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2016.9.2 WBS・ワールドビジネスサテライト

2016年09月02日 23時59分59秒 | WBS
■ニュース特集

米8月雇用統計 市場予想を下回ったが…kiage1.jpg
アメリカの中央銀行にあたるFRB=連邦準備制度理事会が決める政策金利の利上げに大きく影響する8月の雇用統計が発表されました。今回の雇用統計は市場予想を下回ったものの、極端に悪いわけではなく、利上げの先行きが見通しにくくなったと言えそうです。今回の雇用者の増加幅は前月比15万1,000人と市場予想の18万人を下回りましたが、10万人は割り込まず、市場関係者にとっては想定の範囲内でした。FRBは米経済が回復基調にあり、早期の追加利上げに前向きであることはあきらかで、まだ早期利上げの可能性がなくなったわけではありません。注目の金融政策の判断が示されるのは9月21日の予定です。

【中継:アメリカの8月雇用統計、市場予想を下回ったが】
今、世界が注目しているのがアメリカの経済が好調かどうか、利上げをするかどうか。その重要な判断材料となるのが雇用統計。雇用者数が大幅に増え利上げをした場合は円安ドル高となり、輸出に頼る日本にとってはプラス面が大きくなる。しかし発表された8月の雇用統計は市場の予想を下回った。



【どうなる!?アメリカの利上げ、どうなる!?世界の景気】
アメリカの8月の雇用統計が発表された。平井記者の報告です。

《中継:ニューヨーク支局/平井裕子記者》
早期利上げがあるのではと予想されていたが、判断が難しくなった。市場予想は下回ったものの、極端に悪い数字でもなかっただけに、先行きが見通しにくくなったと言えそうだ。kiage2.JPG今回の雇用者数(非農業部門)は前月から15万1000人の増加と市場予想の18万人を下回りはしたが、10万人を割り込むような衝撃的な数字でもなく市場関係者にとっては想定の範囲内だった。実際6月からの3ヵ月の平均で見ると、23万3000人と雇用拡大の目安とされる20万人を上回っているからです。さてこの雇用統計を受けて為替が大きく動いています。発表直後は利上げが遠のいたとして、ドルに対し1円近く円高に進みましたが、その後また戻しています。現在は103円台後半での取引です。

--早期利上げの可能性はなくなったわけではないんですね。
そうなんです。なぜなら、FRBはアメリカの労働市場は回復基調にあると自信を深めていて、早期の追加利上げに明らかに前向きだからです。実はこの1~2週間程FRBは、9月に利上げするかどうかは今回の雇用統計の結果kiage3.JPG次第というシグナルを立て続けに発信して、9月の利上げに向けて動き出していた。今回は微妙な結果だっただけに、もしこのまま9月の利上げに踏み切るのなら、今後FRBは市場に対して力強いメッセージを送る必要がある。金利先物取引の動向から利上げの確率を予測するCMEフェドウォッチを見ると、9月の利上げの確率は発表前には24%だったのが12%にまで下落している。注目の金融政策の判断が示されるのは9月21日の予定(FOMC)である。





冷凍食品“温め用”の新家電reito1.JPG
シャープは10月、市場が拡大している冷凍食品や総菜を温めることに特化したオーブン「ヘルシオグリエ」を発売します。これまでは生の食材を焼いたり蒸したり、一から調理することを前提にしてきましたが、機能を絞ったことで、従来10万円台だった価格を約4万円に抑えました。セブン―イレブンが力を入れているのが「冷凍食品」です。働く女性や少人数世帯の増加から、温めるだけで食事がとれる冷凍食品は、今後夕食市場で需要が見込めるとして、今月からPB商品のリニューアルを始めました。従来より100円高い、200~300円ですが、品質を上げた事で勝算はあるとしています。経営統合により業界2位となったファミリーマートは夕食向けの総菜に力を入れています。鮮度を保てる透明な容器を新しく導入し、シニアも好む商品も充実しています。ファミリーマートでは総菜のラインナップを今年度中に約2倍まで増やす計画です。

【冷凍食品が“サックサク”に!?最新“オーブン”の実力とは】
忙しい時に調理の手間が省ける事から年々市場が拡大している冷凍食品や総菜。そこでそれらを温める事に特化した新しいジャンルの家電が登場した。シャープが今日発表したオーブン「ヘルシオグリエ」。200℃前後の水蒸気で食品を焼くように温める為サクサクに仕上がる。さらに水蒸気が余分な油を落とす効果もあるという。水蒸気で調理する「ヘルシオ」はシャープが2004年に開発。これまでは生の食材を一から調理する事を前提にしてきたが、今回は冷凍食品や総菜といった調理済みの食品を温める機能に特化。価格を約4万円に抑えた。背景にあるのは女性の社会進出や若者やシニアなど単身世帯の増加で冷凍食品の国内消費が約22%伸びていること(日本冷凍食品協会調べ)。
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【コンビニが冷凍食品・総菜強化】
コンビニエンスストアで売っている冷凍冷蔵食品、総菜を試食(紅鮭の塩焼き、ピラフハンバーグ、洋風さぬきうどん、彩り玉子焼き、みぞれから揚げ)。今までコンビニは弁当などのランチの需要が中心だったが、今は冷凍食品や総菜が充実してきている。その背景には新しい顧客層を開拓しようという各社の狙いがある。

【夕食市場開拓へ“セブン”冷凍食品を刷新】
セブンイレブンは冷凍食品に力を入れていて、今月からプライベートブランド商品のリニューアルを始めた。働く女性やシニアを中心とする少人数世帯の増加から温めるだけで食事が摂れる冷凍食品は今後、夕食市場などで需要が見込めるとして力を入れている。「肉のうま味を薄衣で閉じ込めた和風鶏から揚げ」を紹介。リニューアルした冷凍食品の中心価格帯は従来より100円高い200~300円だが、品質を上げた事で勝算はあると見ている。

