■ニュース特集
米8月雇用統計 市場予想を下回ったが…
アメリカの中央銀行にあたるFRB=連邦準備制度理事会が決める政策金利の利上げに大きく影響する8月の雇用統計が発表されました。今回の雇用統計は市場予想を下回ったものの、極端に悪いわけではなく、利上げの先行きが見通しにくくなったと言えそうです。今回の雇用者の増加幅は前月比15万1,000人と市場予想の18万人を下回りましたが、10万人は割り込まず、市場関係者にとっては想定の範囲内でした。FRBは米経済が回復基調にあり、早期の追加利上げに前向きであることはあきらかで、まだ早期利上げの可能性がなくなったわけではありません。注目の金融政策の判断が示されるのは9月21日の予定です。
【中継:アメリカの8月雇用統計、市場予想を下回ったが】
今、世界が注目しているのがアメリカの経済が好調かどうか、利上げをするかどうか。その重要な判断材料となるのが雇用統計。雇用者数が大幅に増え利上げをした場合は円安ドル高となり、輸出に頼る日本にとってはプラス面が大きくなる。しかし発表された8月の雇用統計は市場の予想を下回った。
【どうなる!?アメリカの利上げ、どうなる!?世界の景気】
アメリカの8月の雇用統計が発表された。平井記者の報告です。
《中継:ニューヨーク支局/平井裕子記者》
早期利上げがあるのではと予想されていたが、判断が難しくなった。市場予想は下回ったものの、極端に悪い数字でもなかっただけに、先行きが見通しにくくなったと言えそうだ。今回の雇用者数(非農業部門)は前月から15万1000人の増加と市場予想の18万人を下回りはしたが、10万人を割り込むような衝撃的な数字でもなく市場関係者にとっては想定の範囲内だった。実際6月からの3ヵ月の平均で見ると、23万3000人と雇用拡大の目安とされる20万人を上回っているからです。さてこの雇用統計を受けて為替が大きく動いています。発表直後は利上げが遠のいたとして、ドルに対し1円近く円高に進みましたが、その後また戻しています。現在は103円台後半での取引です。
--早期利上げの可能性はなくなったわけではないんですね。
そうなんです。なぜなら、FRBはアメリカの労働市場は回復基調にあると自信を深めていて、早期の追加利上げに明らかに前向きだからです。実はこの1~2週間程FRBは、9月に利上げするかどうかは今回の雇用統計の結果次第というシグナルを立て続けに発信して、9月の利上げに向けて動き出していた。今回は微妙な結果だっただけに、もしこのまま9月の利上げに踏み切るのなら、今後FRBは市場に対して力強いメッセージを送る必要がある。金利先物取引の動向から利上げの確率を予測するCMEフェドウォッチを見ると、9月の利上げの確率は発表前には24%だったのが12%にまで下落している。注目の金融政策の判断が示されるのは9月21日の予定(FOMC)である。
冷凍食品“温め用”の新家電
シャープは10月、市場が拡大している冷凍食品や総菜を温めることに特化したオーブン「ヘルシオグリエ」を発売します。これまでは生の食材を焼いたり蒸したり、一から調理することを前提にしてきましたが、機能を絞ったことで、従来10万円台だった価格を約4万円に抑えました。セブン―イレブンが力を入れているのが「冷凍食品」です。働く女性や少人数世帯の増加から、温めるだけで食事がとれる冷凍食品は、今後夕食市場で需要が見込めるとして、今月からPB商品のリニューアルを始めました。従来より100円高い、200~300円ですが、品質を上げた事で勝算はあるとしています。経営統合により業界2位となったファミリーマートは夕食向けの総菜に力を入れています。鮮度を保てる透明な容器を新しく導入し、シニアも好む商品も充実しています。ファミリーマートでは総菜のラインナップを今年度中に約2倍まで増やす計画です。
【冷凍食品が“サックサク”に!?最新“オーブン”の実力とは】
忙しい時に調理の手間が省ける事から年々市場が拡大している冷凍食品や総菜。そこでそれらを温める事に特化した新しいジャンルの家電が登場した。シャープが今日発表したオーブン「ヘルシオグリエ」。200℃前後の水蒸気で食品を焼くように温める為サクサクに仕上がる。さらに水蒸気が余分な油を落とす効果もあるという。水蒸気で調理する「ヘルシオ」はシャープが2004年に開発。これまでは生の食材を一から調理する事を前提にしてきたが、今回は冷凍食品や総菜といった調理済みの食品を温める機能に特化。価格を約4万円に抑えた。背景にあるのは女性の社会進出や若者やシニアなど単身世帯の増加で冷凍食品の国内消費が約22%伸びていること(日本冷凍食品協会調べ)。
