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モーニングサテライト・ウォッチ

2017.3.29 Newsモーニングサテライト

2017年03月29日 19時54分09秒 | MS
【本日のコメンテーター】ドイツ証券/小川和宏氏

■マーケット

NYダウ9日ぶり反発 150ドル高
28日のNY株式市場は好調な経済指標が発表される中、原油価格が急上昇し株価の支えとなりました。ダウは9日ぶりの大幅反発。久々に気持ちのいい上昇となりました。住宅指標や消費者マインドが改善し、朝から小じっかりと始まった株式相場。昼前からの上げ幅を拡大は原油価格の上昇がきかっけでした。リビアで賃金の未払いを受け原油生産が止まったことで原油価格が急上昇。OPECの減産延長の議論も下値を支える要因として捉えられているようです。この原油価格の上昇が金利の上昇につながり金融株などにも追い風になりました。株価の終値です。ダウは150ドル高の2万701ドル。ナスダックは3日続伸、34ポイント上昇の5,875。S&P500は4日ぶりの反発、16ポイントプラスの2,358でした。セクター別騰落率は11セクターすべてが上昇。金融やエネルギーに加え、景気の動向に敏感な素材セクターもしっかりでした。

【NY証券取引所中継】リビア生産停止で原油↑
解説は三井住友アセットマネジメントNYの三浦仁孝氏

--久々にすっきりとした上昇でしたね。

はい、高水準の消費者信頼感指数や原油高を受けて、久しぶりにリスク許容度が上がり、終日堅調に推移しています。政治に対する不透明感は、やや落ち着いた印象です。

--さてリビアでの原油の生産ストップが材料になりましたね。

はい、リビア最大の油田でのニュースですが、但し、世界の日々の生産量に占める今回のリビアの減少量は、わずか0.14%(日量14万バレル)で、実質的な影響は限定的です。
(フリップ:下値抵抗線を意識)
一方、テクニカル面で強い下値抵抗線として意識されている55週移動平均線近くで価格が推移していたこと、さらに先物の売りポジションが積み上がっていたこともあり、買戻しも入りやすかったようです。

--またOPECの動きを市場は気にしていますよね。

はい、ただ、OPECの減産延長は既に市場のコンセンサスとなっていて、追加減産へ踏み込んだ話がないと、失望を招く可能性もあります。また先週末時点で原油掘削リグの稼働数が大きく増加していたことから、あす発表の週間在庫統計にも注目です。
 

【NY証券取引所中継】個人向け金融株に暗雲?
解説は三井住友アセットマネジメントNYの三浦仁孝氏

--今日は上昇も、このところトランプラリーの勢いが減速気味だったんですが、その中で注目している分野があるそうですね。

(フリップ1:失速する個人向け金融サービス株)
はい、金融株に失速感がみられる中、とりわけ足を引っ張っているのが、個人向け金融サービス株です。株価が冴えない理由は、まず税還付の遅れによる消費活動の一時的低迷です。ただ、これは時が経てば、ある程度解決されるものと考えられますが、実は中古車価格下落と自動車ローン焦げ付き懸念の再燃などのほうが問題です。

--実は昨日、番組でも自動車ローンについてはニュースでもお伝えしたんですが、具体的にどんなことが起きているんですか。

はい、先週、自動車ローン大手のアライ・ファイナンシャルが業績見通しを下方修正しました。しかも1月時点で2017年増益見通しを「前年比15%増益まではいかないにせよ、非常に堅調」としていましたが、先週には「5%の増益の留まる可能性もある」と大きく下方修正しており、短期間に急速に悪化したことが分かります。

--この背景は何なんでしょうか。

(フリップ2:在庫増加で足元、中古車価格↓)
はい、実はアメリカの個人向け新車販売には、リースという特徴的な購入方法があり、費用を抑えて新車に乗るために、幅広く利用されています。そのリースが増加し、それに伴ってリース切れとなって返還される車が過剰となっています。これが中古車の在庫増加から、価格の下落、引いてはローン会社の担保価値の下落を招いていると言われています。ただ、市場はあまり悲観的にはなっていません。自動車市場全体に大きな減速感がないことや、アメリカの国内景気の先行きに強気であることが、背景にあると思われます。しかし個人的にはそろそろ警戒感を高めたほうが良いと考えています。
 

