星月夜に逢えたら

[hoshizukiyo ni aetara] 古都散策や仏像、文楽、DEAN FUJIOKAさんのことなどを・・・。 

劇団EXILE「影武者独眼竜」大阪公演 観劇メモ

2012-10-08 | 観劇メモ(演劇・ダンス系)
公演名  影武者独眼竜
劇場   オリックス劇場
観劇日  2012年10月6日(土)12:00開演 17:00開演
座席   昼11列 夜2列

<キャスト・スタッフ>
おもな配役
MAKIDAI(伊達政宗)    片倉小十郎(片岡愛之助)
KEIJI(トウキチロー/豊臣秀吉)
福田沙紀(愛姫)     山崎銀之丞(伊達成実) 
平沼紀久(後藤信康)   秋山章太郎(竺丸)   
有森也実(保春院/喜多) 武田義晴(伊達輝宗/徳川家康)

作:横内謙介
演出:岡村俊一




楽しかったー! 面白かったー!
帰宅途中の頭ン中、Rising Sunがぐるぐる鳴りっぱなし。
スピーディーな展開でアッという間の2時間だった。
初めて観るEXILEのストレートなカッコよさと、愛之助さんの
歌舞伎風味の存在感と、つかさんテイストの決め台詞・・・。
それに阿弖流為へのリスペクトの要素もあり、思いのほか
のめり込んで観てしまった。

以下、かなりネタバレあり。
文章がまとまらないまま、思いついた順に列記してみる。





<開演前後>
いちおうオリックス劇場になってからは今回が初観劇。
入り口手前のロビーにはたくさんの花が飾られていた。
昼の部開演15分前に着くとグッズ売り場がナント長蛇の列!
もっと早く到着すればよかった。ようやく終演後にパンフレッ
ト購入。と同時に、会場限定予約のポストカード付きDVDも
さっそく申し込んでしまった。即決♪

<傷ついた目>
伊達政宗役のMAKIDAIさんのは長身でお顔が小さくカッコいい。
役どころとしては、情け容赦のない「鬼」としてのオモテ面
と、幼い頃から母親に疎まれたことによるマザコンなウラ面
の表裏一体を演じている。
舞台上、政宗の後ろにたびたび登場する大きな「傷ついた目」
は傷ついた心を描写するアイコンとして凄く効果的。
小十郎との信頼関係、母親への怒り・憎しみはよく伝わるが、
「鬼」としての恐さはあまりない。それは脚本上、政宗の苦
悩のほうを強調したからではないかと思った。
リアルなスターであるMAKIDAIさんは、鬼よりも「竜」になっ
てからの笑顔のほうが似合う人だと思った。
愛姫とじゃれている場面などはなかなか面白い。

<政宗の右目>
愛之助さん演じる片倉小十郎はほとんど笑わない。
今回はめちゃめちゃシブいんである。
他の登場人物が浮かれたり、笑っている場面でも一人だけ
冷酷な表情だったりするのをコッソリ見るのが楽しかった♪
また、ずっしりとした存在感があり台詞にも重みがある。
そんな様子を見ていて「鬼」とは実は小十郎のことなのだと
思った。政宗を「鬼」に見せるために、自ら「鬼」であるこ
とを貫く。
タイトルにある「影武者」とは身代わりの意味ではなく、
「影の伊達政宗」または「影で政宗を操る人」みたいな意味
だと受け取った。
政宗様の影になる=闇の仕事を引き受ける。
政宗様の右目になる=一心同体となる。
気になる台詞がいろいろあった気がする。
それにしても貫禄あるあの衣装。着ぶくれ? ・・・ウヒ♪
元神主なのでお祈りしている姿も見られる。

<政宗のかけがえのない部下>
トウキチロー役のKEIJIさん。
幼い頃に戦で両親を亡くし生きるために唖者と偽り、政宗
が組織する忍者集団「黒脛巾組」の一員となる。
政宗に拾われたことに恩義を感じ、政宗のためにあらゆる
工作活動を引き受ける。また心の支えとして政宗にも影響
を与えたと思われるフシがある。
観劇前は全く知らなかったKEIJIさんだが、台詞がよく通り、
劇中で一番泣かされたのがトウキチローの場面だった。
愛姫に生い立ちを語る場面と、もう一つのあの場面。(あ
えて伏す)
そして、竜になれ!と旅立つ場面・・・。
声の抑揚、表情の細やかな変化など、とても魅力ある人。
また、ダンスの動きがきれいで、それが殺陣の美しさや忍び
としての機敏さにつながり見ていて気持ちよかった。

