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2016.9.29 WBS・ワールドビジネスサテライト

2016年09月29日 23時59分59秒 | WBS
■マーケット

OPEC 8年ぶり減産合意
OPEC=石油輸出国機構は28日、非公式の会合を開き生産する原油量を減産に踏み切ることで8年ぶりに合意しました。OPECは産油量の上限となる生産目標を日量で3250万~3300万バレルとすることで一致しました。8月の産油量が約3324万バレルなので、最大約2%、75万バレルの減産となります。対立が続いていたサウジアラビアとイランが折り合いをつけた格好で、11月30日のOPEC総会で正式決定を目指します。OPEC加盟国で生産量第2位のイラクは減産の数値目標に早くも意義を唱えていて、すでに足並みはそろっていません。今後はOPECに加盟していないロシアなどとも協調していけるかが、原油価格を押し上げるカギとなりそうです。中継担当:ニューヨーク支局進藤隆富記者



産油国“電撃合意” 為替市場にもサプライズ
oil.JPG産油国による“電撃的な減産合意”は為替市場にも影響しました。専門家からは年内は円安方向に動くとの見方も浮上しています。みずほ証券チーフFXストラテジストの鈴木健吾氏は「原油(会合)が決裂ならどうしようかと思ったが、予想外の減産」と話しています。
原油はドル建てで取引されます。今回の原油の減産合意によって、原油価格が値上がりすることが予想されます。このことに備えてドルを調達する動きが強まったことなどから、29日の東京外国為替市場ではドルを買う動きが加速、円安・ドル高が進みました。また、28日にアメリカのFRB=連邦準備制度理事会のイエレン議長が「(FOMC参加者の)大半は景気が現状で推移して新たに重大なリスクが生じなければ、年内に利上げすべきと考えている」と年内の利上げを示唆したことも、円安・ドル高が進んだ要因のひとつです。円相場は一時101円台後半まで円安ドル高が進みました。
みずほ証券のチーフFXストラテジスト鈴木健吾氏は、年内のドル円相場について「これまで円高を演出してきたリスク、特に原油安や中国に対する不安が後退していくだろう。100円近辺で下げ止まって円安方向、105円を少し超えるところまで値を戻すか」と話しました。





■ニュース特集

東京五輪 費用3兆円超す可能性
2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催費用などを検証する東京都の調査チームは、当初およそ7,300億円を想定していた大会の経費が、3兆円を超える可能性を指摘しました。その上でコスト削減のため、3つの会場の建設中止を含む大幅な見直し案を小池知事に提出しました。建設中止を提言したのは、ボートとカヌーの会場の「海の森水上競技場」、水泳会場の「オリンピックアクアティクスセンター」、バレーボール会場の「有明アリーナ」です。それぞれ整備費が想定をはるかに上回ると指摘し、既存の会場を改修して活用する案を提示していますが、大会組織委員会の森喜朗会長ら大会関係者の間には戸惑いの声も上がっています。都は今後、案について検討し、1ヵ月をめどに見直しの方向性を示すとしています。一方、移転の延期を決断した豊洲市場では青果棟のある5街区の地下水から環境基準値を超えるベンゼンとヒ素が検出されました。

tokyo.JPG【東京五輪の経費3兆円超!小池知事に対しあの人は?】
東京都・小池知事が切り込むのは豊洲市場を巡る問題だけではない。2020年東京五輪・パラリンピック。今日、東京都の調査チームが大会の経費が想定を超える3兆円以上となる可能性を発表した。コスト削減のため競技会場を大幅に見直す検討に入った小池知事。これに対し大会組織委員会を率いる森喜朗会長は。

【当初は7300億円のはずが・東京五輪・費用3兆円超す可能性】
2020年東京五輪・パラリンピックの開催費用などを検証する東京都の調査チームは今日、当初約7300億円と想定していた大会経費が3兆円を超える可能性があると指摘した。その上でコスト削減の為に新たにつくる予定だった3つの会場の建設を中止する事を含めた大幅な見直し案を小池知事に提出した。調査チームが建設中止を提言したのはボートとカヌー会場の海の森水上競技場、水泳会場のオリンピックアクアティクスセンター、バレーボール会場の有明アリーナ。いずれも整備が当初より遥かに上回ると指摘し、既存の会場を改修して活用する案を提示している。代替案としてボートとカヌー会場は宮城県長沼ボート場、水泳会場は東京辰巳国際水泳場、バレーボール会場はパシフィコ横浜を挙げているが、この中には東京から遠い会場がある事などから大会関係者の間には戸惑いの声も上がっている。

【東京五輪の経費3兆円超!会場見直し案に反発の声】
東京都・小池知事肝入りの調査チームが提案した2020年東京五輪・パラリンピック施設整備の大幅な見直し案。東京都は今後、案について検討し1か月を目途に見直しの方向性を示すとしている。これに先立って開かれた東京五輪・パラリンピック調整会議では小池知事、政府、大会組織委員会の代表者が顔を揃えた。終了後、施設の抜本的な見直し案に対し大会組織委員会の森喜朗会長は「IOCの理事会や総会で決まった事をひっくり返す事は極めて難しい問題」と話した。また大会組織委員会理事会では抜本的な見直し案に反発の声が相次いだ。一方、移転の延期を決断した豊洲市場では、青果棟のある5街区の地下水から環境基準値を超えるベンゼンとヒ素が検出された。いずれも微量だが環境基準値を超えたのは初めて。積み重なる東京都の課題。小池知事の手腕が問われている。







ブランド再構築 成功させるには…
29日に開かれた、回転寿司チェーン大手「かっぱ寿司」の発表会。運営会社のカッパ・クリエイトは、ロゴの変更や10月からの新商品投入など、大胆なリブランディング(ブランド再構築)戦略を発表しました。その背景には、競合他社が台頭する中、かっぱ寿司は「安かろう」「悪かろう」というイメージを払拭するためです。一方、リブランディングに成功した代表的な企業が梅酒製造大手の「チョーヤ梅酒」です。梅酒を古風なイメージから若者に人気の飲み物に様変わりさせました。チョーヤは“おしゃれ”なだけではなく、品質に強いこだわりを持っています。品質の高い商品をベースに、様々な派生商品を発売。梅酒といえば「チョーヤ」という強いブランド力を作り上げたのです。専門家は、リブランディング戦略を成功させるには商品の「本質的な価値を明確にすることが大切」だといい、多くの企業が直面する課題だと指摘します。
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【ブランド再構築・成功させるには】
好調な回転寿司チェーン大手の中で唯一出遅れているのが、かっぱ寿司。その運営会社のカッパクリエイトは今日、大胆な戦略転換を発表した。ブランドの顔とも言えるロゴをシンプルなデザインに一新。この様に時代や顧客のニーズに応じてブランドを再構築する取り組みをリブランディングという。企業のリブランディング、成功の秘訣とは何なのか。

