星月夜に逢えたら

[hoshizukiyo ni aetara] 古都散策や仏像、文楽、DEAN FUJIOKAさんのことなどを・・・。 

「炎立つ」兵庫公演

2014-09-17 | 観劇メモ(演劇・ダンス系)
公演名  炎立つ
劇場   兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール
観劇日  2014年9月15日(月祝)12:00~14:30
座席   Q列

2年前に読んだ『火怨 北の燿星アテルイ』が面白かったので、
高橋克彦さんの原作になる舞台『炎立つ』にも俄然、興味があった。
どんな世界を見せてくれるのか、と。
(原作のほうは長編すぎて読了できず。涙。)



<ストーリー>
平安時代末期、奥州藤原氏の祖・清衡によって築かれた、
黄金の楽土「平泉」。

その万物平等の理想郷は、軍事力でも支配力でもない、
運命を引き受けた人間の凄まじい意志の力によって実現した。

傷つき乱れた大地に渦巻く、
地をめぐる争い、中央権力の野望、古代神が与える呪縛。
理不尽に降りかかる禍いに、怒り、慟哭し、絶望しながらも、
国づくりへ踏み出してゆく藤原清衡。
やがてたどり着く信念は、支配からの独立を勝ちとり、
戦さの連鎖を断ち切ることにあった。
やがて理想国家を成り立たせたものは、 神か、富か、それとも――

(公式サイトより引用)


<物語と演出、感想など>
舞台の内容は、藤原清衡が奥州藤原氏の礎を築くまで。とりわけ異父弟
にあたる家衡との対立から起きる戦いにスポットが当てられていた。
(役名はキヨヒラ、イエヒラ)

舞台下手に生演奏つきだったので、常時ライブ感があった。
数名のコロスがいて、新妻聖子さんの素晴しいソロがあり、主要キャスト
など全体としては衣装に趣向を凝らした朗読劇みたいな演出だった。
朗読劇は嫌いではない、むしろ好きなのだけれど、今回は私がイメージ
していたような東北古代の世界が広がっていかず、ひたすら自分の想像力
不足が残念。

カーテンコールの挨拶では、いろんなメッセージがこめられている、との
ことだったが、ラストの“大地に生えた2本の緑の芽”が象徴的。やはり、
東北の歴史への理解を促すことと復興への願いが強く出た作品だと感じた。
「日ノ本みちのく誰のもの」という歌のフレーズが何度も何度も繰り返さ
れたので、劇場を出てからも耳に残っていた。昔、配下に置こうとしたのは
大和朝廷、現在は・・・と考えると、かなり痛烈!

この舞台を観ながら、2007年の舞台『何日君再来』で日向英一郎が言って
いた「国があるから人が集まったんじゃない。人が集まって、国になって
いったと思うんだよ」という台詞を思い出していた。

キヨヒラ役の愛之助さん、「平泉」の名前にこめた思いを言う場面がいい。
イエヒラ役の三宅健さん、邪悪メイクが凄いインパクト!
アラハバキの神を演じる平幹二朗さん。立っているだけで畏怖の念を抱か
せる存在であることが後方席からでもわかった。オペラグラスで見るとさら
に異様さが際立つ。一方でアラハバキは大きくてあったかい存在であること
も感じられた。特に最後の台詞にはゾクッとするものがあった。
兄弟の母役の三田和代さん、二人の間に立ち、追い込まれてゆく様子を好演。

この感想を書くために公式サイトを見たら「平成26年度 文化庁劇場・
音楽堂等活性化事業」とあった。まさに! この趣旨通りの舞台だと思う。
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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
あー観てました!(^^)! (puspitasari)
2014-09-17 21:22:03
日曜日行ってました。
D列で観てました^^;
お会いできなくて残念(涙)

やっぱり最大のインパクトはアラハバキでした!(^^)!
そして新妻さんの歌。

肝心の愛之助さんは・・・。
苦悩する姿、耐える姿がよかったです。
(デモカブキガミタイデス)


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puspitasariさま♪ (ムンパリ)
2014-09-18 01:59:54
なんと千秋楽とは知らずに行ったもので・・・(汗)
もっとキョロキョロすればよかったです。
こちらはかなり後ろの席だったし・・・。

イエヒラは攻撃的、キヨヒラはつねに受け止める側で、
閉塞感が伝わってきて見る方も苦しかったです。
(終わってから思わず「舞妓はレディ」にハシゴしてしまいました。)
今年はほんとに数えるほどしかかぶかない年、ですねぇ~。
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