日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

この季節の楽しみ 2011(8)

2011-07-01 23:46:27 | 野球
上半期最後の一日は、南北北海道で今季最多の各15試合が戦われました。地区大会も今週末で終わりとなれば、さすがに全出場校が出揃うかと思いきや、最後に残ったチームが初戦を戦うのはなんと明日です。つまり、土曜に初戦を迎え、勝てば翌日の地区代表決定戦に進むという究極の短期戦になります。北海道の高校野球は徹頭徹尾短期決戦です。全出場校が登場するまで追いかけるというこのblogの流儀に従い、今週一杯は高校野球ネタを続けます。それが終われば鹿児島大会が開幕し、当分は高校野球一色の毎日になるでしょう。晩酌も酒場めぐりも中断して高校野球の試合結果を追い続けるのですから、ある意味健全な毎日ではあります。この趣味自体必ずしも健全とはいえませんが、それはまあそれとして…

砂川、美唄、夕張、芦別と、うらぶれた炭鉱町の名が連なる空知地区に加えて、本日注目するのは初戦を20点差以上の零封で圧勝した遠軽です。昨日、広尾の甲子園出場を北海道の高校野球の歴史に残る偉業と評しましたが、近年の北海道において、これに最も迫る位置にあるのが遠軽です。過去5年で本大会に4回出場し、5年前の準優勝を最高に、4強、8強をそれぞれ1回経験した実力は、郡部の公立校としては群を抜いています。人口2万人超と、これまた昨日取り上げた中標津にもひけをとらない規模の町とはいえ、郡部のチームの大半が地区大会で姿を消す中にあって、毎年のように本大会へ進出し、なおかつ健闘している遠軽は、田舎町の宝とでもいうべき存在です。2回戦から登場の今年は、あと1勝で本大会へ進出となります。何度も跳ね返された全国大会への壁を、今年は突破することができるのでしょうか。

遠軽といえば、かつて鉄道の要衝として栄えた町です。初めてこの地を訪ねたのは十数年前の初夏、明け方に夜行列車を降りて始発のバスを待つ間、行き交う車もまばらな遠軽の町を歩いたときの情景は、今も記憶に深く刻まれています。市街から一段上がった高台に構えるハーフティンバーの立派な駅舎、6月でもストーブが焚かれた待合室、転車台が残る広い駅の構内、名寄本線在りし頃を思い出させるスイッチバック、そして駅裏の瞰望岩から見下ろす遠軽の町。「鉄道の町」という言葉がこれほど似合う場所は、道内広しといえどもそう多くはありません。
最後に列車で遠軽を訪ねてから、気付けばこの夏で10年が過ぎようとしています。道内各地を結んでいた夜行列車は今や風前の灯となり、自分の移動手段も車一辺倒に変わってしまいました。しかし、列車でなければ決して味わえない旅情というものが、その頃の北海道にはたしかに存在しました。過ぎし日の夢を追いつつ、小さな北の町に思いを馳せます。

★北北海道大会(6/30)
・釧根地区2回戦
 釧路北陽8-1中標津農
 別海0-7釧路江南
・空知地区2回戦
 砂川8-0美唄工・尚栄
 岩見沢緑陵5-6滝川西
 夕張3-13x芦別
・十勝地区2回戦
 江陵1-3帯広農
 帯広南商1-10清水
 本別2-9x帯広緑陽
・旭川地区1回戦
 旭川工7-1富良野
 留萌0-2旭川実
 旭川凌雲2-7旭川東
 富良野緑峰3-1旭川農
・北見地区2回戦
 美幌0-24遠軽
 網走桂陽9-6北見北斗
 女満別10-2雄武

★南北海道大会(6/30)
・函館地区3回戦
 松前1-8x江差
 ラ・サール0-12函館大有斗
 函館中部6-1函館稜北
・室蘭地区3回戦
 室蘭大谷6-2鵡川
 登別大谷1-8x苫小牧中央
 静内0-7x北海道栄
・札幌地区3回戦
 千歳0-1x立命館慶祥
 恵庭南0-10x札幌第一
 札幌創成0-7x札幌南
 江別2-4札幌啓北商
 札幌琴似工4-0札幌西
 札幌北斗1-16札幌新川
・小樽地区1回戦
 小樽桜陽2-3倶知安農
 岩内3-4小樽工
 寿都2-9x蘭越
コメント