【“容器革新”のファミマ・コンビニ総菜を夕食に】
ファミリーマートは昨日、ユニーグループホールディングスと経営統合し業界2位へと躍り出た。新たなスタートを切ったファミリーマートが力を入れるのは夕食向けの総菜。スーパーが得意とする総菜の分野で差別化を図る為より鮮度を保つことができる透明な容器を導入し、シニアも好む商品を充実させた。また三角の袋に入った総菜は男性単身者向きで、レンジで温め包みを開ければ器なしでそのまま食べられる。ファミリーマートではこれまで20種類程だった総菜のラインナップを今年度中に約2倍にまで増やす考え。





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民進党代表選“三つどもえ”の戦い
民進党としてのはじめての代表選挙がきょう告示を迎えました。代表選挙には蓮舫代表代行、前原元外務大臣に加え、玉木国会対策副委員長が立候補を届け出ました。高い知名度を元に有利に戦う蓮舫氏と、民主党時代に代表を務めた前原氏が有力候補と見られている中、元財務官僚で当選3回の若手である玉木氏が戦いを挑みます。







■ニュース

日露首脳会談 成果は?
ロシア極東のウラジオストクを訪問中の安倍総理は2日、プーチン大統領との首脳会談に臨みました。「手応えを感じることができた会談だった」と安倍首相は胸を張ったが、プーチン大統領の訪日は決まったものの北方領土問題については目に見える成果はなかった。会談では、次回の会談を今年11月にAPEC=アジア太平洋経済協力会議が行われるペルーで行い、12月15日に安倍総理の地元、山口県長門市にプーチン大統領を招き、再び首脳会談を行うことなどで合意しました。肝心の北方領土問題については、両首脳だけでおよそ1時間議論をしましたが、その詳細は明らかにされていません。安倍総理は、領土問題の進展に向けて、プーチン大統領が強い関心を示す、日本とロシアの経済協力に関連して、自らの最側近である世耕経産大臣を新設の担当大臣に任命したほか、首脳会談に続く夕食会に三井物産や丸紅の会長を同席させるなど、経済協力に本腰を入れる姿勢をロシア側に示しました。ただ、日本側が経済協力のカードを切ってもロシア側から領土問題への前向きな姿勢は見られなかったもようで、同行筋からも12月での首脳会談について、「そこで成果が出る出ないというものではない」と消極的な見方が出ています。



森会長が小池都知事に“懸念”
2020年の東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森会長は、東京都の小池知事に対し、築地市場の移転延期に懸念を示しました。築地市場の跡地は競技会場が集中する臨海部と都心を結ぶ道路の整備が予定されていますが、移転の延期で計画の遅れが指摘されていて、森会長は代替案を含めた計画を早めに示すよう求めました。一方、小池知事は、会場整備費などについて「もっとコストを下げられないか調査するので協力をお願いしたい」と話しました。



燃費不正問題で 三菱自に立ち入り検査 3回目
三菱自動車の燃費不正問題で不正な方法で車の燃費を再測定していたとして、国土交通省は、道路運送車両法に基づき、本社などを立ち入り検査しました。問題が発覚して以降、立ち入り検査は3回目です。国交省によりますと、販売中の9車種の燃費データを再測定する際、都合の良いデータを使って計算していたということです。



自動運転の日産「セレナ」出荷停止
日産自動車が先週24日に発売した新型「セレナ」の販売を停止していることが分かりました。アイドリングストップ機能に不具合がある可能性が浮上し、車が進まなくなる恐れがあるということです。発売3日後から販売店への出荷を停止し、きのうから顧客への納車を止めています。日産は問題点を解消し、今月中旬から下旬にかけて販売の再開を目指します。



ロボットが空港でおもてなし
羽田空港では、きょうから日立製作所が開発した人型ロボット「エミュー3」による接客の実証実験が始まりました。「エミュー3」は外国語にも対応していて道案内を行います。様々な音であふれる空港で、案内できるかを検証し、2020年の東京オリンピック・パラリンピックでの外国人観光客への「おもてなし」を目指します。



台風10号 犠牲者16人に
台風10号の被害にあった北海道の大樹町と新得町できょう、新たに男性2人の遺体が見つかりました。また、岩手県岩泉町でも2人の遺体が見つかり、犠牲者は16人となりました。岩手県の岩泉町と久慈市では道路の寸断によっておよそ1,100人が依然、孤立しています。



米 ユニクロ “新型店舗”に狙い
カジュアル衣料の「ユニクロ」が、海外で最初に開業した旗艦店「ソーホーニューヨーク店」が、開業から10年を迎え、全面的にリニューアルしました。改装で店舗の売り場面積を約2,600平方メートルに拡大。最大の特徴は、東京で流行するスタイルを全面に打ち出した店づくり。「TOKYOMEN」と書かれた売り場でマネキンに着せているは、東京で流行しているというファッションです。商品をすぐ隣に並べて組み合わせを提案しています。さらに、「トウキョウ・スタンド」と名付けたコーナーでは、日本の雑誌を販売しています。店舗改革の背景には、アメリカ事業における「反省」があります。実は、ユニクロは、2006年にアメリカに進出して以来、北米事業は一度も黒字になっていません。今年になっても5店舗を閉鎖しています。ニューヨークでも評価の高い「東京ブランド」をキーワードに、赤字体質からの脱却を目指す。



“忍者展”外国人にも大人気
日本科学未来館で7月から開催されている企画展「ザ・ニンジャ」の来場者数が10万人を超え、外国人観光客からも人気を集めています。忍者をテーマにしたこの企画展では「手裏剣打ち」や「忍び足」など忍者修行を体験できます。さらに忍者の知恵や技術を現代科学で分析。これは「九字の印」という精神統一に使う所作で、これを行ったときの脳波への影響を調べると、集中とリラックス状態が高まるといいます。また、忍者の携帯食も食品科学の視点から栄養素やカロリーなどを分析しています。





