■マーケット
今年初!日経平均5日続伸
日経平均株価の終値は1万7,234円98銭で、前の日に比べて166円96銭上昇しました。今年初めての5日続伸です。きょう経済産業省が発表した4月の鉱工業生産指数の速報値は市場のマイナス1.5%予想を上回る0.3%の上昇でした。熊本地震による自動車メーカーの操業停止などの影響で「輸送機械」が低下しましたが夏向けの化粧品が好調だった「化学」などが全体の数字を押し上げました。また為替市場でドル円相場が1ドル=111円台と円安が進んでいることや、中国の上海市場で上海総合指数が3%を超える大幅な値上がりとなったことで投資家の心理が改善したことも影響しました。
ドライブと原油価格の関係は?
米国では30日のメモリアルデ―の祝日から夏が本格化し、ドライブシーズンを迎えます。米国ではメモリアルデーから9月5日のレイバーデーまでが夏のドライブシーズンで、ドライブで行楽に向かう消費者が増えます。最新のAAAの調べでは全米ガソリン平均価格は1ガロン=2.28ドルと過去12年で最も安い。消費者はガソリン安で今年、これまでに1兆3,000億円以上を節約できた計算で、個人消費にも追い風です。ガソリンの消費が増えると、原油価格の上昇につながりそうですが、需要の弱さに加え、産油国の供給が過剰になっており、原油価格の上昇は簡単ではなさそうです。
《CME原油トレーダー/トッドホーウィッツ氏》
「原油価格は今がピークでこれ以上上昇する理由はない。景気が減速する中で需要も弱く原油の使い道も少ないのが現状。」
6月2日にOPEC=石油輸出機構が総会を開き、増産凍結の合意を目指します。ただ主要国のサウジアラビアとイランの対立は根深く、合意は極めて難しい情勢です。
中継担当:NY支局進藤隆富記者
■【コメンテーター】木下智夫氏(野村証券チーフマーケットエコノミスト)
・意外に健闘・国内生産・今後は「人手不足」が追い風に
「鉱工業生産指数が良かった理由として化粧品などの売り上げがよく化学が増えた。中国でスマホの高機能化が進み、日本のスマホ関係の部品の生産が伸びたのも理由の一つだ。5月6月について経済産業省が予測調査をしていて、それによると今後順調に増えていくとみられる。設備投資の先行指標である資本財が動きが出てきているのが特徴だ。有効求人倍率が上がってきていて人手不足感が強まっている。これに対応するために生産性を向上させるために設備投資をしていく必要がある。」
・世界はリーマンショック前か?先進国と新興国で温度差
--アジアのリーダたちはリーマンショック前の状況という発言に同調している
「この件については新興国と先進国で認識のずれがある。安倍総理は商品価格が55%も下がったのと、新興国では投資が下がったことを強調し、この2つは新興国にとっては非常に大きなマイナスになってる。リーマンショックの時とは状況が違い、長期的に経済が停滞し始めたのではないか?というのが本質だ。先進国では金融規制の強化もあり昔のようにバブルになることはない。新興国では中国が以前ほどけん引してくれない中、高い成長率が望めない現状だ。輸出に頼っていたら今後難しいので構造改革を強化していくことが先進国・新興国問わず取り組むことが課題。」
・米利上げはいつ?