【「安かろう」「悪かろう」からの脱却・かっぱ寿司は変わるのか?】
brand2.JPG回転寿司チェーン大手・かっぱ寿司の運営会社・カッパクリエイトは大胆なリブランディング戦略を発表した。ロゴを変更したほか、付加価値の高い大トロをレギュラーメニューに追加。さらにネタ部を新たに設置し、商品開発を全ての部署から提案できるようにした。かっぱ寿司は一皿100円の根付けで成長し2010年まで業界首位だったが、競合他社がネタの鮮度などを武器に台頭。2011年以降はかつての勢いを失い、売上高は回転寿司業界で4位に転落した(1位・スシロー、2位・くら寿司、3位・はま寿司)。カッパクリエイトは2014年に飲食大手・コロワイドの傘下に入り経営の効率化を目指したが一度ついた安かろう悪かろうの負のイメージは挽回できず、2016年4-6月期は営業赤字となった。かっぱ寿司は店舗も改装。内装は木目調の柔らかい雰囲気に。また従来のテーブル席に加えて小上り席を設置。かっぱ寿司としては初めて畳の席を作り、家族連れなどくつろいでもらえる空間を作った。

【梅酒ブランド成功のカギ・“古風”から“おしゃれ”に】
リブランディングに成功した代表的な企業が梅酒製造大手・チョーヤ梅酒。チョーヤは梅酒の古風なイメージを払拭し、若者に人気の飲み物に様変わりさせた。若い女性をターゲットにCMなどを展開し、イベントでカクテルをはじめ新たな飲み方を提案する事でおしゃれなイメージを印象付けた。さらに契約農家が作る高品質な梅を使用して添加物も一切使わず製造するなど質の高い商品を作り続ける傍ら、それをベースに様々な派生商品も発売。それが消費者の選択の幅を大きく広げた。現在、シェアは約30%で、今では「梅酒と言えばチョーヤ」とも言われる強いブランド力を築き上げた。

【リブランディングを成功させるには・・・。】
ブランド戦略を研究する専門家は・・・。
《三菱UFJリサーチ&コンサルティング/鈴木ちさコンサルタント》
「本質的な価値を明確にすることだと思います。あまりにも時代に合わせ過ぎると、愛着を持っている人からすると、変わってしまったということで離れていくし、ずっと同じままだと新しい人に古くさいブランドだとみられる。」
さらにリブランディングは多くの企業が直面する課題だと言います。
「どんなサービスであれ、商品であれ、見直し見直ししていかないと陳腐化する。あらゆるところで価値の提供の仕方を見直ししているところが生き残る。」







【日本の音楽市場を変える?世界最大の配信サイトが上陸】
若い人達を中心に日本でも音楽離れが進んでいる。具体的にはCDが売れない、ヒット曲が出ないなど低迷が続いている日本の音楽市場だが、全世界で1億人を超すユーザーを持つ世界最大の音楽配信サイトを運営するスポティファイ(スウェーデン)が今日、日本でサービスを始める事を発表した。果たしてこの音楽市場の活性化につながるのか。
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スポティファイの音楽配信はパソコンやスマートフォン、タブレットなどの端末にインターネットで音楽データを送りながら再生する方法です。日本でも去年からLINEやアップルがサービスを始めている。スポティファイのサービスの最大の特徴は、月額980円で聞き放題の定額配信に加え、一部機能は制限されるが無料で利用できるフリープランがある。視聴料をCMで賄う事で完全無料の音楽配信を実現した。また毎週好みの音楽の配信や季節やテーマに合った曲を紹介するコーナーもあり、日本人アーティストも数多く取り上げている(オフコース「秋の気配」など)。ただ日本では音楽配信の認知度は65%近いものの、実際の利用や利用したいと思う人は16%に満たない状況(出典・一般社団法人日本レコード協会)。スポティファイ・ダニエルエクCEOは「試聴や聴くだけなら配信が今後事実上の標準になっていく」と話した。


【“黒船”上陸どう迎え撃つ?音楽配信サービスの狙い】
音楽配信には大きく分けて2つのタイプがある。ダウンロードとストリーミング。ダウンロードのサービスを提供しているのは、アップルやグーグル、アマゾン、ソニー、オンキヨー。一方ストリーミングのサービスを提供しているのはアップル、グーグル、LINE、AWA、スポティファイ。日本発の定額制の音楽配信サービス・AWAは、今回スポティファイをどの様に迎え撃つのか。
AWAは去年5月にサイバーエージェントとエイベックスグループホールディングスが組んでスタートし現在、アプリのダウンロード数は900万以上。海外からの黒船をどう迎え撃つのか。AWA・小野哲太郎取締役は「スポティファイは日本になかったビジネスモデルなのでより市場が拡大するのではないか。音楽と出会う場所や機会が減っているので、AWAはこれまで聴いていなかった音楽や出会えなかった音楽と出会うきっかけになりたい」と話した。

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【高音質の“ハイレゾ”に特化!老舗が仕掛ける音楽配信】
最近はストリーミングによる定額制の音楽配信サービスが広がりつつあるが、その一方でダウンロードによる有料の音楽配信は5年前と比べると半分以下に減ってしまっている(出典・一般社団法人日本レコード協会)。一見すると苦戦しているように見えるダウンロード型の音楽配信サービスだが、ストリーミング型の普及をチャンスに変えようという動きも出てきている。老舗オーディオメーカー・オンキヨーは2005年からダウンロード型の音楽配信サービス「e-onkyo music」を手掛けている。特徴は高音質のハイレゾ音源に特化していることで、今年度のダウンロード数は2割増える見込み。ハイレゾ音源では一般音源で聞こえないスタジオの空気感なども再現していて、音質にこだわる30代以上の消費者を中心に受け入れられ始めている。この事業を手掛けるオンキヨー&パイオニアイノベーションズは・・・。
《オンキヨー&パイオニアイノベーションズ/宮城謙二社長》
「スポティファイで聴きたい曲を見つけてもらい、気に入った音楽は我々のハイレゾ配信サイトで買ってもらう。恐らくもっと音楽ビジネスは大きくなる。」