■【THE行列】 無重力かき氷
大阪堺市の茶寮つぼ市製茶本舗。長い日には2時間待ちの行列ができます。人気商品はかき氷です。人気の秘密はその高さで、20センチもあります。特徴はふわふわの食感です。その秘密は、刃物の町堺市が誇る技術です。かき氷の刃を地元の刃物店が特別に作ってくれました。またシロップにもこだわりが。お茶店として、茶葉にこだわり、通常の数倍の量を使っています。そのレシピは社内でも数人しか知りません。お店を開いたのは、先代からの思いがあります。戦争で一度創業の地である堺市を離れなくてはならず、堺市に戻ることは悲願でした。
取材先・茶寮つぼ市製茶本舗





■【トレたま】ヴァーチャル墓参り

専用アプリをダウンロードして墓の位置情報をスマートフォンに記録する。スマートフォンを墓に向けると、亡くなった方がヴァーチャルで浮かび上がり、メッセージを聞くことが出来る。映像とメッセージはあらかじめ亡くなる前にスタジオで収録しておく。

【商品名】スポットメッセージ
【商品の特徴】ヴァーチャル墓参り
【企業名】良心石材
【住所】千葉県香取市仁良503
【価格】未定
【発売日】今月末からサービス開始予定
【トレたまキャスター】片渕茜





■【コメンテーター】伊藤元重氏(学習院大学教授)

・なぜ“アメリカの景気”に世界が期待する!?

--米8月の雇用統計、イエレンさんが利上げの判断をするにはなかなか悩ましい結果となりましたね。伊藤先生は9が利上げあると思いますか。

「言うとたぶん外しそうなんで・・・。ただ確かに数字から見ると、少し前よりは(利上げの)可能性は少なくなったというのが市場の見方かもしれないが、やっぱり基本的にはアメリカの経済は強くなっているという実感を持っている人は多いと思うんです。雇用の数字はそうは言っても多少ブレがありますから、だからこれからの数字というのは思ったほど悪くならなくならなくて良かったなという意味では、9月にやるかどうかはなかなか難しいんですけど、年内にはやっぱりかなりの確率で金利を上げていくだろうと思うんですね。大事なことは、今、世界経済を見た時に順調に回復していく可能性を持っているのはアメリカだけなんですよね。しかもアメリカが回復すれば、世界に非常に大きな影響がある。先進国が非常に落ち込んでいる理由が3つある。1つは高齢化、ただアメリカはそうはいっても移民とかで若い人が多いですから、先進国の中ではそういう意味では一番軽微ですね。2つ目は、リーマンショックのあと、ヨーロッパはギリシャ危機とかいろんな問題が起きているし、日本も非常に影響が大きかったんですけど、比較的アメリカがその中で一番早く回復する期待が出てきているわけで、そういう意味ではその影響が弱い。それから最後に一番重要なのは、こういう景気低迷を打破するには技術革新がどうしても必要なんですけど、その担い手として期待される第四次産業革命(人工知能、IoT)はアメリカが引っ張っている。そういう意味で見ると、もちろんいつ金利を上げるかという微妙なタイミングというのは、市場関係者は非常に関心があるんですけど、半年経ってみたらアメリカの景気が回復して金利を上げたね、というふうになっているんだと思う。そんな大雑把な言い方だと市場関係者に叱られるんだけど・・・」

--いま先進国は長期停滞論とも言われますけど、なかなか経済が上回ってこない。そこを打開する要素を持っているのが、アメリカであると・・・。

「私はアメリカの第四次産業革命に期待をしている。いろんな金融・教育・モノづくりなど誰でも影響を受けていますから、そういう意味ではそういうことが本当に広がってくると、これはアメリカの景気回復だけではなくて、日本とか他の先進国にも同じような流れが来る。そういう意味では今年から年末にかけての政策も含めて、アメリカの経済の動きについて注目していく必要がある。」





・冷凍食品がサックサク!?コンビニで進む“食の工業化”

--コンビニ各社、力を入れる部分が変わってきていますね。

「そうですね。まぁニーズがあるんですね。これを見ていて思うんですけど、食品の工業化ですよね。この前も、冷凍ではないんですけど、コメのすぐに食べられるやつ、白いご飯をいろんな技術でおいしく食べられるようになっている。そしてこの冷凍がすごく可能性があるのは、保存料をあまり入れなくていいし、フレッシュな味がでる。唯一のネックが物流コストが非常にかかるんです。そういう意味では、いまコンビニはどんどん広がっているから、ある意味で街のどこに行っても冷蔵庫があるということで、そういう意味では非常に親和性がありますよね。」

--ただコンビニだけが進化してもダメなんですよね

「だからそういう意味ではほかのものがレベルが上がっていくから、コンビニへ行っておいしいものが食べられるということは、それだけメーカーが努力しているということですよね。」






・アメリカ雇用統計発表

--日本時間の今夜9時半に発表されましたアメリカ雇用統計の結果を受けまして、発表直後は一時、為替は1ドル102円台後半まで円高が進んだんですが、その後一転、円安方向に動いていまして、現在は1ドル104円台に突入をしています。これはやはり早期の追加利上げはなくないぞ、という見方も広がってきているということなんでしょうね。

「(利上げについて)どうもやっぱり潮目が変わったと見ている人が多いんじゃないですかね。来週の為替が気になるところですね。」







・“日露”は“安倍外交”最大の注目点

--日本とロシアも大きく動いていますね。
「そうですね。今後しばらく、安倍外交で日ロが1番大きな注目点だという人が多いですよね。やっぱりロシア側から見ても日本と色んなことをやりたいという思惑が非常に強いですね。石油が下がっているし、ヨーロッパとも問題が大きいしですね。それから日本から見ても、そうはいってもプーチン大統領は非常に強い権力を持っていますから、ある意味で非常に交渉しやすいですね。よく言うんですけど、毎年交渉すると相手が変わると、そういう言う意味ではこういうのはトップのお互いの関係だと思うので、そういう意味では長期政権のうちにいかに決着つけるか。ただ北方領土はなかなかハードルが高いんですけども、少しでも進んでもらいたいと思いますね。」