【為替見通し】注目ポイントは「イギリスのEU離脱通知」
解説はドイツ証券の小川和宏氏

--まずはNY市場の動きをどう見ましたか。

アメリカの指標が強かったので、ドルは全面高になりましたね。ドル円はヘルスケア法案断念前の先週金曜日のレベルまで、ほぼ戻した形になってます。

--今日の予想レンジは、110.70円~111.70円です。

東京時間はスポット日が月末になることから、需給に降らされる展開を一応予想しています。

--注目ポイントは「イギリスのEU離脱通知」です。

(フリップ:想定される今後の日程)
・ 3月29日 英国のEU離脱通知
・ 5~9月  フランス・ドイツ選挙
・   実質的な交渉期間(1年程度?)
・ 2018年10月 EU27カ国の議会承認
・ 2019年3月末 英国のEU離脱。

実質的に交渉期間が1年ということなんですね。9月までヨーロッパのほうは選挙で手一杯な形になっていまして、実際に交渉が進んで、最後の6ヵ月ぐらいは、EU27ヵ国の議会承認というのがここら辺(18年10月)からスタートしないと、この(19年)3月に間に合わないんですね。なので間のこの1年間の間に、離脱条件、移行期の暫定条件、移行後の条件みたいなものを決めることができるかどうかというところがポイントになります。最悪の場合、この移行期の条件というものが決まらずに、時間切れになってしまうと、ハードブレグジットのリスクが出てくるというふうに思っております。

--実際にハードブレグジットになる可能性というのはどう見ていらっしゃいますか。

弊社は最終的には、何らかの合意が行われると思っているんですけども、但し、為替の反応は実際に足下は、タカ派気味のイギリス中銀のコメントとかもありまして、支えられているんですけれども、実際にブレグジットの条件の合意に至るまでに、一旦、市場からイギリスへのプレッシャーがかかると思っておりまして、年末までに一旦、イギリス・ポンドは対ドルで1.06、対ユーロで1.0と15%程度下落することをみております。

【日本株見通し】注目ポイントは「4月の海外投資家の動向」
解説はDZHフィナンシャルリサーチの東野幸利氏

--今日の予想レンジは、19100円~19250円です。アメリカ堅調で戻ってきました。東京はどうでしょう。

今日は3月末の権利落ち日となります。株主優待や配当の権利を取った後の相場は安くなることが多いですけれども、今年は円高に加え、トランプ政権への警戒で買いを入れずらかった面もありますので、下げても限定的だと思います。日経平均の配当落ち分は130円程度なんですけれども、埋め戻すような動きだとか、円安への動きが見られれば、先高を見込んだ買いが相場の支えになってくることが予想されます。

--注目ポイントは「4月の海外投資家の動向」です。

(フリップ1:海外勢は4月に日本株買い越し)
海外勢の日本株に対する売り越し姿勢に変化がみられるかに注目しています。2003年以降、海外投資家による日本株の売買を月別に差し引きした合計で見ますと、買い越しトップは4月がダントツとなります。アメリカの投資信託からの資金流入や、新年度入りで国内の機関投資家の買いに追随するヘッジファンドの存在などが、要因として挙げられます。

(フリップ2:海外投資家による買い越しランキング)
単月のランキングを見ましても、4月は1位と4位にランクインするほど、買いが増える傾向にあります。今年もドル円相場が110円近くまで円高が進みながらも、株価がもみ合いを続けていますので、企業収益の底堅さや、株主還元意欲が確認できれば、日本株を買い戻す可能性は十分にあるかなというふうに思ってます。
 

■【プロの眼】ユーロ上昇リスクあり
経済指標の改善傾向が見られる欧州経済。インフレや景況感の改善でECBは金融政策の正常化を視野に入れた動きになると話します。解説はドイツ証券・小川和宏氏。

--さて「ユーロ上昇リスクあり」ということで、確かにトレンドとしてユーロ高傾向にありますね。それはもちろんですが、景況感というか、経済指標が改善傾向なんだということですね。