《大浜メモ》
(実は日本は世界第2位の音楽マーケット)
ongaku4.JPGまさに業界全体で今盛り上げようという機運になっているようなんですが、実は日本の音楽マーケットが以前に比べると元気がないと先ほど冒頭で言いましたけど、そうはいっても世界第2位なんです。1位がアメリカで、2位が日本です。だから日本人は割と音楽にお金を使う国民性ではあるんですが、アメリカと違うのは、アメリカはもう配信で聞く人が多いですが、日本はまだCDで聞く人が多いそうです。そこで配信というのはまだまだ広がる余地があるぞ、ということで、ましてやハイレゾに関しては日本発ですから、日本はまだまだここは世界1ですから。これからどんなサービスが増えるかですね。









■ニュース

ロッテ会長の逮捕状請求棄却
韓国ロッテグループの不正疑惑で、ソウル中央地裁は29日、重光昭夫会長に対する逮捕状請求を棄却しました。昭夫氏は親族を勤務実態のない役職に就かせ給与を支払った横領と、事業で生じた損失を系列会社に肩代わりさせた背任の疑いが持たれていました。今後、検察は在宅起訴を目指して捜査を続ける公算が大きく、事態の沈静化は見通せない状況です。



日立製作所が探知装置 3秒で爆発物所持をチェック
日立製作所は29日、テロ対策として爆弾などを所持している人物をおよそ3秒で特定することができる「爆発物探知装置」を発表しました。爆発物を持っているかどうか判断するのは、このIDカードの差込口です。テロの実行犯などが爆発物を準備すると、火薬の成分などの細かい粒子が数日間、必ず体や服などに付着します。そのため、IDカードについた細かい粒子を吸い込み分析することで、爆発物を持っているかどうかわかるといいます。来月から販売を始める予定で、発電所や空港施設などでの導入を目指します。
《日立製作所セキュリティセンタ/花見英樹センタ長》
「東京五輪に向けてセキュリティーの需要は高くなる。」


自民党“解散”巡る発言相次ぐ
年明けの衆議院解散が永田町で取り沙汰されるなか、自民党の派閥会合では、解散への言及が相次ぎました。こうした中、自民党の二階派が来週から選挙対策の勉強会を始めることが、テレビ東京の取材で分かりました。関係者によりますと、勉強会は当面、毎週行われ、選挙に強い議員から選挙対策のノウハウを学ぶということです。党の選挙対策を担う二階幹事長が率いる二階派が選挙対策の勉強会を始めることで、早期解散への憶測はさらに強まりそうです。



米ニュージャージー 駅で列車事故 100人負傷か
日本時間の29日午後9時半ごろ、ニュージャージー州のホーボーケン駅の構内に通勤列車が突っ込みました。ABCテレビがおよそ100人がけがをしたと伝えたほか、3人が死亡したとの情報もあります。この駅はニューヨークのマンハッタンに近く、周辺には多くの日本人が住んでいます。ツイッターに投稿された映像は、駅舎が粉々に壊れるなど衝突の激しさを物語っています。事故の原因についてはまだ分かっていません。



ヒルトン流出情報悪用か 偽造カード容疑で中国人逮捕
偽造したクレジットカードを使い、都内のドラッグストアなどでおよそ53万円分の商品を購入したとして、警視庁は詐欺などの疑いで中国人6人を逮捕しました。偽造されたカードはヒルトンホテルの運営会社から漏えいした顧客情報を基に作られていました。警視庁は6人がおよそ50件分の顧客情報を持っていて、被害総額は1,700万円に上るとみてデータの入手経路など捜査を進めています。



シンガポール首相「中国もTPP参加を」
来日しているシンガポールのリー・シェンロン首相は29日に都内で講演し、日本やシンガポールなど12か国が参加するTPP=環太平洋経済連携協定に、将来的に中国も加わるべきとの考えを示しました。一方、アメリカの大統領選の有力な候補者がいずれもTPPに反対していることから、オバマ政権で議会承認が得られなければ成立は困難になるとの見方を示しました。また、中国との関係も深いリー首相は日中関係の改善にも期待を示しました。





■【ヒットの順番】システムバス
住宅のリフォーム需要が高まる中、かつてない機能を備えた「システムバス」に注目が集まっています。千葉県松戸市にタカラスタンダード松戸ショールームがオープンしました。新設住宅の着工戸数は今後減少する見通しだが、リフォーム市場は2020年まで拡大する見通しです。中でも多くの客が検討しているのが浴室のリフォームです。浴室は今、システムバスが主流で、短期間で設置できます。出荷数は1~8月で前年比約1割増(2年連続増加/出所・キッチンバス工業会)です。

高価格帯システムバス(15年/リフォーム産業新聞)
1位 LIXIL「スパージュ」
2位 TOTO「シンラ」
3位 パナソニック「ココチーノL-CLASS」
4位 クリナップ「アクリアバス」
5位 タカラスタンダード「プレデンシア」
6位 タカラスタンダード「インペリオ」
7位 ノーリツ「ユパティオヒロイ」
8位 ハウステック「コキュアス」
9位 ナスラック「バスリーバEX」

50~60代を中心に、「掃除しやすく、より快適な」製品を求める人が多く、中・高価格帯の商品の人気が高まっています。ランキングのトップは「肩湯」もできるLIXILの「スパージュ」。4位のクリナップ「アクリアバス」は、床に40度のお湯をまき、床面を1分間で効果的に暖める機能がついていて、冬場に心配される浴室内の温度を調整します。7位のノーリツ「ユパティオヒロイ」は、浴槽を自動で洗浄する機能があり、家事の負担を減らします。パナソニックの人気オプション機能「酸素美泡湯」は酸素濃度が高いお湯で、入浴後にも湯冷めしにくいということです。
取材先・ノーリツ・タカラスタンダード
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■【トレたま】行列を自動で進むイス

その技術とはプロパイロットという自動運転技術。以前紹介した「自動で元の位置に戻るイス」の第2弾。実際にこのイスを置く店舗を募集しているという。

【商品名】プロパイロットチェア
【商品の特徴】自動車の自動運転技術を応用し、イスにセンサーを取り付け“行列を自動で進むイス”を開発。
【企業名】日産自動車
【住所】横浜市西区高島1-1-1
【価格】未定
【発売日】未定
【トレたまキャスター】北村まあさ