--まずはどこから手を付けるか。

「おそらくエネルギーだと思いますね。日本にとっても非常に大事だしロシアにとっても大事だ。」






2016.9.2 Newsモーニングサテライト

2016年09月02日 07時00分00秒 | MS
■マーケット

NYダウ小幅に反発
雇用統計を前に様子見かと思いきや、予想外に悪かった経済指標が株価を大きく動きました。先週末から高まっていた9月利上げを意識した動きも、ISM製造業景気指数が50を下回ったことで急ブレーキ。長期金利は低下しました。一方、株式相場は、ISMを受け、下げたものの早期利上げ観測の後退は株価にはプラス。ダウは午後に入って下げ幅を縮め、昨日の終値近辺でもみあって取引終了です。明日の雇用統計を控えポジションを傾けづらかった面もあったようです。では、株価終値です。ダウは18ドル上昇の1万8,419ドル、ナスダックは13ポイントプラスの5,227。S&P500は前の日とほぼ変わらずの水準で取引を終えました。続いて1日のセクター別騰落率です。金価格の上昇を好感し、素材セクターが上昇。一方、下落したのは金融や公益セクターなど。ただ、いずれに動きも小幅なものにとどまりました。
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【NY証券取引所中継】米製造業回復なるか?
解説は岡三証券NYの坂下尚人氏

--引けにかけて揉み合う展開でしたね。
ISM製造業景気指数を受けて、利上げ観測がやや後退したといったことなどが下支え要因になった一方で、原油価格が下落したということが嫌気されたほか、翌日の雇用統計を前に買い手控えムードが広がりまして、アメリカ株総じて上値の重い動きとなりました。

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--その予想を下回ったISM製造業景気指数ですけれども、内容はどう見ますか。
(フリップ参照)
内訳をみますと、生産や受注など主要項目が大きく落ち込んでおりまして、これまでの製造業の回復基調に一服感が見られる内容となっております。大統領選挙ですとか、利上げなどの不確実性がある中で、アメリカの企業活動が鈍っているという可能性がありそうです。またルイジアナ州での洪水なども、一時的な押し下げ要因になっているといったような指摘も見られております。

--今後この製造業の指数の改善というのは期待できるのでしょうか。
はい、50割れが続く可能性は低いと見ております。国内の消費動向を中心に国内需要は底堅さを維持すると見られるほか、機械セクターでは設備投資に改善の兆しがあるといったようなコメントも見られております。ただ素材セクターなどで依然として、在庫調整が続いているということなどが足かせになると見られまして、先行きの製造業の改善ペースは緩やかなものにとどまりそうです。








【NY証券取引所中継】音声認識技術に注目
解説は岡三証券NYの坂下尚人氏

--IT企業が注力するある技術に坂下さんは注目しているそうですね。
音声認識技術に対する取り組みです。フェイスブックは9月中に人が話しかけると、ロボットが自動的に音声で返答したり、家電を操作することができる仕組みを披露するようです。すでに先行してアマゾンが音声認識技術を使った端末を販売している中で、グーグルも年内に同様の端末を発売する見通しで、今後普及が進むと見られております。

--各社の狙いというのは何なんでしょうか。
早く家庭内に入り込むということです。例えばアマゾンのエコーでは話しかけるだけに配車サービスのウーバーを呼べたり、ピザを注文できたりと端末を使ってできることが増えてきています。そうした中、他社よりも早くユーザー基盤を拡大できれば、自社のプラットフォーム上で機能を開発する企業が増え、端末を提供している企業間での競争で優位性が高まることになります。
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--ということは音声認識技術を使った端末の普及余地というのは大きいということですよね。
はい、アメリカでは2020年までにこうした端末を保有する世帯数が、今年と比べておよそ5倍に拡大すると予想されております。端末を通したユーザーとの会話の中で得られる情報なども本業に生かすことが可能と見られまして、将来的にテクノロジー企業の業績拡大につながることが期待されております。






【為替見通し】「米雇用統計」
解説は三井住友銀行NYの柳谷政人氏

--まずNY市場はどうだったでしょうか。
NY入りの朝方は日経平均が上昇していたこともあり、また上値を試し 104円ちょうどまで付けました。しかしその後 ISM製造業景気指数が市場予想を大きく下回り、半年ぶりに 50割れとなったことで 9月利上げの織り込みは後退し、米国債利回りの低下とともに為替市場ではややドルが弱含み、ドル円は 104円から 103円台前半へと戻しています。

--今日の予想レンジは、102.80円 - 103.50円です。
明日の雇用統計の結果を見極める必要がありますので、それまでは小動きにとどまると考えています。ドル高基調は継続する可能性が高いものと考えますが、ポジションの過度な傾きも修正された今、実際の結果を目にするまでは動きは乏しいでしょう。
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--ではその実際の結果、雇用統計というのはどうご覧になりますか。
はい、その米雇用統計ですが、非農業部門の雇用者数が18万人程度の増加であれば 9月利上げをより意識し、ドル高基調は続行だと考えていて注目しています。もちろん 9月の利上げに向けて完全な GOサインとなるためには 7月並みの数字、22万5千人が必要ではありますが、足下では完全雇用が近い状態であることを考えると、市場予想の数字でも 9月利上げに向けて織り込みが進むものとみています。ドル円は 105円を意識した展開になるものとみています。0 為替.jpg

















【日本株見通し】「9月相場」
解説はDZHフィナンシャルリサーチの東野幸利氏

--今日の予想レンジは、16900~17100円です。
ドル円相場が75日線付近の104円まで円安が進みましたので、その反動で円高方向に強い動きが出なければ、日経平均は強含む場面はあると思います。円安メリットの輸出関連株に買いが入るでしょうし、世界的にも出遅れ感が意識されている銀行株に買いが続けば、今日にも17000円乗せはあると思います。

--注目ポイントは、「9月相場」です。nk1.JPG
(フリップ参照)
9月の日経平均は直近20年間で見ますと、上昇したのが8回、下落したのが12回と負け越しとなっています。ただ上昇相場が実質的に始まった12年以降で見ますと、人民元ショックが引きずった昨年以外の9月は上昇しました。そういった中、今年の8月は1.9%の上昇ということで、12年からの3年間と同じく、小さな変動幅にとどまっています。そういった意味でも相場のエネルギーは相当たまっている可能性が高いと言えると思います。

