日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

さくらさく 2013(11)

2013-03-27 22:11:38 | 旅日記
朝から昼過ぎまで小雨が降り続き、月曜に続いて撮影はなし。帰りがけに赤坂見附から時計回りに外濠をなぞり、靖国神社の夜桜を眺めて戻りました。二日続けて同じ場所というなかれ。雨上がりの靄に煙った夜桜には昨日と違う趣があり、あいにくの雨にたたられ少なからぬ露店が早じまいして、やや淋しげな雰囲気が、散り際にさしかかったこの時期にはむしろ似合っていました。
最初の花が開いてから二週間、日がな一日の雨は初めてでした。それも桜を散らす無情の雨ではなく、しとしと降りしきる冷たい雨です。これなら花吹雪はさらに一日二日先のことになるでしょう。見事な日本晴れがほとんどない代わりに花散らしの無粋な雨風もなく、満開を迎えたところで頃よく気候が冷え込み、今年は予想以上に長い花盛りとなりました。開花から一週間で満開、そこから三日で花吹雪、しかもその間来る日も来る日も日本晴れという、手本通りの展開だった去年の桜とは大違いです。しかし、どちらか一方が優れているというわけではなく、それぞれに楽しめるのが桜のよさでもあります。やはり花見は情緒を楽しむものだと改めて実感した水曜の晩でした。
数日来の花冷えも今日限り、明日は再び気温が上がって風が吹くとのことで、長持ちした今年の桜もいよいよ散り際を迎えそうです。しかし、よほどの雨風が吹き付けない限り、向こう二、三日は華麗な花吹雪が見られるのではないでしょうか。花盛りはもちろんのこと、散り際もまたよいものです。機材を担いでの定点観測はもうしばらく続きます。
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