(フリップ1:経済指標は改善傾向:ユーロ圏PMI(サービス、製造業))
「そうなんですね。先日、発表されました欧州のPMI、これはサービスと製造業ですけれども、今グッと上がってきています。先週、ドイツとフランスのPMIも市場予想を上回っています。またインフレ見通しも改善してきていまして、年の前半で政治リスクが現実化しなければ、欧州経済に上方リスクがあると言われています。」

--となると、こうした状況を受けて、ECBの出口戦略にも、やはり影響があるということですか。

(フリップ2:ECB金融政策正常化への日程)
17年9月 量的緩和縮小アナウンス
18年1月 量的緩和縮小開始
18年6月 量的緩和終了

「そうですね。弊社のほうは9月に、現在やっている量的緩和の縮小アナウンスをして、来年18年1月から量的緩和縮小を開始して、6月ぐらいに終了するというふうにもともと見ていたんですけれども、先週ちょっと少し見方を変更しました。」

--あぁ先週、見方を変えた、はい。

内容としては6月にフォワードガイダンスを変更するということをまず始めています。

--6月にフォワードガイダンスを変更・・・。まず声明文を見てみましょう。

(フリップ3:ECB声明文(3月9日))
「現在はECB理事会は政策金利が長期にわたり、また資産買い入れ期間を優に超えて、現行の水準もしくはそれより低い水準にとどまると見込んでいる。」

--つまり金利はそんなにもう上がらないというふうに見ているんですよね。低い水準に抑えると・・・。

「そうですね。低い水準、もしくはさらに下げるということを示唆しているんですけど、この『さらに下げる(もしくはそれより低い水準)』という赤い部分をまず一旦落とす。つまり今の金利は底ですよ、ということを伝える。これをステートメントで言って、かつドラギさんが記者会見で、預金金利と政策金利の動きが別になることを示唆するということもあるのではないか、というふうに思っております。」

--預金金利は現在マイナス0.4%ですね

「預金金利はマイナス0.4%、政策金利はちょうどゼロ%なんですけれども、政策金利は長い間このレベルをコミットするんだけれども、預金金利は別の動きをする可能性があるということを、記者会見で示唆するのではないかと・・・。」

--それがあるかもしれないということで・・・。

(フリップ4:ECB金融政策正常化への日程)
「それで9月のタイミングで、量的緩和縮小のアナウンスをするんですけれども、そのタイミングで同時に、預金金利の引き上げ。マイナス0.4%のところから、0.2%とか、0.15%ぐらい引き上げるというような形、依然マイナスではあるんですけれども、そういったアナウンスをするのではないかと思っています。」

--そして同時に量的縮小アナウンスということで、コチラ(月100億ユーロづつ減額)も明確にするんじゃないかということですね。

(フリップ5:ECB金融政策正常化への日程)
「はい、そうですね。月100億ユーロづつ、18年1月から減額すると・・・。そして4月から600億ユーロになってますので、毎月100億ユーロづつ減額すると、6月には緩和が終了するという形になります。」

--そして終了した後に、ドイツとしては政策金利の引き上げというのを見込んでいると・・・。

「そうですね。これは今ゼロ%のものを引き上げていく。」

--預金金利を上げていく、動かしていくと、やはりユーロ高という方向になりますか。

「そうですね。ユーロは、トランプ政策の期待・修正をいま含んでいて、若干まだまだ足下上がっていく可能性があって、こういった話が出てくると、もうちょっとユーロの買戻しが出てくるのではないか。マーケットはまだドルロングでございますので、その部分をちょっと巻き戻すような材料に、この欧州の要因でなっていく可能性があるということです。
 

■【特集】アクティブラーニング・デジタル教材でやる気↑
今、学校教育の現場では生徒が自ら課題を見出し主体的に解決し理解を深めるアクティブラーニングという考え方の導入が始まっている。この教育を進める時のツールとして注目されているのがデジタル教材である。教育の変革の現場を取材した。

