日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

本日の晩酌 - 黒松仙醸

2017-06-08 23:26:45 | 晩酌
信州の地酒の中で食わず嫌いを続けてきたのが高遠の「黒松仙醸」です。その理由は先日の「末廣」とおおむね共通しています。すなわち、昔ながらの安酒か高価な大吟醸に二極化しており、自分が主にいただいている価格帯の酒がほとんどないのです。しかし今季の花見で訪ねたとき、頃合いの品を見付けました。
昨年の創業150年を機に造られた「150シリーズ」なるものの一つだそうで、今まで見かけなかったのも宜なるかなです。蔵元による説明には、信州ゆかりのひとごこちを原料米に用い、「上質で透明感がありながら、お米のもつ膨らみのある甘味を感じられる味わい」を追求したとあります。加えて、今回選んだ純米無濾過はリンゴ系の香りとの触れ込みです。
その説明はおおむね同意できるもので、仄かなリンゴ系の含み香と甘味が印象に残ります。燗をつけても香りが立つことはなく、むしろ繊細さが失われ無味乾燥になってしまうところが特徴的です。「酒は純米、燗ならなお良し」の格言もこの品に関する限りは当てはまらず、冷酒でいただくのを前提にしていることが窺われました。

★黒松仙醸 純米無濾過
仙醸(長野県伊那市)
原料米 信州産ひとごこち
精米歩合 60%
日本酒度 -3
酸度 1.5
アルコール分 16度
長野県伊那市 酒文化いたやにて購入
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