--そのエネルギー放出のきっかけとなるかどうか。まずは今晩の雇用統計ですよね。
今晩の雇用統計の結果の後のドル円相場、米国株の動き次第ということになりますけれども、来週のメジャーSQに向けて、上か下かどちらかに値動きが大きくなるといった可能性はあるのではないかなと思います。






■【プロの眼】秋に“欧州危機”再び?
依然、くすぶり続けている欧州銀行の不良債権問題について、この10月が注目ということです。イタリアでは銀行大手モンテ・パスキの自律再建スケジュールが進んでいますが、再建プランをECBが了承することができるのか、また50億ユーロを増資する計画で、10月に株主総会が開かれる予定となっていて注目ということです。さらに憲法改正に関する国民投票も予定されていて、欧州発の不確実性を高める要因になる可能性があるといいます。一方、ポルトガルでは唯一ソブリン格付けでBBBと適格をつけているDBRSの格付け見直しが10月21日に予定されています。これでBBB以下になるとECBの適格担保ではなくなるため、ポルトガルの資金調達コストが上昇する懸念があるということです。
解説はBNPパリバ証券の中空麻奈氏。

--『秋に“欧州危機”再び?』、また来ますか。
可能性は出てきたなというふうに思っていて、警戒しておくのはとても必要なことだと思います。

--スケジュールを見ておきますと、秋というと10月、まずイタリア。

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(フリップ1:注目の日程)
そうなんです。10月11月と言われていますが、モンテ・パスキというイタリアの中でもいま最大の問題行なんですが、この問題行に対して自力で再建していくということを今やっていて、その取り組みの中で10月11月は比較的問題が出やすというのがあります。それから10月中にイタリアは憲法改正に関する国民投票を行うと言っていますので、ここでもしNOが出ると、首相が辞めないといけない可能性が出てくるんですね。なので金融システムの改善と、それから政権の混乱というのが同時にくると、「やっぱりイタリアって問題ですよね」、となりやすい。

--モンテ・パスキに関しましたら、ストレステストは何となくスーッと過ぎたような気がするんですけれども・・・

そうなんです。あれはもったいなかったんですけれども、7月末のやられたストレステストに関しては、実はモンテ・パスキは問題があるよ、という指摘にはつながるような結果になっていたんですが、なっていたにもかかわらず、公的資金を入れることはしませんでした。自分でできるでしょう、ということで、自力再建のほうを選んだんですね。結果的に自力再建ができるかどうか、私たちは見ないといけなくなってしまいました。

--再建スケジュールというものが出てくるわけですね。

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(フリップ2:モンテ・パスキ再建スケジュール)
そうです。9月中にはこういうECBが再建プランを了承してくれるかどうか、10月には株主総会が待っていて、それを受けて11月12月に不良債権売却と資本増加、増資50億ユーロって結構巨額なので、できるかどうか、割と難しいんですね。なのでこれを1つ1つ確認しながら、イタリアの金融危機の状態を見ていくことになります。ところがこれがイタリアが1つでもうまく行かなかったら、やっぱりよくないのではないか、という話が出やすいので、イタリアの問題も注意しないといけませんね。

--ストレステストなんですけれども、イタリア以外にも、問題があるんじゃないかということが分かったんですね。

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(フリップ3:イタリア以外にも問題)
そうなんですね。そのストレステストの中では厳しいストレスをかけた場合なんですが、イタリアの金融システム以外にも、やっぱり自己資本比率CET1というんですが、そこに影響しそうな国がまだまだありますね、ということが見えてきました。ですので波及というのでしょうか、イタリアの不良債権問題にフォーカスされて、「イタリアが問題だ、それだけでいいのかというと、ほかの国も無視はできないね」、という話になってきていると思っています。

--アイルランドやオランダ、ほかにもこれだけ気にしなければいけない国がある。さらに仰っていたのが国民投票、レンツィ政権。

国民投票をなんでこんなとこでやっちゃったかなという気がするんですが、レンツィも辞めたくなくなってきたのか、もしNOが出てもすぐに辞任するとは限らないと言い始めているんですね。そんなようなこともありますが、ただ政権がしっかりしないと、金融再建、銀行の再建なんてしていけないですから、ここは難しくなってきたなという気はします。

--イタリアも、そしてポルトガルも・・・こちらは10月注意・・・
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(再び フリップ1:注目の日程)
ポルトガルは今でもポルトガルの貯蓄銀行に対して、公的資金を入れることが決まったりして、イタリアと同時期に金融システムに問題があるということを指摘され始めているんですね。それも心配なんですが、もう1つありまして、10月21日になるんですが、ポルトガルはいま長期債格付けがどうなっているかと言いますと、こんな感じなんですね。

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(フリップ4:ポルトガル長期債格付け)
それでこの4社を選んでいるのは、ECBが適格担保というのを見つけるときに、対象とする格付け機関の格付けだからです。この4社の格付けを見て適格担保かどうかを確認するのがECBのチェックの項目のやり方なんですね。ムーディーズ・フィッチ・S&PはそれぞれダブルBというレンジに入っていてジャンク債です。一方、DBRSという会社だけはトリプルBを付けているので、ここがもし1個下がってしまうとやっぱり投資不適格になっちゃうんですね。そうなると何が起こるかというと、ECBから見てポルトガルの国債は適格ではなくなってしまうので、ポルトガルの資金調達にまた影響が出てしまうということになるんですね。先ほども申しあげたように、ポルトガルも金融システム不安があって、お金を入れるという話が出てきている。でもポルトガルの国債の信任が落ちていくとなってくると、やっぱりポルトガルも問題が大きくなりやすいということです。

--ということで周辺国を中心にまだまだリスクがありそうということで、秋に向けてはそういったヨーロッパの金融機関などのスプレッド、どれだけリスクが上乗せされてしまうのかというのを警戒したほうがいい・・・

