■マーケット
不妊治療に新保険発売
日本生命保険は来月2日に、日本で初めて不妊治療にかかる費用を保障する保険を発売します。不妊の検査や治療を受ける夫婦の割合はおよそ6組に1組と言われていて、新たな保険のニーズがあるとみています。日本生命の新商品「シュシュ」は、体外受精などの特定不妊治療を受けると1回につき5万円から10万円を最大12回まで、出産したときには子どもの人数に応じて10万円から100万円を受け取れます。月々の掛け金は、およそ1万円ほど。ガンや脳卒中など三大疾病を保障するほか、掛け捨てではないので、満期を迎えれば一時金を受け取れます。日生は発売当日からテレビCMを放送するほか、雑誌やインターネットで「シュシュ」の広告を始める予定です。すでに不妊治療を検討している人だけでなく、将来出産を考えている幅広い年代の女性に「シュシュ」を売り込むため、これまで保険に関心のなかった若い女性にアピールしようとしています。
「量」から「金利」本格化
日銀はきょう、来月の国債の買い入れ額を減らすと発表しました。金融緩和の手段として「量」から「金利」へのシフトを本格化します。来月、日銀は満期までの期間が10年を超える国債の買い入れ額を200億円、減らします。野村証券の試算では年間の買い入れ額が80兆円から75兆円程度に減る見通しです。これは、「0%程度」を目標としている長期金利の低下が続いていたためで、金利の低下を抑える狙いです。先週、日銀が新たな金融緩和策を導入してから初めての見直しだったため、市場では注目されていました。ただ、発表後も金利や為替の反応は限られました。メリルリンチ日本証券の大崎さんは「10年を超える国債の買い入れ額を減らすのは市場の想定内。ただ、長期金利を0%程度で維持するために日銀は今後も細かく調整するだろう」と指摘しています。
米広がる格差
賃金が上がらない日本に比べて好調なのが米国です。ただ、細かく中身を見ると手放しに喜べる状況ではありません。2015年の米家計の所得は5.2%増でした。浮き彫りになったのは広がる格差です。世帯主の学歴別の所得では、世帯主が四年制大学卒の家計で最も所得が伸び、6.2%増でした。高校卒の場合は1.4%増にとどまっています。CEA大統領経済諮問委員会は、低スキル・低学歴労働者への需要が後退していることを指摘しました。低学歴労働者の働き口が増えにくい背景には企業が求める人材と仕事を求める人のスキルのミスマッチがあるとみられます。FRBイエレン議長などからミスマッチ解消のためには低金利政策だけでは限界があり、財政政策や構造改革を求める意見が相次いでいます。教育改革や企業投資の促進など経済政策で、米国経済の成長力の底上げが必要と言え、選挙まで1ヶ月余となった次期大統領に課せられた課題と言えそうです。
中継担当:大和総研NYリサーチセンター土屋貴裕氏
■ニュース
豊洲“盛り土”の調査結果は?
豊洲市場の盛り土がされなかった問題。小池知事は「段階的に決まっていたので、だれがいつとピンポイントで指し示すのは難しい」との調査報告書を発表しました。報告書では2008年から2013年までに段階的に「盛り土」がされない方針が決まったとした一方で、いつ誰が決めたのか明らかにできなかったと結論づけました。小池知事はまた「歴代の部署の引き継ぎがいいかげんだった。最も大きな原因はガバナンスや責任感の欠如だ」としました。歴代の市場長は臨時の会見で「マネジメントの面で反省すべき点がたくさんあると思う。私自身の問題、組織の問題、責任を感じている」などと話しました。さらにきのう、豊洲市場の地下水から微量ながら環境基準を超えるベンゼンとヒ素が検出されました。移転の白紙撤回の可能性について小池知事は「仮定の話とは思うが、科学的なデータを基に判断できるタイミングを計っている」と述べました。豊洲への移転の撤回はあるのだろうか・・・。
閉店はチャンス!