■【コメンテーター】伊藤元重氏(学習院大学教授)

・ブランドは価値を伝えるもの、売るための手段にあらず

--私はブランドというのは、しっかり守るものであって、コロコロ変えるものではないとずっと教わってきたんですが、現状はもうそういうことではなくなってきているということなんですか。
「実は我々が気がつかなくても、同じようなブランドを常に見直しをしているんだろうと思う。ブランドとかマーケティングもそうなんですけど、有名なアメリカのコトワというマーケティングの大家がいるんですけど、非常にいいことを言っていまして、ブランドもそうだと思うんですけど、『自分のものを売るための手練手管じゃない。そんなのはすぐに消費者に見透かされてしまう。やっぱり自分がどういう価値を持っているか。どういう価値を提供できるかということを、まず自分で理解して、それを相手に伝えられるかどうか。その手段としてブランドというのはあるんだろう。』と思う。だからやっぱり何を残さなければいけないかという事がまずあって、そこを壊して新しいものをやろうとするともう根本から崩れてしまう。ただ、そうはいってもだんだん価値は変わってくるので、果敢に変えていく。その変えないものと変えるものの絶妙なバランスというのがあるんだと思う。

--よくブランドが変わると、イメージが変わったというんですけど、必ずしもブランドとイメージは一緒ではないということなんですね。

「ええ、やっぱり消費者はメッセージとしてきたブランドの先に、じゃあ自分が消費した時に何がいいの、ということを常に考えているんだろうと思う。」




・電撃!原油減産合意で円安株高になるわけ

--昨日は先生から「原油安は日本にとっては長い目で見るとメリットが大きいんだよ」というご指摘がありましたけれども、今日は原油高に向けた動きではあるんだけれども、株高円安。

「急速に動くとか、どっちに動くか分からないというのは、マーケットは嫌うんでしょうね。今回の合意がまとまるかどうかは分かりませんけど、まとまる方向にいくとすると、いくつか大きなポイントがある。1つは価格が下がっていくと、サウジアラビアが典型なんですけど、財政的に厳しくなってくるんですよね。それは単に経済的な問題だけでなくて、中東の政治不安などに繋がりかねないということがあると思いますし、それから石油の価格が大きく動くと、商社や石油メーカーに影響が出てくる。そういう意味では今回の合意によって、安定な方向にいくとすればプラスだと思う。ただ、重要な事は、おそらく多くの人はこういうことが起こっても原油の価格が大幅に上がることは多分ないだろう。これはシェールオイルが一方にあるので、価格が上がると供給がそっちに出てくる。それからもう1つは、そうはいっても世界全体の新興国の需要が非常に弱いので、ある意味でマーケットは下げ止まって安定はしたんだけど、大幅に上がることはないだろうという安心感が為替や株の背景にあるのかなと思う。」





・音楽ビジネス 勝者の条件

--今日は日本でも音楽配信というのがもっと盛んになりそうだというのをお伝えしましたけれども、どのあたりが生き残りの秘訣ですか。

「音楽は一回作ると、タダで技術的には配信できるわけです。ですからフリーの世界が膨大にあるんです。そうなるとアマゾンとかにやられてしまう。いかに違いを出すかとうことがポイントで、1つは音質ですね。ハイレゾの世界みたいなもの。あとは今日見ていて面白い思ったのは、新しい楽曲をどれだけ出せるかどうか。ファッションの世界と同じで、ユニクロに行けばそれなりに低価格のいい物が買えるが、そうではなく新しいものをつくっていくということ。あとはライフスタイルみたいなものをどうやってプロデュースするか。あとは問題はどれだけ大きなマーケットになるかどうかというところですね。」








2016.9.29 Newsモーニングサテライト

2016年09月29日 07時00分00秒 | WBS
■マーケット

NY株 3指数とも上昇
株価は午後に入って上げ幅を急速に拡大。材料はこのところ株価の動きを大きく左右していた産油国の動向でした。原油の取引時間の引け間際にOPECが非公式会合で増産凍結合意と伝わり、原油価格が上げ幅を急拡大。3週間ぶりに終値47ドル台を回復しました。それまで方向感を失っていた株価も息を吹き返えす動き。またアメリカの耐久財受注は設備投資の回復に期待をもたせる内容でした。一方、利上げの道筋や大統領選の行方、ヨーロッパの銀行問題と依然、厄介な材料は残ったままです。ダウは110ドル高、1万8,339ドル。ナスダックは12ポイント上昇、5318。S&P500が11ポイントプラスの2,171でした。続いて28日のセクタ―別騰落率です。原油価格の急上昇を受けてエネルギーが上昇率トップ。4%を超える上昇です。一方、下落の上位には公益や電気通信などいわゆるディフェンシブ系が並びました。0 指標.jpg












































【NY証券取引所中継】米設備投資に明るい兆し
解説は日本生命NYの加藤裕之氏

--午後半ばからガラッと雰囲気が変わりましたね。

はい、OPECの非公式会合において、8年ぶりに増産凍結の合意がなされたとの報道から、エネルギーセクターが大きく上昇、SP・ダウともに続伸で引けております。

--さて耐久財受注ですが、先月の上昇から横ばいに減少した形ですね。

はい、もともとブレの大きい指標ですが、設備投資の先行指標といわれるコア資本財受注は、3ヵ月連続のプラスで、これは2009年以来7年ぶりです。項目別では自動車関連や通信機器、素材などがプラス寄与しました。

--実際に設備投資には明るさは見えてきているんでしょうか。

はい、原油価格下落やドル高といった向かい風が弱まりつつあります。また中国やブラジルなど海外経済への懸念も、一時期よりは和らぎつつあります。IMFの最新の見通しでも、中国・ブラジルともに上方修正されました。S&P500構成企業のうち、エネルギー・金融を除いた今年16年の設備投資の合計予想額も、年初時点より2.4%上方修正され、今後の先行きには期待できそうです。