そうですね。変なヨーロッパからの不幸な手紙が届きかねないと思って見ていますので、注意していくしかないかなと思っています。






■【中国NOWCAST】
中国経済の“今”をダイジェストで専門家の解説とともにお伝えする「中国ナウキャスト」です。今回の中国ウオッチャーは東洋証券の杉野光男さんです。今回のピックアップトピックスは「杭州G20まもなく開幕」「8月の景況感大きく改善」「盛り上がる“月餅商戦”」の3本です。近年の中国の月餅商戦では、腐敗撲滅キャンペーンの影響で売上高が落ち込んでいたところから、今年は安さやおもしろさ、健康にこだわった消費者目線の月餅の登場で売上高、生産量が増加する見込みということです。


今週のピックアップトピックス
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(1)杭州G20 間もなく開幕
(2)8月景況感 大きく改善
(3)盛り上がる "月餅商戦"


(1)杭州G20 間もなく開幕
あさってから開催されるG20首脳会議、習近平国家主席にとって大きな分岐点になるようです。

《東洋証券/杉野光男氏》
「G20サミットを成功させることで、国内外に強い中国をアピールして、(習近平は)10月に開かれる6中全会をうまくまとめたい考えです。中国の首脳部は必ずしも一枚岩ではありません。ですからもしサミットでいろいろな事態がふんきゅうするとか、中国が批判を浴びるという事態が発生すれば、非常に大きな政治的な失点になる可能性がある。」

来年の共産党大会を前に人事の議論が活発化する6中全会にむけて、G20を必ず成功させたい習近平主席。成功かどうかを分けるポイントは共同声明にあると杉野氏は見ています。

《杉野氏》 「過剰生産性の問題や南シナ海の問題など、こういった政治・経済にまたがるちょっとデリケートな問題を共同声明から外すことに成功するか、もしくは南シナ海とか、あるいは製鉄業界、セメント業界という固有名詞を出さずに、『世界各地に広がりつつある保護貿易や国際紛争等の問題について』というような抽象的な表現にとどめることができれば、少なくともそれで何とか中国のメンツは保てる。」

習近平主席が望む形でG20が成功すれば、中国経済にとっても大きな転換点になると言います。

《杉野氏》 「G20杭州サミットをうまくまとめることができれば、習近平主席としては、景気刺激策を求める声、これは悪く言えば、問題を先送りしようとする勢力を抑え込んで、経済構造改革を断行して、ゾンビ企業の整理統合を一気に進めることになる。当然、景気には悪い影響を与えますけど、ただマーケットはこの英断を評価し先行指標として株価指数が好転する可能性はある。」


(2)8月景況感 大きく改善
国家統計局が発表した8月の製造業PMI(購買担当者景気指数)は50.4でした。7月の49.9から0.5ポイント改善し、好不況の判断の節目となる50を上回りました。杉野氏は、「市場予想を大きく上回りG20に対する政治的な期待も含まれているのではないか」、と見ています。一方、経済メディア財新が発表した8月の製造業PMI(民間)は50.0と7月の50.6から悪化しました。


(3)盛り上がる "月餅商戦"
中国では中秋の名月に月餅と呼ばれるお菓子を親しい人に贈る習慣がある。まずは8月27日の揚子晩報で、『一風変わった月餅、あなたは買いますか?』との見出しで、ネット販売で人気のザリガニ入りの激辛月餅の写真を掲載しているんです。また8月26日武漢晩報で『今年の月餅市場、妥当な価格』ですとか、8月24日北京辰報で『メーカーは健康を売りに』といったように熱気が増す月餅商戦を伝えています。
中国ではかつて高価な月餅を賄賂として利用することが横行、近年の倹約令の余波を受け、月餅市場の売り上げは落ち込んでいました。しかし今年は安い、面白い、健康といったキーワードで、売上高・生産量ともに、去年に比べ10%程度の増加が見込める、と記事は指摘しています。

《杉野氏》 「中国がこれから伸びていくためには第3次産業、サービス産業を伸ばさなければいけない。という流れで見るとやっぱり、今回の消費者の目線でいろいろ工夫を凝らした月餅が売れるようになったのは非常に良い傾向だと思います。」

これはそもそも腐敗撲滅キャンペーンで、月餅会社の売り上げが減ってしまって、企業がどうしても困ったなあということで、消費者に向いて新商品を開発しているということなので、改革の小さな一歩と言えそうですね。





■日経朝特急

① 対ロシア包括エネ協力
政府はロシアに対して、エネルギー分野で包括的な協力策を打ち出す方針だ。極東や東シベリア地域での石油や天然ガスの資源開発を検討するほか、原子力発電所の廃炉技術でも協力する。経産省内ではロシア国営のロスネフチへ出資する案が浮上している。エネルギー分野を中心にロシアとの経済協力を強め、北方領土を巡る交渉を前に進める狙いがある。



② 社債利回りじわり上昇
日銀の総括検証を控え債券市場に変化が出ている。日銀のマイナス金利政策導入以来、下がり続けていた社債利回りが上昇している。今月20~21日の日銀の会合で予定されている総括検証を控え、債券市場で警戒感が広がり、指標となる長期金利が上がっているためだ。きのう発行条件を決めたパナソニックの社債の利率はほぼ半年ぶりの高さに。また、きのうの新発10年物国債の入札では平均落札利回りが半年ぶりの高い水準だった。市場では日銀が超長期債の買い入れを減らすとの思惑から、年限の長い債券の金利が上昇しやすくなっているとの見方が出ている。



③G20成長目標届かず
中国で開かれるG20首脳会議を前にIMFは1日、政策リポートを公表し、2018年までにG20のGDPを2%底上げする目標は「達成できないだろう」と懸念を示した。G20で合意した構造改革などの実行の遅れや、世界貿易の減速が下押ししていると指摘した。




