風を読む-Newsモーニングサテライト-

モーニングサテライト・ウォッチ

2016.9.26 WBS・ワールドビジネスサテライト

2016年09月26日 23時59分59秒 | WBS
■マーケット

黒田総裁 「質→金利」シフトを鮮明に
日銀の黒田総裁はきょう大阪市内で講演を行いました。黒田総裁は「追加緩和の手段としてはマイナス金利の深掘りと長期金利操作目標の引き下げが中心的な手法になる」「金融政策に限界はない。創意工夫を惜しまず、新しい挑戦をためらわない」などと話しました。一方で、講演に出席した関西の経済団体の幹部からは金利の低下で銀行などの収益が圧迫されることへの懸念を示しました。株式市場も金融政策の副作用には敏感です。黒田総裁がマイナス金利の深掘りなどに言及したことで銀行株を中心に売られ、日経平均株価は終値にかけて下げ幅を広げました。終値は先週末に比べて200円安い1万6,544円でした。




韓国 地震対策「日本に学べ」
韓国で地震対策に取り組もうという機運が高まっています。韓国では先日、南東部でM5.8の地震が発生したことを受け、急速に防災意識が高まっています。12日、南東部・キョンジュでM5.8の地震が発生。負傷者は約20人。大きな被害はありませんでしたが、韓国では地震自体が珍しいため様々な動きに繋がりました。地震があったキョンジュでは銭湯の煙突の撤去が始まりました。
日本では80%以上ある住宅の耐震化率ですが韓国ではわずか7%しかありません。今回の地震をうけ、2階以上の建物の耐震設計が義務化されました。防災意識が高まる中、注目を集めているのが東京都の防災ブックです。韓国語版があり、地震が多い日本ならではのノウハウに韓国では感嘆の声があがっています。韓国の大手ネット通販では、地震後に日本の防災グッズの売り上げが一気に伸びました。韓国の大手ネット通販・SKプラネット(ソウル)では、地震後、日本の防災グッズの売上が一気に伸びました。地震が多い日本のさまざなノウハウが今後、急速に広がるかもしれません。
中継担当:ソウル支局和田高記者








■ニュース特集

臨時国会が召集 安倍総理が所信表明演説
きょう、臨時国会が始まりました。安倍総理が所信表明演説を行い「アベノミクスを加速させる」と表明しました。テレビ東京と日本経済新聞の世論調査では、安倍内閣を支持するという回答と、アベノミクスを評価する声が、それぞれ前回の調査よりも減少しています。「アベノミクス」には成長戦略が不十分だという指摘がある中で、安倍内閣が力を入れる政策の1つが「働き方改革」。具体的には長時間労働の是正や、非正規社員と正規社員の間の待遇の格差をなくすことを目指しています。きょう横浜市では、ある合同就職面接会が開かれていました。会場を多く訪れていたのは「就職氷河期」に直面し、希望通りの就職がかなわなかった30代の若者です。参加者からは、安定して働く場所を求める切実な声が聞こえてきます。「働き方改革」を成し遂げるにはどうすればいいのでしょうか。

【国会での議論スタート!正念場の“アベノミクス”!?】
今日召集された臨時国会。安倍総理は所信表明演説でアベノミクスの加速やTPP関連法案成立への意欲を示した。一方、野党第一党の代表となって初めての国会を迎える民進党・蓮舫代表は安倍総理の所信表明を批判し、徹底抗戦の構えを見せた。今国会が正念場とも言えるアベノミクス。果たして結果は出せるのか。

《大浜キャスター解説》
abe1.JPG今日から臨時国会が始まりました。所信表明演説に臨んだ安倍総理大臣は、アベノミクスを加速させると述べ、経済政策に一層力を入れると表明した。その安倍内閣についての最新の世論調査では・・・
(1) アベンミクスを評価するか?
   評価する  38%(-2)
   評価しない 45%(+2)
(2) 安倍内閣を支持するか?
   する  58%(-4)
   しない 32%(+5)
(3) 民進党・蓮舫代表に期待するか?
   する  51%
   しない 38%
これまで高い支持率を保ってきた安倍内閣ですが、その経済政策アベノミクスは成長戦略がまだまだ不十分だという批判も当然あります。安倍総理大臣は今回の所信表明演説で一体何を訴えたんでしょうか。

【演説中に“未来”が18回・安倍総理が訴えたことは!?】
第192臨時国会で所信表明を行った安倍総理。「安倍内閣は未来への挑戦を続ける」「経済対策のキーワードは未来への投資」「1億総活躍の未来を切り開く」「地方創生の未来に大胆に投資していく」「夢や情熱を持って農林水産業の未来に挑戦する」と安倍政権が掲げる政策課題には未来が付けられ、演説中に18回も登場。アベノミクスを加速する為に事業規模約28兆円の経済対策を講じると強調した。さらに働き方改革では正社員と非正規社員の賃金格差をなくす同一労働同一賃金の実現を約束した。また年金の受給資格期間の短縮やTPP早期発効や農政改革への取り組み意欲も表明した。今後もアベノミクスを強力に推し進める決意を示した安倍総理を経済界も後押しする。
《経団連/榊原会長》
「働き方改革はアベノミクスの最大のチャレンジだということで、非常に重要な課題だと思っている。経済界としても長時間労働の是正が非常に重要なテーマにかかげているので、政府と一体になってこれを進めていきたい。」
一方、野党側の民進党・蓮舫代表は「私達は現実をもっと見た提案をしっかりとしていきたい」と話した。

abe2.JPG【安倍総理、所信表明演説のポイント】
第192臨時国会での安倍総理大臣の所信表明演説のポイントを紹介。
① 働き方改革については長時間労働の抑制や、正規社員と非正規社員の待遇の格差をなくす同一労働同一賃金の実現するとしている。
② 財政再建と社会保障改革では消費税引き上げ延期と2020年度の財政健全化目標の年度は堅持、さらに年金の受給資格期間を25年から10年に短縮する方針。
③ 農政改革ではTPP(環太平洋経済連携協定)の早期批准や農作物輸出を促進する為の施設を整備する事を掲げている。
この中で安倍総理が特に力を入れていると見られているのが働き方改革。働く人の待遇が改善して賃金が上昇すれば、アベノミクスの目標であるデフレからの脱却にも繋がると考えている。実際に待遇の改善を目指して非正規から正規社員への転換を進めようという現場の声を取材した。

【30代のアルバイトを正社員に、働き方改革始まるか?】
横浜市で合同就職面接会が開かれ、製造業やソフトウエア開発を手掛ける会社など39の中小企業が出展する中104人の求職者が集まった。この就職面接会は就職氷河期に直面した世代を主な対象にしたもので、神奈川県の労働局が開いた。参加した32歳男性は「正社員だと残業代をもらえる。働くからにはケアも必要」と話した。一方、企業側は中途採用に対してどの様に考えているのか。テクニカルエンジニアリングサポート・田中克哉部長は「若手の人材が欲しい。若手の人材は少なくて採用に苦戦している」と話した。面接会に参加した求職者に安倍総理に対して質問をすると「期待しないといけない」、「非正規でも最低限の保障がある方がいい」と話した。