【コンビニが冷凍食品・総菜強化】
コンビニエンスストアで売っている冷凍冷蔵食品、総菜を試食(紅鮭の塩焼き、ピラフハンバーグ、洋風さぬきうどん、彩り玉子焼き、みぞれから揚げ)。今までコンビニは弁当などのランチの需要が中心だったが、今は冷凍食品や総菜が充実してきている。その背景には新しい顧客層を開拓しようという各社の狙いがある。
【夕食市場開拓へ“セブン”冷凍食品を刷新】
セブンイレブンは冷凍食品に力を入れていて、今月からプライベートブランド商品のリニューアルを始めた。働く女性やシニアを中心とする少人数世帯の増加から温めるだけで食事が摂れる冷凍食品は今後、夕食市場などで需要が見込めるとして力を入れている。「肉のうま味を薄衣で閉じ込めた和風鶏から揚げ」を紹介。リニューアルした冷凍食品の中心価格帯は従来より100円高い200~300円だが、品質を上げた事で勝算はあると見ている。
【“容器革新”のファミマ・コンビニ総菜を夕食に】
ファミリーマートは昨日、ユニーグループホールディングスと経営統合し業界2位へと躍り出た。新たなスタートを切ったファミリーマートが力を入れるのは夕食向けの総菜。スーパーが得意とする総菜の分野で差別化を図る為より鮮度を保つことができる透明な容器を導入し、シニアも好む商品を充実させた。また三角の袋に入った総菜は男性単身者向きで、レンジで温め包みを開ければ器なしでそのまま食べられる。ファミリーマートではこれまで20種類程だった総菜のラインナップを今年度中に約2倍にまで増やす考え。
民進党代表選“三つどもえ”の戦い
民進党としてのはじめての代表選挙がきょう告示を迎えました。代表選挙には蓮舫代表代行、前原元外務大臣に加え、玉木国会対策副委員長が立候補を届け出ました。高い知名度を元に有利に戦う蓮舫氏と、民主党時代に代表を務めた前原氏が有力候補と見られている中、元財務官僚で当選3回の若手である玉木氏が戦いを挑みます。
■ニュース
日露首脳会談 成果は?
ロシア極東のウラジオストクを訪問中の安倍総理は2日、プーチン大統領との首脳会談に臨みました。「手応えを感じることができた会談だった」と安倍首相は胸を張ったが、プーチン大統領の訪日は決まったものの北方領土問題については目に見える成果はなかった。会談では、次回の会談を今年11月にAPEC=アジア太平洋経済協力会議が行われるペルーで行い、12月15日に安倍総理の地元、山口県長門市にプーチン大統領を招き、再び首脳会談を行うことなどで合意しました。肝心の北方領土問題については、両首脳だけでおよそ1時間議論をしましたが、その詳細は明らかにされていません。安倍総理は、領土問題の進展に向けて、プーチン大統領が強い関心を示す、日本とロシアの経済協力に関連して、自らの最側近である世耕経産大臣を新設の担当大臣に任命したほか、首脳会談に続く夕食会に三井物産や丸紅の会長を同席させるなど、経済協力に本腰を入れる姿勢をロシア側に示しました。ただ、日本側が経済協力のカードを切ってもロシア側から領土問題への前向きな姿勢は見られなかったもようで、同行筋からも12月での首脳会談について、「そこで成果が出る出ないというものではない」と消極的な見方が出ています。
森会長が小池都知事に“懸念”
2020年の東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森会長は、東京都の小池知事に対し、築地市場の移転延期に懸念を示しました。築地市場の跡地は競技会場が集中する臨海部と都心を結ぶ道路の整備が予定されていますが、移転の延期で計画の遅れが指摘されていて、森会長は代替案を含めた計画を早めに示すよう求めました。一方、小池知事は、会場整備費などについて「もっとコストを下げられないか調査するので協力をお願いしたい」と話しました。
燃費不正問題で 三菱自に立ち入り検査 3回目