■日刊モーサテジャーナル

① メキシコ大統領との会談「ギャンブルだった」
米紙各紙が1面で取り上げているのは、共和党トランプ大統領候補とメキシコのペニャニエト大統領との会談だ。ニューヨークタイムズは「トランプ候補にとってギャンブルだった」と指摘。辛辣だったメキシコへの姿勢が変わったと捉えられ、保守層の支持を失うかもしれない、と伝えている。記者会見では外交儀礼を重んじ言葉を選びながら話していたトランプ氏。記事は、会談も和やかな雰囲気で行われたという関係者の声を掲載している。ただその後、トランプ候補がアリゾナ州で行った集会では、いつものようにメキシコなどからの不法移民は全員犯罪者だと非難した。記事は、いったいどちらが本当の姿か分からないと半ばあきれた論調だ。
ワシントンポストは「なぜトランプ候補に謝罪要求をしなかったのか」メキシコではペニャニエト大統領に対する批判が強まっている、と報道。トランプ候補をまるでアメリカの代表のように迎えることで、メキシコ人への言いがかりを正当化してしまった、という懸念の声が出ている。




② 米国・消費牽引の8月「今後も心配無用」
8月、ニューヨーク株式相場は最高値更新したが、ウォールストリートジャーナルは、経済のかなめである消費に牽引されての株高であり、今後も心配無用だと報じている。記事によると、8月のS&P500を業種別にみると、最高値を更新したのはアマゾンやスターバックスなどに代表される一般消費財セクターのみ。その一方で7月まで相場を牽引してきた公益など、いわゆるディフェンシブセクターは軟調だった。記事は、今のアメリカ経済は企業の設備投資というよりは、個人消費に支えられていて、株価の動きもこれと一致していると指摘している。



③ 韓国海運最大手の破綻で世界貿易が混乱
韓国の海運最大手・韓進海運が8月末に法定管理をソウル地裁に申請した。ウォールストリートジャーナルは、韓進(ハンジン)といえば、世界的にも大きな開運会社で、世界の貿易関係者が混乱している、と伝えている。記事によると、韓進はアマゾンをはじめ多くの小売業者の海上輸送を担っていて、アジア地域からの輸送量は1日当たりコンテナ約2万5000個分にのぼる。こういたなか、韓進の経営問題が表面化するにつれ、需給が引き締まる閉まると見たほかの海運会社は輸送料値上げを相次いで発表。アメリカの小売業者にとってこの時期は年末商戦を控えた大事な時期なのに、と懸念している。





■ニュース

米8月新車販売に陰り
アメリカの新車販売の勢いに陰りが出ています。8月の新車販売台数は、大手が揃って大幅なマイナスとなり年換算では1,698万台と市場予想を下回りました。GMは1年前に比べ5.2%落ち込み5ヵ月連続で販売が減少しました。フォードも振るわず8.8%の大幅なマイナスでした。FCA・USはジープブランドが好調でプラスを維持しています。日本メーカーも苦戦しトヨタが5%の減少、また、日産は6.5%のマイナスで2013年2月以来の大きな落ち込みとなりました。インセンティブと呼ばれる販売奨励金が業界の平均で7.7%も増えているにも関わらず販売の勢いを維持することが難しくなっています。

《米8月新車販売台数(前年比)》
GM(-5.2%) フォード(-8.8%)
FCAUS(+3.1%)ジープが好調

トヨタ(-5%) ホンダ(-3.8%)
日産(-6.5%)13年2月以来の落ち込み





ISM製造業景気指数50割れ
アメリカの製造業の景況感を表す、8月のISM製造業景気指数は、前の月より低下し、節目の50を6ヵ月ぶりに割り込みました。8月の指数は、前の月から3.2ポイント低下の49.4となり、市場予想を下回りました。新規受注が7.8ポイント下がったほか生産や輸入も大きく落ち込みました。ただ、製造業の下押し要因であるドル高や原油安が一服していることから、今回の落ち込みは一時的との見方も出ています。

《8月ISM製造業景気指数(前月比)》
新規受注(49.1 -7.8)
生産(49.6 -5.8) 輸入(47.0 -5.0)





米新規失業保険申請者↑2,000人
アメリカの先週1週間の新規失業保険申請者数は前の週に比べ2,000人増加しましたが、増加幅は市場予想を下回りました。中長期的な傾向を表す4週移動平均は26万3,000人で、前の週から1,000人減りました。



ユーロ圏製造業PMI改定値 下方修正
イギリスの金融情報会社、マークイットが1日発表したユーロ圏の製造業PMI=購買担当者景気指数の改定値は51.7で、速報値から0.1ポイント下方修正されました。好不況の節目、50を上回ったものの、3ヵ月ぶりの低水準に落ち込みました。マークイットのエコノミストは「今後数ヵ月、景況感がさらに落ち込む可能性がある」と見ています。



ファミマとユニーが経営統合
大手コンビニチェーンのファミリーマートとサークルKサンクスなどを運営するユニーグループホールディングスが経営統合しました。経営統合により、新会社の「ユニー・ファミリーマートホールディングス」がきのう、発足しました。今後3年ほどかけてサークルKとサンクスの店舗を全てファミリーマートに変更します。店舗数はおよそ1万8,000店舗と首位のセブンイレブンに迫りますがコンビニ事業の売上高は2,000億円以上の差があり今後の巻き返しを図ります。



スマホ決済で航空券購入
格安航空会社=LCCのジェットスター・ジャパンが航空券の代金をスマートフォンで決済できる日本初のサービスを始めました。ジェットスターのサイトやアプリで航空券を購入するとき、KDDIの「auかんたん決済」を選ぶと、その代金は、auの月々の電話代と一緒に払うことができます。クレジットカードを持っていない若い客などの利用を見込んでいます。一方、KDDI側は、決済代行サービスの拡大で、通信費以外の売り上げ増加を狙います



8月の国内新車販売2.9%↑
8月の国内新車販売台数は前の年に比べて2.9%増え、33万6,661台となりました。増加は4ヵ月ぶりです。一方、軽自動車の販売は2.0%減って11万3,388台でした。去年4月の軽自動車増税の影響が残り、20ヵ月連続のマイナスとなりました。燃費データを改ざんしていた三菱自動車の軽自動車の販売は従業員の買い支えで27ヵ月ぶりに前の年の実績を上回りました。