浜松市立三ヶ日西小学校(静岡県浜松市)で、授業にアクティブラーニングを取り入れている。生徒が自発的に課題学習をする総合の授業。生徒がグループに分かれて取り組んでいるのは、オリジナルの歌の作曲。使うのはタブレットだけ。ヤマハが教材として開発した作曲ソフトが搭載されている。
ヤマハの歌声合成ソフト「ボーカロイド」の教育版で、楽譜を読めなくても直感的に曲が作ることができる。アクティブラーニングとは、生徒が自ら目標・課題を設定し、仲間と相談しながら答えを出すこと。生徒たちの取り組みを見守るのはヤマハ新規事業開発部の塩谷友佳子さん。このような教材ソフトは今後ますます需要が高まると期待している。

横浜市立白幡小学校でも、アクティブラーニングを積極的に導入している。6年生の体育の授業では、先月からチームに分かれてワンキャッチバレーボールに取り組んでいる。授業は基本的に生徒が自ら進める。ルールは独自のルールで、それぞれのチームにはタブレットを手にした記録係がいる。タブレットの記録を見て反省会をする。
当初は市販のソフトも試したが、子供の教材として使いやすいものはなかったという。そこで教材ソフトの製作をベンチャー企業「エレファンキューブ」に依頼した。エレファンキューブ(東京・文京区)には、各地の教師のから教材の製作依頼が舞い込み、2016年度には前年比4倍に達しているという。既に全学年の全教科にアクティブラーニングを導入している白幡小学校。全国学力テストの成績も上昇し、今年度は全国平均を10ポイント以上上回っている。そのアクティブラーニングに使われるデジタル教材関連の市場規模は、2020年度には約150億円、14年度比2.5倍に成長するとも言われている(富士キメラ総研調べ)。

--「これはいい、すごいわ」とさっきからコメントされてますけど・・・。

《ドイツ証券/小川和宏氏》
「まあ、やっぱり、やる気スイッチがどこにあるかというのを、こういうアクティブラーニングでより探しやすくするということじゃないですかね。」

--暗記世代の私たちには無かった教育法ですね。


■日経朝特急

働き方改革へ実行計画
一面トップは、先ほどニュースでも伝えた、「働き方改革の実行計画がまとまった」という記事である。
 

コメ直販9割に
JA全農が改革方針を公表した。小売りや外食に直接コメを販売する割合を、現在の5割から8年後に9割まで拡大する。このように農産物や農業資材の取引形態を見直して、農業の流通構造にメスを入れる。
 

人件費5年ぶりの高水準
企業の人件費が5年ぶりの高水準となっている。財務省によると、去年10月~12月時点で、人件費は44兆4000億円を超えた。人手不足に対応し、待遇改善で人材確保を急ぐ動きが広がっている。ただ、収益の伸びと比べると人件費の伸びは低調だ。
 

東電と中部電、火力統合、シェア5割、再編の号砲
東京電力ホールディングスと中部電力は昨日、火力発電事業の全面統合で合意したと正式に発表した。国内の火力発電シェアが約5割と、圧倒的な地位を築く。福島第一原発の事故処理で20兆円以上を負担する東電は、経営再建に弾みをつけたい考えだ。
 

ファミマ、週休3日導入
ファミリーマートが今年秋にも週休3日制を導入する。親の介護など一定の理由を条件に全社員の約5800人が選択できる。ファーストリテイリング、日本KFCホールディングス、ヤフーなど週休3日制を導入する企業は増えている。こうしたなか、ファミリーマートは多様な働き方に対応する制度をさらに充実させ、2020年までに総労働時間を2015年度に比べて約9%減らす目標である。
 

■日刊モーサテジャーナル

トランプ政権、次のヤマ場は4月、政府閉鎖の回避なるか
アメリカの新聞は、「トランプ政権にとって次の山場は、4月末までに政府閉鎖を回避するために、議会が暫定予算を通せるかどうかだ。」、と伝えている。野党民主党の協力が不可欠だと見られていて、予断を許さない状況が続く。現在の暫定予算の期限が切れるのは4月28日、もし新たな暫定予算が成立しなければ、一部の政府機関が閉鎖に追い込まれる見通しだ。
トランプ大統領は国防関連費の増額や、国境の壁の建設費などを要求しているが、USAトゥデーは、「民主党からの反発は必至で、今回の予算案にはほとんど盛り込めないだろう」、とみている。
オバマケア代替法案の撤回という勝利で勢いづく民主党。ウォールストリートジャーナルは、「民主党にとって、妥協する動機が薄れている」、と伝えている。
 

