出発します。昨晩世話になったのは定宿のフジグランドホテル、ではなくホテルニューパレスでした。実は、彼岸ということもあるのか、会津の宿が異様に混んでおり、数日前に検索した時点で、若松市街の宿は皆無という状況でした。そこで会津に泊まるのを諦め、米沢泊という代替案も検討していた中、翌日念のため再度検索したところ、この宿に一室だけ空きが出ており、そこにどうにか滑り込んだ次第です。
場所は駅前からまっすぐ南下して行き、中町のフジグランドホテルにたどり着く少し手前で、名前はともかく建物には見覚えがありました。この二軒に限らず、同じ通りにはつるやホテルに大阪屋など、古くから続いてきたと思しき一軒営業の宿がいくつかあり、佇まいも価格帯も似通っています。それだけに、古いながらも相応に手入れがなされ、現代的なビジネスホテルよりも居心地はよさそうだという期待はありました。そして、この期待は見事なまでに的中しました。
有り体に言えばややくたびれた感のあるフジグランドホテルに対し、結婚式場まで備えたこちらの宿は一枚格上と見え、フロント、ロビーはきれいに改装されており、チェックインは余裕の14時、チェックアウトも11時です。客室にはやや古さを感じる部分はあるものの、室内は十分に広く、細部の造りにも余裕があります。
700円の料金をあえて払っていただいた朝食バイキングは、野口英世像が見える通り沿いのレストランで供されます。品数は目移りするほどではないものの、一つ一つの品が手作りされており、こづゆと三五八漬で郷土色も織り込むという構成です。会津塗のお椀でいただく味噌汁には、天然物と思しき大きななめこが惜しげもなく使われていました。
この朝食を含めた価格で、フジグランドホテルと比べても千円違わないということは、価格に見合った価値は十分あるということになります。やはり、至近距離によく似た宿がいくつもあると、価格にも接客水準にもよい意味での競争が働くということでしょう。どこの街へ行っても画一性、合理性を徹底追求した全国チェーンが乱立する昨今、若松の老舗の健闘ぶりは好ましいものがあります。
場所は駅前からまっすぐ南下して行き、中町のフジグランドホテルにたどり着く少し手前で、名前はともかく建物には見覚えがありました。この二軒に限らず、同じ通りにはつるやホテルに大阪屋など、古くから続いてきたと思しき一軒営業の宿がいくつかあり、佇まいも価格帯も似通っています。それだけに、古いながらも相応に手入れがなされ、現代的なビジネスホテルよりも居心地はよさそうだという期待はありました。そして、この期待は見事なまでに的中しました。
有り体に言えばややくたびれた感のあるフジグランドホテルに対し、結婚式場まで備えたこちらの宿は一枚格上と見え、フロント、ロビーはきれいに改装されており、チェックインは余裕の14時、チェックアウトも11時です。客室にはやや古さを感じる部分はあるものの、室内は十分に広く、細部の造りにも余裕があります。
700円の料金をあえて払っていただいた朝食バイキングは、野口英世像が見える通り沿いのレストランで供されます。品数は目移りするほどではないものの、一つ一つの品が手作りされており、こづゆと三五八漬で郷土色も織り込むという構成です。会津塗のお椀でいただく味噌汁には、天然物と思しき大きななめこが惜しげもなく使われていました。
この朝食を含めた価格で、フジグランドホテルと比べても千円違わないということは、価格に見合った価値は十分あるということになります。やはり、至近距離によく似た宿がいくつもあると、価格にも接客水準にもよい意味での競争が働くということでしょう。どこの街へ行っても画一性、合理性を徹底追求した全国チェーンが乱立する昨今、若松の老舗の健闘ぶりは好ましいものがあります。