湧出量 毎分162リットル(自噴)

・2号源泉
泉質 含硫黄-ナトリウム-塩化物温泉(アルカリ性低張性高温泉)
泉温 25.8℃
pH 8.9
湧出量 毎分838リットル(掘削動力揚湯)

・3号源泉
泉質 含硫黄-ナトリウム・カルシウム-塩化物温泉(アルカリ性低張性高温泉)
泉温 45.7℃
pH 9.0
湧出量 毎分1140リットル(掘削動力揚湯)
コメント

薫風の佐渡を行く - モスバーガー新潟亀貝店

2017-06-12 20:16:10 | MOS
残りの時間でどこへ寄るかと考えたとき、思いついたのが新潟市内のMOSでした。新潟亀貝店を訪ねます。
かつてはMOSの店舗めぐりを旅の主たる目的の一つとしていた頃もありました。しかし、MOSの店舗があからさまに安っぽくなり、立地も無味乾燥な郊外型店舗の集積地へ移るにつれて、新規の店舗に対する興味はすっかり薄れ、今ではもっぱら古い店舗を訪ね歩くのが中心になっています。そのような中、今回は経路上比較的無駄なく寄れる場所に店舗があったため、久々の新規開拓となった次第です。

粗末になる一方だったMOSの店舗の造りも、近年はどうにか下げ止まった感があり、眉をひそめるような安普請の店舗は現れず、最悪でも可もなく不可もなしといった程度で収まっているような気がします。しかしてこちらの店舗はどうかといえば、感嘆するほどでもない、しかし決して悪くはないとでもいえばよいでしょうか。
外壁が暗い中でも一目で分かる安物なのはいただけません。しかし、通り沿いに五つ並んだ、天井まで届く大きな窓と、その内側に立てられた角柱が、この店舗の最大の特徴です。その窓際には、MOSの店舗にしては珍しい円卓とソファの客席が並べられ、天井からは細長いランプシェードが下がります。床は風合いのよいフローリングで仕上げられるなど、客席に関していえば今時のMOS特有の安っぽさがほとんどなく、むしろ初代緑モス時代の高級路線に回帰した感さえあるのは歓迎すべきことです。
通りから見て右側に、奥へ向かってまっすぐ下がるファサードを造って、その下にある玄関の天井を円くくり抜き、間接照明で浮かび上がらせるのは、近年MOSが好んで使う手法です。この構造が受け継がれれば、平成末期のMOSの造りをよく残す、生き証人のような店舗になっていくかもしれません。

モスバーガー新潟亀貝店
新潟市西区亀貝1468
025-264-1505
700AM-2300PM
第8018号
コメント

薫風の佐渡を行く - 帰還

2017-06-12 18:38:14 | 甲信越
二時間半の航海を終えて新潟に帰還しました。雲がこれだけ多ければ、佐渡もたちまち紛れてしまうかと思いきや、遠景は思ったよりもはるかに鮮明で、雲間から射す後光に島影が浮かび上がり、新潟港に着岸する直前まで見えていました。写真に撮って絵になる眺めというわけではないものの、こちらを見送るように佇む姿が印象的でした。佐渡への旅はこれにて完結です。
空はまだ明るく、高速道をまっすぐ走れば今日中にでも帰れてしまいます。しかし、あいにく今日は高速料金の割引が事実上使えない平日です。寄り道しつつ一般道を走り、深夜割引が効く時間帯になったところで高速道に乗ります。
コメント

薫風の佐渡を行く - 二度あることは

2017-06-12 17:05:41 | 甲信越
その後も終始必要最小限の余裕を保ち、両津港には出航30分前に到着。航送車の列につくとほどよい間合いで乗船が始まり、デッキに上がってひとしきり名残を惜しむと、出航五分前を告げる銅鑼の音が鳴り出しました。定刻からわずかに遅れて出航し、現在新潟へ向けて航行中です。
月曜まで晴との予報に喜び勇んで出たはずが、本日の天候は一貫して振るいません。ただし、時間が経つにつれて雲に切れ間が出始め、そこから西日が射し込む場面が増えてきました。遠ざかる佐渡島の上空も雲に覆われてはいるものの、わずかな隙間から後光のような日が射しています。往路に眺めた清々しい青空とは比べようがないものの、こちらはこちらで印象的です。

七年ぶりの再訪を一言で総括するなら、佐渡は広いと改めて実感する旅でした。中央の細くなった部分を境に、南北二つに分かれているようにも見える佐渡島ですが、前回は南側の半分、今回は北側の半分を回ったところで時間が尽きました。我が国の離島の中で、沖縄本島に次ぐ実質二位の面積は伊達でないというのが実感です。
それとともに思うのが、外海府を晴天下で走りたかったということです。結果論としては内海府と両津市街を今日に回し、昨日は外海府を往復すればよかったということになります。しかし、何度も訪ねた島ならともかく、未踏の地も残る二回目の上陸ということになると、それらをいかに効率よく回るかという発想にどうしても縛られてしまいました。
見方を変えると、次の機会があったとすれば、行きたい場所から順に行けばよいということになります。快晴の外海府はそのときまでとっておけという思し召しでしょうか。二度あることは三度ある、いつか再訪できる日を楽しみにしています。
コメント