三菱自動車の燃費不正問題で不正な方法で車の燃費を再測定していたとして、国土交通省は、道路運送車両法に基づき、本社などを立ち入り検査しました。問題が発覚して以降、立ち入り検査は3回目です。国交省によりますと、販売中の9車種の燃費データを再測定する際、都合の良いデータを使って計算していたということです。
自動運転の日産「セレナ」出荷停止
日産自動車が先週24日に発売した新型「セレナ」の販売を停止していることが分かりました。アイドリングストップ機能に不具合がある可能性が浮上し、車が進まなくなる恐れがあるということです。発売3日後から販売店への出荷を停止し、きのうから顧客への納車を止めています。日産は問題点を解消し、今月中旬から下旬にかけて販売の再開を目指します。
ロボットが空港でおもてなし
羽田空港では、きょうから日立製作所が開発した人型ロボット「エミュー3」による接客の実証実験が始まりました。「エミュー3」は外国語にも対応していて道案内を行います。様々な音であふれる空港で、案内できるかを検証し、2020年の東京オリンピック・パラリンピックでの外国人観光客への「おもてなし」を目指します。
台風10号 犠牲者16人に
台風10号の被害にあった北海道の大樹町と新得町できょう、新たに男性2人の遺体が見つかりました。また、岩手県岩泉町でも2人の遺体が見つかり、犠牲者は16人となりました。岩手県の岩泉町と久慈市では道路の寸断によっておよそ1,100人が依然、孤立しています。
米 ユニクロ “新型店舗”に狙い
カジュアル衣料の「ユニクロ」が、海外で最初に開業した旗艦店「ソーホーニューヨーク店」が、開業から10年を迎え、全面的にリニューアルしました。改装で店舗の売り場面積を約2,600平方メートルに拡大。最大の特徴は、東京で流行するスタイルを全面に打ち出した店づくり。「TOKYOMEN」と書かれた売り場でマネキンに着せているは、東京で流行しているというファッションです。商品をすぐ隣に並べて組み合わせを提案しています。さらに、「トウキョウ・スタンド」と名付けたコーナーでは、日本の雑誌を販売しています。店舗改革の背景には、アメリカ事業における「反省」があります。実は、ユニクロは、2006年にアメリカに進出して以来、北米事業は一度も黒字になっていません。今年になっても5店舗を閉鎖しています。ニューヨークでも評価の高い「東京ブランド」をキーワードに、赤字体質からの脱却を目指す。
“忍者展”外国人にも大人気
日本科学未来館で7月から開催されている企画展「ザ・ニンジャ」の来場者数が10万人を超え、外国人観光客からも人気を集めています。忍者をテーマにしたこの企画展では「手裏剣打ち」や「忍び足」など忍者修行を体験できます。さらに忍者の知恵や技術を現代科学で分析。これは「九字の印」という精神統一に使う所作で、これを行ったときの脳波への影響を調べると、集中とリラックス状態が高まるといいます。また、忍者の携帯食も食品科学の視点から栄養素やカロリーなどを分析しています。
■【THE行列】 無重力かき氷
大阪堺市の茶寮つぼ市製茶本舗。長い日には2時間待ちの行列ができます。人気商品はかき氷です。人気の秘密はその高さで、20センチもあります。特徴はふわふわの食感です。その秘密は、刃物の町堺市が誇る技術です。かき氷の刃を地元の刃物店が特別に作ってくれました。またシロップにもこだわりが。お茶店として、茶葉にこだわり、通常の数倍の量を使っています。そのレシピは社内でも数人しか知りません。お店を開いたのは、先代からの思いがあります。戦争で一度創業の地である堺市を離れなくてはならず、堺市に戻ることは悲願でした。
取材先・茶寮つぼ市製茶本舗
■【トレたま】ヴァーチャル墓参り
専用アプリをダウンロードして墓の位置情報をスマートフォンに記録する。スマートフォンを墓に向けると、亡くなった方がヴァーチャルで浮かび上がり、メッセージを聞くことが出来る。映像とメッセージはあらかじめ亡くなる前にスタジオで収録しておく。
【商品名】スポットメッセージ
【商品の特徴】ヴァーチャル墓参り
【企業名】良心石材
【住所】千葉県香取市仁良503
【価格】未定
【発売日】今月末からサービス開始予定
【トレたまキャスター】片渕茜
■【コメンテーター】伊藤元重氏(学習院大学教授)
・なぜ“アメリカの景気”に世界が期待する!?