【今国会の焦点!働き方改革の意味】《高橋進氏(日本総研理事長)》

--高橋さんはいま政策を作る側の一人ですが、あえてお伺いしたんですが、基本的なことなんですけれども、この働き方改革が大事だと番組でもずっとお伝えしてきているんですが、ただ見ようによっては、どうして国に一人一人の働き方まで決められなくてはいけないのか、という見方をする人も当然いるわけですね。どうして今、この改革が大事なんですか、必要なんですか。

「その前に、国が働き方を決めるのではなくて、自分の事情に応じて自由な働き方ができるようにしようというのが、国がやりたい子なんです。」

--選択肢を増やそうという考え方ですね。

「そうです。例えば、1日1時間しか働けない人でもちゃんと働けるようにしていきたいということなんです。ではなぜ今働き方改革なのか、ということなんですけども、さっき成長戦略が不十分だと仰いましたね。やっぱりそういう意味で成長戦略を強化していかないといけない。その為には一つ新分野を作らないといけないということで、未来への投資が重要だと思うんですが、同時に実は働き方改革は成長戦略そのものなんです。何故かというと、一国が成長する為には、まず働く人の数が増えなければいけない。ところが日本はいま少子高齢化で働く人の数が減ってしまっている。従って女性や高齢者がもっと働ける環境を作ろうということで、1億総活躍とか言って労働参画する人の頭数を増やそうという政策を取って来ました。これが成長戦略です。それからもう1つ。そうは言っても労働者の数がなかなか増えない。であれば1人1人の労働者の生み出す価値(生産性)を上げる事が、次の成長戦略の大きな柱でしょう、ということで今回は、働き方改革というのは生産性を上げるためにやろうと・・・。賃金をずっと上げ続けるためには、生産性が上がらないといけないわけですから、そういう意味で生産性を上げることが大事だ。例えば、長い時間ダラダラと働いて成果を上げるんじゃなくて、1つの仕事であれば決まった時間に終わらせて次の仕事に行きましょう、というような長時間労働の是正だとか、残業の規制だとか、そういうものを打ち出そうとしているんですね。ただここで1つ問題なのは、残業をしないんですか、あるいは長時間労働是正ですか、というと自分たちの手取りが減っちゃうじゃないかというふうに思いますよね。でもそうじゃなくて、ざんぎょが減って、その分浮いた時間は家事や子育てに使いましょう。でも収入は減っちゃいますよね。いやいや企業の収益が増えるので、今度は企業の収益をもう一回労働者に、例えば子育て支援だとか、ベースの賃金を上げるという形で還元してもらう。だから生産性を上げるということは決して労働強化ではなく、その成果はちゃんと自分に返ってくる、それも含めて働き方改革をやっていくというのが重要だと思うんです。短時間でも価値のある仕事をやってくれればいいんです。だからそのためには、人材投資とかを持ったやらなくちゃいけないんですね。私たちの能力も20年ぐらいの間にだいぶ下がってしまっている。だからもっと教育投資をするとか、人材投資をするということも一緒にやらないといけない。」


【衆院“1月解散”も?“この国会”がカギを握る】
今回の臨時国会は重要な議題が目白押しで始まったが、来年の1月頃の衆議院の解散も既に取りざたされている。
《官邸キャップ/橋本泰樹記者》
「12月に予定されている日露首脳会談で、北方領土問題に進展が見られれば外交の成果をアピールする形で解散に打って出る可能性がある。しかし安倍総理が解散に踏み切るにはそれだけでは不十分だ。今回の臨時国会も非常に重要な要素になってくると思う。安倍政権は経済政策を1つの生命線にしている。今回の臨時国会では、TPPの批准や社会保障改革、働き方改革など経済対策が数多く議題に上がる。黒田日銀の金融緩和が手詰まり感を見せる中で今、政治における構造改革がアベノミクス成否のカギを握っている。経済対策が目白押しの国会で躓くと解散どころではないとなりかねないので、経済対策さらに外交の両面で成果を出して初めて1月に解散するというカードを安倍総理は手に持つ事ができるのではないか、というふうには思う。」
仮に1月の解散総選挙で大勝すれば安倍長期政権への布石となる。この臨時国会はその為の正念場でもあるようだ。









砂糖の需要喚起へ 「スローカロリー」甘味料に脚光
都内のカフェで「パラチノース」という甘味料が使われたスイーツがきょうから売り出されました。パラチノースは普通の砂糖より吸収が5倍遅いため、血糖値の急激な上昇が抑えられることから「スローカロリー」と呼ばれています。このスローカロリーに期待を寄せているのが三井製糖です。日本の砂糖の需要が10年で約1割減っている理由として「糖質制限」「糖質オフ」が流行している風潮を挙げ、こうした風潮に歯止めをかけようとイベントを打ち出したのです。イベントに参加した表参道のカフェでは、パラチノースを使用したフレンチトーストを発売しました。「スローカロリー」を打ち出して、スイーツ激戦区である表参道で他店との差別化を図りたい考えです。

【健康志向の“スロー”な甘さ】
糖質やカロリーをゆっくり消化吸収する事をスローカロリーと呼ぶ。
近年、糖質制限のブームなどで砂糖の消費量が減る中、このスローカロリーを打ち出す事で消費を喚起する動きが始まっている。
satou.JPG

【製糖会社の危機感とは】
東京都内のカフェで「スローオンスイーツフェスティバル」のイベントが行われた。今日から首都圏のカフェや菓子店で提供されるスイーツにはパラチノースという甘味料が使われている。パラチノースはゆっくりと消化吸収されるため、血糖値の急激な上昇が抑えられ満腹感も持続するという。これはスローカロリーと呼ばれ、体に負担をかけない糖質とされている。このスローカロリーに大きな期待をかけているのが、イベントの後援企業・三井製糖だ。
satou2.JPG日本の砂糖の総需要量はこの10年で約1割減り、200万トンを割り込んだ(資料・農林水産省)。その理由は糖質制限や糖質オフという風潮の広がり。三井製糖は「糖質は悪」という風潮の広がりに歯止めをかけようと、こうしたイベントを打ち出した。


【スイーツ激戦区でも導入】
スローオンスイーツフェスティバルに参加しているサニーストア&カフェでは、パラチノースを使った新しいメニューを今日から売り出した。パラチノースは通常の砂糖と同じ様に使え、価格もほぼ同じという。スローカロリーを売りにスイーツの激戦区・表参道で他店との差別化を図りたい考え。スローカロリーを打ち出したパラチノースは普及するのか、三井製糖・雑賀大介社長は「砂糖に対する見方を変えてもらう事によって、砂糖全体の需要の底上げになるのでは。そちらの方にむしろ期待している」と話した。






