三連休の初日を終えて試合数が再び増加したものの、400に迫った先週末には及ばず、46大会274試合の開催でした。明日も試合数が大幅に増えるとは考えられず、結果としては先週末が今季の最盛期だったことになります。最後まで残っていた福井、高知の両大会が開幕し、沖縄では明日全国最初の代表が決まり、北海道と東北も終盤戦に突入するなど、一月近く続いてきた地方大会にも少しずつ終幕が近付いてきたようです。
・北海道
小樽潮陵と浦河が再び勝って4強入りを果たしました。小樽潮陵はともかく、地区予選突破が60年ぶり2回目という浦河が、ここまで上位に食い込むと誰が予想したでしょうか。準決勝は両校の直接対決となります。つまり、両校のいずれか一方は決勝に進出するわけです。地区予選が終わると例年ほぼ見所のない南北海道大会ですが、今季は最後まで目が離せません。
・遠距離
高知大会はもとより西日本でも屈指の好カード、室戸対清水の一戦は室戸に軍配が上がりました。次戦の相手は明徳義塾ですorz
・離島
徳之島と大島が敗退し、鹿児島の離島勢がついに姿を消しました。両校とも惜敗であり、あと1勝すれば8強だったかと思うと惜しまれます。しかし、試合があった日だけで数えても開幕から12日目、そのうち離島勢が登場しなかったのは一日だけです。ここまで楽しませてくれたことに感謝します。また来年…
・接戦
3回戦で延長15回を戦い抜き、翌日の再試合を延長11回の末に制した朝霞が昨日の今日で敗退。敗れたとはいえ三連戦の疲れも見せず、0対1と最後まで健闘したのは見事でした。2回戦も1点差の接戦を勝ち抜いており、コールド勝ちした初戦を除けば、一瞬たりとも気の抜けない緊迫した戦いの連続だったわけです。三日間で35回を戦い抜いた球児たちに敬意を表したいと思います。
静岡大会では降雨のため24試合中8試合がノーゲーム、2試合がコールドとなりました。コールドとなった2試合のうち、同点だった1試合は再試合となり、1点差だったもう1試合はそのまま試合成立となっています。勝敗が決したのは気賀対下田で、7回裏に下田が2点を取って逆転し、そのまま打ち切りという顛末でした。続けていればどちらに転ぶか分からなかった試合であり、逆に7回の攻撃が終了しない限りは、高校野球の規則によりノーゲームとなっていたわけです。逆転された気賀の選手にしてみれば、まさに最悪の雨だったということになるのでしょう。無情の雨がまたしても明暗を分けた一日でした。
・大差
大阪大会で26対4のスコアが出現しました。20点差以上をつけられながら3点4点取り返すという試合が、今季は突出して多いような気がします。
・伝統校
石川大会で金沢桜丘が、滋賀大会で膳所がそれぞれ初戦を突破。和歌山大会では嘉永年間創立の耐久が全出場校のトリを飾って登場するも、あえなく初戦敗退に終わっています。弘化年間創立の藩校を発祥とする岩国は難なく初戦を突破し、春7回、夏4回の甲子園出場経験が伊達ではないことを示しました。同じく藩校を発祥とする小松も快勝しています。
既出のところとしては、岡山の興譲館が3回戦に進出する一方で、藩校を発祥とする会津、小田原、萩、山口の4校が相次いで散りました。前橋も3戦目で敗退となっています。
・よい地名
地名ではありませんが、ゆかしい校名として県別ネタでも紹介した杜若が、愛知大会の初戦を飾っています。
・古豪