伊達成実役の山崎銀之丞さん、後藤信康役の平沼紀久さん、
鬼庭良直役の杉山圭一さん、屋代勘解由役の犬飼淳治さん。
いずれも個性的な面々による熱い部下たちだ。
夜の部で平沼さんの台詞がちょっと不思議だと思っていたら、
それがKEIJIさんに関する事だったとカテコの挨拶でわかった。
秘密を自己暴露しちゃったKEIJIさんでした。
山崎銀之丞さんについては追記あり。

<政宗の憎しみと愛>
有森也実さんの二役の演じ分けがみどころ。
まず一人は、疱瘡ゆえに片目を病んだ我が子を嫌い、疎んじ
続ける母親「保春院」。
もう一人は、母親に見放された政宗を甘えさせ、包み、支え
る「喜多」。
全く真逆の役なのによく気持ちの切り替えができるものだと
思う(笑)。一瞬、同時に舞台にいる時があるが、その時の
保春院は別の俳優さんのようだ。

政宗との愛担当は、福田沙紀さん演じる愛姫(えごひめ)。
武家の娘らしく芯の強い男勝りな面と、可愛らしい面を見
せ、ほっとして見ていられる場面が多かった。
政宗とジャラジャラしている時はほんとに微笑ましい。
一見着物に見えるドレスが素敵。足下からのぞく白いハイ
ヒールにもドキッ。 カーテンコールではダンスを踊るため
さらにドレスの裾が短くなる。

<つかさんテイスト>
伊達成実役の山崎銀之丞さん。
伊達輝宗・徳川家康役の武田義晴さん。
つか作品に数多く出演している役者さんが脇を固めている。
他にも北区つかこうへい劇団出身の役者さんが多数出演し
ていて、随所で気合いタップリ舞台を盛り上げている。
銀之承さんや武田義晴さんは、普通にしゃべると何でもな
い台詞がなんであんなにカッコイイのか。

愛之助さんとは前田慶次からの共演者、山崎銀之承さん。
ムカデの前立てで、今回はお笑い担当?(笑)
愛姫を迎えに階段をあがるときのヤラシイ歩き方が可笑し
くて笑いをとっていた。
一方、大事な場面の台詞がスバラシイ。
「竜でござる。独眼竜正宗さまじゃ!」。
伊達成実の台詞が決まる。その口調は美しく響き、まるで
耳で聞く歌舞伎の見得のよう。

<日替わり・ステージ替わり>
黒脛巾組の忍者たちが政宗に扮してイメージアップの善行
を行う。あとでそれを知った政宗が彼らに自分の真似をさ
せる場面がステージごとに違うようだ。
私が見た昼はチューチュートレイン。夜は書かずにおく。
後半の場面はMAKIDAIさん出演番組ネタで固定。

愛一郎くんは私が見た限りでは3役を確認。
そのうち2役は台詞もあって見せ場のある役。
秀吉からの使者に扮して登場する場面が昼夜で違っていた。
ここではあえて書かないけれどコレはウケる!

<鬼剣舞>
戦いに勝利した正宗たちが酒を酌み交わし、鬼剣舞を踊る
場面にはゾクゾクした。
北上に伝わる踊りで、英雄アテルイへの鎮魂の踊りである、
と劇中で伊達成実が愛姫に説明していたが、この場面で実
際に披露されるダンスは、EXILE流の勇壮な剣舞。
これがまためちゃめちゃカッコイイイイーーー!
「私いまEXILEをナマで見てるぅ~~、ほんまもんや~」っ
て急に気づいて興奮しちゃいました。
ちなみに、このダンスの直後に自分の身の上を語り始める
KEIJIさんは全く息切れしていない。EXILE、おそるべし。

鬼剣舞、と聞いて宮沢賢治の詩「原体剣舞連」を思い出し、
この瞬間、アテルイ ー 伊達政宗 ー 宮沢賢治が私の中でつ
ながったことに感動♪
同じく原体剣舞連の中に出てくる「弦月」という言葉にも
耳が反応した。

<奥州に生まれし者>
愛之助さん演じる片倉小十郎の台詞の中で一番泣けてしまっ
たのがこれ。
子供の政宗(梵天丸)を鬼にすると決めた経緯を語る場面で
この台詞をいいながら膝をつき地面を叩く。そして、目的の
ために素性を偽っていたと詫び、ご無礼しましたと政宗に平
伏する。小十郎の目的とは民の救済なのだった。

独眼竜正宗の名前は知っていても、伊達政宗のストーリーは
全く知らなかった私。今回の舞台で私が喰いつくことができ
たのは話の中にアテルイが出てきたことが大きい。
蝦夷に生まれ、故郷のために死んでいったアテルイの志と同
じ覚悟が、あの「奥州に生まれし者は奥州で生きてゆかねば
ならぬのです」に込められていてジーンとなる。
だから、奥州の民たちのために、鬼を育てたと。