■【グローバルウォッチ】共和党の地盤で異変、トランプ離れ進む?
民主党のクリントン候補と共和党のトランプ氏の争いになっているアメリカ大統領選挙。過去の大統領選挙で共和党の大統領候補がおよそ7割という高い支持を得てきたユタ州で異変が起きている。世論調査ではトランプ氏がクリントン氏に大きなリードをとれないでいるのだ。その背景にあるものとはなんなのか。ユタ州のおよそ6割とも言われるモルモン教への信者を通して、トランプ氏を支持しない理由を取材。トランプ氏は伝統的な保守層からどのように見られているのか?共和党の地盤ともいえる場所で起きている大統領選の異変を追った。

【米国大統領選挙・初の討論会開催へ】
--11月の米国大統領選挙の勝敗を大きく左右する民主党・クリントン候補と共和党・トランプ候補による最初の討論会が、日本時間の明日午前10時からニューヨーク州で開かれる。現地には内田記者が行っています。

《中継:ニューヨーク州ヘンブステッド:内田広大記者》

討論会は厳戒態勢の下で行われようとしている。討論会は全部で3回開かれるが、初回は有権者の関心が特に高い。全米に生中継され、過去最多、アメリカ国民3人に1人、約1億人が見るというふうにみられている。討論会は1時間半にわたって行われ、テーマは経済や外交、安全保障など幅広く議論が交わされる。ニューヨークでの爆発事件などを受けてテロ対策の議論が特に関心を集めそうだ。
クリントン氏は今回トランプ氏に対し政策の具体論を示すよう求める方針で、知識不足や気の短さを浮き彫りにして、有権者に「トランプは大統領にふさわしくない」と印象付ける戦略だ。

--これは一方のトランプ氏はメール問題などでクリントン氏の資質を追及したいというところなのか。

その通りだ。ただあまり持ち前の攻撃的な発言ばかりを繰り返してしまうと、大統領としては危ういと思われて、逆に有権者の支持を失う恐れもある。トランプ氏が暴言癖を抑えて「大統領として通用する」ということを印象付けられれば、本選挙での逆転の望みが出てくる。会場を訪れた有権者に話を聞くと「非難合戦よりも政策論争を」という意見が目立った。最新の世論調査に基づく両者の平均支持率を見てみると、クリントン氏のリードは2.1ポイントと、健康不安説などが取り上げられたため、8月時点の8ポイントから縮まっている。
《平均支持率(リアルクリア・ポリティクス調べ)》
  クリントン氏 45.9
  トランプ氏  43.8

【共和党の地盤で異変・トランプ離れ進む?】
追い上げる共和党・トランプも足下は万全とは言えない。共和党を長年支持してきた穏健な保守層の間にも未だ不満がくすぶっている。その象徴的な州を取材した。

米国西部・ユタ州は近年の大統領選挙(ブッシュ候補、マケイン候補、ロムニー候補)で共和党の候補が約7割の票を得て圧勝してきた保守的な州として知られている。しかし今回、トランプはこの州でもクリントンとの差を広げる事ができていない
《ユタ州での支持率(ユタポリシー調べ)》
 トランプ氏  39%
 クリントン氏 24%
モルモン教(末日聖徒イエスキリスト教会)の総本山があるユタ州は人口の約6割がモルモン教徒。そのモルモン教徒のザック・コリアさんは今回トランプに投票しないという。モルモン教徒が大切にしているのが宗教の自由で、トランプ氏がテロを防ぐ名目でイスラム教徒の入国禁止を打ち出した事は容認できないという。ただクリントン氏に対してもメール問題などでの不信感も強く、コリアさんは当選の可能性が低い独立系候補への投票を考えている。ユタ州の様な保守的な州でも盤石とはいかないトランプ氏は、今回の討論会で支持を拡大できるのか。

【注目の初直接対決!クリントンvsトランプ】
今回の米国大統領選挙はトランプ氏、クリントン氏共に有権者の好感度が低い候補者同士という異例の対決となっている。そういう意味で今回の討論会では嫌われ者同士で攻撃し合うのではなく、大統領として米国をどう導くのか、誠実に語ることができるかどうかが勝敗の鍵を握りそうだ。





■ニュース

ロッテ会長の逮捕状を請求
ロッテグループの裏金疑惑などを捜査している韓国の検察はきょう、横領や背任などの疑いで、創業者の次男でグループ会長の重光昭夫氏の逮捕状を請求しました。聯合ニュースによりますと昭夫氏は、日本のロッテ系企業の名ばかりの役員となって、数十億円の報酬を得た疑いのほか、系列会社間の不当な取引による、およそ100億円の背任の疑いが持たれています。検察は、創業者、重光武雄氏らも脱税などの疑いで在宅起訴する方針です。



個人の金融資産 2四半期連続で減少
日銀がきょう発表した、4月から6月の資金循環統計によると、個人が保有する6月末時点の金融資産の残高は、1年前と比べて1.7%減少の1,746兆円で、2四半期連続の減少でした。2四半期連続の減少は、リーマンショックの影響を受けた2009年以来で、円高などによる株式市場の低迷が響きました。

 ⇒ 【コメンテーター解説へ】




ワシントン条約会議 ウナギ 国際取引を調査
南アフリカで開催中のワシントン条約締約国会議は25日、ウナギの国際取引に関するデータを調査し、保護策を検討する決議案を全会一致で採択しました。10月5日までの会期中に承認される見通しです。ニホンウナギは絶滅の恐れがあり、日本は、稚魚の制限など、協力して管理すべきと、支持を表明しました。



岸田外相 中国の唐氏と会談
岸田外務大臣は、中国で日本との交流窓口をつとめる唐家?中日友好協会会長と会談し、2国間関係を前進させていくことで一致しました。唐会長は会談で岸田大臣に対し中国が海洋進出を続ける東シナ海での問題について「両国の対話を通じて問題の解決をはかっていく」考えを伝えました。



横浜の患者死亡 別の入院男性も中毒死
横浜市の病院で点滴に異物が混入され、入院中の男性が死亡した事件で、警察は、同じ部屋に入院していた別の男性も中毒死していたと発表しました。新たに中毒死と判明したのは、今月18日に死亡した西川惣蔵さんです。20日に死亡した八巻信雄さんの遺体と点滴から異物が検出されたことを受けて、警察は西川さんの遺体を司法解剖して調べたところ、中毒死だったことが判明しました。西川さんの遺体からは八巻さんの遺体や点滴から見つかったものと同じタイプの界面活性剤が見つかりました。西川さんは複数の点滴の投与を受けていて、警察は死亡する直前に使われた点滴の袋を回収して残っている内容物などを詳しく調べています。また、警察は死亡した2人が入院していた4階のナースステーションに保管されていたおよそ50袋の点滴についても異物が混入されるなどしていないか、鑑定を進めています。