--イエレン議長から利上げに向けた地ならしをするとの発言があった。
「利上げは6月か7月。6月の利上げをするにはISMや雇用統計がかなり強いものである必要がある。6月に英国でEU離脱か?残留かを問う投票があるのでその結果が出てから7月ではないだろうか?EUにとどまることが前提で7月に利上げではないか。」
■ニュース
内閣不信任案を否決
民進党や共産党など野党4党がきょう、「アベノミクスの失敗は国民生活を破壊し格差と貧困を拡大した」などとして、安倍内閣に対する不信任決議案を提出しましたが、与党などの反対多数で否決されました。民進党の岡田代表は「強権的な政治あるいは不正直な政治。これも説明を加える必要のないくらい明らかなこと。これから選挙の中で訴えていく」と話しました。一方、自民党と公明党はきょう、消費税の増税を2年半先延ばしする安倍総理の方針をめぐり、それぞれ党内で議論し、安倍総理の考えを容認することを確認しました。ただ、与党内からも社会保障の財源や、消費増税を先送りした2年前の衆議院解散の際の安倍総理の説明について、「整合性のある説明をすべき」との意見もあがりました。安倍総理はあす夕方に会見を開き、新興国経済の陰りなどを理由に、消費増税を2年半先送りして、2019年10月に10%へ引き上げる方針を国民に説明する予定です。課題となる社会保障の財源の確保や財政再建の目標について、安倍総理が納得のいく説明を出来るかに注目が集まります。
遺伝子ビジネスの信頼性とは
遺伝子検査をビジネスとする業界団体「個人遺伝情報取扱協議会」が会見を開き、消費者が安心して検査をうけられるという認定を与えた企業名9社を発表しました。審査を行ったのは医療や情報セキュリティなど6人です。検査結果の科学的根拠など230項目をチェックしました。ただ、北里大学の高田史男教授は「精度の面ではまだまだ不十分なものだと理解した上で利用すべき」と警鐘を鳴らします。また、提供する業者の中にはトラブルを起こすものも少なくありません。経済産業省の調査では2015年に解約やキャンセルなどの相談は112件、うち71件が遺伝子検査を使ったオーダーメード化粧水でした。個人遺伝情報取扱協議会の別所直哉は「自主基準をつくった以上、ルールを守るのが責任。協会に加盟していない会社にも基準を守るよう話をする」と述べました。
【遺伝子ビジネスの信頼性とは】
病気のかかりやすさや体質の判定を謳っている遺伝子検査ビジネス。ヤフーやDeNAが参入して話題となった遺伝子検査は手軽に検査が受けられるというメリットがあるが、一方でトラブル相談も増えているとのこと。こうした中、信頼性を高めようとビジネスに関わる企業自身が動き始めた。
【“病気のリスク”を判別!?「遺伝子検査」その信頼性は?】
今日、遺伝子検査をビジネスとする企業37社が加盟する個人遺伝情報取扱協議会が会見を開いた。発表したのは消費者が安心して検査を受けられるという認定を与えた事業者名で、ヤフーやDeNAライフサイエンスなど9社。実際に審査を行ったのは医療や情報セキュリティーなど6人の専門家。検査結果の科学的根拠や個人情報の取り扱いなど230項目を審査した。
《個人遺伝情報取扱協議会/別所直哉理事長》
「まだまだ浸透していないサービスなので『何を基準に選んでいいか分からない』とか過度に心配する人もいる。『きちんとした事をやっています』という事を認定を通じて分かってほしい。」
遺伝子検査は唾液を取って郵送し、生活習慣度などのアンケートに答えるとパソコンで結果が見られるというもの。結果にはがんのリスクやデング熱へのかかりやすさ、肌のシワのできやすさなど約290の病気のリスクや体質の傾向が示されている。しかし消費者向けの遺伝子検査ビジネスでは遺伝だけでなく生活習慣も関係する病気を対象にしている為、明確にリスクを示す事が出来ない。特定の遺伝子から病気を予測する事は医療行為の診断に当たり、医師法違反となるため。企業の遺伝子検査サービスで人の体質や病気のリスクは一体どの程度分かるのか、遺伝医学の専門家に聞いた。
北里大学・高田史男教授によると体質は1000万か所以上存在する個体差の総和として表に出てくるものという。しかし民間サービスは基本的に個体差の数個だけをピックアップし統計学的に分析する為、やり方次第で結果にブレが生じやすいという。高田教授は「精度の面ではまだまだ不十分だと理解した上で興味を持った人が理解して買うのはいいが、すぐに医療機関に行って何かをするとかそういう話とは違う」と話した。
【「遺伝子検査」でトラブルも・信頼性をどう高める?】
