わ、わ、わっるう!すべてを知り尽くしてる。すべてが意のまま。まるで全知全能の・・・悪魔か、真海!
4話の真海はほとんど闇夜に生きるヴァンパイアだった。毎夜、青白い月光の下で目を光らせ、餌食となった人物から生き血を吸う。(本当のヴァンパイアと違うのは、自分では手を汚さないこと。)
抑揚をつけないテンションの低い声、メラメラでもギラギラでもなく、哀しみだけを湛えて遠くを見る目。一対で完璧な形をなす髭と唇、その引き締まった口角はほぼ上に動くことはない。そんな異様で不気味で美しい生き物。昼間にサングラスを着用するのは太陽の光を嫌うヴァンパイアだから。外すとやたら眩しそうにする。
そうなんや、私たちが愛してやまないディーンさんのパーフェクトな口角スマイルを今回は見事に封印してる。復讐の決意を秘めた哀しく切ない口角なんよー。そう思い始めるとそこだけ見ても泣けてくる。だからせめて演技以外の時間は楽しく笑っていられますように。
あ、ドラマの話。真海が狙いさだめた人物は、ちょこっと情報を与えてやるだけで面白いほど真海の思いどおりに動くことがわかる。投資家だから情報も早いし、さらに情報操作にも長けている。その点、簡単にネットの情報を信じてしまう現代人の弱点をついてる。
国有地取引をめぐる神楽エステートのライバル会社も仮想通貨のベルコインも全部、真海のコントロール下にあったようだけど。愛梨は南条のマネージャーをしながら愛梨ちゃんの世話をしたりし、盗聴したり、ベルコインの管理もしたりして、ちょっとオーバーワークじゃないですか。でも、それを辛い仕事と思わないのは真海への愛と、もう一つは父親の死に南条が深く関わっているからなんだね。(原作にもある。)
***4話のすみれと暖***
愛梨といえば、すみれちゃんと深海への嫉妬もありそう。あまり近づくと噂になりますよの忠告は、これ以上近づかないで!の女心も入ってたね。
すみれと真海、つかず離れず、進展しそうで様子見で。車で待つ間も冷徹な顔をしながら、すみれのことだけは気になってしかたないという感じ。星が好き!という情報を明日花ちゃんにインプットしたのは間接的にすみれに伝わると思ったからだよね。娘から聞いてまた星空を見つめるすみれ。もうわかったよね!今は南条家の壁ギャラリーだけが二人一緒にいられる場所。絵の世界ではあるけど。キュウウン。
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ただ、3話まで原作に忠実だったけど、もちろん4話もキホンめちゃ忠実なんだけど、ドラマ版は一歩踏み込んだね。留美と安堂が関係を持つとこ。その筋書きを鬼畜!とか、近親相姦とか、センセーショナルな言葉がSNSで飛び交う今回。
安堂は原作ではベネデットだけど、安堂完治はどう見ても別名のアンドレア・カヴァルカンティ からとってることがわかる。ま、育ちが良くないわけですが。
シナリオといえば・・・土屋は秘書なんだけど、シナリオ全体が読めなくて場当たり的な情報しか与えられていないのが気の毒。それは愛梨も同じ。そのつど素朴な質問をして主が答えてくれる。彼らの視点は視聴者の疑問でもあるからこういうセリフにもムダはない。年数と膨大なお金をかけた全シナリオは真海にしかわからない。おそらく海図のようなスケールの大きさと緻密さを持った筋書きに違いない。海図が読めて星座の話が好きな暖にはその素養があった。そこに技術と知識と哲学を与えてくれたのがファリアだから。
で、土屋に安堂のことを聞かれて答えている時の真海の言葉にゾゾゾ。「彼は私にとってはなくてはならない存在なんだよ。私のために生まれてきた人間だ」と言われているのがあの赤ん坊。いっぽう、駒になっているとも知らずに「ハンパない金ヅルを見つけた」と喋っている安堂がカナシイ。
神楽清が遅れてこようが、出資を断ろうが、真海にはどっちでもいいんだよね。今回の最大の目的は、親子である留美と安堂を引き合わせ、それに立ち会い、二人が和める場を作ること。あとは勝手に駒が動いてくれる、と。
ここでひとこと大きな声で言いたい。神楽清、ヤナ夫!! 心底腹立たしい。真海からだけじゃなく、女の敵として留美さんに復讐のチャンスを作ってあげたい。いやー、新井さん、よくぞここまで嫌悪感を起こさせてくれました。いつもうまいけど今回ほんまに嫌なヤツに徹してるなあ。(リアタイのTwitterコメントがホンネの副音声っぽくて好きです。)
南条に頼みごと聞き入れてもらえず、ライバル会社が有利になったことで、神楽が南条を陥れようと企む。それもこれも全部、真海が仕向けたこと。そうと気づかず、神楽と南条が昔馴染みであることまでベラベラ喋ってしまう神楽。もうちょっとで通報したことも言いそうな勢いだった。香港で何が見つかるのか?