仏独選挙、欧州株上昇要因にも
マーケットでは、フランス大統領選挙とドイツ下院選挙の行方を不安視する声が出ているが、フィナンシャルタイムズは、「結果次第ではヨーロッパの株価の上昇要因になるかもしれない」、と報じている。記事によると、「投資家が期待するのは、まずフランス大統領線の有力候補マクロン前経済相が掲げる労働時間などの改革。最新の世論調査によると、マクロン氏は極右政党国民戦線ルペン党首を抑えトップを走っている。一方、ドイツの下院選を巡っては、メルケル首相の対抗馬、ヨーロッパ議会の前首相シュルツ氏は、これまでの緊縮財政から脱却を打ち出す可能性があるという。記事で紹介された投資家は、「フランスでマクロン氏が勝って改革が進み、ドイツでシュルツ氏が勝利して財政出動に踏み切れば、最高の組み合わせだ。」、と話している。
 

米法人税率、オバマ提案と同じ28%に?
トランプ大統領がオバマケア代替法案を撤回した今、果たして税制改革を進められるのか、に市場の関心が集まっている。記事は、「法人税の引き下げ幅が以前、オバマ前大統領が提案した程度に落ち着いてしまうかもしれない。」、と伝えている。トランプ大統領は公約で、「法人税率を現在の36%から15%に引き下げる」、としていた。しかしホワイトハウス周辺でも、「現実的にはせいぜい20%程度までしか下げられない」、との声が聞かれるという。またオバマケア代替法案が撤回され、財政の健全化が見込めない今、28%で落ち着く可能性も囁かれ始めている模様だ。記事は、「28%と言えば、オバマ前大統領が2012年から提案し続け、ことごとく共和党から拒否され続けた税率と同じではないか。」、と指摘。トランプ大統領と共和党の現状を冷ややかに見ている。
 

・ 「仏独選挙、欧州株上昇要因にも」について

--ドイツ下院選の影響をどうご覧になりますか。

《ドイツ証券/小川和宏氏》
「基本的には、メルケル、シュルツのどちらが勝っても、ユーロ・サポートなので、ユーロから出るという話には多分ならないと思いますね。」

--そういうところでは安心感はあるということですね。
 

■今日の予定

2月商業動態統計
2月自動車主要8社生産・輸出実績
米エバンス総裁など連銀総裁の講演
イギリスがEU離脱通知
 

■ニュース

東芝子会社 ウェスチングハウス 連邦破産法11条を申請へ
経営再建中の東芝の傘下に入るアメリカのウェスチングハウス・エレクトリックは28日にも日本の民事再生法にあたる連邦破産法11条の適用を申請する見通しです。ウェスチングハウスはすでに取締役会を開き連邦破産法11条の申請について協議したもようですが、協議の詳しい内容はまだ明らかになっていません。ただ、申請は避けられない情勢で、破産法11条が適用されれば損失額は1兆円規模に達する可能性があります。
 

米トランプ大統領 大統領令で環境規制撤回
アメリカのトランプ大統領は国内のエネルギー開発を促進し雇用の創出につなげるためとして、オバマ政権時代に導入された環境規制を撤回する大統領令に署名しました。今回の大統領令でトランプ大統領は、発電所からの二酸化炭素の排出を減らすよう州政府に義務付けたオバマ前大統領の「クリーンパワー計画」を撤回しました。また、石油やガスの生産によるメタンガスの排出を減らすよう定めた規制なども撤廃しました。これによりパリ協定で目標とした二酸化炭素排出量の削減は難しくなる見通しです。
 

フォード 追加投資12億ドル
アメリカの自動車大手フォード・モーターは28日、本拠を置くミシガン州で12億ドル=およそ1,320億円の追加投資を行うと発表しました。現在、小型車の組み立てに使っている工場に8億5,000万ドルを投じ来年の投入を目指す中型トラック、レンジャーと2020年に復活させる大型SUV、ブロンコの生産ラインを追加します。このほか、データセンターなどへの追加投資と130人の雇用創出も併せて発表しました。
 