選抜無敗の記録を持つ静岡の韮山と、選手権史上初の延長引き分け再試合を演じた富山の魚津が初戦を突破。予選皆勤の記録を保持する15校のうち、最後まで残っていた愛知の旭丘と島根の松江北はいずれも初戦で不覚をとりました。しかし、同様の記録を持つ15校のうち、初戦で敗れたのは旭丘、市岡、神戸、桐蔭、松江北の5校だけであり、そのうち神戸は同じ記録を持つ兵庫との直接対決でした。最大でも14勝という条件下で10勝を挙げているのは、さすが古豪というべきでしょう。四国では、甲子園無敗伝説を持つ徳島海南の後身海部と、2度の全国制覇を誇る四国屈指の古豪高松商が、いずれも大差で初戦を突破しました。
既出のところとしては、岩倉、横浜商、関大北陽が勝ち進み、済々黌は8強入りを果たしました。その一方で東日本では磐城と上尾が散り、西日本では第一回大会の代表校でもあった鳥羽、広島国泰寺、鳥取西の3校と、全国制覇の経験を持つ芦屋、柳井の両校が相次いで散っています。柳井を破ったのは津田の出身校として知られる南陽工で、翌日に迫った命日に捧げる勝利となりました。球場が周南市野球場、別名「津田恒美メモリアルスタジアム」だったという偶然も心憎いものがあります。
・職業校
全国的にも珍しい芸術系の名古屋市工芸が登場するも初戦敗退。高専は沼津高専、豊田高専、福井高専、奈良高専、香川高専詫間、高知高専と6校登場して3勝3敗というまずまずの結果です。香川高専詫間は初戦でいきなりシード校の丸亀城西に当たるという不運もあり、現校名に変わってからの初勝利を挙げることはできませんでした。同校の敗退により、全国3校の旧電波高専の夏が終わりました。
既出のところでは、上伊那農が次戦へ進み、置賜農、下伊那農と日田林工は敗退。高専では群馬高専、長野高専、岐阜高専、石川高専が散り、明石高専だけが次戦へ進みました。
・その他
県別ネタで紹介した近江兄弟社と神戸高塚、分校の星日高中津が揃って姿を消しています。
★南北海道大会準々決勝
浦河6-4札幌創成
恵庭南6-8小樽潮陵
★山形大会3回戦
置賜農4-7鶴岡南
★福島大会3回戦
磐城2-3x日大東北
福島北11-4会津
★群馬大会3回戦
群馬高専2-8太田工
前橋工6-0前橋
★埼玉大会4回戦
朝霞0-1山村国際
南稜8-0上尾
★東東京大会4回戦
修徳4-6岩倉
★神奈川大会3回戦
横浜商2-0日大
小田原1-5平塚学園
★長野大会3回戦
下諏訪向陽0-7上伊那農
東海大三16-1下伊那農
長野高専4-6長野商
★静岡大会1回戦
清水東0-4韮山
気賀2-3下田(7回コールド)
佐久間2-2熱海(7回コールド)
★愛知大会1回戦
名古屋市工芸2-8高蔵寺
旭丘0-7x至学館
一宮北4-6杜若
豊田高専5-4吉良
★岐阜大会3回戦
岐阜高専2-3x揖斐
★富山大会2回戦
砺波工5-6魚津
★石川大会2回戦
津幡1-4金沢桜丘
飯田7-4石川高専
★福井大会1回戦
福井高専11-4丹南
★滋賀大会
・1回戦
能登川0-8膳所
・2回戦
近江兄弟社0-1x八日市(延長10回)
★京都大会3回戦
桂5-2鳥羽
★大阪大会2回戦
枚方なぎさ0-8x関大北陽
太成学院大26-4南
★兵庫大会3回戦
明石高専2-1尼崎小田
県芦屋3-4x東播工
市川4-1神戸高塚
★奈良大会2回戦
奈良高専4-3王寺工
★和歌山大会
・2回戦
那賀3-2耐久
・3回戦
日高中津3-10x伊都
★岡山大会2回戦
興譲館6-4備前緑陽
★広島大会3回戦
国泰寺5-6x西条農(延長13回)
★鳥取大会2回戦
倉吉東3-2鳥取西
★島根大会2回戦
松江北1-2江津
★山口大会2回戦
南陽工11-8柳井
萩2-3x下関工
山口2-7下関国際
下松1-8岩国
★徳島大会1回戦
徳島市立0-10x海部
★香川大会2回戦
香川高専詫間0-10x丸亀城西
高松商13-3高松一
★愛媛大会1回戦
小田0-11小松
★高知大会1回戦