千葉県柏市の駅前にある「そごう柏店」が閉店し、1973年の開業以来43年の歴史に幕を降ろしました。近隣に大型ショッピングセンターができたことや、柏駅の乗降客数の減少によって、10年近くにわたり赤字が続いていたことなどが原因です。今、百貨店やスーパーマーケットなど、小売業の閉店が相次いでいます。こうした閉鎖店舗の建物を活用する「居抜き」の手法を使って出店攻勢をかけているのが、ディスカウトストア大手の「ドンキホーテホールディングス」です。ことし6月、地元密着で知られた、東京・大田区の「ダイシン百貨店」が閉店した建物に「MEGAドン・キホーテ大森山王店」をオープンさせました。ダイシン百貨店時代の1.5倍の売り上げがあるといいます。好調の理由は通路のレイアウトで、客を歩き回らせる事でついで買いを促しています。また主なターゲットを高齢者からファミリー層に変更しました。子供の遊び場を広げ、キャンプ用品などのファミリー向け商品を充実させました。居抜きは新たに店を建設するよりもコストを半分~5分の1程度に抑えられるといいます。ドンキホーテホールディングスは今期も約30店舗の出店を計画していて、その8割は“居抜き”を活用して行う予定です。
偽ブランド品にだまされるな!
急成長を続ける「メルカリ」だがいま大きな問題が起きている。本物そっくりの精巧な偽ブランド品を送りつけるケースが増加。国民生活センターへの「ニセモノ商品」の相談件数インターネット取引による相談は、ここ数年急増している。偽ブランド品などの偽造品を水際で止める、「税関の凄腕目利き人」“知的財産調査官”。流れてくる郵便物を怪しい物とそうでない物に仕分けていき、データの詰まったファイルを参考に偽造品を見抜く。ニセモノ大国、中国。北京市内のとあるショッピングモールを訪ねると「プラダ」や「ルイ・ヴィトン」の偽物が。本物なら7万3,000円はする商品も450元=約6,800円で売られていました。さらに精巧に作られた偽物も販売されていました。
【偽ブランドトラブル増加】
フランスの高級ブランド・ルイヴィトンのバッグの本物と偽物を比較。精巧に作られたスーパーコピーと呼ばれる偽物の商品が今年の上半期だけで1万3000件以上、輸入を差し止められている。その現場を取材した。
【見分ける“スゴ腕目利き人”とは!?】
ネット上でフリーマーケット仲介サービスを展開しているベンチャー企業・メルカリでは、スーパーコピーと呼ばれる本物そっくりの精巧な偽ブランド品を売りつけるケースが増加しているという。国民生活センターでは、インターネット通販などによる偽物商品に関する相談がここ数年急増している。偽ブランド品などの偽造品を水際で止める税関の凄腕目利き人・知的財産調査官を紹介。なかなか減らない偽ブランド品の9割以上が中国からの輸入品。
【中国の販売現場に潜入調査!】
偽物大国・中国の現状はどうなっているのか。北京市内にあるショッピングモールでは偽物のブランドのバッグや財布が売られていた。販売員は本物の写真と比べて物の良さをアピール。しかし難色を示すとより精巧なものが。中国国内でも偽物に対する取り締まりが厳しくなっている。それでも偽物が出回る訳について販売員は「外国人が偽物を欲しいと言う」と話した。
【本物か偽物か、見分け方法は】
本物か偽物か見分ける方法はあるのか、ブランド品の買い取り業者に聞いた。トライアングル・三島康裕さんは「正規店に持って行く」と話した。
日銀 “物価上昇2%”にこだわるワケ