米 S&Pケース・シラー指数 2年7ヵ月ぶりの高水準
アメリカの1月のS&Pケース・シラー住宅価格指数は、全米平均が前の年から5.9%上昇し、2年7ヵ月ぶりの高水準となりました。また主要20都市でも5.7%の上昇と、市場予想を上回りました。発表元は、「現在の経済の力強さからすると、多少の利上げでは住宅購入の勢いが弱まることはないだろう」と指摘しています。
 

米 消費者信頼感指数 00年12月以来の水準 予想上回る
アメリカの民間調査機関コンファレンスボードが28日発表した3月の消費者信頼感指数は2000年12月以来の高水準となりました。前の月から9.5ポイント上昇の125.6で、市場予想を大きく上回りました。また6ヵ月先の期待を示す指数も16年半ぶりの高い水準となりました。また、就職の難しさを示す指数も0.4ポイントのマイナスとなりました。一方、1年先のインフレ期待は低下しました。


クルーズ船カーニバル 増収増益
世界最大のクルーズ船運営会社、カーニバルが28日発表した去年12月から今年2月期の決算は予想を上回る、増収増益でした。売上高は1年前に比べ3.8%増加の37億9,100万ドル、純利益はツアーの値上げ効果と乗船客の支出増加を受けおよそ2.5倍となりました。また、旅行需要の強さなどを理由に今年通期の収益見通しを引き上げました。
・ 売上高37億9100万ドル(前年比↑3.8%)
・ 純利益 3億5100万ドル(約2.5倍)
・ 1株利益    48セント(予想上回る)
 

働き方改革の実行計画を決定
政府はきのう、働き方改革実現会議を開き、長時間労働の是正などに向けた実行計画を決定しました。働き方改革の実行計画では時間外労働について、年間720時間までとし、繁忙期でも月100時間未満という上限を設けました。違反した企業に対して罰則を設けることで、実効性を強化するとしています。実行計画には、「同一労働同一賃金」の実現なども盛り込んでいて、政府は、秋の通常国会にも関連法案を提出したい考えです。
 

理化学研究所など 世界初 他人のiPS移植
理化学研究所などのチームはきのう、目の難病患者に他人のiPS細胞=人工多能性幹細胞から作った網膜の細胞を移植する手術を実施したと発表しました。他人のiPS細胞を使った移植は世界初となります。手術は網膜に障害が起き失明する恐れがある難病患者に対して行われ、1時間ほどで無事終了したということです。今回使われたiPS細胞は京都大学の山中伸弥教授らが作った拒絶反応が起きにくい特殊なもので培養すればほぼ無限に増やせます。このチームは3年前に患者本人のiPS細胞を使った手術を成功させていますが手術までにおよそ10ヵ月、費用もおよそ1億円かかりました。今回の例が成功すれば期間も費用も10分の1程度にまで抑えられると期待されています。
 

自民「籠池氏の告発も視野」
自民党はきのう、緊急会見を開き、森友学園の籠池理事長が証人喚問で証言した内容について、偽証の疑いがあるとして、告発も視野に、検証を進める考えを示しました。自民党・西村総裁特別補佐は「国政調査権を発動ししっかりとした書類を集めることが必要。偽証が確定すれば告発することも含めて考えたい」と述べました。自民党が指摘したのは、籠池氏が、安倍総理大臣夫人の昭恵氏から受け取ったと主張する100万円の寄付についてです。籠池氏は、「学園側の職員が郵便局で振り込んだ」と証言しましたが、自民党は、振込受領書の筆跡から、「郵便局に行ったのは籠池氏の夫人」である可能性が高いと見ていて、事実関係を精査していく考えです。
 

米中首脳会談 来月6-7日で最終調整
アメリカのトランプ大統領と中国の習近平国家主席による初の直接会談が来月6日から7日にかけアメリカ南部フロリダ州で行われる方向で最終調整に入ったことが明らかになりました。米中首脳会談は、2月に安倍総理大臣が訪れたフロリダ州パームビーチの高級別荘「マールアラーゴ」で行われる見通しです。会談では、北朝鮮情勢のほか貿易不均衡など通商上の課題について話し合うものと見られます。
 