アリババ集団 世界の10空港でスマホ決済
中国のネット通販最大手「アリババ集団」は、成田空港や関西空港を含む世界10箇所の空港で、スマホ決済システム「アリペイ」が導入されると発表しました。関西空港では、先週から一部店舗でアリペイでの支払いが可能になりました。来月末までに、およそ200ある店舗のほとんどで使えるようになるということです。一方、成田空港ではきょうまでに4店舗が導入し、今後、拡大を急ぐ計画です。また、4億5,000万人にのぼるアリペイのユーザー数に着目し、決済だけでなく、アリペイのアプリを通じて空港案内などを情報発信し、成田の利用者拡大につなげたい考えです。このほか、シンガポール、ソウルなど10の空港で年内にアリペイが使えるようになる見通しです。アリババは、世界各国の玄関口である空港での導入を進めることで、事業のグローバル化を一気に加速させたい狙いです。

 ⇒ 【コメンテーター解説へ】




スポーツ施設関連の展示会が開幕
スポーツ施設や関連設備に関する日本で初めての展示会がきょうから、横浜アリーナで始まりました。この展示会「スタジアム&アリーナ2016」には、国内外から設備メーカーなどおよそ60社が出展。スポーツ施設を所有する自治体や民間事業者、スポーツチームの関係者らが数多く来場しました。また、開場に先立って行われた講演会には2020年東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の武藤事務総長や、Jリーグの村井チェアマンらが登壇しました。展示会の主催者は、東京オリンピックや、2019年のラグビー・ワールドカップなど国際的なスポーツイベントが相次ぎ行われる日本では、今後もスポーツ施設や関連する設備市場の高い成長が期待できると話しています。





■【トレたま】洗濯機で毎日洗えるシルク
【商品名】TAMAMONOロングライフベビー肌着
【商品の特徴】洗剤を選ばず、毎日洗濯機で洗い、乾燥機も使えるシルクの肌着。
【企業名】エレグランス
【住所】港区南青山3-10-41ジュエル青山801
【価格】1万5,500円(税別)
【発売日】発売中
【トレたまキャスター】北村まあさ





■【コメンテーター】 高橋進氏(日本総研理事長)

・「貯蓄から投資」なぜ進まないのか

--個人の金融資産が増えていないという話がありましたけれども、これは要するに投資にお金が回っていないということですか。

「そうですね。今回、減ってしまったのは。やっぱり株価が下がったこと、それから投信の評価額が落ちたことなどが影響していると思うんですけども、ただ、より深い問題は、株などが増えない一方で、現預金が増え続けているということなんですね。ちなみに1746兆円の金融資産の残高に対して、預金・現金は920兆円、比率にして5割を超えている。これに保険、年金、保障額が決まっている定額保障のもの、リスクのないものを全部加えると、両方全部足すと、金融資産全体の83%になる。金融資産の83%がリスクのないものというのは、いかにもちょっと異常な姿ですね。なかなか日本はデフレから完全に脱却していないので、株などは難しいのかもしれないが、それでもやぱり株の長期保有とか、そういうものを促していくようなことが、どうしても必要なのではないか。従って例えば、税制改革(株の長期保有を少し優遇していくとか)なども含めて、リスク資産への投資を増やしていくことを、国全体の政策として改めて考え直さなくてはいけない。安定的な株主を育てていくとか、そういうことも含めて、長期保有を促すような税制改革が必要じゃないかと思います。」




・アリババが変える決済の未来

--中国のアリババ集団の「アリペイ」(電子マネー)が世界の主要空港でもどんどん使えるようになるということなんですけど、日本とはまた全然違うんですか。

「中国は元々クレジットカードがあまり発達していなくて、ネット通販などの決済にアリペイが使われていたんですが、ところが、そのソフトが今度はスマホアプリになったんです。従ってスマホが一種のおサイフケータイになったんですね。かつ、日本より優れているのは、そこにアプリを入れておくと支払いが出来るだけでなくて、友達同士でお金のやりとりをしたりとか、割り勘で払うこともできる。それからチャージしても、元の口座にまた戻すとか、いろんなことができるんですね。そういう意味でたぶんこれから中国の人達は日本に来ると銀聯カードを使ってますけど、これからはアリペイになってくるのではないか。今は空港ですけど、そのうち街のコンビニなんかでも、日本で使えるようになるのではないか。そういう意味ではすごく将来性があるのではないか。」







2016.9.26 Newsモーニングサテライト

2016年09月26日 07時00分00秒 | MS
■マーケット

NY市場、関心は大統領選と企業業績へ
m1.JPG金融政策決定の大きなイベントを通過し、NYの主要株価は週間ではプラスをキープしました。今週からは政治、企業業績に市場の関心が向かいそうです。23日の株価は軟調な動き。今週予定されている産油国の会合への期待が後退し、原油価格が下落した事が材料でした。ただ週間ではそろって上昇。警戒された日米の金融政策もほぼ織り込み済み、市場の不安心理を示すVIX指数も低水準です。一方、市場の攪乱(かくらん)要因として意識されるのが大統領選。今週から始まるテレビ討論会に市場も関心を寄せています。それ以上に材料になるのは来月から本格化する企業決算。6期ぶりの増益に転換するかが注目されます。23日の株価の終値です。そろって4日ぶりに反落。ダウは131ドル安の1万8,261ドル。ナスダックは33ポイントの低下で5,305。S&P500は12ポイントマイナスで2,164。今週で9月が終わり7月から9月期の企業決算が固まります。アナリストは、「業績は総じて堅調だ」とみています。0 指標.jpg











月曜恒例、アメリカの専門家インタビューです。
《トムソン・ロイター/シャロン・マーティス氏》

【7-9月期決算、0.8%減益】
今週で9月が終わり7月から9月期の企業決算が固まります。アナリストは、「業績は総じて堅調だ」とみています。
《マーティス氏》 「S&P500社全体の純利益について、当初は前年比2%増程度を見込んでいたが、現段階では0.8%減を予想している。期初と期末の差はマイナス2.8%だ。期初と期末の予想の差は歴史的に見ると平均4%減で、今期の2.8%減はそれほど悪くない。業種別ではエネルギーが最も悪く、前年比マイナス65%程度の減益になるだろう。しかしエネルギーを除けば、2.6%の増益になると見込んでいる。」

