日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

この季節の楽しみ 2014(16)

2014-07-01 23:56:54 | 野球
県別ネタが折り返し点を迎えたところで、三日間の試合結果を振り返ります。沖縄では早くも出場校が一巡する一方、北海道の地区大会が佳境に入ってきました。

・第8日(6/28)
二度目の週末に札幌地区と小樽地区が開幕、沖縄大会も復活し、19試合と一気に数が増えました。
本日の白眉は、なんといっても小樽地区で実現した伝統校の直接対決でしょう。旧制中学を発祥とする小樽潮陵と、高等女学校を発祥とする小樽桜陽の対戦は、前者に軍配が上がりました。小樽水産に倶知安農という、後志の風土をそのまま表すような職業校同士の対決も秀逸です。また札幌地区では、真打ちの札幌南が初戦を突破。別海、寿都といった北海道らしい地名も見逃せません。先日取り上げた奥尻は二戦目で散りましたorz
本日もう一つの注目は、室蘭地区で代表権を勝ち取った浦河です。昨年標津が46年ぶりの代表となったときにも話題となったものでしたが、浦河は実に60年ぶり2度目となりました。道新どころかスポーツ紙でも取り上げられるほどの話題となっており、それによると従来の記録は札幌北の55年ぶりだったそうです。

沖縄ではコザと南風原に注目です。近年の市町村合併は、平仮名による軽薄な地名が大量生産されるという弊害をもたらしましたが、戦後間もない頃から片仮名を使っていたのが本島中部のコザ市でした。沖縄を占領した米軍が付けた名をそのまま市名にしたという来歴があり、その後沖縄市と名が変わっても、学校、店舗、交差点など至る所にコザの二文字が残っています。高校もその一つで、昭和40年の選抜では、首里と那覇、後の沖縄尚学となる沖縄に続いて、沖縄県勢四校目となる甲子園出場を果たしました。片仮名交じりの出場校としては宮崎の聖心ウルスラがあるものの、片仮名のみは後にも先にも同校だけです。
南風原は「はえばる」と読みます。南国らしい字面もさることながら、響きまでもが美しく、北海道の霧多布と対照をなす印象的な校名です。

・第9日(6/29)
十勝地区と北見地区が開幕し、試合数はさらに増えて26となりました。十勝に北見といえば、道内の中でも印象的な校名がとりわけ多い地区です。十勝では本別と大樹、北見では津別に雄武と、小さな町の高校が初戦に登場しています。このblog一押しの遠軽は、その津別を大差で破り、危なげなく二戦目に進みました。小樽地区の倶知安、蘭越、真狩も、北海道らしい響きが印象に残るチームです。
昨日の室蘭地区に続き、本日は釧根地区と函館地区で代表が決まりました。郡部から選手権出場という貴重な記録をもつ中標津が惜しくも出場権を逃す一方、知内は郡部同士の直接対決を制し、3年ぶりの本大会進出を果たしています。同地区の残る2枠のうち、予定調和の函館大有斗はともかくとして、注目すべきは創部53年目にして初の代表となったラ・サールです。9回裏に2点差を逆転しての劇的な結末でした。本大会進出といっても、他県でいえば16強に入っただけのことであり、その程度なら我が母校でも達成しています。しかし、前日の浦河と同様、同校の快挙がスポーツ紙にまで掲載されるという事実は、北海道における地区予選突破が、単なる16強以上の重みを持つことを物語っているようです。

・第10日(6/30)
平日に戻って北海道のみの開催となり、十勝、北見、札幌、小樽の4地区合わせて16試合でした。北北海道では5試合10チームのうち9チームが郡部という特異な日で、北海道の郡部から初めて選手権に出場した広尾、士幌新得幕別の3校連合などが散りました。唯一市部から出場した網走南ヶ丘も、選手権と選抜に各一度の出場経験を有します。市部とはいっても、札幌から列車で五時間半もかかる最果ての町です。帯広と釧路を除けば、道東の町から出た代表校は前出の広尾と中標津、あとは芽室の白樺学園しかなく、網走からの出場も十分貴重な記録といえるでしょう。
無個性な校名ばかりで面白味に欠ける札幌地区ですが、本日は盟主北海が敗れるという波乱がありました。相手は札幌南、つまり公立私立の伝統校同士による対戦でもあったわけです。番狂わせというなかれ。札幌一中時代の戦前に二度の全国大会出場を果たし、20世紀最後の年には61年ぶりの代表に返り咲いた実績もあります。三年前と四年前には二年続けて4強入りしており、今回の結果もまぐれではありません。
その札幌南に比肩する伝統校小樽潮陵は、二戦目に大勝して地区大会突破まであと一勝に迫りました。次戦の相手は昨年の代表校北照ですorz

★北北海道大会
・釧根地区2回戦(6/28)
 釧路湖陵3-1別海
・釧根地区代表決定戦(6/29)
 中標津3-6武修館
・十勝地区1回戦(6/29)
 本別10-1大樹
・北見地区1回戦(6/29)
 津別0-18遠軽
 北見商8-9x雄武(延長10回)
・十勝地区1回戦(6/30)
 広尾2-3江陵
 鹿追11-2士幌新得幕別
 池田6-2上士幌
・北見地区1回戦(6/30)
 湧別1-11x網走南ヶ丘
 訓子府12-0清里
★南北海道大会
・函館地区3回戦(6/28)
 奥尻0-9函館工
・室蘭地区代表決定戦(6/28)
 浦河5-0苫小牧中央
・札幌地区1回戦(6/28)
 札幌白陵0-8札幌南
・小樽地区1回戦(6/28)
 寿都7-5小樽工
 小樽潮陵7-5小樽桜陽
 倶知安農2-5小樽水産
・函館地区代表決定戦(6/29)
 知内4-2檜山北
 函館工7-8xラ・サール
・小樽地区1回戦(6/29)
 余市紅志・小樽明峰0-10倶知安
 蘭越27-1真狩
・札幌地区2回戦(6/30)
 北海2-3札幌南
・小樽地区2回戦(6/30)
 小樽潮陵21-0岩内
★沖縄大会1回戦(6/28)
 北部農0-10x南風原
 開邦3-6コザ
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