<カーテンコール>
一度幕が下りてから Rising Sunが聴こえてくると客席は
自然と手拍子になる。
再び幕があがると出演者全員でのダンスが壮観。
子役さんたちがウマイ! おもなキャストは途中から登場。
なので愛之助さんは後半からダンスに参加。着物を着てい
て踊りにくいのにとっても素敵に見えました♪
Rising Sunの手拍子が続くなか、二度、三度と幕があく。
愛之助さんのひとこと挨拶は昼の部ではありがとうござい
ました、ぐらいだったと思うが、夜の部では「歌舞伎も見
にきてね」とかわいらしく言っていた♪ ほんとにそうなる
とイイな。

<見慣れない風景>
客席風景より。
夜の部の2回目のカーテンコールだったか、舞台に近づいて
プレゼントやお花を渡す人たちが次々と現れ、ふつうの観劇
では絶対に見られない風景にビックリ!


昼と夜の部の合間にファン仲間のpuspitasariさんと北堀江の
カフェでたっぷりおしゃべり。こちらも楽しかったー!
愛之助さんの永楽館の文庫本カバーももらっちゃった。
どうもありがとうごさいました。



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8 コメント

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読み応えたっぷり(*^^)v (puspitasari)
2012-10-08 17:56:47
さすがムンパリさん♡♡♡
なるほどなるほどそうそうそうふんふんふん♪と
感心したり反芻したり。
私の稚拙な感想とは比べものになりませんなあ(笑)
勉強になります。

昼夜の合間の長いランチ(^^)、
夜の部は偶然にもお隣で観劇できたこと、
その他いろいろありがとうございましたm(__)m

次は永楽館で待っています(^^)/
片倉小十郎かっこよさそう~ (とみた)
2012-10-09 12:23:17
ムンパリさん、こんにちは。
片倉小十郎は大河の独眼竜政宗で西郷輝彦がやったとき、すごく良い役でした。この舞台はすごく見たくて、申し込みの開始がいつ始まるのかと気にしてたわりには、申し込んだときに締め切りを過ぎていたので、これは神の思し召しということで、見ないことに決めました。DVDが出るのならば是非買いたいです。

永楽館は今年はお休みして、奥州に行く予定です。
puspitasariさま♪ (ムンパリ)
2012-10-09 13:34:21
はーい、楽しかったですね!
いろいろとありがとうございました。
夜の部はうひひひ♪
愛一郎くんにはメチャウケしてしまいましたね。
愛之助さんはこんなタイプの役は初めてですよね。
そういえば、誰のギャグだったか、シブイ顔している時に
1回素笑いしてましたヨ。

今回の感想は1回しか書かないのでいちおう
感じたことはもれなく書いたつもりです。
つぎは永楽館ですね♪ 
またまた昼夜です。よろしゅうおたのもうします!
とみたさま♪ (ムンパリ)
2012-10-09 13:34:50
大河の片倉小十郎もやっぱりいい役だったんですね。
あらら、行かれないんですか?
歌舞伎ではないので2回見るのはどうかと思いつつ、
2回見てしまった私としてはオススメですが。
ダブル主役ですが出番は多いですよ~。
ちなみにDVDは来年4月だそうです。

> 永楽館は今年はお休みして、奥州に行く予定です。
奥州・・・橋之助さんたちの巡業でしょうか?
楽しんできてくださいねっ!
またも全力疾走→→ (くまたか)
2012-10-12 23:26:07
読みたい読みたい見たら来ますううううう
くまたかさま♪ (ムンパリ)
2012-10-13 01:38:21
おおっ、駆け抜けましたか(笑)。
舞台を見終わったらゆっくりいらしてくださいまし。
やっと… (まもま)
2012-10-23 18:52:14
待ちに待った「影武者独眼竜」、こちらでもやっと見られました!

素晴らしいレポートですねぇ。
只々「愛ちゃん、カッコ良かった~(T_T)」を繰り返している私と同じ舞台を観たとは思われません…(^^;;
まもまさま♪(ネタバレあり) (ムンパリ)
2012-10-24 00:51:42
いらっしゃいまし。楽しかったでしょ~!!
東京までずいぶん待たされましたね~。
その分パワーアップした舞台が見られたと思います。
愛ダンスがさらに素敵になったのかどうかは4月のDVDで確認っ(笑)。

大阪で見たおじゃる:
1)ウサギ(長耳ピクピク。ぴょんと言ってた気がする)
2)宣教師(ザビエル風)のようなカッパのようなナゾのキャラ

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