【米、素材・情報技術は増益】
またマーティス氏はエネルギー関連とともに業績の低迷が続いていた素材関連について、今期から業績が好転すると予想しています。
《マーティス氏》 「素材セクターは前年比7%の増益を予想する。世界の需要減速で長期にわたり弱かったが、今期は好転すると見ている。特に好調なのはじゅほう技術で4.3%の増益となるだろう。アップルを除く情報技術は9.8%の増益、アップルは今期15.8%の減益を予想する。iPhoneの買い替え需要が低迷し、販売が落ち込むことが主な要因だ。」





【為替見通し】注目ポイントは「米大統領選挙の前哨戦」
解説は三菱UFJ信託銀行NYの小林浩一氏

--まずは週末の相場を振り返っていかがでしたか。
先週は日米中央銀行の金融政策決定を受けドル安円高が進行しましたが、週末には材料も消化され、ドル円は 101円を挟んでの小動きとなっています。

--今日の予想レンジは、100.00円 - 101.50円です。・東京は再び国際金融都市になれるか?
ドル買い円売りの手がかりを探しづらい中、本日も上値の重い展開を予想しています。特にアメリカ時間ではイベントを前に、ドル売りが強まる局面もあるとみています。

--注目ポイントは「米大統領選挙の前哨戦」です。

kw1.JPG(フリップ:米大統領選の日程)
11月の投票までの間にテレビ討論会が 3回にわたって行われることになってますが、26日にその 1回目が開催されます。過去もこの討論会の内容や候補者の印象が選挙結果に大きく影響を与えていますが、今年はどちらに投票をするか態度を決めかねている人が例年以上に多いとの報道もあるだけに、いつも以上に重要であると見ています。トランプ、クリントン両候補ともドル安を志向していることはすでに織り込み済みですが、最終的にトランプ候補優勢の方がドル安円高への圧力は強いとみています。保護主義政策が強まること、安全保障上の不透明感等でリスクオフにつながりやすいことがその要因です。直近ではアメリカ国内でのテロに事件もありましたが、トランプ候補が掲げる移民排斥の動きを正当化しやすい部分もあり、トランプ候補善戦の可能性もあると見ています。0 指標.jpg












【日本株見通し】注目ポイントは「配当再投資の買い」
解説はDZHフィナンシャルリサーチの東野幸利氏

--きょうの予想レンジは、16700-16900円です。イベント通過して週明けどう動くでしょうか。
米国株式市場は下落しましたけれども、為替市場では円高方向に下げ渋っていますので、日銀会合以降の良いムードが大型株、新興市場で続くというふうにみています。特に先週一週間、業種で最も上昇した銀行株に関しては、短期資金の流入が続くでしょうし、比較的配当利回りが高い銘柄が多いです。明日の9月末の配当権利付き最終日を前に配当狙いの買いが加わってくれば、日経平均は25日を意識した水準から、上値を試す場面もあるのではないかなというふうに思っています。

nk1.JPG--注目ポイントは「配当再投資の買い」です。
(フリップ)
今週は配当落ちの週になります。配当金を実際に受け取るのは2~3ヵ月後になりますけれども、TOPIXをベンチマークにする年金を運用する信託銀行によって、配当落ちに伴う株式資産の目減りを補うために、TOPIX先物への一時的な買いが例年通り見込まれます。特に今年は日銀によるTOPIX型ETF買いの増額されるといった期待もあって、TOPIXが先週、イギリスのEU離脱ショック以降の高値を更新して、非常に勢いがありますので、多少なりとも市場に影響があるのかどうか、その辺をちょっと注目したいというふうに見ています。






■【エマトピ】新政権の経済政策に期待(フィリピン)
ema1.JPG麻薬撲滅や過激な発言で話題のフィリピンのドゥテルテ大統領はまもなく大統領就任3ヵ月となりますが国民の支持率が91%と過去最高を記録しています。また現地企業も麻薬リハビリ施設に多額の資金を寄付するなど経済界もサポート・協調の姿勢を示しています。一方、前政権より中国寄りと言われるドゥテルテ政権ですが、政治問題はあるものの、投資を呼び込みたいのは事実でビジネス面での協調姿勢を示したい意向も伺えるといいます。解説は野村総研マニラの高岡真紀子氏。

--フィリピンというと、麻薬撲滅に力を入れたり、過激な発言をしたりで知られるドゥテルテ大統領が、日本でも話題ですね。国内での評判というのはいかがでしょうか。

まもなく大統領就任3ヵ月目となるドゥテルテ氏ですが、フィリピン国内では大統領に対する国民の支持率が91%と過去最高となっています。また複合企業のサンミゲルが麻薬リハビリ施設のために10億ペソ(約20億円)を寄付するなど、経済界もサポート・協調の姿勢を示しています。

--そのドゥテルテ大統領ですが、来月にも日本と中国を訪問するというふうに言われていますけれども、実は前の政権に比べて中国寄りというふうにも見られていませんか。

そうですね。大統領はこれまで中国との対話を避けてきた姿勢から、まずは対話をしようという歩み寄りの姿勢を示しています。南シナ海の仲裁裁判所の結果を中国が受け入れないことに対して、まずは中国の意図を聞き入れて、そこから解決策がないか交渉したいと考えているようです。但し、あくまで仲裁裁判所の結果をベースに話をするとしています。また政治問題はあるものの、投資を呼び込みたいのは事実で、ビジネス面での協調姿勢を示したい意向もうかがえます。

--大統領の経済政策については、あまり伝わってきていませんが、何か動き出しているものはあるんですか。

ema2.JPGはい、実は就任前に経済界との対話集会を開いて意見を吸い上げるというこれまでにない動きを見せて、経済界からの信頼を得ています。
(フリップ2:経済政策指針)
さらに当選確実となった二日後には前政権の経済政策を継続することや税制改革を行うなど、経済政策指針を発表するという迅速な行動も見せてくれました。

--この中で日本への影響があるのはどれと考えていらっしゃいますか。

日本参入の可能性が高いのは、インフラ投資の加速化です。フィリピンは人口が1億人を超え、平均年齢が23歳と若く、英語が公用語ということから、これまでも輸出向き工場やITアウトソーシング分野の投資で注目を集めてきました。ただ交通物流インフラの未整備が大きなネックでした。JICA(国際協力機構)が2013年に行った調査では、マニラの渋滞による経済損失は、1日24億ペソ(約50億円)にも上ります。新政権になって、事業承認プロセスを加速化する方向で、日系企業にとってもインフラに関連する事業機会は増える見込みです。

--高い支持率ですから、それを背景に経済政策も順調に進むといいんですけども、ただ一方で懸念はありませんか。

(フリップ3:実質GDP成長率)
課題としては高い失業率です。ふぃえいぴんの経済成長率は近隣アセアン諸国に比べても、高い水準で推移してきました。一方、失業率を見てみると7%と高く、雇用なき成長となっています。政府は雇用を確保するための産業誘致ですとか、産業振興に力を入れようとしていますけれども、産業を呼び込むためにも、インフラの整備が急務と考えます。ema3.JPG