MRJ 米での式典を断念
三菱航空機は、開発している国産ジェット旅客機、MRJのアメリカでの試験拠点について、9日に予定していた開所式を中止すると発表しました。飛行試験を行うため、先月、機体を現地に運ぶ予定でしたが、空調監視システムの不具合で2度にわたって飛行途中で引き返し、機体の到着が間に合わないためです。次の出発時期は未定としていますが、開発や納入のスケジュールについては変更しない方針です。



スペースX ロケットが爆発
アメリカ南部フロリダで1日、打ち上げ前のテストを行っていたイーロン・マスク氏が率いる宇宙企業、スペースXの無人ロケットファルコン9が爆発しました。AP通信などによりますと、エンジンを燃焼させるテストを行っていたもようで、爆発は複数回起きた、ということです。原因は明らかになっていません。



「ロシア経済協力大臣」新設
政府はロシア経済分野協力担当大臣を新たに設置し、世耕経済産業大臣に兼務させることを発表しました。特定の国の協力に関する担当大臣の設置は異例です。2日にロシアのウラジオストクで行われる日露首脳会談を前に、経済協力に向けた日本の前向きな姿勢を示すことで、北方領土問題などの進展を図る狙いです。



東京五輪招致「不正なし」
2020年の東京オリンピック・パラリンピックの招致をめぐる不正疑惑でJOC=日本オリンピック委員会の外部調査チームが調査結果を報告しました。この問題では招致委員会がシンガポールの会社に支払った2億円あまりが開催地決定の票の買収につながった疑惑が浮上していますが、調査チームは「金銭の支払いに違法性はなかった」と結論づけました。



サウジの副皇太子が来日
安倍総理大臣は、来日しているサウジアラビアのムハンマド副皇太子と会談し、石油依存からの脱却を目指すサウジアラビアの経済改革を支援する意向を示しました。両国の間で閣僚級による会議を新設し、来月リヤドで初会合を開きます。これに先立ち、ムハンマド副皇太子は天皇陛下と面会しました。宮内庁によりますと、天皇陛下が東日本大震災でのお見舞いに感謝の気持ちを述べられたのに対し、ムハンマド副皇太子は「日本は極めて重要なパートナーだ」と応じたということです。



ユニクロ NYソーホー店を全面改装
海外での最初の旗艦店でもあるニューヨークのソーホー地区にある店舗が開業から10年を迎え、全面改装してあすオープンします。1日、報道陣に公開された店舗は「ANewTokyoinSoho」というコンセプトで、日本で流行するファッションを打ち出した店づくりです。また、岡山産の生地を使ったジーンズやテニスの錦織選手も着用している高機能ウェアなどを並べました。ユニクロのアメリカ事業は現在も赤字ですが、日本らしさを訴えた店舗を今後全米に広げテコ入れを図ります。





■今日の予定

8月マネタリーベース
8月消費動向調査
日ロ首脳会談
米7月貿易収支
米7月雇用統計





■【コメンテーター】BNPパリバ証券/中空麻奈氏

・米経済指標からみる利上げシナリオ

--アメリカの利上げをめぐっては、経済指標に一喜一憂ですね。

「でも自動車販売にしても、製造業の指数にしてもあまり良くないし、それほど悪くないと言っても、失業保険申請件数も上がっているわけですしね。なので明日の雇用時計でまたガラッと変更しちゃうことは十分あり得ますが、決してアメリカの景況感がすごい強いわけではないということは見ておかないといけないと思います。」





・日経朝特急/日銀検証控え思惑、社債利回りじわり上昇

--実際に超長期債の買い入れを減らすということを日銀はするでしょうか。
「思惑としては大きいと思うんですね。マーケットもカーブが立ってほしいと思っていますので、長期を金利を上げて、短期を下げるようなことというのは望ましいと思ているし、マーケットは渇望していると思うんです。ですので、それはやるかもしれない、やって欲しいなという期待感はあります。ただ財政再建を当分はしないとなってくると、そうするとその間は金融緩和をどうしてもしなければならないので、カードが少なくなっている日銀は何をしてくるんだろうということになりますが、マイナス金利の深掘りはないと言われているけど、やっぱりそこはあるかなと思ったり、あとは私としては一番やって欲しくないのは、例えば、社債購入プログラムを日本でもやります、とか。社債マーケットは小さいので、あまりそういうことはやって欲しくないなと・・・私の仕事がなくなりますし、と思ったりしているところでございます。」





・日刊モーサテジャーナル/米消費牽引の8月「今後も心配無用」

--個人消費に支えられているアメリカというのは、良いわけですよね。

「いいわけですね。個人消費がいいということは、まあいいですねというう話になるんですが、でも製造業が弱いということは気にしなくてはいけなくて、製造業が弱いのに個人消費だけがいいということは、本当に長続きするのか、それがしっかりしてこなければ、やっぱり雇用にも影響しますし、アメリカの構造が変わっているということを認識して、構造改革に手をつけなければいけないかなと、そういうことだと私は聞きました。潜在成長率が十分に低いということをアメリカについては認識すべきだと思います。」





・今日の経済視点 「欧州委員会の二枚舌」

「先ほども説明をしましたが、イタリアは不良債権の問題が大きいんですね。なので公的資金を入れなかったという話があります。一方で、ポルトガルの金融機関にはサクッと公的資金が入っている。欧州委員会が言っていたのは、もともと決まった欧州のルールに対して、それを守るためには公的資金を入れられないという話だったんですが、ポルトガルはどうして?、ということになっていまして、じゃあこれ二枚舌をどう解釈するか、によっては欧州金融システム不安になるのか、それとも、やっぱり安定ですよね、と見ていいのか、違ってくると思っています。なのでどっちなのか、その真意を見極めたいなと思っています。」

--それに対する説明とか弁明もないんですか。

「ええ、無いですね。なのでどういうふうに読んでいいのか、例えば、市場原理だとか、いろんな言い訳はあるんですけど、明確なものが分からないので、将来に禍根を残さないためにも見ていきたいと思っています。」