【NY証券取引所中継】米労働生産性 低迷の背景
解説は日本生命NYの加藤裕之氏

ny2.JPG--大統領選でも経済政策は大きな争点なんですが、足下のアメリカ経済の問題は何なんでしょうか。

(フリップ1:労働生産性伸び悩む)
労働生産性の低下が問題だと思っております。これはGDPを総労働量、つまり労働者数と労働時間の積で割った数値で、この数値が高いと少ない人数でより多くの利益を効率的に生んでいるということです。ただ直近1年間でマイナス0.4%と伸び悩んでいます。イエレン議長も将来の金利見通しを引き下げた理由の1つとして言及しています。

ny2-2.JPG--これはどうして上がらないんでしょうか。

(フリップ2:設備投資は減速)
企業経営者が将来の見通しに慎重になり、企業の設備通しが減速してきたことが理由の1つです。ただ過去を振り返ると、企業業績の底打ちから、半年程度で設備通しも底を打ち、その後上向く傾向があり、業績の底は今年の1-3月期と考えられるので、そろそろ設備投資の回復には期待できそうです。

--この業績の回復は、GDPの拡大にも影響しますもんね。他にも生産性が低い要因はあるのですか。

ny2-3.JPG(フリップ3:雇用のミスマッチ)
はい、労働市場のミスマッチ、つまり求人側と求職側の条件が折り合わないという状況も一因です。ミスマッチが拡大すると、生産性の低い業種に多くの労働者が流入し、市場全体の労働生産性が下押しされます。ただ足下、このミスマッチも徐々に解消し始めていて、業績の改善を通じて、GDP拡大に好影響を与えることも期待されます。労働生産性が緩やかに改善していくかどうか、利上げの影響なども含めて、注意が必要と考えます。





【為替見通し】注目ポイントは「米国債のポジション調整」
解説はソシエテジェネラル銀行の鈴木恭輔氏

--まずNY時間、OPEC の増産凍結合意の報道もありました。どういう風ぬご覧になりますか。

はい、この報道を受けて原油価格は上昇してますね。外国為替市場では資源国通貨であるオーストラリアドル、カナダドル、ノルウェークローナ、そしてロシアルーブルなどが強く買われてまして、ドル円もリスクオンムードの流れで若干レベルを押し上げられる展開となっています。

kw1.JPG--今日の予想レンジは、100.20円 - 101.20円です。

このリスクオンの流れを引き継げれば、 3日ぶりとなる 101円台に乗せる展開も視野に入ってきます。本日はアメリカの GDP 改定値などが公表されますが、こちらは材料としては力不足の感は否めずドル円の上値は限定的になるとみています。
--注目ポイントは「米国債のポジション調整」です。

(フリップ1:米国債人気続く)
足下では投機勢による米国債の買い越しポジションが依然として大きくて、米金利は低水準で推移しています。これが今後調整されれば、ドル上昇のカギになると思います。

kw2.JPG(フリップ2:ポジション調整の見極めポイント)
このポイントは 3つありまして、まず第一に 12月に FRB が利上げした場合に、翌年以降の政策金利見通しにタカ派的な修正が入るかどうか、2つ目はアメリカの物価・賃金の指標が比較的良好な状態を保てるかどうか、そして 3つ目はアメリカ大統領で、仮にトランプ氏が優勢となった場合に、公約である減税政策が米国債売りを誘発してしまう可能性です。これらの手掛かりをポイントにして、米国債のポジション調整が進行すれば、米金利の上昇とともにドル買いが進行する展開が想定されます。その場合、年末に向けて、そのドル円のレベルですが、105円から 107円というところも射程圏内に入るとみています。0 為替.jpg




















【日本株見通し】注目ポイントは「大型株投資に時間分散を」
解説はいちよし証券の大塚俊一氏

--今日の予想レンジは、16300~16700円です。OPECの報道を受けまして、NYマーケットは動いていますが、東京はどうでしょうか。

nk1.JPGアメリカの株式相場がOPECによる予想外の生産調整合意で、原油先物相場が急伸したことや、イエレンFRB議長による議会証言での発言も想定された内容だったことで続伸しており、日本株は昨日の配当落ち分以上に下落した反動から、上昇の始まりが期待できそうです。ただ円高には警戒が必要かもしれません。

--注目ポイントは「大型株投資に時間分散を」です。

(フリップ1:中・小型株の優位続く)
はい、9月の月間騰落率を見ると、中型株と小型株の上昇率が大型株を上回っており、当面は中型株や小型株が優位な展開となりそうですが、過去10年間の平均の11月・12月の月間騰落率において、大型株が中型株や小型株と比べても、引けを取らないのが過去の経験則です。nk2.JPG

(フリップ2:年末に大型株も上昇)
今年も補正予算の成立や来月の下旬から本格化する4-9月期決算による当面の業績内容の確認が、今は見送られている大型株への見直しのきっかけになるかもしれません。それまでは大型株への投資は複数回に分ける時間分散により、実力企業ながら市場人気の圏外にある銘柄への投資を進めることが重要ではないかというふうに考えております。






■【プロの眼】国債イールドカーブの行方
長期短期の利回りをコントロールする新たな政策で日銀がどんなイールドカーブを理想としているのか、不透明感が強まっている。足元、日銀の決定会合以降、長期金利は低下基調。日銀は決定会合前日9月20日の水準を概ね「望ましい」と考えているが、今後、長短ともに市場では9月20日の水準より下振れる時間帯が多いだろうと東海東京証券の佐野一彦氏は解説する。その要因と下振れの限度はどこかを聞く。


pro1.JPG(フリップ1:日本国債イールドカーブ:9月20日の赤色ライン)
--今日のテーマ「国債イールドカーブの行方」ということで、もちろん日銀の金融政策決定会合で出ました、この形状です。今回、日銀が望ましいとして目指すであろう水準というのがこちらの形になりますね。短いほうの金利がマイナス0.1%程度、そして10年債の利回りも0%程度にコントロールしていく、というのが望ましい。ただこれが出てから、この10年債の利回りがゼロに行くというよりは、むしろどんどん下がって現在はマイナス0.09です。

「そうですね。昨日の段階でマイナス0.09。ですからマイナス0.1のほうが遥かに近くなっているということですね。」

--これは何だか市場が「日銀は本当にコントロールできるのかい?」というふうに試しているようにも見えるんですけれども、この低下の現状はどうご覧になりますか。

pro2.JPG「そうですね。もちろんマーケットメカニズムとして力が働くところもあるんですが、昨今ヨーロッパの銀行の問題を契機に、やはりリスクオフの流れも強まってますので、ですから日銀というか、想定していたのと違った要因が作用している部分はありますね。」