■飲食業界の新トレンド
ニューヨークでは、大小さまざまな飲食店が2万店以上あると言われています。そんなニューヨークでは日々、新しいレストランがオープンしていますが、このところニューヨークのみならず全米で注目される新たなトレンドを取材しました。


【アメリカ、広がるフードホール人気】

マンハッタンのオフィス街に今アメリカで広がっている新しいスタイルの商業施設があります。新しいスタイル「フードホール」。小さな飲食店が集まっている、いわばレストラン街です。石窯で焼いた本格ピザやボリュームたっぷりのハンバーガー。さらにラーメンなど、20店舗以上の違った味が楽しめる、人気スポットとなっていて、平日でも賑わっている。ここに集まっているのは全米チェーンではなく、地元の小さな飲食店が中心です。これまでフードトラックなど、露店販売をしていたお店が多く集まっています。
《バーガーショップ/マネジャー》
「ここでは違った店や客とのつながりが持てるのが良い。商売も順調で、新店舗を出店する予定だ。」
朝食から夕食まで、いろいろな料理を楽しめるフードホールの人気はうなぎ上り。
《客》
「店がいろいろあるので、週に1~2回は来ている」
「食の選択幅が広く、お酒も楽しめるから良い」
NYには既に10ヵ所を超えるフードホールがオープンして、来年17年には総工費60億円をかけたというNY最大のフードホールがマンハッタンにできる予定です。教則にその数を増やす背景には、不動産事情があるといいます。
《アーバンスペース/デビッド・ヘイズリー氏》
「新たに出店するための費用、賃貸料が高騰している。マクドナルドなど資金のある企業ならよい場所に出店できるが、個人経営では店を借りることが難しくなっている。」
マンハッタンの街中ではレストラン用の空き物件が増えています。客足が見込める立地の良い場所でも、空き物件が目立ちます。ニューヨークの賃料はオフィスが集まる人気の地区で、この5年間で66%も上昇し、個人経営では高すぎて手が出せない状況です。こうした個人経営のレストランを守るためにも、フードホールがあるといいます。
《アーバンスペース/デビッド・ヘイズリー氏》
「個人経営の店が消えていくのを見過ごすことはできない。小さな店にもチャンスを与え、多様性を保ちたい。フードホールは個人経営や空き物件の問題を解決できるはずだ。」
個性あふれる飲食店が集まるフードホール。今後さらに拡大しそうです。

このフードホールという店のスタイルは、ニューヨークだけではなくて、カリフォルニアやテキサス、コロラドなど全米に広がっています。人気の背景にはファストフードチェーンではなく、地元の食材を使う地元の店を利用したいと考える人が増えているからだということです。






■【モーサテ・サーベイ】今週のマーケットを出演者が予想
マーケットや世界経済の先行きを番組のレギュラー出演者へのアンケートから独自に予想します。


sabei1.JPG(1) 今週末の日経平均予想
予想中央値(16600円) 先週終値(16754)

《経済産業研究所/中島厚志氏》
(16600円予想)
「日米欧の金融政策が出そろい、とりあえず材料出尽くし状態、今週の相場は横ばい圏」
《岩井コスモ証券/林卓郎氏》
(17000円予想)
「日銀の新たな措置は徐々に評価高める可能性があり、円高圧力が弱まる中で、17000円を再びトライする」


sabei2.JPG(2) 今週末のドル円相場予想
予想中央値(101.00円) 先週終値(101.01円)
《三菱東京UFJ銀行/内田稔氏》
(100.00円予想)
「次回のアメリカ雇用統計の発表までは、決め手を欠く。需給面などは円買い強いと見込まれ、依然下値不安が強い」
《シティグループ証券/高島修氏》
(99.50円予想)
「日銀の判断は事実上の引き締め、その理解が市場に浸透する」


(3)米利上げ時期予想
11月(6%)、12月(81%)、17年3月(10%)、17年7月以降(3%)sabei3.JPG


(4) 3ヶ月先の景気を占うモーサテ景気先行指数
    11.7(先週の21.4から低下)









■長短金利操作は有効か
日銀は先週、金融政策の枠組みを変更しました。新たな枠組みの柱となる「長短金利操作」とは一体どういうものなのか?何を意味しているのか?解説は東短リサーチの加藤出氏。

--先週の日銀の金融政策決定会合で枠組み変更、これはどのように評価されますか。

「現実対応になってきた。明らかに行き詰まりがありましたので、現実対応になってきたのはいいと思うんですが、ただ従来の例えば2年で2%にマネタリーベース2倍とかの分かりやすさは大幅に後退して、たぶん日本人の99%以上はよく分からないという状況だろうかと思います。

t1.JPG(フリップ1:日本、長短金利を操作)
--難しいのがやはりイールドカーブという言葉、番組では何度もお伝えしてはいるんですが、今回の政策は長短の金利を操作しようというもの、金利は短いところが低くて、長くなるにつれて高くなり、右肩上がりになるという形ですが、9月21日(赤色グラフ)の10年債を0%近辺に・・・。

はい、厳密にそこにもっていくということではないようなんですが、おおよそ0%近辺に誘導するとということなんです。

--なぜこういう形にしようということができたのか、分析したいと思います。マイナス金利が決定する前日のイールドカーブ(緑色グラフ)がずいぶんグググっとカーブがきつく上がっています。

それがマイナス金利を導入しまして、どんどん下がってきまして、特にブレグジット問題の後の7月は青い線のところまで下がったわけですね。ここまで下がると、やはりいろんなところで弊害というか、悲鳴が上がってくる。特に3年物ぐらいまでですと、(市場金利が下がると)銀行の貸出金利に影響しますね。でも銀行は預金者から預かっている預金はなかなかマイナス金利にできなくて、一方、貸出金利は市場金利に連動する部分が大きいですから、利ザヤが限りなく縮まってしまう。一方、長いほうの金利(20年以上とか)もこれだけ下がってしまうと、保険とか年金の利回りが非常に心配になってきて、単に業界の問題ではなくて、一般の我々も大丈夫だろうかと心配になってしまう。

--そうですね。そういう不安は高まっていましたね。

ですので、あんまり下がり過ぎないように、しかしマイナス金利政策前よりは下がっているほうがいいんだという考え方で、そこそこの、ちょうどグラフ上は中間のように見えますが、このぐらいの感じ(赤色グラフ)で行こうということのようですね。

--そのために今は日銀の不利というところ(左端の赤い☆星印)、一部マイナス金利にしているんですね。

はい、日銀の当座預金のところをマイナス0.1にしてもう一ヵ所、10年のところ(右の赤い☆星印)をおよそゼロにするという、この2点を押さえる。

--この2点を押さえると、そのあと形状が流れるようになっていくのかどうかなんですが、ただ実際に長い10年債の利回りというものを調整・コントロールできるんですか。

今みたいに、インフレになるぞ、という感じが人々にない間は抑えられるんですけども、日銀が望んでいる(ような)本当にインフレっぽくなってくると、上昇圧力が来るので、そうなってくるとやっぱりコントロールの難しさがいろいろ出てくるとは思います。