入間の娘の未蘭と守尾信一朗が出会うとこだけは真海のシナリオにはない。トゲトゲしい会話ばかりの中でここだけ清々しい会話、可愛いシーンだった。ダボハゼと聞けば和まずにはいられないやん。奇跡のパーカー・・・暖と信一朗の関係だけは本当。そうだ、二人の会話では口角も上がるディーンさんだった。
未蘭ちゃんが帰宅しておじいちゃんの遺言。ホーキンス博士ばりの目入力の遺言にびっくり!(遺言は原作にもある。)
最後のDNA鑑定結果の会話。二人を引き合わすだけでなく、鑑定に有効なものを着々と取得していたことに驚いた。(原作の出生証明書は違う目的で登場する。)
儲けたいんじゃない!楽しみたいんだ。と言いながら、暴落が狙いだった。だけど真海はそう楽しそうに見えないし。怖いというより、どうしても寂しく哀しい。ただ、画面には映っていなくても闇夜に潜んでいる感がずっとあって、見えないからこその不気味な存在感はずっとあった。
そして、来週の予告編。すみれちゃんとの会話がものすごーく気になってるんですけど。
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第4話あらすじ(公式サイトより引用させていただきます)
モンテ・クリスト・真海(ディーン・フジオカ)は、復讐のターゲットとなる者たちとの面通しを済ませる。これは、ターゲットたちの大切なものを全て壊すことが目的である真海の序章に過ぎない。
とある土地開発プロジェクトの地鎮祭に、神楽清(新井浩文)が留美(稲森いずみ)とともに出席。政治家の木島義国(嶋田久作)とつながりを持つ神楽は次の国有地の取引を有利に運ぼうとしている。木島は神楽に国有地取引に他の建設業者も動いていると神楽に釘を刺した。神楽は留美を残して先に会場を出る。
そこに真海が現れた。入間公平(高橋克典)から真海には近づくなと言われていた留美は驚く。真海は神楽にテナントの相談に来たと言う。そして、店を出すのは自らのアパレルブランドを立ち上げようとしている安堂完治(葉山奨之)だと、連れてきた青年を留美に紹介。そして、安堂の相談を聞いて欲しいと真海は留美を別荘でのランチに誘った。帰り道、素直で明るい安堂を気に入った様子の留美は、神楽に頼んでテナントなどの件は力になりたいと告げる。
一方、入間は娘の未蘭(岸井ゆきの)の結婚式の日取りを決めた。戸惑う未蘭は貞吉(伊武雅刀)に相談したいと言う。入間は未蘭、妻の瑛理奈(山口紗弥加)と貞吉の部屋へ。貞吉は会話もままならず、介護が必要な状態になっていた。まだ結婚には早いと言って欲しいと頼む未蘭に貞吉は…。言葉を話せない貞吉をバカにするかのように、入間は結婚準備を進め始める。
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●モンテ・クリスト伯-華麗なる復讐-感想(1)第一話。
●モンテ・クリスト伯-華麗なる復讐-感想(番外編)第一話。
●モンテ・クリスト伯-華麗なる復讐-感想(2)第一話。
●モンテ・クリスト伯-華麗なる復讐-感想(3)第二話。
●モンテ・クリスト伯と「西の魔女が死んだ」。
●モンテ・クリスト伯-華麗なる復讐-感想(4)第二話。
●モンテ・クリスト伯-華麗なる復讐-感想(5)第三話。
●モンテ・クリスト伯-華麗なる復讐-感想(6)第三話。
●「モンテ・クリスト伯」原作・TVドラマ比較<人物>
●モンテ・クリスト伯-華麗なる復讐-感想(7)第四話。
●モンテ・クリスト伯-華麗なる復讐-感想(8)暖とすみれと音楽と。
●モンテ・クリスト伯-華麗なる復讐-感想(9)第五話。
●モンテ・クリスト伯-華麗なる復讐-感想(10)第五話。
●モンテ・クリスト伯-華麗なる復讐-感想(11)第六話。
●モンテ・クリスト伯-華麗なる復讐-感想番外編(12)第七話。
●モンテ・クリスト伯-華麗なる復讐-感想(13)第七話。
●モンテ・クリスト伯-華麗なる復讐-感想(14)第八話。
●モンテ・クリスト伯-華麗なる復讐-感想(15)第八話。
●モンテ・クリスト伯-華麗なる復讐-感想(16)第八話。
●モンテ・クリスト伯-華麗なる復讐-感想(17)最終回。
●モンテ・クリスト伯-華麗なる復讐-感想(18)最終回。
●モンテ・クリスト伯-華麗なる復讐-感想(19)最終回。
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