総務省が発表した8月の全国消費者物価指数。去年より0.5%下落、6ヵ月連続のマイナスになりました。26日、日銀の黒田総裁は「17年度中に2%を達成する可能性が高い」と自信を見せましたが、道のりは厳しいようです。ニッセイ基礎研究所の矢嶋康次氏は「ちょっと前はプチ贅沢という言葉があったが、今はなくなってきている。短期的に物価が上がる局面から下がるのではないかと思い始めて、それが徐々に物価を下げている面もあると思う」と事態が深刻になってきていると指摘しました。なぜ2%目標にこだわるのか。実はアメリカやユーロ圏も中長期的な物価目標を2%とし国際基準となっています。もし日本が2%の旗を降ろすと日本は金融緩和を縮小するのでは?との思惑が広がり円高が進み、日本経済はダメージを受けます。さらに、アベノミクスの失敗では?と海外投資家から失望されトリプル安となり日本が売られることになると矢嶋氏は懸念を示します。
【日銀“物価上昇2%”にこだわるワケ】
今日、総務省が発表した8月の全国消費者物価指数は6か月連続のマイナスとなった。日銀が掲げる物価上昇率2%という目標からは程遠い数字となったわけだが、なぜ日銀は2%という数字にこだわっているのか。
【「物価2%上昇」には程遠い】
今日、総務省が発表した8月の全国消費者物価指数は去年より0.5%下落し6か月連続のマイナスとなった。今月26日に記者会見で「2017年度中に2%に達する可能性が高い」と述べ物価2%の達成に自信を見せた日銀・黒田東彦総裁だが、道のりは厳しいよう。ニッセイ基礎研究所チーフエコノミスト・矢嶋康次は自体はより深刻になってきていると指摘。こうした中、今日開かれた経済財政諮問会議では、民間議員から「デフレ脱却、経済再生の為には賃上げ主導の2%の物価上昇の実現と可処分所得の増加が重要」との提言が。
【なぜ?物価目標2%にこだわるのか】
日銀はなぜ物価目標2%にこだわるのか。2%は米国やユーロ圏、英国、カナダなども設置する国際標準の様なもので、もし日本銀行がこの国際標準から外れて目標を変更すると円高が進み、輸出産業で支えれられている日本経済は大きなダメージを受けるリスクがある。さらに円高の先にはもっと大きなリスクが潜んでいると専門家は懸念している。ニッセイ基礎研究所チーフエコノミスト・矢嶋康次は「アベノミクスが全てうまくいかないとなると海外投資家から『日本は信用おけない』となり、円安、株安、債券安のトリプル安という形で国が売られる」と話した。
任天堂ファミコン復刻
任天堂はきょう、1983年に発売した家庭用ゲーム機「ファミリーコンピュータ」を小型化して再現した「ニンテンドークラシックミニファミリーコンピュータ」を11月10日に発売すると発表しました。本体を60%小型化し、往年の人気ゲーム30作品を内蔵しました。任天堂は、若い世代にもアピールしたい考えで価格は税別5,980円です。
安倍総理 北方領土交渉に「手応え」
安倍総理大臣はきょう衆議院の予算委員会で北方領土問題を含むロシアとの平和条約交渉について「強い手応えを感じている」と述べ、交渉の進展に自信をみせました。そのうえで、12月に自身の地元・山口で予定されているプーチン大統領との首脳会談をにらみ、今後も交渉に全力を尽くす姿勢を改めて強調しました。
コカ・コーラ東西が経営統合
コカ・コーラウエストとコカ・コーライーストジャパンはきょう、来年4月に経営統合すると発表しました。持ち株会社、コカ・コーラボトラーズジャパンを設立し両社が傘下に入ります。清涼飲料業界で競争が激化する中、互いのノウハウを持ち寄ることで生産性の効率化を図り収益力の強化を目指します。統合効果は3年間で200億円を見込んでいます。
リクシル 工事費用を明朗に
リクシルは小規模なリフォームにかかる工事費用を明朗化するサービスをあすから始めます。1日で工事が終わる内窓やドアを対象にして、商品代金だけでなく工事費を含めた参考価格をホームページなどに明示します。予算が立てづらいとリフォームを敬遠していた顧客を取り込む狙いです。
中央アジア5ヵ国 大使館にいらっしゃい!