--国際的に見ても日本銀行が長期の利回りを操作するというのは初めてですね。

そうですね。FRBも一時期バーナンキのころに検討したんですけど、結局いろいろ問題があるからといってやらなかったですし、しかもその時に検討したのは、2年の金利を1%ぐらいにするのは例えばどうかみたいな議論で、10年債を誘導するなんていうのはもう全然想定外の相当なチャレンジングとは言えますね。

--そうですか。ですからしばらく様子は見ないといけないと思うんですが、ただこれは最終的に物価上昇2%を達成するために、必要な、効果がある措置なんですしょうか。

これより下げると弊害のほうが上回ってしまうので、これぐらいで(赤いグラフ)効果が出るギリギリのところなんでしょうけれども、ただここ数週間、出張であちこちへ行きましたけれども、どこの企業の方々も、金利の問題で投資をしないわけではないんだ、と皆さん言いますね。むしろ日本が成長していくイメージが持てないとか、あるいは、いろんな規制もあってやりづらいんだ、とかですね、そういう話はいっぱい聞こえてきますね。

--ですから本来は、日銀は一生懸命緩和をしている。その間にもっと改善すべき点はたくさんあるということなんですね。

この超低金利を生かせるような環境作りというのが非常に重要ですね。
t2.JPG

(フリップ2:後退するビジネス環境)
--ですが、こちらをご覧いただきましょう。これは世界銀行の無事ネス環境の現状というところで、現在は世界の中で34位まで、しかも落ちてきているんですね。

ずっと下がってきちゃうんですね。政府もこれを上げようと努力しているようなんですけど、ほかの国も企業を誘致するためにがんばるので、相対的にズルズルと落ちてきちゃっていますね。


(フリップ3:ビジネス環境ランキング2016(日本))
t3.JPG--総合でみますと、日本は34位なんですけど、そのほか目につくちょっと低いようなところ、問題がありそうなところを見ていきますと、起業が81位、これはさっきIPOの話がありましたけれども、やっぱりやりづらいんですか。

そうですね。会社を作るうえでのいろいろな障害があって、一方で破産すると迅速に処理されるということですね。あまり前向きな感じではないんですが・・・

--具体的にどんな問題があるのか、見ていきますと、例えば、企業に関してです。

日本が81位で、1位のニュージーランドと比べると、会社を作る許可日数が10.5日に対して、半日でできちゃうとか、手続きが8件お役所に行かなきゃいけないのが、1件ですんじゃうとか、そういう大きな違いがありますね。

--もう1つ、建築許可を見ていきましょう。日本(68位)とシンガポール(1位)を見てみますと、全然日数が・・・。

ええ、こういうのもやっぱり引っかかるという話は先週、札幌でも聞こえましたですね。

--こういった例えば法律の部分というのは、まだまだずいぶん昔にできたものが現在に引き継がれているものも多いと聞きますね。

安倍政権は長期政権になってきたので、だいぶ1年ごとに変わっていた政権のころよりはずいぶん改革をやっていると思うんですけれども、ただせっかくの長期政権なので、より大胆に、せめてこういうところからしっかりとやっていかないと、日銀の金融緩和が生きてこないということですね。

--低金利を生かせるような環境づくりというのも同時にやっていかないといけないということですね。






■日経朝特急

① GE、東電と効率発電
米国・GEはITを駆使し、発電を効率化するシステムで日本市場を開拓する。発電所の各機器をインターネットにつなぐIoTで監視し、異常の検知や休止期間の短縮を図る。来月、東京電力HDの火力発電所に導入。電力小売りの競争や原子力発電所の停止で、火力発電所の効率化を迫られる各社の需要を見込んでいる。




② 新規上場7年ぶり減少
新規株式公開する企業が減少している。今年1-9月に上場する企業は56社と前年同時期の62社から1割減る見通しで、減少は7年ぶりだ。株式相場の低迷で企業の上場意欲が高まらないことや、上場直後に業績予想を下方修正する企業があり、証券取引所や証券会社が上場審査を厳しくしていることが要因だ。

⇒【コメンテーター解説へ】




③ 電気代、ビットコインで
銀行もコンビニも円も使わない、ビットコインによる国内初の公共料金収納サービスとなる。仮想通貨の取引所「コインチェック」を運営するレジュプレスは今年4月の電力小売り自由化で参入した新電力事業者と組み、ビットコインで電気代を払えるサービスを年内に始める。



④ LNG生産基地、サハリンで増設
ロシア国営のガスプロムは日本への供給を想定し、サハリンのLNG生産基地を増設する。計画を来年中にも最終決定し、2022年からの生産をめざす。またサハリンから日本に天然ガスをパイプラインで供給する可能性を再検討する方針も示した。





■日刊モーサテジャーナル

① 「ネット広告に対する疑問高まる」
欧米の新聞各紙が大きく取り上げているのは、フェイスブックが動画広告の平均視聴時間を実際より長く算出していた問題。この行為は2年前から続いていて、最大で8割水増しされたという報道もある。ウォールストリートジャーナルは、電通がネット広告で不正を行っていた件にも触れ、「ネット広告に対する疑問の声が高まる」、と報じている。記事は、「企業などの広告主は、視聴者がテレビからスマホに移行する中、ネット広告の重要性を信じて、巨額の資金を投じてきたが、その戦略にリスクが存在することが浮き彫りになった」、と指摘。「世界でおよそ約20兆円規模といわれるネット広告市場が岐路に立たされている」、という専門家の声を掲載してる。
一方、フィナンシャルタイムズは、「視聴時間などの算定は第三者機関に任せるべきという声が高まっている」、と伝えている。



② 米国・テレビ討論会1億人以上が視聴へ
26日に開催される米大統領選の第1回テレビ討論会ですが、今回は1億人以上が視聴すると推定されていて、討論会史上最高を記録する見通し。各紙はアメリカンフットボールの王者決定戦スーパーボウル並みのイベントになる、と報じている。
ニューヨークポストによると、普段はアメフトなどを観戦できるスポーツバーも26日はテレビ討論会を流す。店によってはヒートアップした観客同士で揉め事が起きないよう、支持政党ごとに席を分け、警備まで動員する気の使いようだという。
また週刊投資新聞バロンズは、先日、クリントン候補が患者の薬代のの負担を減らすという発言をして、医薬品大手の株価が下落したように、両者の発言は投資家にも大きな影響を与えると指摘。記事は、「争はヘルスケアや税制改革のほか、温室効果ガスの削減を目指すパリ協定に反対するトランプ候補と、賛成するクリントン候補が、エネルギー政策でどう議論を交わすか注目だ」、と伝えている。



