「ファーストラヴ」島本 理生
初読みの作家さん。
女子アナを志す美人大学生はなぜ父親を刺し殺したのか、という話。
私には納得行かない判決で、
迦葉、もうちょっと頑張れよ!と思ったが
とても引き込まれた作品だった。
人が成長していく上で
親や周りの大人との関係は様々な価値観を決定づける。
虐待は人の心を打ちのめすものだと苦しかった。
環奈の母親の昭菜の事情も苦しいが、
母としての愛を娘に惜しみなくあげて欲しかった
この母親を救う人が
彼女の夫でなかったことが
さらなる悲劇の始まりという感じがした。
また本筋の女子大生による父親殺しと
並行して描かれる
臨床心理士の由紀と弁護士の義弟迦葉、
夫の我聞との関係が、
母娘の関係が
非常に興味深かった。
特に我聞と息子の正親の王子っぷりは
苦しい話の中のオアシスのようだった。
これがないと苦しすぎる。
ファーストラブというタイトルの意味は・・・
私なりには、
最初に受ける愛という風に考えた。
生まれて初めて受ける愛は
無償の愛・・であってほしい。
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島本 理生 | |
文藝春秋 |