カザフスタン、ウズベキスタン、キルギスなど5ヵ国が、知名度をあげようと、大使館を開放するイベントを行いました。タジキスタン大使館では、手作りの伝統工芸品や、楽器などが紹介されました。一方、カザフスタン大使館では伝統料理がふるまわれ参加者はめずらしい料理に舌鼓をうちました。天然資源などが豊富で、経済成長を遂げてきた中央アジア。経済的なポテンシャルとを秘めており、これからの発展が見込めます。
《外務省欧州局中央アジアコーカサス/高橋誠一郎室長》
「経済的なポテンシャル、そしてこれからの伸びしろ、ますますビジネスチャンスも開かれていくところだと思っている。」
■【THE行列】“マンガ”パラダイス
東京・立川市にある「立川まんがぱーく」。週末の朝には、100人ほどが行列をつくります。人気の秘密は、およそ4万冊あるマンガを自由なスタイルで、のんびりくつろぎながら1日を過ごせる環境にあります。イスに座る客・・・。自宅のように畳の上でゴロゴロと過ごす客…。そして秘密基地風の押入れスペースにこもって過ごす客などさまざまです。さらに食べ物の持ち込みが自由なことも人気に拍車をかけています。驚くことに館内では、お酒やおつまみも安価で販売されています。子供も、大人も楽しめる「立川まんがぱーく」ですが、実は旧市庁舎を活用した公共施設なのです。立川市役所の移転に伴い、人通りが少なくなった場所に、再び人を呼び戻す目的でつくられたのが「立川まんがぱーく」でした。民間企業から募集したこの企画が大当たりをして、多い日のは1日で700人もの客が訪れる人気の施設になりました。取材先・立川まんがぱーく
■【トレたま】実物ないのにリアル体験
バーチャルな世界でリアルな感触を実現できる装置。圧力、振動、温度を同時に指先に伝えることでリアルな感触を作り出す。
【商品名】ハプティックトリガープラス
【商品の特徴】圧力・振動・温度の3つの感覚を同時に指先に伝えることでリアルな感触を作り出す装置
【企業名】アルプス電気
【住所】大田区雪谷大塚町1-7
【価格】未定
【発売日】2018年発売予定
【トレたまキャスター】北村まあさ
■【コメンテーター】伊藤元重氏(学習院大学教授)
・教えて!伊藤先生
--2%の物価目標を達成するにはどうしたらいいんですか?
「長い間デフレを経験してしまった為、皆の目線が物価や賃金が上がらないという目線になっている。それでも金融政策でなんとか1%ポイントくらい平均的な物価上昇率を上げてはいるが、これからは賃金が一番ポイントになる。そこで重要なのは企業が賃金を上げていけるかということ。これから先、人口減少によりマーケットが大きくならないから投資できないと経営者は言うが、経営者として本当にそれでいいのか。自分達は将来に向けて経営を続けていく自信がないと言っているわけで、それなら配当で出しなさいと言う話になる。しかしよく考えてみると賃金を上げる事で生産性を上げて、利益を上げていく事ができる。これからは企業がどこまで日本の将来を見ながら積極的に賃金を上げていけるか、どの様な姿勢を取れるかを株式の評価やコーポレートガバナンスという視点で議論していかなければいけない。」
・米国の格差問題・技術革新でさらに悪化?
--先週、FOMCが利上げを見送った理由の中で、「雇用は一見するといいんだけど、中を細かく見るとまだ伸びる余地がある」と言っていたが、それはこういう問題がまだ残っていると指摘していたんですか。
「現象としてはこういう問題が残っているんですが、賃金格差が出てくるというのは、もうちょっと構造的な問題だろうと思う。経済学者などではずいぶん研究が多いんですけど、やっぱり技術革新が進むと格差が広がりやすい。簡単に言うと、人間の能力と機械との比較ですけど、そういう人とそうでない人と差が出てくるという形で、一般的に景気が悪いときにはそれが失業という形になるが、景気がいいときには大卒などとの賃金格差が出てくる。ちょっと心配なのは、今後IT、AI、人工知能、IoTやビッグデータの技術革新のスピードが上がっているから、これはこれで非常にいいことなんですけども、結果的にここで見られるような格差がさらに広がっていく。だからそれをどうやっていくか、これから経済政策の中で重要な位置を占めてくると思う。いま大統領選でも共和党と民主党ではずいぶんスタンスが違いますから、そういう意味では何をやったいいかというのも重要なんですけど、政治がどう動くのかというのも結構大きな話かもしれないですね。」
・めまぐるしい小売りの主役交代
--番組の前半で百貨店が閉店した後、ドンキホーテが居抜きで入ったというニュースがあった。これからの小売りの主役って、どう変遷していくでしょうね。
「小売りには2つの要素があり、1つは店舗。もう1つはマーチャンダイジング、どういう商品力があるか。百貨店は今縮小傾向にあるが、面白いのは100年以上前からずっと続いている業態なんですね。それは時代時代の新しいマーチャンダイジングと入れてきていて、最近だとユニクロとかニトリとかが入る。ただ今日のドンキの話で面白いと思ったのは、図体があまりにも大きいので、百貨店でも丸ごと投資できる。しばらくはマーチャンダイジングが強い企業が伸びてくる。」