③ 映画「シンゴジラ」人気はソフトナショナリズム(ワシントンポスト)
日本で大ヒット上映中の「シンゴジラ」。アメリカでも来月公開予定だが、「その人気の背景にあるのは強い日本の描写で、いわばソフトナショナリズムの高まりがあるのではないか」、と報じている。この記事は、上映中に声を出してもよい「発声可能上映」を見に行ったワシントンポスト記者の体験をもとに書かれていて、「日本の戦闘機や戦車がゴジラに攻撃するたびに、観客から大歓声が上がった」、と指摘。「軍事的に強い日本の姿が描かれていて、国を守るために、もうアメリカには頼れないとの意識の表れ」、という専門家の声を掲載している。

⇒【コメンテーター解説へ】





■ニュース

シリア空爆 安保理緊急会合
国連安全保障理事会は25日、シリアのアサド政権が反体制派の支配する北部アレッポへの空爆を本格化させたことを受け、緊急会合を開催しました。開催はアメリカなど3ヵ国の要請によるものです。アメリカのパワー国連大使はシリア軍を支援するロシアの行動を「テロとの戦いではなく野蛮な行為だ」と非難したのに対し、ロシアのチュルキン国連大使は「シリアの和平はもはや不可能に近い」と語りました。



サウジアラビア 国内銀行に200億リヤル緊急支援
サウジアラビアの中央銀行にあたるサウジアラビア通貨庁は25日、国内の金融機関に対し200億リヤル=5,300億円を超える緊急支援を行うと発表しました。サウジアラビア国内の銀行の流動性は、原油価格下落の影響で悪化していて、銀行間の取引レートはここ15ヵ月間で1年物が1.5%以上上昇するなど金利が急騰していました。通貨庁は今回の緊急支援で金融市場の安定化を目指すとしています。



民進・蓮舫代表に「期待」51%
テレビ東京と日本経済新聞の世論調査で、民進党の蓮舫代表について期待するか聞いたところ、「期待する」が51%と半数を超えました。この調査は全国の18歳以上の人に対して無作為に電話をかけて行ったものです。安倍内閣を「支持する」と答えた人は、前回の調査から4ポイント減って58%に、「支持しない」は5ポイント増えて32%でした。民進党の新代表、蓮舫氏について期待するか聞いたところ、「期待する」が51%で、「期待しない」は39%でした。一方で、幹事長に野田前総理が就任した人事については、「評価しない」が49%で、「評価する」の30%を大きく上回りました。また、民進党が再び政権に就くためには何が重要か聞いたところ、「アベノミクスに代わる経済政策」が44%とトップでした。



中国戦闘機が宮古海峡通過
防衛省はきのう、中国の戦闘機など8機が沖縄本島と宮古島の間の上空を通過したため、航空自衛隊の戦闘機がスクランブル=緊急発進したと発表しました。この空域を、中国の戦闘機が通過したのは初めてです。領空侵犯はありませんでしたが、防衛省は「特異な事例」だとして警戒を強めています。一方、中国空軍の報道官もきのう、爆撃機や戦闘機など40機以上が、宮古海峡の上空を飛行して西太平洋に向かう遠洋訓練を行ったと発表しました。中国空軍によりますと今回の訓練は、「空軍部隊の遠洋実戦能力の検証が狙い」で偵察のほか、空中での給油などを実施しました。また、中国空軍の戦闘機は、東シナ海上空の防空識別圏でも警戒パトロールを行ったということです。



ドコモ スマホ分割払い多様化
NTTドコモが2016年度中にも、スマートフォンの販売方法を見直すことが分かりました。分割払いで購入する際の頭金や月々の支払額を、販売店が柔軟に設定できるようにします。機種ごとに分割払いの総額を固定する現在の方法をやめ、頭金を多めに払って月々の負担を減らすなど顧客の要望に対応しやすくします。現在のスマートフォンの販売方式については、公正取引委員会が独占禁止法に違反する可能性があると指摘していました。




■今週の予定

26日(月) 臨時国会召集、米8月新築住宅販売件数、米大統領選第1回テレビ討論会
27日(火) 日銀金融政策決定会合議事要旨(7月分)、米9月消費者信頼感指数
28日(水) OPEC非公式協議、米8月耐久財受注、米イエレン議長議会証言
29日(木)
30日(金) 8月消費者物価指数、鉱工業生産指数、米8月個人消費支出




■今日の予定

臨時国会召集
日銀黒田総裁講演(大阪)
ドイツ9月Ifo企業景況感指数
米8月新築住宅販売件数
米大統領選第1回テレビ討論会






■【コメンテーター】東短リサーチ/加藤出氏

・「不人気」候補の戦い・直接対決の行方は

--さあ年後半のビッグイベント、アメリカの大統領選、テレビ討論ですね。

「注目ですね。向こうにいる知人に聞くと、直接対決次第で人気の状況がまた変わる可能性があるという、おそらく壮絶な相手の弱点叩き合いになるんだと思いますが、ただギャラップの世論調査を見ると、好きから嫌いを引くと、トランプ氏がマイナス29%、クリントン氏がマイナス17%で、要はどっちもマイナス圏で、どちらがより不人気かの戦いなわけですけれども、なおさら弱点の叩き方次第ではひっくり返る可能性もありますし、それがまた為替レートにも十分影響しますので、これから11月にかけて本当に目が離せない状況ですね。」




・日経朝特急/新規上場7年ぶり減少、株式相場が低迷

「審査が厳しくなっているとか、あるいは世界的に新たにブレイクスルーする大型IPOが最近あまりないとか、そういう傾向があるわけですけれども、ただそれにしても、日本銀行がこれだけ強烈な金融緩和策をやって、目的としてはイノベーションが起きるような環境づくりという趣旨もあってやっているわけなのに、それがなかなか実を結んでいないというところが、もどかしさがありますね。」




・日刊モーサテジャーナル/映画「シンゴジラ」人気はソフトナショナリズム

「私もこれ、見たいと思っていて、来週以降と思っていいタンですが、アメリカの別の大手紙も新しいナショナリズムか、なんて言っているので、相当注目が高いわけですけどもね、公開されるとアメリカでどういう反応になるのか、楽しみですね。」





・今日の経済視点 「見えない出口」

「日銀はインフレ率が安定的に2%を上回るまで、緩和を続ける、マネタリーベースを増やし続けると言ったわけですが、安定的に2%を超えた状態というのは、いま振り返ってみると、バブルのころにちょっとあったぐらいで、となると、あのぐらいの活況がないと、っていうことだとすると、これは出口があるんだろうかというぐらいの、ちょっと相当長くなりそうですね。」