薫風の佐渡を行く - 天下餅

2017-06-12 14:59:17 | B級グルメ
今回の活動ではセーブオンが最後の活躍を見せてくれました。両津へ向かう途中に店舗が現れたため、こちらで遅いお昼を調達していきます。
実はそれほど空腹感がなく、新潟まで引き延ばすにもやぶさかではありませんでした。しかし、いつまでセーブオンの世話になれるかは何ともいえません。少なくとも、次に佐渡へ渡ったときには根こそぎローソンに切り替えられているでしょう。そう思うとむざむざ素通りできなかった次第です。
佐渡では二軒立ち寄りましたが、他にもいくつか店舗を見かけました。そして、セーブオン以外のコンビニはありませんでした。佐渡の人々にとって、コンビニとはセーブオンのことに他ならず、いわばかつての山陰におけるポプラのような存在だったわけです。しかしどちらもローソンの軍門に下り、エブリワンとサークルKはファミリーマートに呑み込まれてしまいました。コンビニ空白地帯に文明の恩恵を行き渡らせた功績者が、次々と大手に呑まれ姿を消していく現状からは、織田が撞き、羽柴が捏ねし天下餅の狂歌が思い出されてなりません。
コメント

薫風の佐渡を行く - 七浦海岸

2017-06-12 14:27:20 | 甲信越
その後は粛々と南下して相川の町を通り過ぎ、小さな半島を周回する経路に入りました。沿道に現れるのが七浦海岸です。入崎と同様夫婦岩が鎮座しており、すぐそばには広大な駐車場を備えたドライブインもあって、先ほど観光バスが出ていきました。ここが佐渡の中でも有数の景勝地なのでしょう。
単調だった内海府に対し、外海府から続く西側の海岸ではどこまで行っても奇岩が点々としていて、眺めのよさにかけてはあちらをはるかに上回ります。沿道には駐車場を備えた小公園も相当数ありました。しかるにそれらを素通りしてきたのは、いかんせんこの曇り空では絵にならないからです。沖縄と同様、晴れてこそ様になるのが離島の景色ということでしょう。
脇目も振らず走ってきたのは、丹念に見ていくときりがなく、いずれは時間との戦いに陥りそうだったからでもあります。しかし、あとは佐和田から内陸に入ればよく、どうにか両津にたどり着けそうな目処が立ちました。残念ながら曇り空は最後まで変わりませんでしたが、南の彼方に青空が見えています。帰りの船で夕景が広がってくれれば、有終の美を飾ることができるかもしれません。
コメント

薫風の佐渡を行く - 折り返し

2017-06-12 12:56:42 | 甲信越
大野亀まで走ったところで折り返します。これにより、七年前と合わせて島内の海岸線を明るいうちに一周できたことになります。平凡な曇り空は相変わらずながら、曲がりなりにも走り通すことができたのは幸いです。
あとは相川までひたすら南下し、佐和田から内陸に入って両津へ向かう形になるかと思います。依然として上向かない天候に鑑み、今のところ四時の便に乗る前提で動きますが、奇跡的に晴れてくれれば、最終便まで延長するにもやぶさかでなしといったところです。
コメント

薫風の佐渡を行く - 外海府

2017-06-12 12:18:41 | 甲信越
昨日南下してきた外海府を、今日は逆方向に走ります。昨日走った中でも一、二を争う大眺望だった、跳坂の峠道から麓の集落を見下ろしています。
青空が広がったのもぬか喜びに終わり、その後は可もなく不可もない平凡な曇り空に戻りました。もちろんこれでも十分よい眺めとはいえ、昨日明るいうちに走っていればと考えてしまうのは人情です。内海府の眺めが平板だったことを考えると、あちらを後回しにしていればという結果論が浮上してくるところではあります。
しかしこれには理由がありました。正午過ぎに着き、それから走るということになると、西向きの海では眩しくなるだろうと考えたのです。むしろ内海府を先に回っておけば、外海府へ回る頃には日が傾き、見事な夕景が現れるのではないかと期待しました。二日滞在できるという条件を生かし、まずは夕景を眺めて、翌日違う時間帯にもう一度走ろうという算段だったわけです。少なくとも前者については見事に的中した以上、このまま終わったとしても満足できる結果ではあります。