遺伝子検査サービスを提供する業者の中にはトラブルを起こす業者も少なくない。最も多いのは解約やキャンセルなどの相談で、経済産業省の調べでは去年1年間で112件で内71件が遺伝子検査を使ったオーダーメイド化粧品を扱う企業についてのものだった。経産省は企業名については公表していないが、同様のサービスを行っている企業の1つに取材(メール)を試みるが返答はなかった。そこで採取した遺伝子の送り先を訪ねてみるがシェアオフィスで不在だった。現在、遺伝子検査サービスを提供している企業は代理店を含めると数百に上ると見られている。どんな企業でも簡単にサービスを始められる為、厚生労働省の審議会のメンバーからは法的な規制を求める声が出ている。しかし業界団体側は法規制ではなく自主的な取り組みで信頼性を高めていきたい考えだ。
《個人遺伝情報取扱協議会/別所直哉理事長》
「本当に沢山の会社があるので、自主基準を作った以上ルールを守ってもらえる会社を増やしていく責任がある。」
独占取材 “ハリウッド並み”施設の全容
「バイオハザード」や「モンスターハンター」など世界的にヒットしているゲームソフトメーカーのカプコンが約100億円を投じた研究開発ビルを建設し、6月から稼働します。目玉は、天井の高さが7mある国内最大級のモーションキャプチャースタジオです。体中に59個のマーカーをつけたアクション俳優の動きを36台のカメラを使って撮影し、リアルな動きを格闘ゲームなどのキャラクターに生かします。新たに作った3Dスキャンスタジオでは、100台のデジタルカメラで人物を撮影して3D処理することで、作業の手間を省くとともに、クオリティーの向上も図りました。2016年はVR:バーチャルリアリティー元年といわれていて、ゲームの世界でもリアルな動きが求められています。カプコンは今後5年で開発人員を300人増やす計画で、今回の施設で世界での競争力を高める考えです。
携帯大手3社 長期利用者向けプラン出そろう
政府の要請を受けた携帯電話料金値下げの焦点だった“長期割引”。きょう、KDDIが優遇プログラムを発表し、大手のプランが出そろいました。新たに導入する「auSTARロイヤル」はauの携帯電話を4年以上使っている利用者が対象。データ通信の利用料金に対して最大10%分のポイントを還元します。ポイントは利用料金やネット通販の支払いなどに使えるため、実質的な料金割引となります。長期利用者向けの割引サービスでは、先月NTTドコモが個人向けで1ヵ月あたり最大800円の割引を発表。ソフトバンクも今月、月200円の割引を発表しました。料金の値引きではなく、あえて「ポイント還元」としたKDDIは、たまったポイントを自社が扱う通販や金融サービスなどで利用してもらい、顧客を囲い込む考えです。
トヨタ 生産を一時休止
トヨタ自動車は愛知県豊田市の元町工場など9つの工場、14ラインであす朝からの車両生産を取りやめることを決めました。きのう愛知県刈谷市のアイシン精機の子会社で爆発事故が発生し、ブレーキ部品の供給が滞っているためです。6月2日までに全面再開を目指しますが国内におよそ30本あるラインの半分程度が止まることになります。
スズキ 燃費不正測定は26車種214万台
自動車メーカー、スズキの燃費データの不正測定問題で鈴木修会長が会見し、不正があったのは26車種、214万台に上ることを発表しました。これらの車種は燃費データを測定する際、国の規定とは異なる方法で測定していました。スズキが燃費データを、規定通りに再測定した結果、26車種全てでカタログに掲載されている値よりよかったとして、「燃費をよく見せようという意図はなかった」と強調しています。経営陣の進退については、辞任は否定しています。
パナソニック テレビ向け液晶パネル撤退
パナソニックがテレビ向け液晶パネルの生産を今年の9月末までに終了し、撤退する方針を固めました。海外のパネルメーカーとの激しい価格競争で収益性の改善が見込めないためです。テレビ向けパネルの唯一の生産拠点である姫路工場では、人員削減は行わず、数百人規模の従業員を配置転換します。今回のパナソニックの撤退で、テレビ用液晶パネルの生産を続けるのは、国内ではシャープのみとなります。
政府 観光振興で支援策 九州旅行は最大7割引きに
政府はきょう、熊本地震により観光産業への影響が出ている九州を支援するための「観光復興に向けての総合支援プログラム」をまとめました。国内外から九州への旅行者を対象に、ホテルの宿泊代やツアー料金を最大で70パーセント割引できることが特徴です。政府は、必要経費180億円を各県に交付し、年末までに宿泊客を150万人増やしたい考えです。
“金銭授受”甘利氏ら不起訴
甘利前経済再生担当大臣の金銭授受問題であっせん利得処罰法違反などの疑いで告発をされていた、甘利前大臣と元秘書の男性2人について東京地検特捜部は不起訴処分としました。特捜部は「起訴するに足る十分な証拠がなかった」としています。甘利前大臣は「不起訴と判断されたことで説明を受け止めてもらえたと思っている」とコメントしました。
「アジアの未来」アジアのリーダー世界経済をどう見る?