イラン石油相「協調減産 延長へ」
イランのザンギャネ石油相は28日、OPEC=石油輸出国機構の加盟各国と非加盟の産油国による協調減産が延長されるだろう、と述べました。ただ、ロイター通信によりますとザンギャネ石油相は「交渉には時間が必要だ」との見解を併せて示しました。また、減産が延長された場合にイランが減産に応じるのかについて、ザンギャネ石油相は「全てのメンバーが合意を順守する必要がある」と述べました。


アマゾン 中東ネット通販大手を買収
アマゾンドットコムは28日、中東のネット通販最大手、スーク・ドットコムを年内に買収することで合意したと発表しました。買収額など買収の詳細は明らかにされていません。ロイター通信によりますと、スークに対してショッピングモールを運営するドバイのエマール・モールズが8億ドルでの買収を提案していました。アマゾンの買収額はこれを下回っていると見られます。
 

高浜原発 再稼働可能に
大阪高裁の山下郁夫裁判長は、関西電力の高浜原発3号機と4号機について、運転停止を命じた去年3月の大津地裁の仮処分決定を取り消し、再稼働を認めました。大阪高裁はきのうの決定で、耐震性について「安全上の余裕を持たせている」と評価し、津波の想定などについても「相当の根拠および資料に基づいて説明している」として関西電力側の主張を認めました。法的に運転が可能となったことを受け、関西電力は早期の再稼働を目指す方針です。
 

タクシー強盗容疑で男逮捕
警視庁は、客を装って乗ったタクシーの運転手に、刃物を突き付けて現金を奪ったとして、住所・職業不詳の菊地優容疑者・22才を強盗の疑いで逮捕しました。菊地容疑者は、今月11日、墨田区の路上で停車していたタクシーの車内で、運転手にナイフのようなものを突き付けて脅し、およそ1万円を奪った疑いがもたれています。東京都内では、今月の9日から11日にかけてタクシーを狙った強盗事件が5件発生していて、警視庁によりますと、菊地容疑者はすべての事件への関与を認めているということです。
 

英メイ首相、EU離脱署名
イギリスのメイ首相は28日、EUヨーロッパ連合から離脱するための通知文書に署名しました。ロイター通信によりますと、29日中にEU側に渡されるということです。
 

■【本日のコメンテーター】ドイツ証券/小川和宏氏

・ アメリカの強い景況感がけん引、次のカギはトランプ政権

--消費者の信頼感、景況感もいいですし、それから住宅も強い、指標はしっかりしてますね。

「そうですね。ここもとソフトデータとハードデータの違いというのがいろいろ言われてまして、例えばFEDが出している第1クォーターのトラッキングGDPのも、ソフトデータをベースにしているニューヨークFEDと、ハードデータをベースにしているアトランタFEDが出しているものは、それなりのギャップがあるという状況なんですね。」

--あぁそうですか。FEDが出しているソフトのほうは何%ぐらいですか。

「ソフト、ニューヨークFEDが3で、アトランタFEDが1ですかね。先週ディバイスされているんですけれども。それだけセンチメントと実際の経済にギャップがあるということですね。」

--そうなんですね。でもそうなると、アメリカの利上げの行方にも、これのどちらを見たらいいのか分からないですね。

「そうですね。ただ、3月に利上げをしてますので、FEDとしてもこの先の、そういった期待を前提に少し早めに舵を切ったというふうには言えると思います。」

--このあとハードのほうが追い着いてくるかというのが大事なところですね。
 

・ きょうの経済視点 「 Animal Spirits 」

「最近ちょっとアメリカで話題になっていますが、将来の収益を期待して事業を拡大するとか、投資行動で将来に対する主観的な期待をいうような、景気の『気』は気分の『気』というような形で、いまトランプさんでずっと引っ張られてきていて、少し今ちょっと萎え気味ですけれども、もう一回こういったところがドライブできるのかどうか、注目になっているということですね。」

--「 Animal Spirits 」というのはどの国にも必要なものだと思うんですけれども・・・。

「そうですね。ヨーロッパもそういった形で金融政策の正常化に向かおうとしていますし、日本も以前からインフレ期待とか、そういったことに訴えかける金融政策をやっているということですので、これが非常に重要なテーマになっているということです。」
 


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