--この場合、日銀はどう対応しますか。あまりに下がりすぎると、コントロールできていないというふうに見なされてしまいますから、では何か対処を、例えば国債の買い入れ減額ですとか、何かをしてくるということはあるんですか。

「そうですね。ですからマーケットでは、やはりマイナス0.1%というのは政策金利水準、短期金利の目途でもありますので、ここでは何かしてくるのではないかという見方が結構多いと思います。ただ私個人的にはやはり今回の背景というのが、先ほど申し上げましたグローバルなリスクオフの動きということなので、それに抵抗するのかなというふうに問われると、今回は、例えばマイナス0.1%を少し下回っても、態度で示すことはしないかなというふうには思っています。」

--まだ数日で判断するというものではないものですし、そもそもいわゆる低下圧力というものはあるわけですね。このイールドカーブを若干下回って推移するというふうに見ればいいですか。

pro3.JPG(フリップ3:イールドカーブ下振れの要因)
「そうですね。ある意味それが自然なのかなというふうに思います。背景は3つほどあると思っています。
(1) 1つ目としては、日銀はとにかく緩和をしているんだと・・・。利回りが上がったり、イールドカーブ立たせたりというのは、これは引き締めにあたってしまう。ですからやはり緩和に対しては寛容であるということなのかなと・・・。
(2) 2つ目としては、円高の見通しも結構強くて、次にまた緩和するんじゃないか、その時には短期金利を引き下げて、さらには長期金利も引き下げるという可能性があるのかなと・・・。
(3) そして3つ目としては、やはりプラス利回りのものを投資家が買うということであれば、長期国債というか、より長いところの国債に向かっていくということもイールドカーブを寝かせる。
そういった背景になります。」

--ということは、金利が下がっている以上、買い入れしなくても自然に任せておけばいいという感じですよね。

「そういうことだと思います」

--でもやるときには、もしかしたらマイナス金利の深堀りから始めると・・・。

「そうですね。それがまず最初の手段だと思います。」

(再び、フリップ1:日本国債イールドカーブ:緑と青のライン)
--その場合にはどういう低下の動きになるかというと、マイナス金利を深掘りした場合は緑のライン(真ん中)、そして長期金利をさらに0.1%引き下げた場合はこういった流れ(青色のライン(一番下))。ただフラットにはならないだろう。

「まあ10年以降のところで、みんな0.2%ぐらいづつ下がるイメージなのかな。そんなふうに思っています。」

--この傾向が続くということですね。






■【ワードバンク】JR九州 上場
きょうのキーワードは「JR九州上場」です。10月25日に上場が予定されているJR九州。LINEに次ぐ大型IPOとして投資家の注目を集めています。そのポイントを専門家のコメントと共に掘り下げます。また、年間IPO件数が今年7年ぶりに減少する見込みとなっています。その背景と指標から意外な「明るい兆し」が見てとれます。今後のIPO動向も合わせて解説します。

(フリップ1:上場の概要)
JR九州上場(九州旅客鉄道)はLINEに続く今年の大型上場第2弾。10月25日に東証に上場しまして、1億6000万株が今回売り出されます。時価総額は3920億円とみられています。

(フリップ2:株主優待(100株以上))
これはやはり個人投資家を中心に注目が集まっているので、個人投資家を意識した株主優待というのも充実させています。例えば、新幹線や特急券が半額になる優待券を100株ごとに1枚ですとか、またJR九州ホテル宿泊基本料金の割引や韓国釜山への高速船を1万円(通常2万6000円)で利用できるサービスを揃えている。

そして気になる公開価格は、来月中旬に決まるものなんですが、想定は2450円となっています。優待もさることながら、個人投資家にとっては、長く保有するには成長力なども気になるところ。その辺りを個人投資家や専門家はどうのように見ているのでしょうか。

先週23日、東京(千代田区)で開かれたJR九州の上場説明会。JR九州・青柳俊彦社長は「グループ総合力を培いながら成長・進化を続けてきた」とメッセージ。

個人投資家は・・・
「(期待するのは)これからのインバウンドと九州の活性化。地の利というか、北海道より九州のほうが条件的には良いと思う。」
「観光面とか、新しいものが見つかれば、注目される。」

抽選倍率20倍を超える寝台列車「ななつ星in九州」をはじめ豪華列車などで観光客の人気を集めている。また2011年には九州新幹線全線開通で鉄道・運輸事業の収入が増加し、今年3月期の売上高、営業利益とも過去最高となった。一方で、駅ビルの開発など、不動産業・建設業も積極的に展開し、収益の多角化を強化している。

専門家は地方経済をよりどころとする企業の上場と位置づけ、今後の成長のシナリオに注目している。
《フィスコ/小林大純氏》
「人口減や地域経済の停滞に直面するなか、成長シナリオを今後、提示できるかどうか。1つの試金石になるといった意味で、注目すべき案件だ。安定的に成長できるモデルが示せれば、やるやかな上昇が期待できる。初値は下限で売出価格の5%前後をやや上回る程度の上昇。上限で20%の上昇を見込む。」
一方、課題は鉄道事業。不採算路線が多く、前期16年3月期の鉄道事業の営業損益は115億円の赤字だった。
《小林氏》 「鉄道は赤字路線を抱えつつも、逆に資源としてどう生かしていけるか。観光地としての活性化がポイントになる。」

(フリップ3:新規上場社数)
このIPOは企業が本決算シーズンなどを避けるという関係から、例年、秋から年末にかけてがシーズンとなっている。ただ今年は相場の低迷から、上場意欲が乏しく、7年ぶりに新規上場数が減る見通しです。しかし上場は減っても、今年の新規上場には、良い変化もあるようです。長年IPO分析をしている岡三証券の小川さんは、上場数は減少する半面、今年は良質な企業が目立つという。

《岡三証券/小川佳紀氏》
「一時期と比べると、上場審査が少し厳格化された。業績の計画が以前と比べると、かなり保守的に見積もっている企業も多いのではないかというふうに思います。そういう企業が上場した後に、業績の計画を上方修正したり、そういったケースも最近は目立ってきています。」

(フリップ4:公開価格に対する初値の上昇率)
また公開価格が初値をどの程度上回ったか、いわゆる初値上昇率は年々下がっていますが、小川さんはこれも明るい材料ととらえています。
《小川氏》 「裏を返せば、投資家のIPO企業に対する選別が非常に厳しくなっているということで、それが最近のパフォーマンスの低下につながっているのではないか、というふうに思います。市場が健全化してきているというふうにも言えるのではないか。」