清水0-6室戸
高知商9-0高知高専
★熊本大会4回戦
熊本一2-6済々黌
★大分大会3回戦
日田林工3-10x杵築
★鹿児島大会4回戦
徳之島1-2x川内(延長11回)
川内商工3-1大島
・北海道
小樽潮陵と浦河が再び勝って4強入りを果たしました。小樽潮陵はともかく、地区予選突破が60年ぶり2回目という浦河が、ここまで上位に食い込むと誰が予想したでしょうか。準決勝は両校の直接対決となります。つまり、両校のいずれか一方は決勝に進出するわけです。地区予選が終わると例年ほぼ見所のない南北海道大会ですが、今季は最後まで目が離せません。
・遠距離
高知大会はもとより西日本でも屈指の好カード、室戸対清水の一戦は室戸に軍配が上がりました。次戦の相手は明徳義塾ですorz
・離島
徳之島と大島が敗退し、鹿児島の離島勢がついに姿を消しました。両校とも惜敗であり、あと1勝すれば8強だったかと思うと惜しまれます。しかし、試合があった日だけで数えても開幕から12日目、そのうち離島勢が登場しなかったのは一日だけです。ここまで楽しませてくれたことに感謝します。また来年…
・接戦
3回戦で延長15回を戦い抜き、翌日の再試合を延長11回の末に制した朝霞が昨日の今日で敗退。敗れたとはいえ三連戦の疲れも見せず、0対1と最後まで健闘したのは見事でした。2回戦も1点差の接戦を勝ち抜いており、コールド勝ちした初戦を除けば、一瞬たりとも気の抜けない緊迫した戦いの連続だったわけです。三日間で35回を戦い抜いた球児たちに敬意を表したいと思います。
静岡大会では降雨のため24試合中8試合がノーゲーム、2試合がコールドとなりました。コールドとなった2試合のうち、同点だった1試合は再試合となり、1点差だったもう1試合はそのまま試合成立となっています。勝敗が決したのは気賀対下田で、7回裏に下田が2点を取って逆転し、そのまま打ち切りという顛末でした。続けていればどちらに転ぶか分からなかった試合であり、逆に7回の攻撃が終了しない限りは、高校野球の規則によりノーゲームとなっていたわけです。逆転された気賀の選手にしてみれば、まさに最悪の雨だったということになるのでしょう。無情の雨がまたしても明暗を分けた一日でした。
・大差
大阪大会で26対4のスコアが出現しました。20点差以上をつけられながら3点4点取り返すという試合が、今季は突出して多いような気がします。
・伝統校
石川大会で金沢桜丘が、滋賀大会で膳所がそれぞれ初戦を突破。和歌山大会では嘉永年間創立の耐久が全出場校のトリを飾って登場するも、あえなく初戦敗退に終わっています。弘化年間創立の藩校を発祥とする岩国は難なく初戦を突破し、春7回、夏4回の甲子園出場経験が伊達ではないことを示しました。同じく藩校を発祥とする小松も快勝しています。
既出のところとしては、岡山の興譲館が3回戦に進出する一方で、藩校を発祥とする会津、小田原、萩、山口の4校が相次いで散りました。前橋も3戦目で敗退となっています。
・よい地名
地名ではありませんが、ゆかしい校名として県別ネタでも紹介した杜若が、愛知大会の初戦を飾っています。
・古豪
選抜無敗の記録を持つ静岡の韮山と、選手権史上初の延長引き分け再試合を演じた富山の魚津が初戦を突破。予選皆勤の記録を保持する15校のうち、最後まで残っていた愛知の旭丘と島根の松江北はいずれも初戦で不覚をとりました。しかし、同様の記録を持つ15校のうち、初戦で敗れたのは旭丘、市岡、神戸、桐蔭、松江北の5校だけであり、そのうち神戸は同じ記録を持つ兵庫との直接対決でした。最大でも14勝という条件下で10勝を挙げているのは、さすが古豪というべきでしょう。四国では、甲子園無敗伝説を持つ徳島海南の後身海部と、2度の全国制覇を誇る四国屈指の古豪高松商が、いずれも大差で初戦を突破しました。