ちなみに現在の気温は14.5度で、これは昨晩からほぼ変わりません。半袖シャツ一枚ではさすがに寒く、昨日の晩から今朝にかけては薄手の雨合羽を羽織って乗り切りました。日が射せば暑くなってくるかと思いきや、あいにく日が射さないためいつまで経っても体感温度は上がらず、依然として雨合羽を羽織ってちょうどよく感じられる気候です。
この気候と車窓から思い浮かべるのは、語弊を承知でいうなら北海道です。荒涼とした海岸段丘が日高や釧路の海岸線にどことなく似ており、六月とは思えない肌寒さもあちらを彷彿させるものがあります。
コメント

薫風の佐渡を行く - 赤ちょうちん

2017-06-12 10:45:04 | B級グルメ
入崎を出て車を北に走らせると、看板の予告通りにAコープが出現。昨日走った限りでは、この先食料を調達できそうな場所もなく、ここで補給をしておくかと思いながらも素通りすると、直後にまさかのラーメン屋が現れました。しかも暖簾が出ています。この僥倖をむざむざ見過ごす手はありません。一旦通り過ぎながらもすぐさま引き返してきました。
赤ちょうちんなる屋号と、腰もたれ付きの丸椅子が並んだカウンターは一見呑み屋然としています。カウンターとは別に厨房があることからしても、元々呑み屋で始まったところ、中華そばが評判になり、そのままラーメン屋になったのかもしれません。しかし、片や中華そば、片や定食と丼物の二枚に分けて額装された短冊の品書きは、呑み屋崩れの怪しい店というよりも、虚飾のない専門店の趣です。
時間が早すぎスープがなく、冷やし中華しか選べなかったのが残念ではありますが、気さくなおばちゃんがよい味を出しています。入崎のキャンプ場に続き、いつの日か戻ってきたいと思う場所がもう一つ増えました。

★赤ちょうちん
佐渡市北田野浦1645-6
0259-78-2220
冷し中華900円
コメント

薫風の佐渡を行く - 出発

2017-06-12 09:58:40 | 甲信越
粘った甲斐はあったようです。西の方から空が晴れだし、上空からも薄日が射すようになってきました。あとは次第に晴れる方向だろうと判断し、満を持して出発します。
一晩世話になった入崎キャンプ場ですが、明るくなってから気付いたのは沿道にAコープの案内板があることです。1km先ということは車なら目と鼻の先です。しかるに昨夜全く気付かなかったことからすると、おそらく七時で閉店なのでしょう。とはいえ相川まで行くよりはるかにましではあります。
もっとも、この場合でも風呂だけはどうしようもなく、シャワーが使える海水浴の時期でもなければ、相川まで延々往復するしかありません。このことからいえるのは、南下してここに着くより、相川の町で買い出しと風呂を済ませ、そこから北上していくのがよさそうだということです。もちろん期間外のキャンプ場だけに、始めから当てにするわけにはいかず、あくまで駆け込み寺としての位置付けではありますが。次に佐渡を訪ねる機会がいつになるかは未知数ながら、もしものときのために覚えておきたいと思います。
コメント

薫風の佐渡を行く - 三日目

2017-06-12 08:57:27 | 甲信越
おはようございます。昨夜は0時過ぎに晩酌を切り上げました。この時期ならば4時には明るくなってきます。そう思うと今更設営するのも億劫になり、やはり車中泊にするかと一度は決断しました。ところが、いつの間にやら車内に蚊が入り込んでおり、これを追い払わない限り眠れない状況になってしまいました。どのみち手間が要るならば、横になって眠れた方がよかろうと思い直し、炊事場の屋根の下に設営して休むという顛末です。そしてこの判断は正解でした。
というのも、晩酌の間中分厚い雲が漂っていたことからして、場合によっては一雨来るかもしれないと考えたのです。案の定、丑三つ時にテントを叩く雨音がしました。そして六時が近付きテントを出ようとしたその瞬間、かなりの雨が降りかかってきました。
屋根の下にもかかわらず雨音がするのは、テントと炊事場の構造上、中心の方に設営することができず、吹き込んだ雨が降りかかったためです。とはいえ、テントの一部が濡れただけで済んだことを思えば、屋外に設営するよりはるかによかったことになります。雨は止み、撤収も既に済ませて、あとはいつでも出発できる状態です。

それはよいのですが、天候の回復が遅れており、目覚めた時点では間もなく晴れてくるとされていたのが、今のところ10時頃まで曇り空が続くことになっています。雲間には所々青空も見えており、いずれ晴れてきそうだという期待はあるものの、今のところは慌てて動いても仕方がなさそうです。
天気待ちの時間が発生したことにより、残りの滞在時間をどう使うかが思案のしどころになってきます。明るいうちに乗船したいということもあり、帰りは四時過ぎの便を押さえていますが、船上からの眺めは昨日満喫しました。今は外海府をもう一度走りたいというのが第一です。晴れてくれれば滞在を延ばし、日没後の最終便で帰るという選択も視野に入れています。
コメント