--米8月の雇用統計、イエレンさんが利上げの判断をするにはなかなか悩ましい結果となりましたね。伊藤先生は9が利上げあると思いますか。
「言うとたぶん外しそうなんで・・・。ただ確かに数字から見ると、少し前よりは(利上げの)可能性は少なくなったというのが市場の見方かもしれないが、やっぱり基本的にはアメリカの経済は強くなっているという実感を持っている人は多いと思うんです。雇用の数字はそうは言っても多少ブレがありますから、だからこれからの数字というのは思ったほど悪くならなくならなくて良かったなという意味では、9月にやるかどうかはなかなか難しいんですけど、年内にはやっぱりかなりの確率で金利を上げていくだろうと思うんですね。大事なことは、今、世界経済を見た時に順調に回復していく可能性を持っているのはアメリカだけなんですよね。しかもアメリカが回復すれば、世界に非常に大きな影響がある。先進国が非常に落ち込んでいる理由が3つある。1つは高齢化、ただアメリカはそうはいっても移民とかで若い人が多いですから、先進国の中ではそういう意味では一番軽微ですね。2つ目は、リーマンショックのあと、ヨーロッパはギリシャ危機とかいろんな問題が起きているし、日本も非常に影響が大きかったんですけど、比較的アメリカがその中で一番早く回復する期待が出てきているわけで、そういう意味ではその影響が弱い。それから最後に一番重要なのは、こういう景気低迷を打破するには技術革新がどうしても必要なんですけど、その担い手として期待される第四次産業革命(人工知能、IoT)はアメリカが引っ張っている。そういう意味で見ると、もちろんいつ金利を上げるかという微妙なタイミングというのは、市場関係者は非常に関心があるんですけど、半年経ってみたらアメリカの景気が回復して金利を上げたね、というふうになっているんだと思う。そんな大雑把な言い方だと市場関係者に叱られるんだけど・・・」
--いま先進国は長期停滞論とも言われますけど、なかなか経済が上回ってこない。そこを打開する要素を持っているのが、アメリカであると・・・。
「私はアメリカの第四次産業革命に期待をしている。いろんな金融・教育・モノづくりなど誰でも影響を受けていますから、そういう意味ではそういうことが本当に広がってくると、これはアメリカの景気回復だけではなくて、日本とか他の先進国にも同じような流れが来る。そういう意味では今年から年末にかけての政策も含めて、アメリカの経済の動きについて注目していく必要がある。」
・冷凍食品がサックサク!?コンビニで進む“食の工業化”
--コンビニ各社、力を入れる部分が変わってきていますね。
「そうですね。まぁニーズがあるんですね。これを見ていて思うんですけど、食品の工業化ですよね。この前も、冷凍ではないんですけど、コメのすぐに食べられるやつ、白いご飯をいろんな技術でおいしく食べられるようになっている。そしてこの冷凍がすごく可能性があるのは、保存料をあまり入れなくていいし、フレッシュな味がでる。唯一のネックが物流コストが非常にかかるんです。そういう意味では、いまコンビニはどんどん広がっているから、ある意味で街のどこに行っても冷蔵庫があるということで、そういう意味では非常に親和性がありますよね。」
--ただコンビニだけが進化してもダメなんですよね
「だからそういう意味ではほかのものがレベルが上がっていくから、コンビニへ行っておいしいものが食べられるということは、それだけメーカーが努力しているということですよね。」
・アメリカ雇用統計発表
--日本時間の今夜9時半に発表されましたアメリカ雇用統計の結果を受けまして、発表直後は一時、為替は1ドル102円台後半まで円高が進んだんですが、その後一転、円安方向に動いていまして、現在は1ドル104円台に突入をしています。これはやはり早期の追加利上げはなくないぞ、という見方も広がってきているということなんでしょうね。
「(利上げについて)どうもやっぱり潮目が変わったと見ている人が多いんじゃないですかね。来週の為替が気になるところですね。」
・“日露”は“安倍外交”最大の注目点
--日本とロシアも大きく動いていますね。
「そうですね。今後しばらく、安倍外交で日ロが1番大きな注目点だという人が多いですよね。やっぱりロシア側から見ても日本と色んなことをやりたいという思惑が非常に強いですね。石油が下がっているし、ヨーロッパとも問題が大きいしですね。それから日本から見ても、そうはいってもプーチン大統領は非常に強い権力を持っていますから、ある意味で非常に交渉しやすいですね。よく言うんですけど、毎年交渉すると相手が変わると、そういう言う意味ではこういうのはトップのお互いの関係だと思うので、そういう意味では長期政権のうちにいかに決着つけるか。ただ北方領土はなかなかハードルが高いんですけども、少しでも進んでもらいたいと思いますね。」
--まずはどこから手を付けるか。
「おそらくエネルギーだと思いますね。日本にとっても非常に大事だしロシアにとっても大事だ。」