既出のところとしては、岩倉、横浜商、関大北陽が勝ち進み、済々黌は8強入りを果たしました。その一方で東日本では磐城と上尾が散り、西日本では第一回大会の代表校でもあった鳥羽、広島国泰寺、鳥取西の3校と、全国制覇の経験を持つ芦屋、柳井の両校が相次いで散っています。柳井を破ったのは津田の出身校として知られる南陽工で、翌日に迫った命日に捧げる勝利となりました。球場が周南市野球場、別名「津田恒美メモリアルスタジアム」だったという偶然も心憎いものがあります。
・職業校
全国的にも珍しい芸術系の名古屋市工芸が登場するも初戦敗退。高専は沼津高専、豊田高専、福井高専、奈良高専、香川高専詫間、高知高専と6校登場して3勝3敗というまずまずの結果です。香川高専詫間は初戦でいきなりシード校の丸亀城西に当たるという不運もあり、現校名に変わってからの初勝利を挙げることはできませんでした。同校の敗退により、全国3校の旧電波高専の夏が終わりました。
既出のところでは、上伊那農が次戦へ進み、置賜農、下伊那農と日田林工は敗退。高専では群馬高専、長野高専、岐阜高専、石川高専が散り、明石高専だけが次戦へ進みました。
・その他
県別ネタで紹介した近江兄弟社と神戸高塚、分校の星日高中津が揃って姿を消しています。
★南北海道大会準々決勝
浦河6-4札幌創成
恵庭南6-8小樽潮陵
★山形大会3回戦
置賜農4-7鶴岡南
★福島大会3回戦
磐城2-3x日大東北
福島北11-4会津
★群馬大会3回戦
群馬高専2-8太田工
前橋工6-0前橋
★埼玉大会4回戦
朝霞0-1山村国際
南稜8-0上尾
★東東京大会4回戦
修徳4-6岩倉
★神奈川大会3回戦
横浜商2-0日大
小田原1-5平塚学園
★長野大会3回戦
下諏訪向陽0-7上伊那農
東海大三16-1下伊那農
長野高専4-6長野商
★静岡大会1回戦
清水東0-4韮山
気賀2-3下田(7回コールド)
佐久間2-2熱海(7回コールド)
★愛知大会1回戦
名古屋市工芸2-8高蔵寺
旭丘0-7x至学館
一宮北4-6杜若
豊田高専5-4吉良
★岐阜大会3回戦
岐阜高専2-3x揖斐
★富山大会2回戦
砺波工5-6魚津
★石川大会2回戦
津幡1-4金沢桜丘
飯田7-4石川高専
★福井大会1回戦
福井高専11-4丹南
★滋賀大会
・1回戦
能登川0-8膳所
・2回戦
近江兄弟社0-1x八日市(延長10回)
★京都大会3回戦
桂5-2鳥羽
★大阪大会2回戦
枚方なぎさ0-8x関大北陽
太成学院大26-4南
★兵庫大会3回戦
明石高専2-1尼崎小田
県芦屋3-4x東播工
市川4-1神戸高塚
★奈良大会2回戦
奈良高専4-3王寺工
★和歌山大会
・2回戦
那賀3-2耐久
・3回戦
日高中津3-10x伊都
★岡山大会2回戦
興譲館6-4備前緑陽
★広島大会3回戦
国泰寺5-6x西条農(延長13回)
★鳥取大会2回戦
倉吉東3-2鳥取西
★島根大会2回戦
松江北1-2江津
★山口大会2回戦
南陽工11-8柳井
萩2-3x下関工
山口2-7下関国際
下松1-8岩国
★徳島大会1回戦
徳島市立0-10x海部
★香川大会2回戦
香川高専詫間0-10x丸亀城西
高松商13-3高松一
★愛媛大会1回戦
小田0-11小松
★高知大会1回戦
清水0-6室戸
高知商9-0高知高専
★熊本大会4回戦
熊本一2-6済々黌
★大分大会3回戦
日田林工3-10x杵築
★鹿児島大会4回戦
徳之島1-2x川内(延長11回)
川内商工3-1大島