先週行われた伊勢志摩サミットで、現在の世界経済を「リーマン・ショック前と似た状況」にあると強調した安倍総理大臣。サミットでは、一部の首脳から異論が出るなど、各国の足並みは揃いませんでした。リーマン・ショック時との比較は、「消費税増税の再延期の布石」という見方もある中、アジア各国はどう見ているのか?日本経済新聞社主催の国際交流会議「アジアの未来」のために来日した、アジアのリーダーたちに聞きました。
《IMF/ラガルド専務理事》「経済危機からはすでに脱している」
《インド/アルンジャイトリー財務相》(ムディー首相の副審)
「経済危機のリスクはあるという見方だ。経済の停滞はいつまで続くかわからない深刻な状況だ。インドの年率7.5%の成長は現状からすれば良い方だが潜在力はもっと高く防衛機が縮小したのが影響した。」
《タイ/ソムキットチャトゥシピタク副首相》
「世界経済の危機があることは否定できないが、景気刺激策だけでは短期的な効果しか得られない。今、重要なのは各国が構造改革を進めることだ。」
火星が大接近!展望台で観察会
2年2ヵ月ぶりに火星が地球に最接近しています。その火星を一目見ようと都心で空に一番近い展望台には多くの人が集まりました。午後8時頃東京港区の六本木ヒルズの屋上展望台には200人以上が集まり地球に最接近した火星を眺めました。最接近する火星は「スーパーマーズ」とも呼ばれ今回は最近10年間で最も近い距離になっていると言います。これから一週間程度は天候に恵まれればいつもより明るい火星が都市部でも肉眼で見られるということです。次回、火星が最接近するのは2年後の7月になります。
■【ロングセラー研究所】アンメルツ
発売から50年を迎えたアンメルツ。名前は否定を意味する英語「アンチ」と、痛みを意味する独語「シュメルツ」を組み合わせたものです。開発のきっかけは、当時貼り薬の湿布を肩に貼ったままデートした男性社員が、相手から「年寄り臭い」と言われ振られてしまったことでした。そこから「見えない肩こり薬」の開発が始まりました。そして1974年、塗り口を斜めにしたアンメルツヨコヨコを売り出し人気が定着。しかしその後、街に次々とできたマッサージ店に客を奪われ、売り上げが落ち込みました。対策を講じた開発担当が、消費者を集めて調査を行ったところ、肩こりに悩む人は背中全体のこりに悩んでいることに着目。肩甲骨の真ん中まで届くロングボトルの新商品にたどり着きました。
取材先・小林製薬
肩こり治療薬のアンメルツは発売から50年、累計販売は2億本を超えるロングセラー商品。1966年に発売された初代アンメルツの開発のきっかけは男性社員の失恋だった。液体を使って片手で塗れるものを目指した結果、ボトルの口にスポンジをはめ込む方式が採用され発売すると瞬く間にヒット商品となった。しかしすぐに競合他社に真似され売り上げは頭打ちになった。そこで孫の手の用に使える商品の開発が進められた。アンメルツを洗濯バサミで挟むと塗りやすい事に気づき、塗り口を斜めにする事に(アンメルツヨコヨコ)。そして工場の生産ラインを斜めに改良して量産化に成功した。しかし2000年代に入ると街中に次々と出来たマッサージ店に客を奪われ、売り上げが減少した。そんな時、肩こりに悩む消費者を集めて行った調査で背中全体のこりに苦しんでいる事に気付き開発したのがアンメルツネオロングである。これまでは届かなかった肩甲骨の真ん中付近にあるツボに塗る事ができる。塗りやすいボトルとの戦い。アンメルツの進化は続く。
■【トレたま】ひんやりベスト ポケットから“涼”
ポケットを水でぬらすベストは水分を吸収する力が強い特殊な繊維が使われベスト全体を冷やすことができる。浸す程度でOKで入れすぎたらしぼればOK、氷を入れるとゆっくりと溶け水のように漏れる心配はないが、汗をかく現場の人用に開発したので少しは濡れる。水と氷の組み合わせで3時間はひんやりが続く。日曜発明ギャラリーの小林豊博社長は犬が使うおしっこシートは水を吸収すると思い、水の吸収をベストに生かし熱中症対策用に開発した。
【商品名】クールビット・アイスポケットベスト
【商品の特徴】水や氷をポケットに入れることで、体を冷やすことができる熱中症対策用のベスト。
【企業名】日曜発明ギャラリー
【住所】静岡県焼津市すみれ台2-11-3
【価格】8,000円(税別)
【発売日】発売中
【トレたまキャスター】北村まあさ