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■日経朝特急

① 原発燃料事業を統合
日立製作所、東芝、三菱重工業は来年春にも原子力発電向け、燃料事業を統合する方向で最終調整に入った。日本の原発は再稼働が進まず、3社の燃料会社は経営不振が続く。統合によるコスト削減で、経営基盤を強化して事業の継続をめざす。これが呼び水となり、将来的に原子炉分野の再編に波及する可能性もある。



② 税逃れ課税・対象国拡大
財務省は企業や個人が税を逃れるために海外に移した所得に対し、日本から課税する仕組みを強化する。現在は法人税率20%未満の国や地域の事業実態のないペーパーカンパニーが対象だが、これを拡大。企業が自己申告する仕組みも入れ、事務負担増に配慮しながら過度な税逃れを防ぐ。



③ 高齢者医療・負担増を議論
厚労省は70歳以上の高齢者を対象とした医療費の負担増を議論する。きょうの社会保障審議会医療保険部会に、患者が自己負担しなければならない医療費の月額上限や、75歳以上の低所得者向けの保険料軽減の見直しに向けた論点を示す。高齢者にも負担を求め、世代間格差を是正する。




④ 統計改善へデータ提供を
経済同友会は政府統計の改善に向けた提言を発表した。個人消費や設備投資の実態を正確にとらえるため、企業や業界団体に積極的なデータ提供を求めた。GDPの速報値と改定値のずれを減らすため、大企業はITを使った設備投資のデータ処理をさらに進めるべきだと主張。データを速報値の推計に間に合うように政府へ提供すべきだと訴えた。





■日刊モーサテジャーナル

ドイツ銀行めぐり苦悩するメルケル首相(ウォールストリートジャーナル)
米国で巨額の和解金を迫られているドイツ銀行の経営に対する不安がくすぶっている。市場では、ドイツ政府が支援に乗り出すとの憶測が浮上。ウォールストリートジャーナルは、「メルケル首相が難民問題に続き、頭を抱えている」、と報じている。記事は、「もし公的支援が必要になったとしても、は財政の状態がが健全なドイツなら簡単にできる」、とする一方、「EU域内では公的資金投入する前に、まずは債権者が損失を負担する、いわゆるベイルイン制度が適用されている」、と解説。「今後の利益見通しが冴えないなか、投資家からの資金調達も難しいとみられていることから、アメリカ司法省と交渉して和解金を減額してもらうか、ドイツ国内2位のコメルツバンクとの合併など、選択肢は少なくなってきている」、と見ている。

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世界貿易量が低迷「グローバル化衰退」(ワイントンポスト)
WTO世界貿易機関が27日、「今年は世界の貿易量の増加率が金融危機以降最低になる」、との見通しを発表した。「米国大統領選でもグローバル化への反発が強まるなか、世界の貿易は衰退し始めているのではないか」、と懸念している。記事は、背景について、「かつて貿易のけん引役だった中国などで設備投資やインフラ投資が減速するとともに、デフレに苦しむ日本やヨーロッパは貿易に対する意欲が減退している」、と解説。多くのエコノミストは、こうした貿易低迷の流れは、アメリカ経済にも悪影響を及ぼしかねないと警鐘を鳴らしている。それにもかかわらず、大統領選ではクリントン、トランプ両候補とも、TPPをはじめとする自由貿易協定に後ろ向き。これでは状況はさらに悪化するかもしれないという声も聞かれる。



イーロンマスク・火星移住計画
民間宇宙企業「スペースX」の創業者イーロン・マスク氏が27日、人類の火星への移住計画を発表。早ければ2018年にも火星に宇宙船を打ち上げる構想を明らかにした。最終的には火星での完全自給自足生活を目指していて、ワシントンポストは、「マスク氏は火星に1大都市を作るつもりだ」、とその野心に驚いている。スペースXが発表した趣味レーション映像では、
飛行船の定員は100人、費用は1人2000万円以下と、現在の約1兆円から大幅に安くすることを目指している。記事は、「資金調達面など計画実現までには課題は残るものの、宇宙事業の可能性について、若い世代に刺激を与えている」、と評価している。




■ニュース

OPEC 増産凍結へ
OPEC=石油輸出国機構が原油価格を安定化させるため11月から増産凍結を実施することで合意したもようです。28日、アルジェリアで開かれた非公式会合が先ほど終了し、イランとナイジェリアの代表がOPECの総生産量を日量3,250万から3,300万バレルで凍結することで合意したと明らかにしました。OPECの総生産量は現在、日量3,300万バレル程度で、最大およそ2%の生産削減となります。今回の報道を受け28日のWTI原油先物価格は最大で6.2%上昇しました。

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「リスク生じない限り利上げ」
アメリカのFRB=連邦準備制度理事会のイエレン議長は28日、議会下院の公聴会で証言し「アメリカ経済に対する新たなリスクが生じない限り利上げを進める」との方針を示しました。イエレン議長は公聴会で「FRBの高官の多くは、重大なリスクが生じなければ、利上げを進めるのが適切だと予想している」と説明しました。その上で、「利上げに決まった予定はない」と述べ、「利上げの時期は経済指標次第だ」との姿勢を改めて強調しました。一方、アメリカの金融機関の健全性についてイエレン議長は「資本増強などにより、体力は大幅に強化された」としながらも、「規模が大きく複雑な金融機関はより厳しい基準が適用されるべきだ」と述べ、規制強化の方針を表明しました。



米耐久財受注 3ヵ月連続増加
アメリカ商務省が28日発表した8月の耐久財受注は航空機を除く非国防資本財が3ヵ月連続の増加となりました。前の月に比べプラス0.6%と市場予想のマイナス0.2%を大きく上回りました。ただ、GDPの算出に使われる航空機を除く非国防資本財の出荷については0.4%の減少と4ヵ月連続で下落しアメリカの製造業の弱さを表す形となりました。



英中銀副総裁 追加緩和の可能性
イギリスの中央銀行、イングランド銀行の幹部が近く追加緩和に踏み切る可能性を指摘しました。ロイター通信によりますと、イングランド銀行のシャフィク副総裁は「経済活動の減速が致命的な結果にならないよういずれかの時点で追加の刺激策が必要になる」と述べました。刺激策の実施時期は今後の指標次第だとしています。



蓮舫代表VS安倍総理 初論戦
参議院の代表質問で、民進党の蓮舫代表が就任後初めて安倍総理大臣との論戦に挑みました。(蓮舫代表)「三本の矢は的に当たりもしなかった上、我が国の財政、経済、金融市場全てが傷だらけになった。今や本当に必要なのはアベノミクスそのものの検証ではないか。」(安倍総理)「アベノミクス三本の矢の政策により政権交代後きわめて短い期間でデフレでない状況を作り出した。」蓮舫代表はアベノミクスを批判し教育や社会保障の充実など「人への投資」の強化を訴えましたが安倍総理はアベノミクスによって経済の好循環が回り始めたとして、これに応じませんでした。



日シンガポール首脳会談
安倍総理大臣は来日中のシンガポールのリー・シェンロン首相と会談し、TPP=環太平洋経済連携協定の早期発効に向けて協力することで一致しました。また、日本が中国などと受注を争っているシンガポールの高速鉄道計画について、新幹線導入に向けて次官級会議を年度内に開くことを確認しました。



東芝 営業利益2倍超に
東芝は、2016年9月中間連結決算の営業利益の予想を、300億円から700億円に上方修正しました。これは、中国のスマートフォンメーカー向けの記憶用半導体フラッシュメモリーの販売が順調に伸びていることが主な要因です。また、不正会計問題を巡って株主が起こした損害賠償請求訴訟の引当金としておよそ100億円を計上しました。



ハウス 中国に新工場
ハウス食品はきのう、中国で三つ目となるカレー工場の起工式を行いました。新工場ができるのは上海に隣接する浙江省の平湖市で、2年後の稼働開始を目指します。完成すれば中国での生産能力は現在のおよそ2倍になり、主力商品のバーモントカレーを中心に販売拡大を狙います。



韓国ロッテ会長 逮捕免れる
韓国ロッテグループの不正疑惑で、ソウル中央地裁が重光昭夫会長に対する逮捕状請求を棄却しました。昭夫氏は親族を勤務実態のない役職に就かせ給与を支払った横領と、事業で生じた損失を系列会社に肩代わりさせた背任の疑いが持たれていました。しかし裁判所は、「捜査内容や結果などついて論争の余地があり、拘束の必要性を認定するのは難しい」と判断しました。今後、検察は在宅起訴を目指して捜査を続ける公算が大きく、事態の沈静化は見通せない状況です。



トクホ 全商品の成分量調査
消費者庁は、健康増進の効能表示が許可されている特定保健用食品、いわゆるトクホの全商品を対象に、効能に関与する成分の含有量が適正かどうかの調査に乗り出しました。消費者庁は23日、大阪市の通販会社が扱うトクホ6商品で成分が少なかったり、全く含まれていなかったりしたためトクホの許可を初めて取り消しました。そのため他に同じようなケースがないかを調べる必要性があると判断しました。



福岡・八女で竜巻か
福岡県八女市で昨夜、竜巻とみられる突風が発生しました。建物の屋根瓦が飛んだり、窓ガラスが割れたりするなどの被害が出ていて、50代の男性一人が軽いけがをしました。また、隣の筑後市でも民家1軒と、ビニールハウス数棟が倒壊したということです。



クリントン候補 ペレス氏国葬参列へ
ペレス氏の国葬にはオバマ大統領のほか、大統領選を争う民主党のクリントン候補も参列を検討しているもようです。ペレス氏はイスラエルの建国直後から半世紀以上にわたって首相や大統領を含む政府要職を歴任しました。また、パレスチナ暫定自治宣言に至る交渉を進めたことが評価され、1994年にノーベル平和賞を受賞しました。



OPEC合意、イラクが否定
今、入ってきたニュースです。OPECが増産凍結に合意したと報じられていますが、ロイター通信によりますと、先ほどイラクの代表が今回の合意は受け入れられないと述べました。

 ⇒ 【コメンテーター解説へ】




■今日の予定

黒田日銀総裁あいさつ
米4-6月期GDP(確定値)
米新規失業保険申請者数
米FRBイエレン議長講演





■【コメンテーター】東海東京証券/佐野一彦氏

・OPEC増産凍結へ

--お伝えしているOPEC増産凍結というニュース、これは本当にまだ報道ベースなんですけれども、そうであればポジティブサプライズでしたね。

「そうですね。事実とすれば、世界的なディスインフレ傾向で歯止めがかかるかなというふうにもなるんですけど、ただこれまでの1バレル40ドルから60ドル程度のレンジを上抜けるだけの力があるのかと問われると、やはり価格が上がってくれば、またアメリカでシェール増産ということになりますので、大きな枠組みというのでしょうか、そのレンジというのは変わらないのではないかと思います。」

--ただこういう合意という形成がなされるとなると、やはりサウジの財政悪化というのも大きなカギだったんですかね。

「そうですね。やはりそれが誘因になっているのではないかと考えますけれども・・・」






・日刊モーサテジャーナル/ドイツ銀行めぐり苦悩するメルケル首相

--ドイツ銀行の話は、佐野さんは非常に警戒していらっしゃいますよね。

「そうですね。大きな銀行ですし、何よりもグローバルに展開していますから、ドイツ・欧州だけの問題ではないので、やはり世界的なリスクオフの流れといったものを強めることにもなりかねないので・・・。」

--これはでも大きくて潰せないという銀行であるんだとすれば、何らかの手立て、政府の支援というものが出てくるんでしょうか。

「まさにアメリカも含めて、要するにグローバルにということなんじゃないですかね。」






・ワードバンク/JR九州 上場

--上場した後に業績を下方修正するという企業もあったりしたので、ですから投資家の不安や信頼を取り戻すうえでも、いい傾向なんでしょうか。

「そうですね、朗という意味ではお金はたくさんある。でも質という企業の問題がありますから、それが上がっていくということは、非常にIPOにとってはいいことなのかなと思いますけれども・・・。」






・OPEC合意、イラクが否定

「まだ確信は持てないというところだったですけれども、まあどうですかね。」




・今日の経済視点 「シンプルに」

「金融政策について、我々専門家でもよく分からない。マスコミの皆さんもそうですし、とにかく国民というか、家計・企業の期待に働きかけるわけですから、その時によく分からないということであれば、期待に働きかけることが難しいですよね。」